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2023.04.142023.04.14

【中古マンション】買っていい間取り、ダメな間取り

はじめに

中古マンションの資産価値は間取りによっても左右されるのをご存じでしょうか。いざ、売却する際、間取りのせいで販売しにくい、高値で売りにくいということが起こるのです。つまり中古マンションを購入する際は資産価値のある、売りやすい間取りのマンションを選んだ方が良いということです。今回の動画では買ってはい間取りとダメな間取りについて解説していきます。

本編

買っていい間取りとダメな間取りの代表例

中古マンションを購入する際、将来の「資産価値」気になりますよね?そのマンションの資産価値が間取りによっても左右されるとしたらどうでしょうか?
子供の自立や退職によって生活が変わった時に、今住んでいるマンションでは、「広すぎる」「部屋が足りない」「生活スタイルに合わない」などの理由から売却を検討される方、意外と多いんです。そのため、いざ、売却する際、間取りのせいで販売しにくい、高値で売りにくいということは避けたいですよね。つまり購入する際も資産価値のある、売りやすい間取りのマンションを選んだ方がいいはずです。そこで今回は、「中古マンションの買って良い間取りとダメな間取り」を解説していきたいと思います。

中古マンションを購入する際に、将来の「資産価値」を意識して購入するのであれば、「買って良い間取り」と「慎重に検討すべき間取り」が存在します。この答え、先にお伝えしてしまいますと、「買って良い間取り」の代表例としてあげられるのが、

①センターイン型
②ワイドスパン型

になります。
一方で、購入する際には要注意な間取り「慎重に検討すべき間取り」の代表例として挙げられるのが、

①センターリビング型
②メゾネット型

となります。
それでは、この詳しい内容について解説してまいります。

センターイン型

「買って良い間取り」の代表例としてあげられるのが、センターイン型の中古マンションです。センターイン型の中古マンションというのは、図1のような間取りになってきます。お部屋の真ん中に玄関があるタイプという事ですね。

このセンターイン型の中古マンションのメリットとしてあげられるのが、「居室が広く取れる」「プライバシー性が高い」「両面バルコニーが多い」という点です。そもそもデメリットが少ないため資産価値が高くなります。センターイン型の間取りでは、真ん中に玄関があるので、必然的に廊下面積が小さくなるため、その分居室が広く取れるんですね。また、居室と居室や居室とリビングが、廊下や「トイレ」「バスルーム」で挟んでいるため、プライバシー性が高く、年齢が離れた家族がいても暮らしやすいというのもメリットです。いわゆる「田の字型」のマンションとは異なり、バルコニーが両面に設置されている事がも多いので、開放感のある暮らしができるのもメリットです。センターイン型の間取りは角部屋に多いのも人気がある特徴です。

センターイン型

図1

ワイドスパン型

次に、「買っても良い間取り」としてあげられるのが、ワイドスパン型の間取りになります。ワイドスパン型の間取りというのは、図2のような間取りになります。

このワイドスパン型の間取りのメリットとしてあげられるのが、「居室を広く取れる」「光・風を多く取り込める」「バルコニーを多く取れる」「居住性が高く資産価値が高い」「間取り変更がしやすい」「リノベーションもしやすい」となっています。ワイドスパン型の間取りでは、バルコニー部分が広く取れたり、廊下の面積が小さいことから、居室部分の採光が多く取れたり、風通しが良い居住空間をつくれるため、好まれやすい、つまり資産価値が高くなります。

また、ワイドスパン型が資産価値が高い理由には「間取り変更がしやすい」というポイントもあります。ワイドスパン型は図3のようないわゆる「田の字型」の間取りと比較しても「間取り変更」がしやすく、多くの方々にとって暮らしやすい「自由度の高いマンション」になります。居室が連なっているので、3LDKを2LDKにしたりが容易という事ですね。田の字型の間取りでは、真ん中のズドンと廊下があるので、間取り変更には制約が多くなります。
ワイドスパン型は、売却する際もリフォームを前提でマンション購入を考えている方がターゲットに入りやすくなりますので、比較的早期売却・希望よりも高値での売却が期待できます。 こういった、「間取り変更がしやすいマンション」「リノベーションがしやすいマンション」を選んでおくことで、売却時の受け皿の大きい、だれにでも気に入って頂きやすいマンション、売却しやすいマンションが資産価値の高いマンションと言えますよね。

ワイドスパン型

図2

ワイドスパン型

図3

センターリビング型

では、次に慎重に検討すべき間取り、ちょっと考えた方が良いですよ、という間取りについて解説していきます。

一つ目は、「センターリビング型」についてです。図4のようなセンターリビング型の間取りは、その名の通り、マンションの間取りの真ん中に「LDK」があるようなタイプです。センターリビング型は、築30年〜40年のマンションに多く見られるため、築古のマンションを検討している方は要注意のタイプです。

