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2023.09.062023.09.06

【中古マンション】こんな築古物件は高く売れずに後悔します。

はじめに

「中古マンションは築何年までだと高く売れるの?」というのは気になりますよね…不動産ポリスの朝倉です。実は、「ここを過ぎると中古マンションの価値が大きく下がってくる」という目安の年数があるんです。価値が下落するこの目安を知らないまま中古マンションを保有し続けてしまうと、売却時に想定していたよりも価格が下がってしまい後悔!という事も起こってしまうかもしれません。中古マンションの価値がどの程度の築年数までだと保たれるのかについて、今、中古マンションの購入を検討している方、そしてこれから売却を検討している方、購入でも売却でもどちらの方でも抑えておくべきポイントを、中古マンション取引を2,500件以上行ってきた私不動産ポリスが詳しく説明して参ります。

そこで今回は、「どのくらいの年数の築古マンションが高く売れやすいのか」について以下の4つのポイントについてお話ししていきます。

①築年数が古いマンションは実際に売れているのか
②マンションの耐用年数
③高く売れる築古マンションの特徴
④築古マンションを高く売るためにやるべきことと、やってはいけないこと

以上の4つです。それでは、順番に解説していきます。

 

中古マンション売却について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にして下さい。
◆【中古マンション】売却の知識があると割安で買えます。

本編

築年数が古いマンションは実際に売れているのか

まず始めに、最近の中古マンション取引市場について簡単にまとめてみたいと思います。今はコロナ禍も収まりつつあることから、コロナ中はマンション売却となると家の中をお客様が見に来るのが不安という方が多くて売却を控えていましたが、今ではそろそろ売ろうかなという方が増えています。また、そもそも不動産価格も高くなっているので今が売り時かな?と、中古マンションの売り出し数が増えています。結果、マンションの在庫数が増え、多くの築が古いマンションも売りに出されており、実際に取引・売買されている状況です。築古マンションの成約件数も年々増加しており、公益社団法人東日本不動産流通機構の最新データによると、中古マンションの成約件数構成比で、年々築26年以降の築古物件を購入する方の割合が増えていることが分かります。(図1)

これには、次のような理由が要因として考えられます。

①築古マンションにも住宅ローン控除が利用できるようになったこと
②物件の在庫数が増えていて選択肢が多くなったこと
③新築マンションの供給戸数が減少していること
④新築マンション建築費高騰し新築マンションが高い事こと
⑤住宅ローンの低金利が続いていること

このような理由より、中古マンション購入検討者は、築年数が古いですが、その分、比較的購入しやすい築古マンションに少しづつシフトしてきています。これらの、築古マンションが購入しやすくなっている要因については、こちらの過去動画でさらに詳しく解説していますので、是非参考にして下さい。これらのことから、築古マンションの取引件数が増えているのが実情です。しかし、マンションの条件や売却の仕方によって、高く売れるかどうかは変わってきます。そこで、築古マンションを売却したい人も、今後築古マンションのリセールを視野に入れながら購入したい人も、築何年くらいまでが売れやすいのか、また、築古でも高く売れる物件の特徴を押さえておくことが大切です。

築年数が古いマンションは実際に売れているのか

図1

マンションの耐用年数

次に、築何年くらいまでの物件が、比較的売れやすいのかについて解説していきます。マンションの資産価値をはかるうえで一般的によく基準として言われているのが、マンションの法定耐用年数で価値を測る方法です。マンションの法定耐用年数は47年です。法定耐用年数というのは、税金を計算するときに用いられ、この年数が経過してしまうと建物の価値がほぼなくなるとされる年数の事なります。この年数は、建物の建築構造によって変わるのですが、マンションでよく使われている鉄筋コンクリート造の場合は、47年で税法上のマンション価値がゼロになると基本的には言われています。しかし、実際には、この法定耐用年数の47年を超えて税法上の価値がほぼゼロになったとしても、実際の建物マンションがなくなる訳ではないですし、まだまだ住める状態のことも多いので、築47年経ったからといって、そのラインを超えると資産価値がゼロになったり、ガクッと大きく資産価値が下がったりするというわけではないんですよね。
よくお客様から、税理士さんに検討しているマンションについて相談したら、法定耐用年数が過ぎている古いマンションなので価値がほぼゼロだからこの物件を購入するのはやめた方がいいって言われたんですけど、、、と聞かれる事があるんですが、不動産の事を全く分かってないなと思います。税法上の価値と市場価値は全く別物になりますのでね。むしろ税法上の価値が無い物件の方が固定資産税が安いですからランニングコストを考えるとお得だったりします。

