はじめに
定期借地権付きのマンションは
価格が安いことが多いため、
購入を検討する方もいらっしゃると思いますが、
将来的なリスクや住宅ローンの通りにくさなど、
さまざまな不安を抱える方も多いのではないでしょうか?
定期借地権がどのような権利なのか、
また一般的なマンションとの
違いを理解するのは難しく、
それが購入の悩みに繋がっているのも
無理はありません。
定期借地権の仕組みを
不十分な理解のまま購入すると、
予想以上のランニングコストで
資金計画が狂ったり、
売却時に想定以上の価格下落で
後悔することもあります。
本記事では「こんな人は定期借地権の中古マンションを絶対に買うべきではない」というテーマで
・定期借地権の概要
・定期借地権付き中古マンションのメリット・デメリット
・定期借地権付き中古マンションのリスクと購入すべきでない人
・定期借地権付き中古マンション購入時のポイント
について、解説していきます。
本編
定期借地権の概要
定期借地権の概要としてここでは、
・定期借地権の基本
・定期借地権が導入された理由
について、解説していきます。
■定期借地権の基本
定期借地権とは、
一定の契約期間が定められた
土地を借りる際に発生する権利です。
土地を借りる際に借地料を支払うことで、
その土地を利用する権利が発生し、
この権利を「借地権」といいます。
■定期借地権が導入された理由
一般的な借地権の場合、
借りた人が更新をしながら
土地を使い続けられるのが特徴ですが、
地主にとっては土地をずっと貸し続けるのが
不都合な場合もあります。
この問題を解決するために、
1992年から「定期借地権」という仕組みが導入されました。
「定期借地権」では、
契約期間が満了すると借地関係が終了し、
更新ができないようになっています。
地主にとっては、一定の期間が過ぎれば借地権が消滅し、
土地が確実に返還されるため、
土地を再び自由に利用できるという利点があります。
定期借地権付き中古マンションのメリット・デメリット
定期借地権を設定した土地に
建てられた建物が
「定期借地権付きマンション」です。
これらのマンションは、
契約期間終了後に建物を解体し、
土地を明け渡す必要があります。
「いずれ解体が必要な建物にメリットがあるのか?」
と疑問に感じる方もいるかもしれません。
そこで、定期借地権付きマンションの
メリットとデメリットを整理するため、
ここでは、
・定期借地権付き中古マンションのメリット
・定期借地権付き中古マンションのデメリット
について、解説していきます。
■定期借地権付き中古マンションのメリット
1.購入価格が安い
定期借地権付きマンションは、
建物の解体が必要になるため、
所有権付きマンションよりも住める期間が短くなります。
そのため購入希望者が少なく、
販売価格が低めに設定されることが一般的です。
2. 好立地の物件が多い
都市部では新たなマンション開発が難しい状況ですが、
定期借地権を活用することで、
地主が土地を貸すケースが増えています。
その結果、定期借地権付きマンションは
便利な立地に建てられることが多くあります。
3. 広めの間取りが多い
需要が比較的低い定期借地権付きマンションでは、
所有権付きマンションとの差別化を図るため、
広めの間取りが採用されることが多く、
快適な住空間を得られる場合があります。
割安で広い間取りを備えた
「お宝物件」も存在するため、
選択肢として検討する価値があります。
■定期借地権付き中古マンションのデメリット
1. ランニングコストが高い
定期借地権付きマンションでは、
地代を地主に支払う必要があります。
地代の相場は土地価格の約2%とされますが、
立地や契約条件によって大きく変動します。
また、建物解体積立金など、
所有権付きマンションにはない費用もかかるため、
毎月の固定費が高くなる傾向があります。
2. 契約終了後の負担
契約期間が終了すると、建物を解体し、
土地を地主に返還しなければなりません。
その後の引っ越しや新しい住まいの確保が必要となり、
精神的・経済的な負担が大きくなる可能性があります。
3. 売却の難しさ
契約期間が短くなるにつれて、
買い手を見つけるのが難しくなり、
