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2023.12.202023.12.20

【中古マンション】この兆候が出たら危険!価格が暴落する唯一のシナリオ

はじめに

「不動産価格が下落する時の兆候」知ってますか?不動産ポリスの朝倉です。ここ最近の不動産価格は、新築マンションを筆頭にとにかく高騰していて「価格が高くて、欲しい物件に手が届かない」「フルで住宅ローンが借りられない」と思っていませんか?今の日本経済や不動産市場を考えると、これからも不動産価格は上昇していくのでは?と考えられてはいますが、実は、その中でも価格が下落に転じる唯一のシナリオ。それが実はあるんですね。そこで今回は、「【中古マンション】この兆候が出たら危険!価格が暴落する唯一のシナリオ」というテーマで、価格動向をチェックする時に押さえておくべき“ある兆候”を、次の4つのテーマに分けて解説していきます。

①マンション価格の歴史と価格の決まり方
②今、価格が上昇している理由
③マンション価格が下落するシナリオ
④ポリスが考える今後の見立て

動画の後半では、現在の価格動向を踏まえた上で、ポリスがオススメする購入タイミングを解説していきますので、最後までお見逃しなく。

本編

①マンション価格の歴史と価格の決まり方

みなさんご存知の通り、現在日本のマンション価格は右肩上がりで上昇しており、実際に、国土交通省が公表している「不動産価格指数(住宅)(令和5年6月)」によると、2010年を100とした2023年時点の上昇率は、マンション価格がおよそ1.9倍以上になっております。

中古マンション不動産価格指数

しかし、過去30年のマンション価格の歴史を見てみると、上昇傾向にあるときと、下落傾向にあるときがあります。不動産流通機構(2002年P.2、2012年P.6、2022年P.6)のデータによると、「首都圏の中古マンション価格の30年の推移」は2002年に最も低い価格となっており、その後、徐々に上昇を重ねて現在の価格水準になっています。

首都圏中古マンション価格30年推移

 

このようにマンション価格が上下する理由は様々あって、「マンションの材料費の高騰」「海外投資家の影響」「相続税対策」などの要因もよく言われますが、マンション価格を左右する最も大きな要因として考えられるのが、「不動産業界に流れるお金の量」です。要するに、「金融機関」から「不動産業者」へお金の貸出を多くすることによって、マンションを建設するための土地を競売などで競り落とすときに、ディベロッパー同士が競合して、どんどん価格が上昇していきます。そのため、ここでの競売で競り落とされた土地の価格が上昇するので、それに伴って新築マンションの価格も上昇していき、マンション価格全体も上がっていくという仕組みですね。つまり、「不動産業界に流れるお金の量」がマンション価格を左右する大きな要因となります。では、現在「不動産業界に流れるお金の量」はどのようになっているのかというと、日本銀行が公表している「貸出態度判断」から確認することができます。こちらのグラフの見方としては、縦軸の指数が0のラインを超えていると、金融機関が不動産業界にお金を多く貸している、つまり、「金融緩和」が行われていることを表しています。

不動産の金融機関の貸出態度判断DI

つまり、このグラフからわかる2013年以降はずっと金融緩和の状態であることになり、不動産価格は上昇しやすい状態になっているということですね。しかし、マンション価格は景気に敏感であるため、先程お見せした過去30年のマンション価格推移のグラフのように、価格が下落するときは、一気に下落していきます。

例えば、1991年〜1993年ごろに起きた「バブル崩壊」。これは、当時の大蔵省、現在でいう財務省・金融庁が金融機関への不動産融資の規制をはかりました。総量規制ですね。これによって、多くの不動産業者が現金不足によって倒産に追い込まれ、それと同時に不動産価格も大暴落を起こしました。 また、1996年から2001年にはバブル崩壊後の金融市場の停滞を改善するため、「金融ビッグバン」が起こりました。金融ビックバンでは、多くの地方銀行などの金融機関を公的資金を使って合併させたんですね。それによって不動産業界へまわしているお金がなくなってしまい、多くの不動産業界が倒産に追い込まれ、同時に不動産価格も大暴落しました。そして、三度目に起こった大暴落が2008年ごろにおこった「リーマンショック」です。リーマンショックは「世界的金融危機」によって、日本も景気後退の影響を受け、不動産業界も冷え込み、不動産価格が下落しました。こういった歴史を見ても、政府が行う「金融政策」と「不動産価格」は相関関係があります。現在はマンションの価格が上昇傾向にありますが、このような「金融政策」の変更によって、今後下落に転じる可能性はゼロではないということが考えられます。

②今 価格が上昇している理由

ここまでの解説で、マンション価格の歴史とマンション価格の決まり方について解説してきました。では実際に、現在のマンション価格が上昇している理由は何なのか、気になる方が多いと思います。そこで、ここからは、その理由について解説していきます。 理由として、次の4つが考えられます。

・低金利が続いている
・建築資材や人件費が上昇
・円安による海外投資家の影響
・テレワークで住み替え需要の増加

それでは、順番に解説していきましょう。

低金利が続いている

まず一つ目は、「低金利が続いている」ことです。近年では、2013年から実施されている「アベノミクス」による異次元の金融緩和の影響によって、低金利で住宅ローンが組みやすくなったり、金融機関から不動産業界へと多くのお金が融資されたりしたことで、マンション価格も上昇傾向が続いています。 景気後退が気になる現在の日本では、今後も金融緩和を続けていくのか、気になるかと思います。 日本の金利を大きく左右する日銀の総裁である「植田総裁」は今後も金融緩和を続けていく姿勢を示してきていました。 しかし、世界情勢によっては、ある程度柔軟な対応も考えておかなければならないため、「様々な状況に応じて柔軟な対応をしていく」ということも表明していますので、今後の世界情勢や日本の景気動向によっては金利が上昇することも考えられます。

