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2023.06.072023.06.07

【徹底比較】リノベーションマンションと中古マンションの違い

はじめに

みなさん、「リノベーション」という言葉を、最近よく聞きませんか?実際に、「買取再販住宅やリノベーションマンションってどのようなマンションなの?」とか、「リノベーションマンションと普通のマンションどちらを購入したほうがいいかわからない」など、リノベーションマンションに関する疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。近年、新築がとにかく高いので、比較的リーズナブルに購入が出来るリノベーションマンションの需要が高まっており、リノベーションマンションの成約件数も増えています。また、それにあわせる形で、買取再販住宅の成約件数も増えています。

しかし、リノベーションとはそもそも何なのか、買取再販住宅とは何かなどがわからない人や、リノベーションマンションと通常の中古マンションの違いがわからない人も多くいるかもしれません。リノベーションマンションと通常の中古マンションには異なった特徴があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。そのため、違いやメリット・デメリットを理解せずに、購入してしまうと購入を後悔してしまうこともあります。リノベーションマンションを購入するときには、通常の中古マンションとの違いを理解してから購入しましょう。そこで今回は、リノベーションマンション・通常の中古マンションについて3つのパートに分けてお話しします。

①買取再販住宅と中古住宅の違い
➁リノベーションマンションのメリット・デメリット・注意点
③通常の中古マンションのメリット・デメリット・注意点

 

中古マンションのリノベーションに関して、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にして下さい。
◆【中古マンション】リノベーションでやってはいけないNG10選

本編

①買取再販住宅と中古住宅の違い

買取再販住宅と中古住宅の違いは、「売主」が誰なのかという点と「一定基準のリフォーム・リノベーションが行われているかどうか」について違いがあります。まず、買取再販住宅というのは、宅地建物取引業者、いわゆる不動産業者が買い取って、特定のリフォーム工事をしたうえで、買い取りから2年以内に再販売する住宅のことを言います。

つまり、不動産会社が売主となり、売主の不動産会社がリフォーム・リノベーションをした住宅を買取再販住宅と言うことになります。一方で、中古中宅とは年数が経過した住宅、もしくは一度でも人が住んだ住宅のことを言います。売主や工事をしたかどうかは関係なく、中古住宅の売主は一般人のときもあれば、不動産会社のときもあります。室内もリフォーム・リノベーションしてあるときもあれば、何も手をつけていないこともあります。中古住宅は広い意味で使われており、その中で売主が不動産業者、かつ、特定のリフォームを施されている物件が、買取再販住宅というので、買取再販住宅は中古住宅の中の1つという事になります。

リノベーションとリフォームとの違い

それでは買取再販住宅によくある、リノベーションとは何か、リフォームとの違いは何かわかりますか?リフォームとリノベーションの違いは結構曖昧ではあるのですが、一般的に言うと、リノベーションというのは、「刷新」という意味で、その名の通り建物の内装などを一度すべて取り除き、新たに設備などを設置する工事のことです。リノベーションの目的は、建物に対して新たな価値を生み出すことであり、建物の価値上昇を目的としています。ただ単に風呂、キッチン、洗面などの設備を新しくしているというだけではなくて、間取りも変えていたり、箱としてのマンションを最大限生かして、より使いやすく機能性もあげているような修繕を行っているのがリノベーションという事になります。

一方、リフォームとは、建物にすでに設置してある設備などを単純に補修したり、新しいものに取り替えたりして建物の保全を行う工事の事を言います。リフォームは価値をより上げる、というよりかは、建築当時からある設備など古くなったものを新しくするなど、建物価値の維持する、もとの価値に戻す事を目的としています。つまり、リノベーションは不動産価値を高める大規模工事、リフォームは不動産価値を維持するだけの補修工事という違いがあります。リノベーションは建物の価値を上げるための工事であるため、リノベーションしてあるマンションにはメリットが多くあります。しかし、デメリットも存在するため、メリット・デメリットともに理解しておかなければなりません。ここからはリノベーションのメリットやデメリットについて解説していきます。

②リノベーション物件のメリット

リノベーションマンションのメリットは次のとおりです。

・新築マンションよりも安い
・完成後の状態が確認できる
・前所有者の使用感がわからない

それでは各項目の詳細内容を見ていきましょう。まず、リノベーションマンションの場合、新築マンションよりも安く購入できます。何よりもこれが大きなメリットですよね。首都圏の新築マンション平均販売価格は昨今では約4,400万円とされており、首都圏の中古マンション平均成約価格は約2,900万円とされています。そのため、1,000万円くらいのリノベーション工事をしたとしても、新築マンションよりもリノベーションマンションのほうが安く購入可能です。

