【中古マンション】自分の家なら絶対選ばない特徴5選

# 中古マンション

はじめに

マンションを購入する際の選択肢として中古マンションを検討される方は年々増加しています。すべてのリスクを排除することは不可能ですが、中古マンションはそのリスクを知り納得したうえで購入することが大切です。
不動産会社社長が自分の家なら絶対購入しない5つの中古マンションをピックアップしました。

本編

中古マンション購入がスタンダード化

マンション市場では新築マンションの供給戸数は年々減少しており、それに伴い中古マンションのストックは年々多くなっているので、マンションを購入する際の選択肢として中古マンションを検討される方も年々増加している状況だと思います。特に東京都心部などでは、新築マンションが供給されるような立地の良い空き地はほとんど残っていないですし、超都心で再開発などでタワーマンションが分譲される事はありますが、ほとんどが億越えのお部屋で、サラリーマン世帯が購入できるような価格帯ではなくなっているというのが東京の実情です。

したがって、駅から近いとか、利便性の高いといったような立地の良いエリアでマンションを購入したいという方は、ほぼほぼ中古マンションをメインターゲットとして物件を探される事になると思います。新築マンションであればある程度質の担保がされている事が多いですが、中古マンションの場合は、今ではあり得ないような管理体制だったり、建物設備が搭載されている事がありますので、いいなと思って購入されても、後々転売などをされる際に資産価値が大きく下がってしまうような時限爆弾を抱えているような中古マンションもたくさん存在しています。
しかし、少しの知識があれば、将来の資産下落リスクを内在しているようなマンションを見分ける事が出来ますので、このブログを見て頂いてお力になれればと思っております。

リスクを理解し後悔のない購入をするために

しかし、このようなyoutubeの動画やブログをご覧頂いても、マンションのリスク、デメリット等は10点も20点もポイントが出てきます。自分が気に入った立地で、予算内の価格でせっかく気に入った物件が見つけられたとしても、このネットで出ているような10や20のリスクポイントをすべて排除していくと、おそらく中古マンションは見つける事は不可能だと思います。

今回は、私、不動産ポリスが中古マンションを購入する場合に、これだけは避けたいというポイントを5つに絞ってお送りさせて頂きます。

①機械式駐車場付き
②総戸数20戸以下
③地下のあるお部屋
④旧耐震
⑤管理不全

しかし、矛盾しているようですが、今回上げさせて頂いている5つの特徴に当てはまっている中古マンションだったとしても、価格がものすごく安ければ購入はありだと思っておりますし、実際に私も買うと思います。このブログの見方としては、こういうポイントがあるマンションはリスクがあると理解したうえで、それでも価格が安く、立地が気に入ったので購入する。それは全く悪い事ではないと思っております。こういう特徴があるマンションはかなりリスクがある事を知らずに買ってしまい、後から後悔する事のないように!という思いでお届けさせて頂きたいと思っております。

①機械式駐車場付き

それでは、早速自分なら買わない中古マンションの特徴5点、第5位は機械式駐車場のあるマンションです。
都心部だとあまり見ないですが、都下や神奈川千葉埼玉ではかなり多くみられるマンションです。何が良くないかというと機械式駐車場はメンテナンス費用がかなり高いので、自走式駐車場と比べて将来の修繕費が確実に高くつきます。もともとの計画では機械式駐車場を借りる方から駐車場代を徴収するので、それで将来の維持費を捻出する。という計画で成り立っています。

しかし、いま皆さんが購入検討する時に既に駐車場の空きが目立つ場合は、徴収する駐車場代で修繕費を賄うという当初の計画が破綻していますので、将来その穴埋めとして駐車場を使っていない方でも修繕積立金を上げて賄っていくという事になります。したがって、今既に空きが目立っているマンションは私ならマンションの販売価格自体がかなり安くないと買わないですね。また、車離れが加速する立地、築年数の機械式駐車場があるマンションは、今は空きが目立ってなくても将来の事を考えるとリスクが高いと思います。

例えば、駅から比較的近いマンションなのに、住戸数に対して100%の機械式駐車場を確保している場合などは要注意です、駅から近いとカーシェアやタクシーなど、車なしの選択をされる方の割合も増えますし、マンションの購入年齢は30代が多いので、築年数が30年から40年経過しているマンションは、今はまだ駐車場が埋まっていても、今後お住まいの方の高齢化に伴い、免許の返納、車の運転を辞められる方も増えてしまい駐車場の空きが増える事も考えられます。機械式駐車場が確保されていていつでも車を停められることはメリットではなくデメリットになる事があるので、絶対知っておいてください。

