はじめに
最近は、リノベーションの中古マンションが人気です。リノベーションの技術が向上し築年数が古いマンションでも新築のような仕上がりになるのでお得な感じがしますよね。最近では中古マンションを買って自分好みにリノベーションするというケースも多くなってきました。でも「リノベーションに適した中古マンションの選び方」や「リノベーション工事会社の選び方」「リノベーション工事の注意点」を押さえておかないと、せっかくのマイホーム購入を後悔してしまうかも。そこで今回は「中古マンションのリノベーションやってはいけないこと10選」について解説していきます。
中古マンションのリノベーションに関して、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にして下さい。
◆【徹底比較】リノベーションマンションと中古マンションの違い
本編
【中古マンション】リノベーションでやってはいけないNG10選
「リノベマンション」っていう言葉もみなさんよく聞くようになったのではないでしょうか? 東日本不動産供給機構の「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況」によると、築30年以上の中古マンションの取引件数が最も高い数値になっているんですね。(図1)
しかし、中古マンションは、ほかの人が使ったあとに利用するので、使用感や中古感というものがどうしても気になりますし、築30年ともなると、買ってそのまま住む、というわけにもなかなかいかないですよね。そんな築30年以上経っているマンションでも「床」「壁紙」「キッチン」などを交換することで、内装は新築のような仕上がりになりますし、年々リノベーションの技術も向上してきていますので、「中古マンション、アリですよね。」と、価値が見直されているといえると思います。
実際、現場でもここ10年位で、古いマンションを仕入れてリノベーションするのが専門の不動産会社も増えており、人気の高まりを感じています。そのような中で、更に発展して、業者が既にリノベーションをした物件を購入するのではなく、リノベーションされてない中古マンションを買って・自分好みにリノベーションをされる、というケースも多くなってきました。でも、実際リノベ工事についてはほとんどの方が初心者ですよね。リノベーション工事をやるという前提で、中古マンションを購入検討している方であれば、「リノベーションに適した中古マンションの選び方」や「リノベーション工事会社の選び方」「工事の注意点」を押さえておく必要があります。そこで、今回は、「やってはいけないリノベーション10選」について、解説していきます。
このやってはいけないリノベーション!については、以下、「中古マンションの選び方」「リノベーション業者・工事の選び方」「リノベーションに関する勘違い」という3つのパートに分けて10のポイントを解説して行きます。
▼やってはいけない中古マンションの選び方
①希望する工事ができない物件
②旧耐震基準のマンションをリノベーションする
➂資産価値の低いマンションを選んでしまう
▼やってはいけないリノベーション業者・工事の選び方
④物件をみつけてからリノベーション業者を探す
⑤実物をみないで判断する
⑥ワンストップ業者を利用しない
⑦配管経路を確認しない
⑧天井高を圧迫してしまう工事
▼リノベーションに関する勘違い
⑨リノベーション費用が資産になると勘違い
⑩個性的なリノベーション
図1
①希望する工事ができない物件
まず、やってはいけない中古マンションの選び方について、「その1.希望する工事ができない物件」です。
よくある失敗のケースとして挙げられるのが、希望する工事ができないような物件を購入してしまうケースです。たとえば、マンションの管理規約が厳しい物件では、リフォーム・リノベーションに関する規約、ルールが多く定められています。フローリング不可だったりの建材の種類が定められていたり、水回りの位置を変えないで下さい!などの間取り変更に厳しく規制がかかっている物件では、希望している工事ができないことも珍しくありません。したがって、リノベーションを前提として中古マンション選びをするのであれば、管理規約が厳しすぎないマンションを選ぶことが重要です。
②旧耐震基準のマンションをリノベーションする
続いて、やってはいけない中古マンションの選び方、「その2.が旧耐震基準のマンションをリノベーションする事」です。
これは、やってはいけないというよりも、注意しなければならないポイントといった方が正確だと思います。中古マンションは古ければ古い方が安い場合が多いです。したがって、かっこいいリノベーションをしたいのでリノベーションに予算をしっかりとかけたいと言う方は、できるだけマンション自体は古いものでいいから安いものを探される方も多いです。しかし、古い物件を選ぶ際にはかならず、耐震性能を確認しましょう。1970年代ごろからマンション供給は本格的にスタートしましたので、築40年以上のマンションも中古マンションとして世の中にたくさん流通して実際に取引もされているんですね。
しかしながら、耐震性能は1981年6月に建築基準法の大改正があったので、それより古い基準で建てられたマンションだと耐震性能に問題があるマンションの可能性が高いです。そうなると、せっかく購入した中古マンションも、耐震性能から安心して居住できなかったり、売却時もなかなか購入者が見つからない可能性も高いですよね。そこで、地震などの災害に対して強いマンションを選ぶためには、築30年を目安に物件を選ぶといいでしょう。築30年のマンションになると、今で言うと1990年代のマンションという事になるので、耐震基準もしっかり定められた「新耐震基準」によって施工されたマンションになります。1980年代のマンションですと、新基準で建てられたのか旧基準で建てられたのかチェックが必要です。この新耐震基準においては、「震度6以上」の大規模地震で建物が倒壊しないことが定められているため、地震大国の日本では新耐震基準で定められた建築物かどうかは大切なチェックポイントになるでしょう。
