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【中古マンションVS中古戸建て】マイホーム買うならどっち?
はじめに
マイホーム購入でマンションと戸建てどちらにしようか悩まれる方は多いと思います。新築住宅の価格が高騰する中、賢くマイホームを購入したいという方は、中古住宅の購入を検討してもいいですね。そこで今回は、中古マンションか中古戸建かどちらを選ぶべきか、それぞれのメリットデメリットについて比較し、どのように選んでいくべきかについて解説していきます。
本編
【中古マンションVS中古戸建て】マイホーム買うならどっち?
このコロナ禍の影響もあり、住宅への関心が高まりつつありますが、マイホームを選ぶのであれば、マンション・戸建住宅どちらを選ぶべきかと考えている方は多いと思います。ちなみに、新築か中古かという選択肢で悩まれる方も多いと思います。日本では中古の人気が上がってきておりますが、まだ新築マンション・新築戸建を選択する方が多いんですね。実際に国土交通省の既存住宅流通量の推移と国際比較(図1)では、日本では中古を選択される方は全体の「14.7%」程度です。中古物件の検討者が増えているとはいえ、まだまだその程度なんですね。
つまり、住宅購入者の85%以上の方が、新築住宅を購入しているということです。一方、海外では既存住宅の流通シェアは高く、アメリカでは日本と逆で83.1%が中古住宅の取引となっています。欧米の住宅は築年数が経つにつれて、価格が上昇する可能性も高いので、中古住宅市場も活発になっています。日本では建物は新築の時が一番高くて、古くなるにつれて価値が上がるってことはまず無いですよね。特に、新築住宅は一度でも人が住んでしまうと資産価値がガクッと下がってしまい、売却するときには、購入時よりも安くなってしまうことがほとんどです。そのため、安く、賢くマイホームを購入したいという方は、中古住宅の購入も検討するといいかと思います。
まず、マンションか一戸建てかどちらが良いかは、絶対的な答えはありません。人によります。つまり、自分たちの価値観にあった住宅を選択することがとっても大切です。誰かがこう言っていたからと真似をしたり、誰かの知識を鵜呑みにしてマイホーム購入をしてしまうと、せっかく購入したマイホームが自身の生活スタイルと合わないということになりえます。せっかく買っても買い替えを検討しなければなりません。そこで、マイホーム購入では、中古マンション・中古戸建のそれぞれのメリット・デメリットを押さえておき、自分自身のライフスタイル・価値観と照らし合わせて判断してくださいね。
図1
中古マンションのメリット
まず、中古マンションのメリットについて解説していきます。中古マンションは戸建住宅よりも立地・利便性が高く、管理をマンション管理会社に委託しているので、手間がかからないのがメリットです。また、国土交通省によると、戸建住宅の場合、築20年程度で建物の価格はほぼなくなるとされています。(図2)
マンションであれば、構造が木造ではなく鉄筋コンクリート造が多いので、築20年以降も資産価値があり、売却する際にも戸建住宅よりも高く、資産価値が高い可能性があります。そこで、中古マンションのメリットをまとめると、
①利便性が高い
②防犯性が高い
③管理が楽
④価格の幅が広い
という事があげられます。順番に解説していきます。
まず一点目の利便性の高さですが、マンションは建物が高く建てられる商業エリアにある事が多いので、立地は駅近や大通り沿いが多いです。駅から近かったり、交通の便が良かったりと、利便性はマンションの方が圧倒的に高いですね。マンションは駅直結だったり、駅1・2分のものも結構ありますが、駅1分で一戸建てが売りに出る事は、まず無いですよね。駅近の新築のマンションはものすごく高いですが、駅から近いにもかかわらず、価格がお手頃というのは中古マンションの最大のメリットかなと思います。
次に防犯面の高さです。先ほど一戸建てのデメリットでも解説したとおり、マンションは戸建住宅よりも防犯性が高く、空き巣被害・放火の可能性は低いです。こういった、安全性・防犯性の高さに重点を置いている方であれば、中古マンションを選択するのは大きなメリットがあるのかなと思います。
また、戸建住宅とは違って、マンションであれば、管理をプロにお任せできるのがメリットです。マンションであれば、綺麗な共用部・ガーデニングの管理は自分でする必要がありません。ゴミ出しも24時間可能な事が多いです。「マンションは管理を買え」という言葉がありますが、管理がしっかりしているマンションは資産価値が落ちづらく、売却時も高い金額を維持できます。このような、売却時も見越した資産価値の高い物件を選択するのであれば、管理の行き届いている中古マンションはおすすめです。しかし、管理が行き届いているマンションを選ぶのは初心者の方には難しいです。資産価値の高いマンションを探すのであれば、信頼できる不動産会社の方と一緒に探すことが重要になります。特に最近は共働きの方が増えていますので、管理が楽だったり、駅から近かったりするマンションに人気が集まっている事もうなずけるなと思います。