また、リノベーションマンションは内装工事が終わった状態を目視で確認できます。しかし、新築マンションは建築中のことが多く、どのような内装になるか日当たりや眺望はどうなのか、実際の所は確認でき無いケースがほとんどです。人気のない新築マンションであれば完成後に確認できることもありますが、人気のある地域の新築マンションの場合、ほとんどが完成前に売れてしまいます。このような状態だと、完成後の内装もわからないばかりか、実際の眺望や風通しなどが想像と全く異なって大失敗というケースは本当によく聞きます。

また、リノベーション工事は内装から設備まですべて撤去し、再設置するため前の所有者が使っていた痕跡はほとんど残りません。買い手によっては新築のように誰も住んだことがないマンションを欲しいと思う人がいます。リノベーションマンションであれば、中古なのにもかかわらず、人が一度も住んだことのないような状態、使用感の無い気持ちの良い状態で居住できます。

リノベーション物件のデメリット

対して、リノベーションマンションのデメリットは次のとおりです。

・希望の間取りがやや見つかりにくい
・物件の選択肢は狭くなる
・リノベーション工事が適切に行われているか確認できない

それでは各項目の詳細内容を見ていきましょう。リノベーションマンションはすでにリノベーション工事が完了しているため、自分にあった間取りではないこともあります。リノベーションマンションの売主である不動産会社は、再販売することを目的としているため、万人受けのよい間取りにしがちです。しかし、探す人によっては広い面積のワンルームが欲しいと思う人もいるでしょうし、オンライン会議用の小さな小部屋が欲しいという方もいると思います。このように特徴的な物件を探している人にとっては、希望の間取りはやや見つけにくいかもしれません。新築マンションの場合はマンション全体のコンセプトを決めて間取りを作る事も良くありますので、こだわりが実現できるような特徴的な間取りの物件も見つけやすいですが、リノベーション物件の場合はどうしても当たり障りのない間取りになりがちです。エッジが効いた特徴的な間取りを求めている人は、中古マンションを自分で購入し、自分でリノベーションをしたほうがよいと思います。

リノベーションマンションの数は年々増加していますが、それでも販売している数はまだまだ多くありません。販売している数が少ないため、自分がマンションに入居したい時期にリノベーションマンションがあるとは限りません。また、人気エリアだけで探している場合だと、何年もリノベーションマンションが売り出されるのを待たないといけない可能性すらあります。もし人気エリアでリノベーションマンションを探すのであれば、多くの不動産仲介会社に声をかけ、情報を早く多く手に入れるような状況にしておきましょう。

リノベーションマンションはすでに工事が完了しているため、工事の進捗を確認する事が出来ません。築年数が経過したマンションの場合、配管などの建物の目に見えない部分が痛んでいることもありますが、そういった部分はリノベーションの過程で適切な補修をしなければなりません。リノベーション物件は、リノベーションが完成された状態で内覧する事がほとんどですので、見た目はキレイでも内側の劣化部分が本当に適切に補修されているかは分からないんですね。中にはリノベーションマンションの工事の途中の写真を保管していたり、施工報告書などを作成しているリノベ会社もありますので、そういうものがないか不動産会社に問い合わせて工事内容の確認をしておきましょう。

リノベーション物件の注意点

つづいて、リノベーションマンションの注意点は次のとおりです。

・適合リノベーション住宅なのか確認する
・アフターサービスや設備の保証はどうなっているのか確認する
・室内だけでなくマンション全体を確認する

それでは各項目の詳細内容を見ていきましょう。適合リノベーション住宅とは、一般社団法人リノベーション協会が定める内容に従い、工事検査をしつつリノベーション工事を施工した住宅のことです。適合リノベーション住宅では給水管や給湯管、排水管、天井や壁、床の下地など内装内部の検査まで義務づけています。そして、この検査結果は買主に伝えなければならないと決まっているため、工事内容が心配な人は適合リノベーション住宅を購入するとよいでしょう。けれどもそういったリノベ物件はまだまだ少ないのが実情です。

次にアフターについてです。リノベーションマンションによっては、リノベーションした各建材や設備に細かくアフターメンテナンスの保証をつけていることがあります。購入するリノベーションマンションによって保証内容が異なるケースもあるため、購入するリノベーションマンションにはどのような保証がついているのか確認しなければなりません。

また、リノベーションマンションを購入するときにはきれいになった室内に目が奪われがちです。しかし、マンションは管理が大切であるため、マンション全体の管理状況も確認して購入を決断しましょう。たとえば、大規模修繕は計画どおりすすんでいるか、修繕積立金は長期計画どおり貯蓄できているかなどです。

③中古マンションをリノベーションするメリット

次に、中古マンションをリノベーションするメリットについて、解説していきます。メリットは次の通りです。

・物件の選択肢が多い
・自分にあった間取りに変更できる
・資産価値の下落を防げる事

それでは各項目の詳細内容を見ていきましょう。リノベーションマンションの販売数は少ないですが、中古マンションの売り出し数はかなり多くあります。そのため、中古マンションを購入してから自分流にリノベーションすれば、自分の好きな立地でリノベーション工事が行えます。