さらに、築30年の中古マンションになると、マンションの大規模修繕工事が1〜2回ほど完了していることが多いです。実際に、国土交通省のマンション長期修繕計画書作成ガイドラインにおいては、1回目の修繕工事は築12〜15年目程度、2回目の修繕工事は築24〜30年目程度で実施するように定められています。このように、大規模修繕工事が実施されている中古マンションは、適正にマンション管理が行われているということがわかるため、資産価値が高いマンションであることが伺えます。古いから不安がある方もいるとは思いますが、いままで実際に大規模修繕工事をちゃんとやっているか、計画はどうなっているのかなど、リアルな管理状況を確認してから買えるのも中古マンションのメリットかなと思います。出来れば新耐震の物件を選ばれた方が良いとは思いますが、とはいえ都心部の物件の場合は築が新しいものだと金額的にも張ってしまう事が多いのも事実です。旧耐震の物件が全ていけないということではないですが、それなりのリスクがあるということも把握して判断をして下さいね。
➂資産価値の低いマンションを選んでしまう
やってはいけない中古マンションの選び方、「その3.が資産価値の低いマンションを選んでしまう事」です。
リノベーション前提で中古マンション選びをしている方に多いのが、リノベーション工事に費用がかかるので、マンション自体の価格はなるべく、できるだけ安く買いたいということから、本来は避けるべき資産価値が低いマンションで妥協してしまうケースです。先ほどの耐震の話もそうですが、幹線通りで騒音や粉塵がすごい場所であったり、修繕積立金や管理費がとても高い物件もそうですし、駅からすごく遠い物件であったりと、転売する時に著しく売りづらい物件を選択してしますと、将来非常に困る事になります。自分好みのリノベーションをシッカリと予算をかけてやりたい、だからこそ物件価格はなるべく抑えたいという気持ちも理解はできるのですが、とはいえ不動産は何千万円もするお買い物ですので、将来売ったり貸したりしづらい物件は絶対避けるべきですよね。逆に、ちょっと高いなと思っても資産価値の高い中古マンション選びができると、将来マンションを手放す際も、高値で取引できたり、購入者を短い期間で見つけることができるのでおすすめです。
④物件をみつけてからリノベーション業者を探す
つぎに「やってはいけないリノベーションの業者・工事編」について解説していきましょう!
やってはいけないのは、「その4.物件をみつけてからリノベーション業者を探す事」です。
ここまで、中古マンションの選び方について解説してきましたが、物件を探してから、リノベーション業者を探してしまうと、先ほども解説したとおり、「希望している工事」がそもそもできないという危険性が発生してしまいます。また、リノベーションができそうな良い中古マンションを見つけたとしても、そこからリノベーションしたい業者を探して、ようやく見つかってから現地に行ってもらい見積もりを取り、、、なんでやっているうちに、他の方にマンションを取られてしまう事は不動産仲介の現場ではよくある事です。
このような機会損失を防ぐためにも、物件を見つけてからリノベーション業者を探すのではなく、信頼できるリノベーション業者を見つけておく必要があります。また、物件を購入する前に、実際にリノベーション業者の方にもついてきてもらい、リノベーション工事が可能かどうかや、金額の見積などを合わせて行えると、後で希望のリノベーションが出来ない場合や、予算が大幅にオーバーしてしまうといった事を避けられるので、おすすめしております。
⑤実物をみないで判断する
やってはいけないリノベーションの業者・工事編、「その5.が実物をみないで判断する事」です。
リノベーション業者を探す際には、ホームページやカタログ・パンフレットから、自分のイメージに合うような施工、かっこいいな!と思うような施工例をあげている業者を探す方が多いでしょう。しかし、カタログ・パンフレットだけで判断してしまうと、完成前と完成後のイメージが違ってしまうことがあります。特に、キッチン、お風呂、トイレ、あとは床材・壁紙・建具なども、カタログ・写真だけでみるよりも、実物は微妙な色のニュアンスや、質感が大きく違って見えます。信頼できるリノベーション業者の方と、しっかり打ち合わせをしておくことで、イメージの共有ができるので、注意しましょう。また、住宅設備メーカーにてショールームを設けている事が多いので、是非足を運んで実物を確認する手間を惜しまないようにして頂ければと思います。
⑥ワンストップ業者を利用しない
やってはいけないリノベーションの業者・工事編、「その6.がワンストップ業者を利用しない事」です。
ワンストップ業者とは、中古マンション探しから、リノベーション工事まで、一括して担当してくれる業者のことです。リノベーションを前提に業者を選ぶ場合に注意したいのは、リノベーションを担当する会社と、不動産仲介の会社がうまく連携が取れない場合に、お客様が間に入ってスケジュールの調整をしたりしなければなりません。例えば、管理組合へのリフォームの届出を、不動産会社から出すのか、リノベーション会社から出すのか、どちらもお見合いになって結局誰も申請を出していないなどのケースが起こります。