また、中古マンションであれば、中古戸建住宅と比較して、価格に幅が広いのも特徴です。一戸建ては築30年経っても40年経っても、建物の価値はなくなっても土地の値段は残るので、価格が下げ止まるんですね。土地の価値以下には価格が下がらないということです。対して、中古マンションは築年数が古くなればなるほど価格は下がります。実際、築40年50年経っているマンションも売買されていますし、新築や築浅物件に比べるとかなり安い金額で取引されています。どうしてもこの立地で物件を買いたいというエリアが決まっているのであれば、一戸建てよりもマンションの方が築年数を妥協すればお求めやすい金額で手に入るということになります。
図2
中古マンションのデメリット
一方で中古マンションの購入を検討する際は、しっかりデメリットも確認しておきましょう。中古マンションのデメリットは一戸建てのメリットの裏返しになりますが、
①面積が小さい
②プライバシー性が低い
③毎月のランニング費用がかかる
④リフォームの自由度は低い
という事になります。
まず、面積はマンションよりも一戸建ての方が同じ価格帯ですと小さくなってしまいます。プライバシー性についても音の問題がありますので、マンションの方が劣ってしまいます。特に新築マンションよりも中古マンションの方が音に対する配慮がされていない構造の物件が増えますので、デメリットになりやすいかもしれません。二重床や二重天井になっていない事が古い物件は多いです。
毎月のランニングコストがかかる事もデメリットですよね。住宅ローン以外に管理費等で2万円、駐車場代で2万円で合計4万円かかるので思ったよりも生活がきついという方の話はよく耳にします。戸建住宅は5〜10年に一度に大きな修繕費用がかかりますが、懐事情によっては見送るということが出来ます。しかし、マンションであれば、強制的に徴収されるので、逃れようがないということになります。また築年数が古くなるにつれて管理費・修繕積立金などが高額になり、ランニングの費用がかさむので、中古の方が管理費用が掛かる事は大きなデメリットになると思います。
また、中古マンションでは、建物自体を所有しているわけではないので、リフォームなどの自由度は低いのがデメリットです。具体的には管理規約で床の遮音性能や材質が制限されている場合と、構造となっている鉄筋コンクリートの壁などに穴を開けたり壊したりする事が出来ないので、換気扇やエアコンのダクトの穴の位置が決まってしまい大幅な間取り変更が出来ないということがデメリットです。最近では、リフォームがしやすいように初めから作られているマンションもありますが、中古マンションの場合は、まだまだそういう物件は少ないです。こだわってリフォームをしたい場合には、管理規約やお部屋の中の壁の状況などを不動産会社に購入前に確認しておく必要があります。
中古戸建てのメリット
次に、一戸建てについて検討してみましょう。戸建住宅を購入したいという方の理由として考えられるのが、「親との同居」「二世帯住宅」を検討している方、「ペットと同居を考えている方」や、「のびのびと子育てをしたい」と考えている方でしょう。
戸建住宅のメリットは、
①リフォームの自由度が高い
②面積が広い
③毎月の管理費用がかからない
④プライバシーが高い
これらがあげられると思います。それでは順番に解説していきましょう。
一つ目のリフォームの自由度が高い事ですが、中古の戸建住宅であれば、自由にリフォームもできるのがメリットになります。マンションの場合は、管理規約によっては、フローリングの遮音等級に制限があったり、そもそもカーペットにしかできない、フローリングにできないと規約で決まっているマンションもあります。また、木造住宅の場合は、間取りを変える事もリフォームで出来ますので、マンションのように、ここに壁は取れないとか、水回りの位置は変えられない。という間取りの制限もありません。中古のため、どうしても設備は見劣りがしますが、一戸建ての場合はリフォームの自由度が結構高いので、出来上がった時の満足度は新築よりも高くなることも良くあります。中古で安く購入できた分、思う存分リフォームしたいという方は一戸建ての方が実はおすすめだと思っています。
一戸建てのメリットの二つ目は、面積が広いという事です。同じ価格帯の物件を比較しますと、マンションよりも一戸建ての方が床面積が広くなる事が多いです。2階建て、3階建てを上に床面積を伸ばせるというのが一番の理由かなと思います。また、100㎡を超えるような広いお部屋をご希望の場合は、マンションだとなかなかそのような大きな物件は無いので、必然的に一戸建てを購入するということにもなります。また、一戸建ての場合は物件によっては土地が広く庭が取れる物件もありますので、庭を利用してガーデニングなどの趣味に当てるとか、楽しみたいという方には一戸建てがおすすめかなと思います。
一戸建てのメリット三つ目は、毎月の管理費用がかからないという事です。中古戸建であれば、マンションに必要な管理費用がかからないこともメリットです。管理人もいないですし、エレベータや共用部分もないですから電気代やメンテナンス費用もかかりません。毎月支払う費用はマンションに比べるとすごく安くなるのが一戸建ての特徴だと思います。
