# 不動産購入
2021.06.182021.06.18

一体いくらかかるの?不動産購入時の諸費用シュミレーションしてみた

はじめに

不動産購入時には物件価格以外に諸費用というものがかかります。これを考慮せず資金計画をたてると、あれ?お金が足りない?なんてことになりかねません。同じ物件価格でも諸費用がこんなに違うの?という実際の諸費用明細をお見せしながらパトロールしていきます。

本編

二つのマンションAとB

まず、この二つのマンションをご覧ください。Aマンション、価格7580万円、Bマンション7580万円です。

二つのマンションAとB
二つのマンションAとB

二つのマンションの諸費用を比較

そしてAマンションの諸費用がこちら。356万円です。
Bマンションの諸費用がこちら。なんと578万円!

Aマンションよりも220万円位高い!金額の差が大きいのは「不動産取得税」とか「ローンの費用」。Bマンション、高いですね…。

ではなぜこんな違いが生まれるのか、購入時の諸費用について解説しながら見ていきましょう。
はじめに不動産購入時にかかる諸費用とは、明細にあるように「仲介手数料」「契約書用印紙代」「登録免許税」「司法書士報酬」「固定資産税」「不動産取得税」「火災保険料」です。また住宅ローンを組む際に係る諸費用として「ローン用印紙代」「事務手数料」「保証料」がかかります。一般的に物件を購入する時に係る諸費用としてはこのことを言ってまして、だいたい新築物件の場合は物件価格の4~7%、中古の場合だと物件価格の6~9%と言われております。

実際には、その他にも「引っ越し費用」「カーテン・照明器具・家具・家電費用」などもかかってきますが、どこまでが諸費用なの?というとキリがないので、今回はこの「仲介手数料」から「保証料」までについてパトロールしてまいります。

二つのマンションの諸費用を比較

Aの諸費用

二つのマンションの諸費用を比較

Bの諸費用

①仲介手数料

仲介手数料は物件の仲介業者さんに払う費用です。ネットでは中古の場合はかかって、新築の場合はかからない。と言っているサイトもありますが、これは間違いです。新築か中古かではなく、仲介業者がいるかいないかです。(図1)

新築の場合でも売主ではなく仲介業者が入って販売している場合は、仲介手数料がかかります。この仲介手数料の金額ですが、物件価格の3%+6万円+消費税というのが上限です。3000万円の物件であれば、105万6000円が上限となります。この+6万円っていうのは何なの?と思われると思いますので少し説明します。

仲介手数料は単純に3%ではなくて、物件価格の0円から200万円までの200万円は5%、200万円を超えて400万円までの200万円が4%、400万円を超える部分が3%なんです。400万円を超える物件を3%で計算すると6万円足りなくなるので、足して調整しているということなんです。(図2)

①仲介手数料

仲介手数料の考え方

①仲介手数料

仲介手数料の計算

②契約書用印紙代

不動産の売買契約書は収入印紙を貼らなくてはならない文書です。1000万円を超えて5000万円以下の場合は1万円、5000万円を超えて1億円までは3万円となります

③登録免許税

登録免許税は不動産の名義変更、銀行からお金を借りる際に抵当権設定登記費用など登記にかかる税金です。これは計算がややこしくて、物件によっても税率が変わるので、担当の不動産屋さんに聞いて正確に計算してもらいましょう。

④司法書士報酬

登記をする作業を「司法書士」という国家資格のある方にお願いする報酬です。だいたい10万円前後と覚えておいてください。

⑤固定資産税・都市計画税

不動産を所有していると毎年かかる税金です。この税金は1月1日時点の所有者に1年間分の請求がいきます。例えば年間の固定資産税が12万円で、4月1日に名義が買主に変わったとします。そうすると3か月分を売主、9か月分を買主が払わないといけないですが、1月1日の所有者に12万円の請求がくるので、残代金を払う時に合わせて9か月分の固定資産税を売主に払うことになります。

⑥不動産取得税

費用の差が大きかった項目です。これは不動産を取得した時に1回だけかかる税金で、土地と住宅家屋の場合は不動産評価額の3%、非住宅家屋だと4%になります。軽減措置があって0円になるケースも多いので、自分で判断せず、担当する不動産屋さんに聞きましょう。

⑦火災保険料

基本的には必須と考えてください。俺は料理しないし火事おこさないから大丈夫!という人も入ってください。失火責任法というのがあって、自分で火事を起こさなくてもお隣からのもらい火で火事になった場合、基本的にはお隣さんに損害賠償請求できないっていう法律があります。これはマンションの場合でも同じです。もらい火の場合もあるので必ず入っておきましょう。また、火災保険に付随する地震保険もできれば入っておきましょう。地震が原因で火事になった場合は、火災保険だけでは保険金おりませんからね。地震保険も出来れば入っておきましょう。

⑧ローン用印紙代

銀行とローンの契約書を交わすときも不動産の売買契約書と同様に印紙を貼る必要があります。借りるローンの金額によって変わりますが、1000万円を超えて5000万円までが2万円、5000万円を超えて1億円までが6万円です。売買契約書の倍の金額です。というより、売買契約書の印紙代が軽減措置で半額になっているというのが正しいです。

⑨ローンの事務手数料

住宅ローンを組むときに金融機関に払う手数料です。これは途中で完済してもかえってきません。金融機関によって異なっていて、5万円位の定額の所から、借入金額の2%位の所もあります。ここの差も大きいです。

⑩保証料

これも金融機関に払うお金ですが、これは事務手数料と違って途中で完済したら残り期間分の保証料は返ってくることが多いです。借入金額の2%位の所が多く、住宅ローンの金利を0.2%上乗せしたら保証料は払わなくてよい金融機関も多いです。
つまり、3000万円お借入れされるときに、保証料2%で60万円払えば金利0.5%ですが、保証料払わない場合は金利が0.2%上がって0.7%になります。でも保証料は無しでいいですよ、というものですね。住宅ローンを選ぶ時には金利だけではなく、事務手数料と保証料を総合的に判断して総支払額で決めるようにしましょう。

以上が諸費用の全体像になります。二つの物件でみたように同じ価格のマンションでも諸費用が200万円以上違うこともよくあります。買いたい物件が見つかった時には、自分で何となく調べるのよりも、不動産屋さんに諸費用明細をつくってもらうようにしましょう。すぐつくってくれると思いますし、めんどくさそうにしてたり、すぐつくってくれなかったりしたら、その不動産屋さんで買うこと自体を検討したほうがいいと思います。
諸費用も含めた全体の資金計画が明確になるようにして契約に進んでいきましょう!

まとめ

Point. 1

不動産を購入する時には、物件価格以外に諸費用がかかる

Point. 2

諸費用は新築物件の場合物件価格の4~7%、中古物件の場合は6~9%を目安に!

Point. 3

諸費用については自分で調べず、不動産会社さんに諸費用明細を依頼しましょう

諸費用を把握せずに途中でお金足りなくなっちゃった・・・という事が無いようにきっちりポイントを押さえておきましょう! 

Point. 4

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。

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