センターリビング型の要注意ポイントとしてあげられるのが、「住性が低い」「間取りの自由度が低い」というポイントになります。センターリビング型では、家族団欒を過ごせる「LDK」がバルコニーに面していない事が多いですし、中にはリビングなのに窓がないという事もあります。当然、採光や風通しが悪くなってしまいます。そのため、センターリビング型の間取りでは、「リビング」が薄暗くなってしまいがちで、購入を検討する方にとっては、「居住性」が悪そうな印象を与えてしまいます。とにかく将来売却する時には当然中古として販売する事になりますから、購入検討のお客様が実際にお部屋を見に来ます。その時に暗いとなかなか売れづらいですよね。
しかし、新築の時はモデルルームや間取り図を見て購入を判断されるので、このセンターリビングの暗さに気づかない事が以外と多いです。

また、センターリビング型では「リノベーション」を検討する場合にも、「間取りの自由度が低い」こともあり、資産価値が低くなりがちです。このようなセンターリビング型の間取りの中古マンションを購入する方であれば、リノベーションを前提に購入するという方も多いと思います。
しかし、センターリビング型を採用している中古マンションは先ほどもお話したとおり築30〜40年代と古いため、建築の工法として「LDK」と「バルコニー側の洋室」を分けている壁の上に、構造体である「梁」が使われていることが多いです。(写真1)そうするとリノベーションをする際に、換気扇のダクトがこの梁を超えられないので、キッチンの位置を大幅に変更する事が難しくなってきます。また、センターリビング型の間取りでは、配管をキッチン近くにまとめていることも多いため、キッチンを移動させてしまうと、配管からの距離が出てしまいます。そうなると、キッチンから流れる排水は勾配を取って傾斜をつけないと流れずに詰まってしまうので、キッチン周りだけ床を上げなければなりません。段差をつけて高さをつけるか、床全体を2重床にして高さを出さなければなりません。床を上げるという事は天井高が下がるという事なので、部屋に圧迫感が出てしまったり、余計な費用が発生してしまう原因となります。
少し専門的な話になってしまいましたが、こういった「リノベーション」「間取りの自由度」が低い間取りのマンションを選ぶと、売却する際にも購入者が決まりづらく、売却価格も低くなりがちです。

センターリビング型

図4

センターリビング型

写真1

メゾネット型

慎重に検討すべき間取りの二つ目が、「メゾネット型」の間取りです。メゾネット型では、マンションの居室に階段があり2フロアのマンションになっています。

メゾネット型の要注意ポイントとしては、「高齢の方にとっては住みにくい」「家事動線が取りづらい」などがあげられます。本来であれば、マンションと一戸建てを比較した時にマンションの最大のメリットとなるものが、階段がなくフラットであるという事ですが、メゾネット型は居住空間を増やすために2フロアにしていることもあり、住んでみると、家事動線が取りづらいなどのデメリットがあります。また、高齢者になってから階段があると、事故の原因になったり、結局使わない部屋が出てきてしまう可能性もあります。こういったデメリットからも、売却時には苦労する可能性があるんですね。

良い間取りの特徴

「買っても良い間取り」と「慎重に検討すべき間取り」について解説してきましたが、実際に内見や資料をみる際にはどのようなポイントを押さえておけばいいのかと感じる方も多いでしょう。そこで、「良い間取りの特徴・悪い間取りの特徴」についても解説していきます。
「良い間取りの特徴」としてあげられるのが、

①梁・柱が少ない自由度の高いマンション
②天井が高い開放感のあるマンション
③開口部が多く採光・通風が良いマンション

を上げさせて頂きます。

居室空間に構造体である、「梁」「柱」があると、それだけで居住空間にデットスペースをもたらしたり、天井高が小さくなり圧迫感がある空間になってしまいます。また、リノベーションも検討している方にとって、構造体があると、好き勝手に間取りの変更ができない場合もあるので、「梁」「柱」の位置は図面を通してしっかり確認しておくべきです。
現在であれば、「アウトフレーム工法」と呼ばれる、「柱」「梁」を部屋の外側に設置する工法で建てられたマンションも多くでてきています。1990年代に登場した「アウトフレーム工法」は2000年代に多く普及したため、築年数15年〜20年のマンションには多く取り入れられています。アウトフレーム工法であれば、「柱」「梁」が室外に使われているため、デットスペースが生まれにくく、梁による天井の凹凸も少ないです。そのため、天井高も高く見えたり、居住空間を広々と使えるため、床面積が小さくても圧迫感の少ない資産価値の高いマンションになります

良い間取りの特徴

悪い間取りの特徴

一方で、「悪い間取りの特徴」としてあげられるのが、

・無駄なスペース(デットスペース)が多い
・天井高が低い
・採光・通風を取り入れる窓が少ない

などがあげられます。

極端な話で言えば、廊下が多いマンションや、「LDK」よりも洋室の方が大きいマンションは万人受けするマンションとは言い難く、売却には時間がかかってしまう可能性があります。また、「梁」「柱」が居住部分に突き出しているマンションはデットスペースを産みやすくなってしまいます。「梁」による天井の凹凸は、居住空間の開放感に直結しますので、内覧時には天井の開放感にも注意して見ておくと良いでしょう。

 

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まとめ

Point. 1

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。

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