出来れば、不動産探しからリノベーションまでを一括して対応して頂けるワンストップ業者がいるのであれば、そういった業者を利用した方が、お客様は楽ですし、トラブルも少ないケースが多いです。しかし、注意しなければならない点は、ワンストップ業者でも、実際は不動産情報が弱かったり、不動産情報は強くてもリノベーションの提案やコストパフォーマンスが悪かったりする事もありますので、注意が必要です。弊社でもワンストップでリノベーション前提での物件探しのご相談を承っておりますので、LINEからご連絡いただければアドバイスさせていただきます。
⑦配管経路を確認しない
やってはいけないリノベーションの業者・工事編、「その7.が配管経路を確認しない事」です。
間取りも含めて変更していこうと考えている方であれば、水回りの配管についても確認しておく必要があります。配管経路は間取り変更に大きく影響し、築年数の古いマンションの購入を検討している方は、配管設備の移動がそもそもできない可能性も大いにあります。現在多くのマンションで採用されている「床スラブ上の配管」方式であれば、配管に傾斜をつけたりすることで、位置の変更が簡単にできますが、古いマンションだと、採用されていないこともあります。これは、見た目だけでは判断しづらいため、リノベーション業者のプロの方と確認しなければ、わからないでしょう。水回りも含めて間取りの変更を検討している方は、必ずプロの方に確認をしてからマンションを選びましょう。
⑧天井高を圧迫してしまう工事
やってはいけないリノベーションの業者・工事編、「その8.が天井高が圧迫してしまう工事」です。
バリアフリー工事を検討している方や、2重床を検討している方は、天井高が低くなってしまい、圧迫感のあるリノベーションになってしまう可能性があります。現在の新築マンションであれば、天井高は2.4mから2.5m程度あります。こういったマンションと比較した時に、自分のマンションの天井高が低いと、「圧迫感」を与えてしまい、将来売却する際も、なかなか購入者が見つからないという可能性が高くなってしまいます。現在であれば、天井高をあげるリノベーションもありますが、天井高をあげられるかどうかは、マンションの構造次第となっているため、リノベーション業者としっかり確認することが重要です。間取りに気を取られて、出来上がりの天井高が低くなってしまって圧迫感や資産性を低くしてしまうのはもったいないですよね。
⑨リノベーション費用が資産になると勘違い
それでは、最後に「リノベーションに関する勘違い」について解説していきましょう。
中古マンションリノベでやってはいけないこと、「その9.がリノベーション費用が資産になると勘違いする事」です。
リノベーション工事を実施することで、マンションの価値が上がり、高値で取引できるようになっていると勘違いしてしまうケースです。2000万円の中古マンションに、1000万円のリノベーション工事をしたので、3000万円の価値があるマンションになっていると考えてしまう方も少なくないです。1000万円のリノベーション工事をしても、将来売却する時にの1000万円分だけ高く売れるかと言えば、そうではありません。例えば、キッチンやお風呂を標準的なものに変えたりする事は、売却する時にもその分だけ高く売る事は出来ますが、床を大理石にしたり、天井を壁紙ではなく板張りにしたり、300万円するようなキッチンを入れられても、10年も経てば古くなってしまいますので、「費用をかければかけるほど高く売れるだろう。」というのは全くの間違いです。
一般的なリノベーションの金額を大きく超えるようなやりすぎリノベをしてしまうと転売時の費用対効果は悪くなります。リノベーションも丁度良い範囲で収める事が大切で、やりすぎると将来売るときに思ったより高く売れないということが良く起こりますので、注意しておきましょう。
⑩個性的なリノベーション
リノベーションに関する勘違い、「その10.が個性的なリノベーション」です。
個性的なかっこいいリノベーション工事をしたい、と思われるのはわかるのですが、それもやりすぎて拘りすぎると、なかなか万人受けしない物件になってしまい、将来売却する時に苦労してしまう事がよくあります。売りやすいのは、一般的なデザインのものがやっぱり売りやすいですよね。自分好みの設備・間取りにとがりすぎてしまうと、マンションの換金性・資産価値は低くなってしまう可能性が高いんです。もし、自分好みのリノベーションを施したいという方であれば、一戸建て住宅も視野に入れて、物件をさがしてみるのもおすすめです。
いかがでしたでしょうか。「【中古マンション】リノベーションでやってはいけない10選」というテーマで解説してきました。昨今、新築よりも中古マンションの人気がどんどん高まっており、「リノベーション」という言葉も、多くの方に親しみが生まれてきました。中古マンションの選び方と、リノベーション業者の選び方について迷っているという方は今回の記事を参考にして頂けますと幸いです。
目黒を中心に、都心城南(品川・目黒・世田谷・大田・港etc)の不動産については、武蔵小山最大級の不動産会社ウィローズにお任せ下さい。お客様のご要望に合った物件をご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。
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まとめ
記事監修者
朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役
2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。