詐欺広告?!戸建ての床面積にご注意!90㎡の家は90㎡にあらず

# 不動産のルール

# 不動産購入

はじめに


戸建ての購入を検討していると、広告上は延床面積90m2となっていて、ゆったりした3LDKと思いきや、実際には家の中が狭い、一つ一つのお部屋が狭い!なんてことがおこる場合があります。これ、実は建築基準法上の床面積が、車庫やカーポートを含む面積になっていることから起きているんですね。こういうお客様にとって不利な誤認が起きないように、不動産広告規約というものがあって、誤解のない広告をするように決められているのですが、一部の業者の広告では誤認してほしいかのような表現も見受けられることがあります。今回はそういった怪しい広告に騙されないように、広告の見方、注意点をお届けしていきます。


本編

物件の床面積には車庫の面積も含まれている

物件の床面積には車庫の面積も含まれている

この図面を見てください。

東京だとよく見る車庫付き、3階建ての一戸建てですね。3LDKです。この床面積を見て頂きたいんです。83.85m2となってますよね。
では質問です。この家の面積は何平米でしょうか?何言ってるのポリス、83.85m2って書いてあるじゃんと思われるかもしれませんが 答えは83.85m2じゃないんです。ここに「車庫面積8.86m2含む」って書いてますよね。つまり、83.85m2の中に、車庫の面積が8.86m2入っているということなので本当の床面積は74.99m2が正解です。

これ、詐欺みたいじゃないですか?

なぜこんなことが起こるかというと、車庫やカーポートも屋根があるじゃないですか?屋根があるなど条件によっては、建築基準法上「れっきとした建築物」とみなされるため、正々堂々と建物面積、延床面積に含まれるんです。車庫やカーポートの面積がどの程度建築面積に含まれるのか、詳しい条件や計算方法はややこしいので、ここで知っておく必要はないですし、専門家に任せればいいのですが、大事なのは、お客様がポータルサイトや不動産業者からもらう図面(マイソク)で物件を検討するうえで、車庫面積が入っている場合もあるよ。ということを知らないと、思っていたより家の中が狭い!ということがおこるということです。

お客様に誤解を与えないため広告表示ルールがある

建築基準法上は車庫やカーポートは床面積に入るケースが多いですが、「床面積」といえば、ふつうは家の中の面積だと思いますよね?なので本当なら、お客様にお渡しする図面やポータルサイトに掲載されている床面積は、マンションでいうところの専有面積=家の中の生活上の床面積を表示したほうがいいわけです。でも、建築確認上は床面積に車庫やカーポートの面積を含んでいるため、そのままで床面積を表示することがどうしてもあります。しかし!その場合には「床面積に車庫面積を含む」ことを明記して、さらに含まれている面積が何m2なのかも明示しなければいけないとルールできちんと決まっています。
お客様にちゃんとした生活面積をわかるようにしないといけない、ということなんですね。

もし床面積に車庫の面積が含まれていた場合、車庫の幅はだいたい2.5m、奥行きが5mありますので、車が全部入るようなちゃんとしたガレージの場合は12.5m2も車庫の面積があります。大きな家のカーポートなどはそれ以上面積をとることもありまますから、床面積としてとても大きな違いになるので、車庫が含まれているかどうかは明示するのが当然です。

 

ルールを守らない業者は信用しないこと

もしこのことをきちんと明示していない図面、説明しないという不動産会社にあたってしまったら、お客様が勘違いしてもらうよう誘っているか、ちゃんとした室内の床面積を書かないとお客様が分からないよね、ということにも気づかない不動産業者かどちらかだと思います。ポリスとしては、そういう業者さんはお客様目線ではないのかな?と考えて、お付き合いを慎重にされることをおすすめします。
ポータルサイトなどで物件を探される場合は、床面積に対して各居室の面積や畳数表示が同じような物件に比べて狭いなど、図面上に変なところがないか気を付けて見てみるのもいいかもしれませんね。

バルコニーは床面積に含まれない

バルコニーは床面積に含まれない

また、同じように床面積には含まれているけど、実際使えないよね。というものに、ルーフバルコニーへの階段を上がった踊り場部分があります。

建築用語で「PH階」とかペントハウス部分とか言いますが、これも延床面積に入っている場合がありますので、注意が必要です。
逆に、バルコニーは床面積には含まないというルールがあるので、広いルーフバルコニーがついていたり、最近はリビング続きで大きなバルコニーがあって、晴れた日にはご飯食べたりできる、ほぼ部屋でしょ、というバルコニーもあります。最近はアウトドアリビングとか言うらしいですけど、これも、バルコニーであれば床面積に入っていない(別表記になっている)ので、表記上の床面積よりも使い勝手は広く感じる場合もありますね。

関連動画もチェック

2021.05.24

不動産業界の闇!?仲介の両手・片手問題のポリス的決着~

中古マンション

#おすすめ

#おすすめ

2022.02.03

土地購入前にチェック!建物の北側の高さ制限「北側斜線」を分かりやすく解説(基礎編)

中古マンション

#おすすめ

#おすすめ

2022.03.24

悪徳不動産業者?指定の火災保険加入を強制された!視聴者の質問にポリスが回答。

中古マンション

#おすすめ

#おすすめ

まとめ




Point.
1

建築基準法上は車庫面積やカーポート面積は床面積に含まれている。







Point.
2

広告上の床面積に車庫面積やカーポート面積を含む場合は、その旨を明記しなければならない。







Point.
3

ルールを無視した広告をしている不動産会社とのお付き合いは慎重に。







Point.
4

記事監修者



朝倉 大樹(宅地建物取引士)

株式会社ウィローズ 代表取締役



2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。

2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。

不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。