また、中古マンションを購入してから、リノベーション工事を行えば当然ですが、自分にあった間取りに変更できます。リノベーションマンションは万人受けのよい間取りになっていることが多いですが、自分が購入した中古マンションでは、自分の好きな間取りに変更する工事を行えます。特殊な間取りが欲しい場合には、中古マンションを購入し、自分でリノベーション工事を行うのが一番です。

リノベーションをした中古マンションは、通常のマンションよりも資産価値が下落しにくくなります。中古マンションの資産価値は建物だけでなく、内装も考慮されます。そのため、リノベーション工事を行い内装や設備を新しくすると、資産価値が下落しにくくなります。もし将来マンションを売却しなければならなくなっても、内装工事が一度リノベーションされた物件の方が売れやすいというのが現場の意見です。全くリノベーションをしていない中古マンションより売れやすくなるでしょう。

中古マンションをリノベーションするデメリット

対して、中古マンションを購入してから自分でリノベーションする場合のデメリットは次のとおりです。

・リフォームローンの金利が高い
・間取り変更は完全には自由にできない
・耐震性

それでは各項目の詳細内容を見ていきましょう。リノベーション工事をするときにリフォームローンを借りる必要がある場合、リフォームの金利が高いことには注意しなければなりません。住宅ローンの場合は変動金利0.3%などでローンを借りられますが、無担保型リフォームローンなら金利が2%前後になってしまいます。そのため、リフォームローンを借りるときには、返済額が大きくなることを理解しておく必要があります。マンション本体を購入する時の住宅ローンに合わせてリフォームローンもセットで借りる事ができると、リフォーム部分の金利も安く借りられるので、リフォームを前提とする場合はリフォーム部分の金額もある程度早めに決めて、本体マンションをと合わせてリフォーム部分も住宅ローンを借りられる事を強くお勧めいたします。

先ほどから、リノベ済み物件は間取りが当たり障りのないものになりがちなので、とがったリフォームをされたい方は自分で中古マンションを買って、自由にリノベしましょうという事をお伝えしてきました、しかし、どのようにでもリノベーションできるわけではなく、マンションによっては規約や構造により、間取り変更が自由にできないことがあります。たとえば、鉄筋コンクリートの柱は壊せませんし、配管次第では浴室の広さや位置を変えることができません。そのため、希望するリノベーション工事ができるのか、あらかじめリフォーム会社などに確認しておかなければなりません。

次に耐震性についてです。リフォームをしようと購入する中古マンションが1981年以前に建築された中古マンションの場合、耐震性が低いこともあります。1981年以前に建築された建物を旧耐震基準と呼びます。旧耐震基準では大地震に備えた建築方法でなくても建物建築できてしまったため、大地震が起きたときにマンションが倒壊する恐れもあります。中古マンションを購入し、リノベーション工事をする場合には、旧耐震基準のマンションは避けるか、耐震補強したマンションを購入するようにしましょう。そもそもリノベーション済みマンションであっても耐震性は同じように必ずチェックするポイントだと思います。

中古マンションをリノベーションする注意点

続いて、中古マンションをリノベーションする際の注意点は次のとおりです。

・リノベーションに適したマンションを選ぶ
・買い手を意識したリノベーション工事

それでは各項目の詳細内容を見ていきましょう。まず、自分でリノベーション工事をするときには、リノベーションに適したマンションを選ぶ必要があります。リノベーションに適したマンションとは、室内がリフォームも何もしていない古くて手つかず、だけど安い!というようなマンションや、構造や規約上、間取り変更が自由にできるマンションなどです。

次に、リノベーション工事をするときには自分の好きな間取りにしがちですが、買い手を意識したリノベーションをすることも大切です。リノベーション工事をしたマンションに一生住むというと言うのであればいいのですが、もし将来、売却する可能性があるなら買い手が好む工事なのか考えてみましょう。買い手が少ないリノベーション工事をすると、買い手がなかなかつかなくなり、結果売却価格が下落してしまうこともあります。この辺は住みごごちを追求すると、個人の要望を色濃く出した方が住みやすく快適だと思いますが、再販売や貸し出す事を考えると汎用性の高い間取りの方がつぶしが効きます。なかなか判断が難しいポイントだなあとは思いますが、バランスを考えて、癖が強すぎない程度のリノベーションにとどめる事をお勧めいたします。

まとめ

いかがでしょうか。中古マンションを探すときには、リフォームもリノベーションもしていない中古マンションや、リノベーションマンションなど様々なマンションから自分にあったものを選択しなければなりません。そして、自分にあったものを選択するには、中古マンション・リノベーションのメリット・デメリット・注意点を理解しておく必要があります。それぞれのマンションにそれぞれの特徴があるため、違いを今回のブログで確認いただき、自分にあったマンションを探していってみてください!

 

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Point. 1

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。

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