建築資材や人件費が上昇

二つ目は、「建築資材や人件費の上昇」です。現在多くの方が感じているであろう、インフレの影響によって、建築資材や人件費が上昇し、マンション価格にも影響がでています。 ウクライナとロシアの戦争によりエネルギーコストが上昇する中、海外の物価上昇による円安の影響もあり、今後も物価上昇は継続していくことが予想されます。また、建築業就業者数は減少傾向にあり、今後も人手不足が続くと予想されているため、賃上げが推進され人件費の水準も上昇していくと考えられています。 そのため、今後も材料費・人件費の高騰によってマンション価格は上昇していくと考えられます。

円安による海外投資家の影響

三つ目は、「円安による海外投資家の影響」です。「円安」による影響で、海外投資家がお得に日本の不動産を購入できることになっています。 「円安」という状態は、ドルに対して日本円が安くなっている状態で、今までであれば1ドル120円程度でしたが、現在は1ドル150円を超えてきている状態になっています。 これにより、多少価格が高くても、海外投資家からしたら、お得に日本の不動産が手に入るということで、首都圏の再開発エリアの物件を中心に不動産を購入しており、それに応じてマンション価格も上昇してきています。

テレワークで住み替え需要の増加

最後の理由としてあげられるのが、「テレワークで住み替え需要の増加」です。 コロナ禍の影響によって、多くの方々がテレワークを経験したかと思います。 しかし、そのコロナ禍の影響も収束してきており、現在は普通に出社しているという方も多くいます。 そういったこともあり、一時は郊外の物件の需要が高まりましたが、現在は、段々と都心のマンションの需要が戻りつつあるため、都心マンションの価格が上昇に繋がっていると考えられます。

③マンション価格が下落するシナリオ

マンションの価格上昇している理由をご理解頂いたところで、今の日本経済の状況から「不動産価格が下落することはあるのか」は気になりますよね。そこでここからは「マンション価格が下落する唯一のシナリオ」について、解説していきます。 このマンション価格が下落する要因として考えられるのが、「消費者からの不満の声」です。 ここ何年かで一気にSNSが普及しましたよね。この誰でも気軽に思ったことを発信できるSNSを使って、「マンション価格が高すぎる」「日本で買えるマンションがない」「住宅ローンが組めない」などの国民の不満の声が爆発するということが起こりうるかもしれません。

こういった国民の不満がインターネット・SNSで拡散することで、政府も「国会」での議事に取り上げ、政府や日銀の金融政策に影響を与えることも考えられます。 現在は「分譲価格」も「賃貸相場」も上昇傾向にあり、日本の給与水準も全然上がらないことから、国民の不満がいつかどこかで爆発する可能性も十分にあるわけです。 政府というか日銀の植田総裁は相変わらず「粘り強く金融緩和を続けていく」と言っていますが、このまま不動産価格の高い状態が続き、給与もあがらない、ということになると、世論の声から政府は「金融緩和」から「金融規制」に方向転換し、住宅ローンの金利の上昇などにより、不動産価格が下落に転じてマンション価格も暴落する方向に向かっていくかもしれません。

④ポリスが考える今後の見立て

では、最後に、ポリス自身が考える今後のマンション価格の見立てについてもお伝えしておきます。 現在の日本経済、不動産市場を考えると、マンション価格は、特に都心に関しては引き続き上昇していくことが考えられます。 その中でも、どこかのタイミングで一般市民からの不満が爆発し、政府が何かしらの手を打つ可能性は考えられ、それが価格下落に転じる唯一のシナリオであると私は思います。しかし、このようなことが起こる可能性は、現状、極めて低いと考えられます。そのため、不動産価格や資産価値を考える際には、このシナリオを頭の片隅においておき、一般市民や政府の動きを早い段階でキャッチアップ出来るようにしておいて下さい。

また、現在マンション購入を検討している方で、「価格上昇が落ち着いてから購入しよう」と考えている方は、少し危険かなと思います。あなたが迷っている間に、良い物件は他の人が購入してしまったり、その検討している期間分、資産にならない賃料を払い続けてしまったりすることになりかねません。 さらに、住宅ローンの固定金利は徐々に上昇してきていますが、変動金利は未だに史上最低金利を維持している状態です。現場の肌感だと、半年前よりも下がっていると感じています。現在も、不動産価格は上昇していますが、マイホームという資産を得ることや住宅ローンの総支払額を抑えることを踏まえると、いつか買いたいと思っているのであれば、なるべく早く購入した方が良いかなと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、「【中古マンション】この兆候が出たら危険!価格が暴落する唯一のシナリオ」というテーマで解説してきました。現在はマンション価格が上昇していますが、一般市民からの政府、社会情勢への不安の声が下落に転じるきっかけになるかもしれません。しかし、直近で直ぐに不動産価格が下落の方向に進んでいく可能性は極めて低いと考えられるので、ポリスとしては、購入を検討している方は、良い物件を逃さないことや住宅ローンの観点から、なるべく早めに購入した方が良いかなと思います。 

 

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