そのため、私不動産ポリスとしては、築古物件の価値を判断する時の指標として法定耐用年数よりも新耐震基準かどうかが、マンションの資産価値を考える上でのラインになってくると考えています。耐震基準としてはポリスの動画でも何度かお伝えさせて頂いておりますが、1981年6月を境に建築基準法が変わり、その前と後では耐震基準が全く違うという事になるんですね。当然住む上での安心安全を考えても1982年以降に建てられた新耐震基準のマンションを選びたいとみなさん考えると思いますが、それ以外にも新耐震を選んだ方が良い理由はあるんですね。

それは住宅ローン控除が2022年に税制改正され、対象となる中古マンションの範囲が変わりました。改正前は築25年以内の中古マンションでなければ、住宅ローン控除を利用することができなかったのですが、改正後は1982年以降に建築されたマンションであれば、住宅ローン控除を利用できるようになったんですね。つまり、新耐震基準の物件であれば、住宅ローン控除が受けられるようになったということです。住宅ローン控除を受けられる物件の築年数が広がったんですね。
一方で、旧耐震基準の物件は、住宅ローンが借りにくくなってきたり、そもそも購入したいという人が耐震の不安から少なかったりするというのが現状です。実際に現場でも、旧耐震物件へのお問い合わせは減ってきていますし、ローン審査も年々厳しくなっているなと感じています。

つまり、新耐震基準の物件は住宅ローン控除の影響もあり、多少築古であっても需要がまだありますが、旧耐震基準の物件の場合は、正直、購入も売却も将来厳しい状況になっていくのかなと思います。そのため、マンションの資産価値を考える上では、新耐震基準かどうかというのが、一つの目安になります。つまり、2023年現在では、築42年以内というのが目安になるということですね。ただ、築42年以降のマンションを持っている方でもこんな工夫ができる、また、築42年以内のマンションを検討している方や持っている方はここは絶対におさえておいたほうが良いというポイントがあります。以降はそれらのポイントについて解説いたします。

マンションの耐用年数

図2

高く売れる築古マンションの特徴

ここまで、マンションの資産価値の目安について解説してきましたが、「これから売りたい物件は古い物件だけどちゃんと売れるかな…」ですとか「築古物件の購入を検討しているけど将来いくらで売却できるかな…」と、心配になる方多いのかなと思います。しかし、これから解説する3つの特徴を抑えられている物件であれば、売却時に高く売れる可能性が高くなりますので、確認してみて下さい。また「この特徴にも当てはまらないですよ、ポリス!」という方や、旧耐震物件を持っている場合でも出来ることを最後に解説しますので、最後までご視聴頂ければと思います。 高く売れる築古マンションの特徴は、

①立地が良い
②人気エリアにある
③管理状態が良い

以上の3つになります。それでは、順番に解説していきます。

①立地が良い

まず、一つ目の「立地が良い」物件についてです。国土交通省の令和4年度住宅市場動向調査によると、中古住宅を購入した66.2%もの人が立地の良さを決め手にして購入しています。(図2)中古住宅を購入する2人に1人以上が、物件そのものの間取りとかデザインではなく、立地で購入を決めているというのは、いかに立地が大切かがわかります。つまり、立地が良ければ築古マンションだとしても、買い手の需要は高く値段が下がりにくいということです。それでは、どのような立地にあるマンションが、立地の良いマンションなのでしょうか?
主には、「駅から近い」「生活利便性が高い」ことが挙げられます。駅から近いといっても地域によって感覚は違いますが、都市部であれば駅から徒歩10分圏内のマンションです。また、駅の規模に関しても、ターミナル駅や乗り換え駅、運行本数が多い駅を指します。また、生活利便性が高いというのは、スーパーマーケット、ドラッグストア、病院、役所などの生活に便利な施設が多くある立地のことを指します。特に、夜遅くまで営業している店舗が多いほど生活が便利になるため、築古マンションを購入するときには近隣施設の営業時間まで調べておくことをおすすめします。

②人気エリアにある

次に、二つ目の「人気エリアにある」ことについて解説していきます。「都心部へのアクセスが良い」「緑が多い」「将来性のある大規模開発がある」などのエリアは、人気エリアになりやすい傾向があります。人気エリアは買い手からの需要が多く、資産価値が下落しにくくなります。