物件の資産価値が大きく下がる場合があります。
さらに、金融機関によっては、
定期借地権付きマンションへの融資に
慎重な場合があり、
住宅ローンの審査が厳しくなる、
または金利が高めに設定されるケースもあります。
定期借地権付きマンションの
メリットとデメリットを整理すると、
以下のようになります。
定期借地権付き中古マンションのリスクと購入すべきでない人
定期借地権付き中古マンションのリスクと
購入すべきでない人の特徴として、
ここでは、
・将来設計が不明確な人
・安定収入がない人
・資産形成を目的とする人
・終の棲家を探している人
について、解説していきます。
■将来設計が不明確な人
定期借地権付きマンションは、
契約期間が終了すると
必ず退去しなければなりません。
そのため、将来設計が明確でない方が購入すると、
契約期間の終了時期が結婚や出産、
子どもの入学などの
ライフイベントと重なる可能性があります。
退去のタイミングがライフイベントと重なる場合、
引っ越しにかかる負担が大きくなり、
費用面や体力面で
大きな影響を受ける可能性があります。
定期借地権付きマンションは
住める期間が限定されているため、
ライフスタイルの変化に
対応しにくいという特徴があります。
そのため、
将来のライフイベントや退去時期の調整が難しい方には、
定期借地権付きマンションの購入はおすすめできません。
■安定収入がない人
定期借地権付きマンションは、
契約期間が終了すると建物を解体し、
土地を地主に返還する必要があります。
この解体には多額の費用がかかり、
建物所有者全員で費用を分担することになります。
解体費用は一般的に高額で、
毎月の解体準備金や積立金で
あらかじめ費用を蓄える必要があります。
解体準備金に加えて、
地代、管理費、修繕積立金なども
毎月支払う必要があるため、ランニングコストが
所有権付きマンションよりも
高くなる傾向があると言えるでしょう。
退去時には新しい住居への住み替え費用も必要です。
賃貸物件に移る場合でも、
敷金や礼金、引っ越し費用などが発生します。
安定した収入がない場合、
これらの費用を負担するのが
難しくなる可能性があるでしょう。
フリーランスの方や転職を検討している方など、
収入が不安定な状況の方には
定期借地権付きマンションの購入は
おすすめできません。
■資産形成を目的とする人
定期借地権付きマンションは、
資産形成を目的とする方には向いていません。
所有権付きマンションの場合、
建物が古くなっても土地の価値が残るため、
資産価値がゼロになることはありません。
しかし、定期借地権付きマンションでは、
資産価値の下落が避けられない特徴があります。
定期借地権付きマンションの資産価値の下落要因
-借地権価格の減少
借地権価格は、
契約期間の残存年数が
短くなるほど価値が下がります。
残り期間が10年を切ると、
特に急激に下がる傾向があります。
-建物価格の減少
建物価格も築年数の経過とともに下落します。
この2つを合計すると、
物件の価値が大幅に下がり、
最終的にはほぼゼロに近づくことがあります。
特に、契約期間が残り数年となった物件は
買い手がほとんど見つからなくなるため、
売却が困難になるでしょう。
■終の棲家を探している人
定期借地権付きマンションは、
終の棲家を探している方には適していません。
定期借地権付きマンションは
契約期間が50年から80年程度に設定されており、
期間終了後は退去して建物を解体し、
土地を地主に返還する必要があります。
そのため、老後も住み続けられる
保証がないという特徴があります。
契約期間中に所有者が亡くなった場合、
相続人に定期借地権付きマンションを
相続資産として残すことになります。
しかし、相続の際に不動産の価値が低下し、
維持費だけがかかる状態となる可能性があるため、
相続人にとっても負担となりやすい物件です。
定期借地権付き中古マンション購入時のポイント
定期借地権付き中古マンション購入時の
ポイントとしてここでは、
・契約内容を確認する
・地主とのトラブルを回避する
・将来設計と資金計画の整合性を確認する
について、解説していきます。
■契約内容を確認する
