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【中古マンション】こんな築古マンションは値下がりしません
はじめに
中古マンションを購入するときには築30年くらいの築古マンションを購入検討範囲に入れていますか?築が古いマンションってできれば避けた方がいいんじゃないの?って思った方が多いのではないでしょうか?しかし、実は築年数が古くなればなるほど、将来値下がりはしにくくなるんです。築が古いからと言ってはじめから購入検討の範囲からはずすのはとてももったいない!と思っています。
今回は、築古マンション意外といいよ!という理由を以下の3つのパートに分けてお話します。
①築古マンションが値上がりしている理由
②築古マンションの価値が下がりにくい理由
③築古マンション価格の差が広がっていく理由
中古マンションの築年数について、もっと詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
◆【中古マンション】寿命・築年数の限界
◆【中古マンション】おすすめの築年数
本編
①築古マンションが値上がりしている理由
まず1点目の築古マンションが値上がりしている理由についてですが、実際、新築や築浅のマンションに比べて築古マンションの方が値上がりしているのか、まずは表1のデータをご覧下さい。
表1
この表は公益社団法人東日本不動産流通機構が公表したデータを元に作成しています。2021年の中古マンションの価格と、2022年の中古マンションの価格を比較して、どの位価格が上がっているのかを、マンションの築年数によってデータ化した表です。どの築年数でも中古マンションの価格は上がっていて、この1年間で1.1倍~1.2倍になったということですね。これを見て頂くと、築5年以内の物件のこの1年の価格上昇率は111%なのに対し、築26年から30年のマンションの価格上昇率は120%と1割ほど築が古い物件の方が値上がり率が高いんです。概ね、築が古くなればなるほど価格上昇率が高くなるようなデータとも読み取れます。築31年以降の中古マンションになると、上昇幅は少し小さくなっていますが、それでも上がってるということですね。また、中古マンションは価格が上昇しているだけではなく、中古マンションの取り引き件数も増えています。
次に、図1のグラフは、成約したマンションの築年数ごとに色分けしたグラフです。これを見ると、年々築年数が古い物件の割合が多くなっているということですね。マンションがどんどんストックされているので、当然と言えば当然です。そして、図2のグラフは新しく売りに出たマンションと、実際に売れたマンションの築年数をグラフにしたものですが、年々マンションの築年数の平均値は古くなっている、古い物件でも需要があるということが伺えるデータとなっています。古い物件でも実際に沢山売りに出ているし、売れているし、去年と比較しても、築浅物件よりもむしろ築30年位の物件の方が1年間での価格上昇率も高いんですね。それでは、なぜ築古マンションの需要が増加し、価格が上昇してきているのでしょうか。
この、築古マンションが値上がりする理由は、以下2つの理由が考えられます。
①2022年の住宅ローン控除改正
②新築マンション価格の上昇
それぞれ解説致しますと、まず1つ目の理由である「住宅ローン控除」についてですが、住宅ローン控除というのは最強の節税対策と言われていて、マイホームの購入を検討されている方なら、どこかで一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。ざっくり説明すると、年末の住宅ローン残高に応じた割合で所得税や住民税が控除される減税措置ですね。この減税額が物件にもよりますが、200万円や400万円くらい戻ってくることもあるので、不動産を購入される方は住むローン控除が使える不動産なのかどうかで不動産を探す方もいるくらいの減税制度となっています。
この住宅ローン控除の制度は2022年に内容が改正されたんですね。いくつかのポイントで改正があったのですが、対象となる建物の築年数も改正されたんです。改正される前は築25年以内のマンションでないと住宅ローン控除受ける事ができなかったんですが、2022年の改正後からは、1982年築以降のマンションなら住宅ローン控除を利用できるようになりました。1982年築だと2023年の現在から見れば築41年になりますので、それまでは築25年以内だったものが、築41年になったわけですから、この広がった年数の築25年から30年のマンションが売れていて価格上昇率が高いのもうなずけますよね。
もう一つ中古マンションの価格を押し上げている理由の2つ目として挙げられるのが「新築マンションの価格上昇」についてです。
新築が上がってるから波及して中古も上がっているということになります。不動産経済研究所によると、2022年首都圏の新築マンション2万9,569戸のうち、2,461戸が億ションでした。東京23区に限定すると新築マンションの平均価格は8,226万円になり、2年連続で8,000万円を超えています。コロナ前の2019年は平均価格が7,286万円だったので、たった数年で約1,000万円も上昇したということになります。新築マンションの値段が高騰したのは、住宅ローンの金利が低いので価格が上がっても毎月の返済額は変わらない事であったり、そもそもマンション建材が上がって原価が上がったこと、他にはパワーカップルが増えて世帯年収が高い方が増えたこと、都心回帰によるマンション需要増など様々な要因が重なったからと言われています。これだけ新築マンションの価格が上がってしまうと、新築マンションが高くて買えないので、中古マンションという方が増えるのも当然で、需要が増えているので、中古マンションの価格が上がっているというわけです。