②総戸数20戸以下

自分なら買わない中古マンションの特徴5点、第4位は総戸数20戸以下のマンションです。
戸数が少ないと、管理費・修繕積立金が高くなりがちです。総戸数が10戸でも50戸でもエレベーターは1台ですし、清掃員の人件費も一人分になります。このメンテナンス費を10人で案分して負担するのか、50人で案分して負担するのか、一人当たりの負担は5倍の差になります。当然管理費は戸数が少ない方が高くなってしまいます。また、修繕積立金も同様に、戸数が少ない方が一人当たりの負担が大きくなります。修繕積立金は年数を追うごとに高くなる傾向があるので、購入時に修繕積立金が月額1万円だったとして、20年後に修繕積立金が月3万円になってしまう事もあり得ます。

そうならないために、戸数が少ない場合は長期修繕計画があるかどうか、管理費や修繕積立金が上がる予定はあるか、マンションの管理会社から重要事項調査報告書や直近の総会議事録を取り寄せてくまなくチェックをする必要があると思います。また、管理組合の運営は東急コミュニティや日本ハウズイングなどのマンションの管理会社に委託する事が多いのですが、戸数が少ないと大手の管理会社は受けてくれない事もありますので、プロの管理会社に運営を委託するのではなく、自分たちで管理運営するという自主管理という管理形態になっている事がかなり多いです。
この自主管理は理事長とか金庫番の方の性格によってしまうので、かなり杜撰な管理になってしまう事も多いです。マンションは管理を買え!というくらいですから、戸数が少なくかつ自主管理だとかなり避けた方が良いマンションといえるかもしれません。私は相場の2割安とか、相当安くないと買わないですね。相当安くても投資物件としてなら検討しますが、そういうマンションは自分で住もうとは思わないです。

また、これはレアケースかもしれませんが、私が経験した実話で戸数が11戸のうち6戸が同じ所有者さんが持っているマンションがありました。これは、議決権で過半数取られてしまっているんですね。そうなるとやりたい放題なんです。そのマンションは過半数持っている人の一存でマンション名を変えてしまいました。こういう事も戸数が少なくなると起こりえますので、注意が必要です。

③地下のあるお部屋

自分なら買わない中古マンションの特徴5点、第3位は地下のあるお部屋です。
マンションで地下室はイメージにないかもしれませんが、実際はメゾネットになっているお部屋で入口が1階で、室内に階段があって地下にベットルームがあるような物件、結構多いんです。これは限られた敷地に建物を目一杯建てて販売面積を増やしたいデベロッパーの都合で作られた部屋なので、地下ですから当然ですが、通気性が悪い、日当たりが悪い、カビが生えやすい、などの悪影響があります。

一番良くないのは、新築の時は、モデルルームで買われると思います。その時は実際のお部屋の暗さ、湿度、地下の悪い点は分からずに購入されてると思うんですよ。これが実際に建物が完成して室内に入ったら、こんなに暗いのか、ここまで閉塞感があるのか、と思われる事は多いです。今回は中古マンションなので実際のお部屋を確認してから買う事が出来るので、こういった地下付きメゾネットのお部屋の条件の悪さを確認してから買う事が出来ると思います。

しかし、においの問題があり、地下のお部屋は築浅だとカビの匂いがあまりしないのですが、築年数が経てば経つほどカビ臭が染みついてくるんですよ。そのため、買うときは「昼間仕事でいないし、寝室に使うし地下でもいいよね」と安易に買ってしまうと10年後に売却をする際に、カビ臭がすごくて売れない。という事はかなり起こりえます。

また、最近のゲリラ豪雨の際に、地下室があると浸水のリスクがかなり高まります。一度でも浸水してしまうと、売却する時に告知事項として買主に伝えないといけないので、一気に売れなくなってしまいます。マンションの立地が低い場所じゃないから安心という事でもなくて、地下部分にトイレお風呂などの水回りがある場合は、そのエリアが冠水していなくても、汚水が逆流してトイレから汚水が噴き出す形で室内に流れ込むこともありますので、地下室かつそこに水回りがあるマンションは私はどれだけ安くても買わないですね。