定期借地権付きマンションを購入する際は、
契約内容を十分に確認することが必要です。
特に、以下の点に注意することが重要です。
1. 借地権の残存期間
借地権の残存期間は購入前に
必ず確認すべき重要な項目です。
残存期間が短い場合、
居住中に契約期間が終了し、
住み替えを余儀なくされる可能性があります。
また、期間が短い物件は
買い手が見つかりにくく、
売却による資金確保が
難しくなることもあるでしょう。
2. ランニングコストの確認
物件を所有している間は、
地代、解体積立金、管理費、修繕積立金
といったランニングコストが発生します。
さらに、物件を子どもに相続させた場合でも、
これらの費用は継続してかかるため、
事前に正確なコストを把握しておくことが大切です。
3. 購入費用とランニングコストの総額を計算
定期借地権付きマンションが
本当にお得かどうかを判断するために、
購入費用とランニングコストを合わせた
総額を計算することをおすすめします。
所有権付きマンションについても
同じように費用を計算し、
両者を比較することで、
どちらがより自分に適しているかが明確になります。
■地主とのトラブルを回避する
定期借地権付きマンションを購入する際には、
地主の信頼性をしっかり調査し、
トラブルを回避することが重要です。
定期借地権付きマンションでは、
土地を借りて住むため、
居住中は地主との関係が継続します。
信頼できる地主であれば問題ありませんが、
信用に不安がある場合、
トラブルが発生する可能性があるでしょう。
地主トラブルのリスク
定期借地権は原則として解除できませんが、
大きな問題(地代の長期滞納など)を
起こさなければ解約されることはありません。
しかし、過去にトラブルや訴訟を
繰り返している地主や法人の場合、
些細なことで問題を提起してくる可能性があります。
良好な関係を築くために
購入後に安心して暮らすためには、
地主との良好な関係を築くことが大切です。
不動産会社に地主が
どのような人物や法人であるかを確認し、
トラブルのリスクがないか
事前に情報を得ることが必要です。
■将来設計と資金計画の整合性を確認する
定期借地権付きマンションを購入する際には、
将来設計や資金計画と整合性が
取れているかを確認することが重要です。
1. ライフプランとの整合性
契約期間が終了するタイミングと、
結婚、出産、子どもの入学などの
ライフイベントを照らし合わせ、
自分たちの状況に合わせて
柔軟に対応できるかを確認する必要があります。
事前に検討しない場合、
契約終了時に住み替えが必要となり、
金銭的・精神的な負担が大きくなる可能性があります。
2. 資金計画の確認
資金計画を立てる際には、
購入価格だけでなく、
管理費、修繕積立金、地代、解体積立金といった
ランニングコストも考慮することが大切です。
購入価格は一般のマンションより
安い場合がありますが、
ランニングコストが高額になるケースが多いため、
家計への影響を計算しておく必要があります。
3. 生活への影響を検討
高額なランニングコストが、
子どもの進学や習い事などの
生活イベントに影響を及ぼす可能性もあります。
毎月の支払いにどの程度の余裕があるか、
ライフスタイルの変化が起きても
生活が圧迫されないかを事前に計画し、
慎重に検討することが大切です。
まとめ
定期借地権付きマンションの購入には調査が必須
定期借地権付き中古マンションは、
割安で購入でき、立地の良い物件が多いという
メリットがある一方で、
資産価値の減少やランニングコストなどの
デメリットも多く存在します。
特に、資産形成を目的としている人や
将来設計が明確でない人にとっては、
購入後に後悔する可能性があるため注意が必要です。
リスクやデメリットを理解した上で
購入を検討する場合は、
確認すべきポイントを
しっかり把握した上で、判断しましょう!
不動産のご相談ならウィローズ
資金計画の立て方が分からない、相談できるいい会社や担当者がいない
という方はぜひ武蔵小山最大級の不動産会社ウィローズにお任せ下さい。
お客様のご要望に合った物件をご提案させていただきます。
お気軽に公式LINEからご相談下さい。