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地元に愛されるケーキ屋さん 不動前「Patisserie Double-v」

2025.06.20

東急目黒線「不動前駅」から歩いて1分。駅を出てすぐの場所に、ふと足を止めたくなるような温かい雰囲気のお店があります。それが、今年で15年目を迎えるケーキ屋「Patisserie Double-v(パティスリー・ドゥブルヴェ)」です。

駅前の通りに面したこのお店は、季節ごとに変わる外装の飾りやベンチが特徴で、通りを歩く人の目を引きます。ちょっとした装飾にも、お店の想いや心づかいが感じられ、訪れる前から期待感を高めてくれます。

店内は少しレトロな雰囲気

扉を開けた瞬間、漂ってくる甘くやさしい香り。店内は白を基調とした明るい内装で、どこか懐かしさを感じさせるレトロな雰囲気に包まれています。木の温もりが活かされた棚やテーブルが並び、奥のキッチンまで見通せる構造のため、空間全体に開放感があります。決して広いわけではないのに、不思議と「ゆったりとした時間」が流れているように感じられる場所です。

取材をお願いした際、お店のオーナーは取材にすぐに興味を示してくださいました。その場でサイトを確認し、「地域のことを発信しているなら、うちがぴったりかも」と、うれしそうに笑っておっしゃったことが印象的でした。

その後、売り場までわざわざ出てきてくださり、ケーキについてのこだわりやお店の歴史について丁寧に説明してくださいました。お話をうかがう中で、ケーキ作りに対する真摯な思いと、地域の方々とのつながりを大切にされていることが伝わってきました。

店内の一角には、地元の小学生から贈られた手紙やプレゼントが大切に飾られています。オーナーご自身がその小学校の出身だと聞き、地域とのつながりの深さにあらためて心が温まりました。小さなお子さま連れで訪れても、きっと安心して過ごせる空間です。

前店舗から受け継がれる地元から愛される「サフラン」

「Patisserie Double-v」がこの場所にオープンしたのは15年前ですが、実はその前も同じ場所にケーキ屋があったそうです。前の店主は36歳のときに開業し、なんと36年間この地でケーキを作り続けてこられたとのこと。そのお店がオープンしたのは、現オーナーが生まれた年だったという不思議な縁もあります。

現在のオーナーが地元でケーキ屋を始めようと考えた際、相談に行ったのがこの前の店主だったそうです。そこからのご縁で、前のお店の人気商品だった「サフラン」という焼き菓子を受け継ぐことになりました。この「サフラン」は、お酒の香りがふわりと漂い、甘さ控えめでしっとりとした大人の味わいが特徴。スポンジはふわふわと軽やかでありながら、口の中でしっかりとした存在感があります。

一口食べただけで、手間と時間が丁寧にかけられていることが伝わってくるような味わいでした。昔からの常連の方々にとっては、懐かしくもあり、新しいかたちで思い出と再会できる一品かもしれません。

謙虚に、誠実に。地域と共に歩むお店

オーナーは独立前、都内の有名なパティスリーをいくつか経験し、技術と知識を積んでこられました。その経験が現在のお店づくりにも活かされています。しかし、ご本人は「立地が良いから売れているだけです」と謙遜されていました。

それでも、ショーケースに並ぶケーキひとつひとつには、丁寧な仕事ぶりと細やかな工夫が感じられ、売れる理由はきっとそれだけではないと感じさせられます。来月からは原材料費の高騰に伴い、一部商品の価格改定とショーケースの改良が予定されているとのことですが、その姿勢からも「より良いものを届けたい」という誠実さが伝わってきました。

不動前駅からすぐの立地も、訪れやすさの理由のひとつ。買い物やお散歩の途中に、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

Patisserie Double-v
住所:東京都品川区西五反田4-29-18
アクセス:東急目黒線「不動前駅」徒歩約1分
TEL:03-6420-3440
営業時間:11:00~20:00
定休日:火曜日