④旧耐震

自分なら買わない中古マンションの特徴5点、第2位は旧耐震のマンションです。
旧耐震というのは昭和56年6月以前の建築確認申請にて建てられたマンションの事で、現在の耐震基準と比較して耐震性が脆弱なので、旧耐震物件と言われています。この旧耐震物件はもちろん耐震が弱い訳ですから、大きな地震が来た時に自分の命を守れない事がリスクですし、地震が来た時に、大丈夫か!?崩れないか!?と、常にその恐怖が付きまとうわけですから、安心な我が家・マイホームという観点からも旧耐震は不安があると思います。

また、旧耐震物件はそれだけではなく、住宅ローンが組めなくなる可能性があるという点もかなり大きなリスクです。現時点では旧耐震物件であっても住宅ローンを貸してくれる金融機関はいくつかありますが、年々減っているような状況です。もしあなたが旧耐震物件を購入し、将来売却をしようと思った時に、その物件に住宅ローンを貸してくれる金融機関が一つもなかったら、現金購入の方にしか売れない物件になってしまいます。そうなると資産価値が下がってしまうのは目に見えてますよね。

どうでしょう、ローンが組めないとなると、相場よりも2割から3割安くないと売れないんじゃないでしょうか。この旧耐震物件は世の中にものすごく沢山存在しています。昭和56年より古い物件は全部旧耐震物件になりますから、世の中には昭和40年代のマンションも沢山あります。その旧耐震物件がすべてダメというわけではなくて、中には管理組合でお金を出して耐震診断をしていたり、その結果耐震基準を満たしていない場合は、耐震補強工事をしているマンションも年々増えています。
マンションの住民の皆様も自分の大切なマンションという資産が旧耐震だから2割3割目減りしてしまうとただ事ではないですから、修繕積立金を増やしたり一時金を支払ってでも耐震補強工事をして資産性や安心感を高めようとしているマンションは増えています。今、旧耐震物件で耐震補強工事がなされていない物件であっても、修繕積立金がかなりの額たまっているとか、今後耐震補強工事をしようとしているとか、その為に修繕積立金を上げる計画があるという事なら、まだ価格によっては買ってもいいのではないかと思います。やはり管理がとても大切という事になりますね。

⑤管理不全

自分なら買わない中古マンションの特徴5点、第1位は管理不全マンションです。
管理不全マンションというのはいくつか原因がありますが、修繕積立金が全く足りていないマンションであったり、自主管理で管理体制、特にお金の面が不明瞭で杜撰だったり、長期修繕計画が立てられていなかったり、次の大規模修繕工事をやるだけのお金が貯まっていなかったり、やる意思がないのか、修繕積立金が築年数の割にかなり安かったりするマンションの事です。

このようなマンションは現地の共用部を見たら、鉄製の手すりの塗装がされてなかったり、エレベータがかなり古いまま取り換えられていなかったり、外壁も汚れやひび割れが見られ、大規模修繕工事を長らくやっていなかったんだろうなと感じるマンションは管理不全に陥っている可能性がありますので注意が必要です。こういうマンションの場合、共用部はメンテナンスされてなくても、お部屋の中はフルリノベーションされていてピカピカだったりしますので、お客様が意外と現地をご覧になられて盛り上がってしまって買っちゃうという事があります。かなり危険です。
共用部がメンテナンスされていないという事は、買う方が気になる気にならないだけの問題ではなくて、そこから管理組合の運営方針が垣間見えます。これまで修繕積立金を正しく積み立ててこなかったので、あなたが買ってから過去のツケも含めて補填しなければ修繕できないので、修繕積立金が急激に上がったり、逆に、ほとんどの所有者が自分では住んでいなくて、外部の方に貸している投資用マンションだと、自分が住んでいないので、修繕積立金を上げる事は投資物件の手取りが減る事になるので、管理組合の決議で修繕積立金を上げてメンテナンスして行こうとならない事があります。

そもそも新築時から60年後70年後を見据えて修繕積立金を正しい額徴収してればいいものを、今までの所有者が適正な修繕積立金を払ってこなかったツケを、中古で買った自分が修繕積立金の増額という形でこれから何十年もかけて補填していくってかなり嫌ですよね?私だったらこういった管理不全マンションは絶対買わないですね。

今回は、自分が買うなら絶対に選ばないマンション5選というテーマで解説してまいりました。是非参考にして頂けますと幸いです。

 

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まとめ

Point. 1

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。