③管理状態が良い

次に、三つ目の「管理状態が良い」マンションについて解説します。マンションは「管理を買え」といわれるほど、管理が大切です。築年数が経過してくるとマンションの状態が悪くなり、ひび割れや配管の補修、設備の取り換えなどが発生します。しかし、マンション管理がよく、大規模修繕工事を計画どおり行えていれば傷んだ場所を適時直していくことができます。手入れされたマンションは寿命が延び、長年住めるため資産価値が残るというわけです。また、手入れされたマンションは築年数が古くても、雰囲気がよくなります。古さを感じさせつつ、手入れされているマンションはヴィンテージマンションとして、資産価値が下がるどころか上昇するケースすらありますので、管理状態が良いどうかは必ず確認するようにしてください。

築古マンションを高く売るためにやるべきことと、やってはいけないこと

ここまで、将来高く売れやすい築古物件の特徴を解説してきました。最後に築古マンションを高く売るためにやるべきことと、やってはいけないことについてお話ししていきます。「旧耐震物件だし、3つの特徴にもあまり当てはまっていない!」という方、これから解説する2点だけは必ず抑えてください。それは、

①インスペクションを受けている物件を選ぶ
②リフォームは慎重に行う

以上の2点です。この築古マンションを高く売るためにやるべきこと、やってはいけないことを理解しておけば、高く売却出来る可能性は高くなります。それでは、順番に解説していきます。

①インスペクションを受けている物件を選ぶ

まず、築古マンションを高く売る方法の一つ目は、インスペクションを受けている物件を選ぶことです。インスペクションとは、建物の状態を建築士などが建物内を調査する事です。マンションの場合は、耐震についての調査・インスペクションを行っていると、旧耐震のマンションであっても耐震基準適合証明書といって、築年数的には旧耐震ですが、実際の耐震性能は新耐震のレベルを満たしてますよ。という証明書が出ます。このインスペクションですが一戸建ての場合も耐震とか雨漏りとか、買われる方が不安であれば有料になりますが、インスペクションを受けて検査してから買うという事例が少しづつ増えてきました。しかし、マンションの場合はその買う部屋だけを調べても意味がないので、マンション全体で建物診断をしなければなりませんので、当然買いたい人が気になるからインスペクションしてよ。といっても、管理組合の総会の決議が無いと調査は出来ないですし、仮にできたとしてもマンション全体の調査になるので費用が莫大になってしまいます。

したがって、築古マンションを買って将来高く売りたい場合は、すでにインスペクションを受けていて耐震に関する証明書が出ている物件を選べば、旧耐震の物件であっても安心して住む事が出来ますし、購入する際の税制の優遇なども受けられ、住宅ローンもとおりやすくなります。また、再販売する時もその耐震基準適合証明書は使えますので、リセールバリューの高い旧耐震物件となります。そのため、管理組合や信頼できる不動産会社の担当の方に確認してもらうようにしましょう。築古物件をもっている場合には、管理組合からインスペクションを受けた証明書を貰うと、高く売れる可能性が高くなりますので、確認してみると良いと思います。

②リフォームは慎重に行う

次に、築古マンションを高く売る方法の二つ目は、リフォームは慎重に行うということです。築年数が古くて室内があまりキレイではないから、リフォームしないと売れないでしょ?とよく聞かれますが、実はそんな事は無いんですね。必ずしも販売する時にリフォームをする必要はありません。それは、リフォームにかかったコストを上回る価格で売却が出来れば良いのですが、実際そうならない事が多いからです。売主がいわば勝手にリフォームをしても買い手の好みや、使い勝手の感じ方にあわない事が多いからなんですね。そのため、せっかくリフォームをしても工事費用分の価値を買主は感じてくれないことも多くありますし、リフォームした所を気に入らないので、買主が買ってからまたリフォームする。なんて事もしょっちゅう起こっています。

また、買主の中には自分好みのリフォームをしたいとのでリフォームされていない物件を探している方もいらっしゃいます。リフォームをしてしまうと、そのような買主の物件候補から外れてしまうことにもなりかねません。リフォーム施工はメリット・デメリットが大きいため、実施するかどうかは信頼できる不動産会社に相談してから実施しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本日は、「【中古マンション】築古でも将来高く売れる物件の特徴」というテーマで解説してきました。新耐震基準の物件であれば、住宅ローン控除が受けられるようになったことから、築古マンションの資産価値を考える上、その物件が新耐震基準かどうかというのが非常に重要になってきています。また、資産価値が無くなるか残るかは、買い手の需要が高い立地にマンションがあるかどうかや管理状態などで決まってきます。また、旧耐震物件で資産価値が余り残っていなかったとしても、売却時にはインスペクションを受けている物件を選ぶなどできる限りマンションを高く売れるよう工夫することが大切です。現在売却を検討している方はもちろん、購入を考えている方も、築古物件を検討される際は、今後売却することも踏まえて今回のポイントを参考にして検討してください。

 

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まとめ

Point. 1

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。

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