一戸建てのメリット四つ目が、プライバシーが高い事です。アパート・マンションでは一つ屋根の下で、壁一枚を隔てた状態で、さまざまな住民が暮らしているため、小さなお子様がいる家庭や音楽などの趣味がある方にとっては、騒音や足音などの発生が気になるという方は実際は結構多いと思いますし、逆に周りに迷惑をかけないでおこうと、子供にのびのびと走り回らせる事が出来なかったりする事もあります。戸建住宅であれば、お隣とは離れておりますので、プライバシー性の高さから、マンションに比べて自由な暮らしが実現できるのは大きな特徴です。子供をのびのびと育てたいという方は、重点に置きたいポイントになります。
中古戸建てのデメリット
一方で中古戸建住宅にも中古マンションに比べて、見劣りするデメリットも当然あります。特に、新築戸建では特にデメリットではない事も、中古戸建になるとデメリットになってくるポイントもありますので、是非チェックして頂ければと思います。中古戸建のデメリットは、
①品質が不安定
②大きな修繕費がかかる
③防犯面が劣る
④気密性が劣る
ということがあげられます。
まず中古戸建のデメリットとして挙げられるのが、「品質が不安定」という事です。中古になりますので前の住民の方がどのように利用して、管理していたのかは素人の方では、なかなか判断しづらいのが現実です。マンションの場合は中古であっても大規模修繕工事がされていたり、その記録が残っていたりするので、ある程度どのような管理がされてきたかは分かるのですが、中古の一戸建ての場合は、オーナーさんがどういう管理をしていたか全く分かりません。建物の管理がしっかりされていないようでは、せっかく購入したマイホームも雨漏りやシロアリ、建物の傾き、軋みなど、どんどん問題が出てくる住宅になってしまいます。また、築年数が古くなればなるほど、新築で標準的な設備が入っていなかったり、サッシや玄関ドアの性能が今と比べるとかなり低いものが入っていたりするので、快適性の観点でも品質が悪いということは言えると思います。あまり気になるようでしたら、購入前に第三者機関の建物インスペクション、建物の検査ですね。そういったものを検討される事をお勧めいたします。
次の中古戸建のデメリットですが、大きな修繕費がかかるという事です。毎月強制的に積み立てていく修繕費用が一戸建ての場合は無い一方で、大体10年に一度位屋根や外壁の修繕工事が必要になってきます。マンションとは違って、毎月の固定費ではなく、50万、100万、といった単位でまとまって費用がかかってくることがデメリットです。しかし、自分の懐事情によっては、今じゃなくて5年後にしようとか、時期を自分で決められるので、自由度はあるのかなと思います。
次に中古戸建のデメリットの三つ目は、防犯面ですね。マンションであれば、オートロックがありますし、外に出る時は玄関の鍵を閉めればバルコニーなどの鍵をかけてなくても侵入出来ない場合が多いので、楽ではあります。管理人さんがいらっしゃるマンションだと防犯面はさらに高まります。対して、戸建であれば、外に出る時に沢山の窓、ドアの鍵を閉めなければならないので、閉め忘れも発生しますし、ちょっと建物の奥に入った人の目につきにくい窓から空き巣が侵入する事も多いですし、放火などの危険性もマンションに比べると高いのかなと思います。特にご高齢の方は一戸建てよりマンションの方が快適で安心と、住み替えられる方は多いです。
中古戸建のデメリットの四つ目は、マンションよりも日照や気密性が劣るという事です。一戸建ては概ね木造の事が多く、マンションは鉄筋コンクリートの事が多いので、気密性は木造の一戸建ての方が悪い傾向にあります。また、マンションは設計の段階から南向きや大開口をなるべく取ろうとしますが、一戸建ての場合、広い庭が取れれば日当たりは確保されますが、密集地域で北道路になると、どうしても日が入らないお部屋が生じやすいです。こういった、中古戸建住宅のメリット・デメリットとマンションとのメリット・デメリットを比較して検討していくことが重要です。
また、国土交通省によると、戸建住宅の場合、築20年程度で建物の価格はほぼなくなるとされています。
いかがでしたでしょうか。「【中古マンションVS中古戸建】マイホーム選ぶならどっち?」というテーマで解説してきました。中古マンション・中古戸建もどちらも一長一短があるので、自分や家族にとって大切な要素は何かを考えることが大切です。将来の売却も踏まえてマイホームを選ぶをするのであれば、少しでも条件のよい物件を選択したいですよね。しかし、不動産の良し悪しはなかなか個人ではわかりにくいと思います。自分にあったマイホームはどれなのか、信頼できる不動産会社に相談してマイホーム探しを成功させてください。当社でも、LINEから無料で不動産購入の相談も受け付けておりますので、ぜひご利用ください。
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まとめ
記事監修者
朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役
2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。