ブログVlog
【中古マンション】の寿命・築年数の限界
はじめに
中古マンションの購入を検討されると築何年位までのマンションを買ったらよいのか、そもそも中古マンションって何年まで持つの?と疑問に思いますよね。中古マンションの築年数については「何年までならOK!」と一括りに判断することは不可能です。「管理状態によって大きく変わること」なのです。そこで、今回の動画では中古マンションの築年数の寿命を見分けるポイントについて解説していきます。
本編
中古マンション購入検討者が増えている
現在は不動産価格の高騰により、新築マンション、かなり高い金額で売買されております。実際に探されている方も、新築を探してみたけど、「えっ!こんなに高いの、手が出ない・・・」という事で、新築マンションよりも、ちょっとお求めやすい中古マンションで検討している方も増えています。
新築マンション自体の供給も減っていますし、特に都心では好立地で供給はなかなかないので、今後ますます新築ではなくて中古を選択する。という方は増えていくだろうと予想されます。
しかしながら、中古マンションを購入を検討されている方に、私も現場でよく聞かれるのですが、中古といっても、築何年位までのマンションを買ったらよいのか?中古マンションは何年まで持つんですか?という方はとても多いです。そのようなご質問に対して、中古マンションの築年数については、「何年までならOK!」と一括りに判断することは不可能です、と答えています。理由としては、「管理状態によって大きく変わる」からです。そこで、今回の動画では中古マンションの築年数の寿命について、それを見分けるポイントについて解説していきます。
中古マンションの築年数について、もっと詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
◆【中古マンション】築年数別の特徴を知らないと危険です!
◆【中古マンション】築30年のマンション購入しても大丈夫?
◆築40年の中古マンション、買っても大丈夫?!
◆【賃貸】ポリスの実体験!築50年超のマンションの住み心地!
中古マンションの寿命ポイント3点
中古マンションの寿命を左右すると言われてるポイントは、3つあると考えています。
①鉄筋コンクリートの寿命
②配管の寿命
③マンションの管理状態による寿命
不動産についての格言のような言葉で「マンションは管理を買え」という言葉があります。耳にされた事がある方も多いと思いますが、実際に管理状態が良い物件は資産価値を長く保つ優良な物件であることが多いです。そこで、1つずつ「中古マンションの寿命を左右するポイント3点」について解説していきます。
鉄筋コンクリートの寿命
まず最初に考えられるポイントとして、マンションを支える「鉄筋コンクリートの寿命」についてです。マンションの構造で、躯体と言いますが、骨格をなしている「鉄筋コンクリート」の部分も当然ながら寿命があります。長い年月を重ねると鉄筋コンクリートも劣化していきます。鉄筋コンクリートはマンションを支えている構造のため、マンションの「柱」「梁」「床」「壁」などが鉄筋コンクリート造という事になります。このマンションの「柱」「梁」「床」「壁」は建物の構造上重要な役割を担っているため、この部分を支えている鉄筋コンクリートが劣化してしまうと、マンションとしての強度が弱くなってしまうので、価値が落ちるという事につながります。
そこで、マンションの「鉄筋コンクリートの寿命」となる一つの目安として利用されているのが、税務上の法定耐用年数になります。法定耐用年数とは、税金の計算のために使われる指数となっており、年数がたつごとに少しづつ価値が落ちていき、耐用年数が全て経過した時に税務上の資産価値はゼロになるというものです。この「法定耐用年数」、鉄筋コンクリート構造の建物の場合は耐用年数47年となっており、新築後47年で価値がゼロになるとされています。
しかしながら、この法定耐用年数と実際に使用できる年数は異なります。新築後47年経てば税務上の資産価値はゼロになりますが、実際に建物まだ建っていて、それが普通に使えれば資産価値ゼロという事はないですよね。鉄筋コンクリートの質・管理状態によっては法定耐用年数の47年を超えて長く資産価値を保つことも可能です。
