はじめに
「購入申込み」~「売買契約」までをご紹介した【不動産購入の流れ】に続き、「住宅ローン審査」~「引っ越し」までをご紹介。不動産購入って契約したら終わりではなく、実際に引き渡しをうけ引っ越すまでにもたくさんやることがあります。仕事を休まないといけないこともありますし、とにかく段取りは大事!担当がいい営業であればうまく段取りもしてもらえますが、そうでない場合思わぬ落とし穴に出会う可能性もありますので、ぜひこのパトロールを参考にしてみてください。今回も知らないと損をするような裏技、マメ知識を出し惜しみせず、徹底解説をさせて頂きたいと思います。「購入申込」~「売買契約」までは別の動画でご紹介していますので、合わせてチェックしてみてください!
本編
すべては段取り次第!まず、流れを把握
今回の流れは「住宅ローン審査」「銀行と契約(金消)」「決済」「引っ越し」となります。まずこの「住宅ローン審査」から「引っ越し」までの期間ですが、新築戸建や新築マンションで完成前に契約した場合だと、完成しないと引渡しができないので、新築マンションの場合で引越しまでは1年後とか、新築戸建でも3か月後とか、時間の余裕があります。ただし、新築でも完成している場合や、中古物件の場合だと、買主がお金の用意が出来たらすぐ「決済」になります。すると契約後、お金を払うまで1か月しかないなんていうケースが割とあります。
しかも注意しなければならないのは、「金消」「決済」は、平日の昼間しかできないという事です。銀行やってないと振込できませんし、法務局がやってないと登記ができません。金消と決済で「1か月に2日仕事休むの?」という事なんです。これ意外と大変ですよね?契約する前に知っておかないと後悔する事になるので、この流れ、必ず押さえておくべきです!
最近では銀行との契約も郵送OK、土日対応OKの金融機関も増えてきましたが、まだまだほとんどの金融機関は金消・決済は平日なので、スケジュールを確保しておく必要があります。また1か月に2日も休めないということであれば、購入申込の段階で、契約から決済までを1か月半とか2か月にしてもらえるよう交渉しておきましょう。不動産会社が購入申込をお客様から頂く時は、契約がまとまるかどうかしか考えていない担当もいるので、ちゃんと決済までの段取りもお客様目線で考えてくれる担当者だと「当たり」だと思います。
ローン審査は一気に複数の銀行に出す!
それではひとつづつ解説します。まず「住宅ローンの申込」です。ここで押さえておきたいのは、住宅ローンの申込は受験と似ているということ。受験っていくつでも併願できるじゃないですか。受験して合格、受験して合格、出そろった合格の中から一つ決めて入学手続きをします。住宅ローンも一緒で、審査して承認、審査して承認、審査の承認は何個でも取っていいんです。その中で一番条件の良い所に決めて契約することになります。
しかし、先ほども言いましたが契約から決済までは、なんせ時間がない。場合によっては1か月しかない。住宅ローンの審査は最短でも2週間、長いと1か月かかりますから、1つ出して結果待って、その結果見てから、また1つ出してという流れだと間に合いません。だから、契約が終わったら、気になる金融機関はまとめてだす!2つでも3つでも出す!ちょっと書類を書くのはめんどくさいですけど、35年間返済しなければいけない先がここで決まるんです。面倒くさがらずに書いて下さい!
ローンの内容は金消契約までに決定
次に銀行との契約です。「金銭消費貸借契約」と言って、不動産業者は金消とか金消契約って言います。金消契約の当日は2時間くらいかかる場合もりますが、ちょっと長いなくらいで、さほど気にしなければいけないポイントはありません。ただ金消を結ぶ「前」におさえておくポイントはあります。
まず借入額をどうするか。購入金額以外に仲介手数料や登記費用や諸費用も考えなければいけませんし、カーテン、照明器具、家具、家電と色々お金がかかりますから、お手持ちの資金と合わせて借入額を決めないといけません。あと、返済方法です。元金均等か元利金等か、借入期間どうするのか、ボーナス払い入れるのか…これ金消当日に言っても変えられないと思って下さい。また、事前に言っても借入年数短くするとかだと再審査になる場合もあるので、不動産業者の担当とマメに連絡した方がいいですよ。
決済は月末、25日、五十日、金曜午後を避けよう
次に決済です。買主が残代金を支払い、登記名義を移転し、鍵の引渡しをする。これをまとめて「決済」と言っています。平日の朝9時とか10時にやるケースが多いです。万が一印鑑証明忘れたとか通帳わすれた時に、取りに行ける時間が確保できるように朝イチでします。
決済は早いと1時間、長いともっとかかることもあります。決済自体は書類確認して振り込むだけなので、30分位あれば手続きは終わります。じゃあ、あとは何の時間かというと、買主がお金を振り込んでから、売主に着金するまで待ってる時間が長~いんです。この30分とか1時間とか、雑談しながら「まだ入らないですね」とか言って待ってるんです。僕せっかちなんでこの時間本当に無駄だなって思います。送金って世の中で多い日というのがあって、その日に決済すると着金まで時間がかかります。なので、決済を避けた方がいい日は「月末」「25日給料日」「五十日(ごとうび)」「金曜日の午後」ですね。最悪なのは「3月31日」です。振り込んでから2時間位着金までかかることがありますから出来るだけ避けて下さい。
決済後は7日以内に全設備をチェック
最後に引越しです。気を付けなければならないのは、決済をしたら7日以内に全部の設備を使ってみることです。決済してもリフォームがあったり、タイミングが合わなかったりで、7日以内に引っ越しをしないというケースもあると思いますが、給湯器からお湯が出ないとか、ガスコンロがつかないとか、シャワーやトイレの調子が悪いとか、そういう設備の故障は、決済から7日以内に故障が発見されれば、売主がなおしてくれます。元々壊れてるって聞いてたものはダメですよ!壊れてないって聞いてたのに壊れていたら直してもらえます。8日目以降に発見されても直してもらえません。特に注意するのが季節ものです。床暖房とかエアコンとか。真夏に決済したとしても、7日以内に床暖房必ず付けてチェックしないとだめですよ!これを知っておくかどうかでただで直してもらえるか、自腹になるか決まってきますのでね。
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まとめ
住宅ローン審査は受験と同じ。気になる銀行は一気に出す!
ローンの内容は金消前に決めておく
決済日を選んで時間短縮すべし!
決済後7日以内に全設備をチェック
記事監修者
朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役
2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。