はじめに
マイホームを検討する際に、お手頃な中古戸建てを見つけてよく見てみると、「違法建築物」と書いてあって「違法」って大丈夫なの?と思われたこと、ありませんか? 多いケースは建ぺい率や容積率がオーバーしている物件です。でも、実は「建築基準法」に違反している建物って、たくさんあるんです。違法とあると避けたくなるのが人情ですが、正しく理解すればあなたにとってはお宝物件かもしれませんよ!?
本編
違法建築物ってどんなケース?
まず違法建築物件というのは、建築基準法という建物を建てる際に守らなければならない基準をまとめた法律があるのですが、この建築基準法に違反した建築物と言う事ですね。いろいろな建築基準法に違反している状態があるのですが、皆さんが目にするケースで多いのは、容積率・建蔽率がオーバーしている物件だと思います。例えば、建築基準法ではこの土地の大きさでは、建物が100㎡が上限なのに110㎡、10㎡大きく建ってしまっています。とか、2階建てで建築確認申請を通したけれども、実際には3階建てが建っているとか、とかそういう状態の違法建築物が皆さんが目にするケースとしては多いと思います。
デメリット①建物の是正勧告のリスクあり
この違法建築物、デメリットとしては2点ございます。
デメリットの1点目は、建物を是正勧告される場合がある。と言う事です。基準よりも大きく建っている訳ですから、監督行政庁より、建物を小さくしなさい。と是正勧告されるケースがあります。3階建てだと思って買った物件が、購入後、行政庁から是正勧告が入り、2階建てにしなさい、違法建築部分の3階部分を撤去しなさいなんて言われたら、めちゃめちゃ嫌じゃないですか?
実際に違法建築の物件を皆さんが購入する際に、仲介会社が重要事項説明書をという物件の説明書を作成して交付するのですが、この中に監督行政庁から是正勧告が入るかもしれません。という一文は必ず入ってきますので、そういう危険性があるって事は認識しておいた方が良いと思います。
デメリット②住宅ローンがおりずらい
デメリットの2つ目がローンが下りずらいと言う事になります。金融機関の住宅ローンに対するコンプライアンスの目線は年々上がってきておりますので、私が不動産業を始めたばっかりの20年前ですと、違法建築であっても住宅ローンは下りたんですが、今はほとんどおりません。
具体的には許容される容積率や建ぺい率から10%オーバー以内、100㎡が建物面積の上限だった場合に110㎡未満の建物であれば、いまだとりそな銀行さんか三井住友銀行さんであればローンが通る可能性がありますが、それ以外の通常の金融機関さんだと基本ローンはNGとなります。金利が高いノンバンクさんで通るかも?と言う事になりますので、大きなデメリットですよね。
メリット①とても安い
対してメリットとしては、1つ目が値段が安いという事になります。違法建築の物件は本当にローンが下りずらいので、中古戸建のままだとローンが使えないので建て替えるしかない。つまりまだ十分使える中古建物が建っているけれども、土地のみの価格で買える事が結構あります。現金で購入される場合だったり、決済前に違法部分を是正してローンが通る状態にできる物件であれば、とてもお得なお買い物と言えると思います。
メリット②ローンが使えるケースもある
また、先ほどお話した違法建築でも許容建物面積の10%未満の、ちょっとオーバーしているという物件であれば、りそなさんや三井住友さんでローンが通る事がありますので、土地のみの金額設定だけれどもローンが通るというお宝状態の事もあり得ます。
一言で違法建築と言っても許容面積からどのくらいオーバーしているのかは調べてみると案外お宝物件だったりする事があります。
是非チェックしてみてくださいね!
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まとめ
Point.
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記事監修者
朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役
2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。