ここで、鉄筋コンクリートの仕組みについてですが、コンクリート自体は、つぶす力押される力に対してはとても強いです。しかし、コンクリートのみの場合、引っ張る力に対しては弱いです。しかし、鉄筋、つまり鉄の棒は、つぶされる力押される力に対しては弱いですが、引っ張られる力に対しては強いです。鉄筋コンクリートはコンクリートと鉄筋がお互いの強みを生かして弱みを補完し合っているので、強度が強いという事になります。
また、鉄筋は鉄のため、錆びると脆くなります。鉄筋コンクリートは鉄筋がむき出しになっておらず、コンクリートで包まれています。コンクリートはアルカリ性のため、その中に鉄筋が入っていると錆びにくいです。そのため、耐久性も期待できるという部材が鉄筋コンクリートになります。これだけ見るとコンクリートの中に入っている限りは鉄は錆びないので、ずっと持つような気がしますが、コンクリートもずっと高いアルカリ性を保っていることはできないため、年々コンクリートの中性化という現象が進行していってしまいます。雨ざらしになっているので、コンクリートが外側からじわじわと中性化してしまうんですね。それが中に入っている鉄筋まで到達することで、鉄筋も錆びてしまい、本来の強度がなくなってしまうというわけです。中の鉄筋が錆びてしまうと鉄筋が膨れて膨張を起こして、コンクリートにひび割れが生じてしまいます。そこに、雨水などが侵入してしまうとより鉄筋の錆びが進行してしまいます。この悪循環が鉄筋コンクリートの寿命にとって大きなポイントとなってくるという事です。
日本建築学会が公表しているデータによると、標準的な等級の鉄筋コンクリートの寿命は「65年」とされています。あくまで標準的な等級の寿命となっており、65年間はまったくメンテナンス不要というわけでもありません。要するに、マンションの躯体は何も手入れをしないと65年ほどで何かしらの欠陥が出てくるであろうという事になります。もちろん海沿いのエリアの方が錆びやすいのでもう少し悪くなるのが早いとか差異はあると思います。逆に、外壁をまめに塗装し、ひび割れをちゃんと埋めて補修するなど細かいメンテナンスをする事、いわゆる大規模修繕工事ですね。これを計画的に実施することで、100年間利用できる鉄筋コンクリートも出てきているのが現状です。
配管の寿命
次に、中古マンションの寿命のポイントとして考えられるのが、「配管の寿命」です。「配管の寿命」が尽きてしまうと、蛇口をひねると赤さびが出るとか、トイレやお風呂の排水がとっても遅いなど快適に過ごせないという事になります。専門的に言うとマンションの配管にはいくつか種類があり、寿命が短い順にあげると、水道用亜鉛メッキ鋼管、いわゆる鋼の管ですね。次に硬質塩化ビニルライニング管、いわゆる塩ビ管です。
そして一番耐久性が高いのが、高性能のポリエチレン管やステンレス菅となっています。水道用亜鉛メッキ鋼管は昔からある配管となっており、寿命が10〜15年と短く、錆びやすい部材となっています。1970年よりも古いマンションは新築時はほとんど鋼管だったと思いますので、そのくらいの築年数のマンションを購入されようとしている方は、管の素材が鋼じゃないか確認が必須です。
次が塩ビ管です。塩ビ管の寿命は30~40年と鋼管に比べて長くなりましたが、それでも全くメンテナンスが必要ないというわけではありません。10〜15年に1度、適切な修繕を実施することで、30〜40年と使用を続けることが可能になります。大規模修繕は必要という事です。最後に一番耐久性が高いとされているのが、高性能ポリエチレン管やステンレス管です。こちらの配管であれば、半永久的に使用が続けられるため、マンションの資産価値を高めてくれます。
マンションの管理状態による寿命
次に、マンションの管理状態についてです。これまで、解説してきた「鉄筋コンクリート」であったり、「配管」を適切維持・管理することで、マンションは65年〜100年という長い期間にわたり使用が続けられる建築物になります。 しかしながら、65から100年使える為には、適正に管理をしていかなければならないので、「マンションの管理状況」を確認していくのが必要不可欠です。マンションの管理状況を考える上で重要なポイントとしてあげれられるのが、長期修繕計画があるか、また十分な修繕積立金を集めているかだと思います。