図1
図2
②築古マンションの価値が下がりにくい理由
次に、築が古いマンションの方が価格が下がりにくいという点について解説してまいります。新築や築浅のマンションに比べて、築が古いマンションの方が、5年後、10年後の価格の下落が緩やかになります。
下落しにくくなる理由は、新築物件は新築プレミアムという言葉があるくらいで、新築至上主義のような価値観が昔からありますので、ちょっと古くなれば価値がガクッと下がるのは想像しやすいかと思います。それが築年数が経てば経つほど下がり方は緩やかになっていきます。下げ止まるという言い方が正しいかもしれませんね。しかし、どのマンションも下げ止まるかというと、そうではなく、マンションの立地条件などにより、値下がりが止まるマンションと下がり続けるマンションがあり、その差が大きくなると考えてられています。築古でもポテンシャルが高いマンションには人気が集まりますが、その分だけポテンシャルの低い築古マンションはより需要が減るということです。
それではポテンシャルが高いマンションとは、どのようなマンションなのでしょうか?築が古くても価格が下落しにくいマンションには、いくつかの特徴があります。
①「生活利便性が高い」築古マンション
②「管理状態が良い」築古マンション
③「人口が減少していない地域にある」築古マンション
④「ブランド力がある」築古マンション
それぞれの項目について見ていきましょう。
1つ目の生活利便性が高い築古マンションについてですが、当然ながら生活利便性の高い立地にあるほど価格が高くなります。特に地下駅や主要ターミナル駅から近いマンションは価格が高くなります。反面、バス便のマンションは生活利便性が低いと位置づけられるため、価格が下がりやすくなります。郊外のバスは廃線になることもあるため要注意ですね。築が古いけど便利だからいいか。という方がいるから売れるということになります。
2つ目の管理状態が良い築古マンションについてですが、マンションは管理を買えと言われるほど管理状態が大切です。新築の時は管理がどうであれ新築なので綺麗ですが、築が古いマンションになってくると管理状態によって、見栄えがかなり変わってきます。大規模修繕工事を計画通りに行っているかはとても重要ですし、見栄えだけではなくマンションの寿命そのものも延びるので、将来の利用価値も維持できます。そして、大規模修繕が計画通り行われているかは、修繕積立金が計画通り貯まっているかにもよるので、適正金額を徴収しているかは確認すべきポイントです。今まで大規模修繕が計画的に行われていたとしても、次回の計画までに工事費用が貯まらなかったら意味がありません。
3つ目が人口が減少していない地域にある築古マンションです。不動産は需要と供給のバランスで価格が決まるため、人口が減少している地域は、イコール需要が少ない地域のマンションとなり、価格はじりじりと下がっていきます。生活利便性が高くても大規模修繕が計画的に行われていても、人口が極端に減少している地域のマンション価値は下がってしまうと考えたほうがよいでしょう。
4つ目はブランド力がある築古マンションです。都心の超有名な高級住宅地に立地している古いマンションはビンテージマンションと言われて、かなり高値で取引されている物件も多いです。有名なのはドムスシリーズとかホーマットシリーズとかは、作り方が外国人仕様だったりしますので、日本人は新築至上主義ですが、欧米の方は古いマンションの方がむしろ価値が高いという価値観を持っている方も多いので、こういうブランド力のあるマンションは値下がりしにくくなります。そもそも閑静な住宅地は高い建物が建てられないのでマンションの分譲が少ないですし、将来的に競合が増えないメリットがあります。そのため、供給より需要が上回るため、マンション価格も値下がりしにくくなります。
③築古マンション価格の差が広がっていく理由
マンションは築年数が古くなるほどマンション価格は値下がりしにくくなります。そして、住宅ローン控除改正により、マンション価格の値下がり幅が小さくなるラインはより古いマンションになってきています。つまり、マンションの価格が長く維持されるようになってきたということです。それに加えて中古マンション全体の価格も上昇してきており、マンションが以前にも増してよりよい資産になってきたと言えるのではないでしょうか。
ただし、資産価値が維持される築古マンションと、資産価値が下落し続けるマンションとの二極化は進んでいくと考えられます。都心回帰により生活便のよいマンションの需要は高まり、郊外のマンションはより一層需要が減ってしまいます。そのため、築古マンションだから何でも資産になるというわけではなく、選ばれた築古マンションのみ価格が維持されると考えたほうがよいでしょう。築古マンションを購入するときには、立地や管理状態をしっかりと確認し、価格が落ちにくい築古マンションを購入することが重要ですので、是非参考にしていただければ幸いです。
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まとめ
記事監修者
朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役
2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。