# 不動産購入 # 不動産のルール
2022.02.032022.02.03

土地購入前にチェック!建物の北側の高さ制限「北側斜線」を分かりやすく解説(基礎編)

はじめに

マイホーム用に購入する土地には建物の高さ制限が設けられています。「北側斜線」は北側の家の陽当りが悪くならないように、自分の建物の北側の高さを制限する建築基準法上のルール。そしてさらに強い制限をかける「高度地区」が各自治体のルールで定められています。購入する土地に建てられる建物の高さ・形状を決める「北側斜線」を理解して、土地購入の参考にしてみてください。

本編

全国統一ルール「北側斜線」

北側斜線というのは、(図1)のように、建物が立ってしまう事で、北側の家の陽当りが悪くならないように、自分の建物の北側はこの高さ以下にして下さいね。というルールになります。
この建物の北側の高さの基準は、まず建築基準法で定められている全国統一ルールの「北側斜線」というものがあります。その北側斜線のルールが(図2)。

北側斜線というのは、用途地域によってかかるかからないが決まっています。図のように、第一種低層住居専用地域と、第二種低層住居専用地域は、敷地の北側の境界線から垂直に5m立ち上がって、そこから1対1.25の割合で斜線制限がかかります。また、用途地域が第一種中高層住居専用地域と第二種中高層住居専用地域ですと、敷地の北側の境界線から10m垂直に立ち上がって、そこから1対1.25の傾斜で高さ制限がかかります。これが全国共通の北側斜線になります。

全国統一ルール「北側斜線」

図1

全国統一ルール「北側斜線」

図2

各自治体が定める「高度地区」

ただし、建てられる建物の高さを考えるにあたって、この北側斜線制限だけ抑えていても、充分ではありません。各自治体がこれよりも更に厳しい規制を加えている事があるからです。これを「高度地区」と言います。

不動産のマイソク(チラシ)やパンフレットにも高度地区の制限は書いてあります。この高度地区は東京都と神奈川県でも違いますが、東京の高度地区はこのようになっております(図3)。
第一種高度地区は5m垂直に立ち上がって、1対0.6の角度、第2種高度地区は、5m垂直に立ち上がって、1対1.25の角度、第三種高度地区は10m垂直に立ち上がって、1対1.25の角度となります。建物の高さが15m、20mになるとまた制限が加わるんですが、みなさんが木造3階建の家を建築する時は、高さが10mもいかないと思いますので、もっと高い建物の場合は、今回割愛してます。
東京都の場合は、建築基準法の北側斜線によりも、高度地区の制限ほうが厳しい事がほとんどになります。

各自治体が定める「高度地区」

図3

東京では「高度地区」の制限の方が強い

東京では「高度地区」の制限の方が強い

高度地区と北側斜線

この図をみてください。用途地域が第1種中高層住居専用地域で、高度地区が第2種高度地区というケース。

これは実際現場でもかなり多いのですが、全国共通の北側斜線ですと、敷地境界線から10m垂直に立ち上がれるのですが、高度地区ですと5mしか垂直に立ちあがれないので、高度地区の方が制限が厳しくなります。
具体的には3階建ての屋根が斜めに削られる事なく建てられるか、3階の屋根が削られるかっていう事が違ってきます。土地を購入される場合は、この北側斜線だけではなく自治体によって高度地区が定められている場合がありますので、こちらも必ずチェックされるようにして下さいね!

まとめ

Point. 1

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。

関連動画