まず長期修繕計画について説明していきます。マンションの管理には「長期修繕計画」を作成することがとても重要です。「長期修繕計画」とは、建物の資産価値を大きく左右する「鉄筋コンクリート」や「配管」のメンテナンス工事をいつ実施するのか、そのためにどれくらい修繕金を積み立てていくのかという計画書になります。この「長期修繕計画」がしっかり作り込まれている物件であれば、購入者としても20年後も30年後も資産価値を保てる物件なんだなと安心して購入の意思決定ができると思います。
次に修繕積立金です。長期の修繕計画があっても、実際にその元手となる修繕積立金をちゃんと集められる計画がないと、修繕計画も絵にかいた餅となります。今検討しているお部屋で支払っている修繕積立金が高い安いだけではなく、長期修繕計があって、何年後にいくら必要だからそこから逆算して積立ができているのかを確認することが重要です。国土交通省の「修繕積立金」「長期修繕計画」のガイドラインでは、必要な毎月の積立金は専有面積1平米約200円とされています。70㎡のマンションであれば14000円、50㎡であれば1万円というのが目安です。
また、今この金額が集められているから安心ではなくて、この金額を新築当時から積立ていないと足りないという事になります。修繕積立金が積立てできていないマンションを購入してしまうと、将来の大規模修繕工事の時にお金が足りなくて、1世帯あたり100万円の資金を臨時で徴収されたり、本来は10年に一度やらなければいけないものを、15年に一回にしましょう。と、目減りする事もありますので、十分な注意が必要です。
自分で確認したいポイント
それでは実際に中古マンション購入にあたり、どのようなポイントを押さえて中古マンションを購入していけばいいのかというところが気になる方も多いでしょう。そこで、素人の方でもわかる資産価値が高い中古マンションの選び方のポイントについて、紹介していきます。
1点目はコンクリートについては、外壁面を見て、ひびが入っていたり、塗装が剥げていたりするマンションはイエローカードです。そこから雨水が侵入して、鉄筋が錆びてコンクリートが劣化しているかもしれません。ひびが入っていても、適正にコーキングや塗装をして補修していればOKだと思います。
2点目の配管については、一番わかりやすいのはメーターボックスを開けてみる事です。玄関脇にガスメーターや電気メータが入っている部分がありますよね。よく不動産屋さんがそこから鍵を取り出している所です。そこを開けると配管が見える事が多いので、鋼管なのかステンレス管なのか見える事が多いです。みられるメーターボックスがあれば見ておいた方が良いと思います。
3点目は管理です。管理会社から「重要事項にかかる調査報告書」「修繕履歴」「長期修繕計画」を取り寄せて内容を熟読してください。一般の方が管理会社からこれらの資料を取り寄せるのはなかなか難しいので、物件をご案内して頂いた仲介業者さんに依頼して取り寄せましょう。まずは自分で読んでみる事がとても大切ですが、読んでもよく分からない事も多いので、実際には、仲介会社さんにも見て頂き、「修繕積立金の状況」「長期修繕計画」についてアドバイスしてもらいましょう。担当者が知識の無い方であればその上席の方に聞いてもらえれば教えてもらえると思います。逆に、これらの資料を見て適切なアドバイスを出せる人がその会社に一人もいないような不動産屋さんだと、その会社から買う事自体考え直した方が良いかもしれません。
目黒を中心に、都心城南(品川・目黒・世田谷・大田・港etc)の不動産については、武蔵小山最大級の不動産会社ウィローズにお任せ下さい。お客様のご要望に合った物件をご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
記事監修者
朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役
2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。