# 不動産購入
2021.05.262021.05.26

管理費・修繕積立金は安い方がいい?いえいえ、それ負債背負いますよ

はじめに

マンションを購入すると「管理費」と「修繕積立金」という毎月支払わないといけないお金がかかります。単純には「高いと嫌」「安い方がいい」となりますが、ちゃんと仕組みを理解すると、そうとも言えません。安すぎるとかえって損することもあります。マンションは管理を買え!とも言いますので、「管理費」「修繕積立金」のしくみを正しく理解して、どのくらいが適正なのか、どういう点に注意して物件を選ぶといいのかなど、マンション購入時の参考にしてください

本編

管理費・修繕積立金ってそもそも何なの?

何となくわかるとは思いますが、改めて説明していきます。まず管理費ですが、マンションって部屋の中はそれぞれの方が持っていますが、共用部分、メインのエントランスとか、エレベーターとか、そういった場所も運営するのにお金かかりますよね。電気代とか水道代とか、管理人さんがいる場合はその人件費、あとは共用部分にも管理組合で火災保険かけてるのでその保険料とか…そういうマンションを運営するのにかかるコストはマンションの所有者みんなで負担しましょうね。というのが管理費です。当然ですが、共用部分にジムがあったり、プールがあったり、タワーマンションとかって豪華な設備があって、24時間対応のコンシェルジュさんがいたり、そう、共用部って豪華になると管理費も高いんです。けど、基本的にかかっている費用を頭割りにして払っているだけなので、管理費が高ければ、その分受けられる恩恵というか、高い管理費はその分良い管理を受けられるというものなので、高いから悪い、安いからお得っていうものでもないと僕は思います。当然マンション全体でかかっている費用を頭割りしていくので、マンションの戸数が少ないと割高になる傾向が強いです。100戸のマンションでも10戸のマンションでもエレベータは1台、管理人は一人ということもあるので、戸数多い方が頭割りも安くなりますよね。そういう意味では戸数多い方がお得だとは思います。

次に修繕積立金なんですが、マンションの共用部も定期的にメンテナンスしていかないといけないじゃないですか。外壁とか、屋上の防水とか、内廊下のじゅうたんがボロボロになってきたから替えようかとか、エレベーターが古いから取替えようかとか、そういった費用って大規模なマンションだと数千万とかするんですよ。その時に一部屋づつじゃあ100万円払って下さいとかその時にまとめて徴収すると、結構厳しいじゃないですか。払えない人も多いでしょうし。なので、そういう将来の修繕の為に積み立てておきましょうね。というのが修繕積立金と言う事になります。

修繕積立金の適正金額っていくらなの?

これ低層のエレベータがないマンションと、タワーマンションだと修繕する時の金額も全然違います。なので一概に言えないんですが、一つの目安としては1㎡あたり月に200円って言われてます。あくまでも目安ですよ!なので50㎡のマンションだと月1万円、80㎡だと月16,000円が目安ということになります。そこで問題です!では同じ80㎡のマンションで、修繕積立金が8,000円のマンション、16,000円のマンション、24,000円のマンション、どのマンションがお得だお思いますか?…これは答えはないんです。ないというか、金額では判断できないんです。「ちょっと、待ってよポリス、そりゃ、毎月の支払いが安い方が得に決まってんじゃん。」「修繕積立金24,000円払わないといけないマンションよりも8,000円でいいマンションの方がお得に決まってるじゃない!」と思われる方、もしかしたら多いかもしれませんね。けどこれ断言します。間違ってます!!こういう考え方をしてみると見方が変わると思います。

安すぎる管理費・修繕積立金が負債となる理由

例えば、一戸建ての場合、当然マンションと違って管理費とか修繕積立金はかかりませんよね。一戸建てなので自分でやりたいように修繕、それこそ建て替えもできちゃうので、強制的に集めるお金はないです。でも、ある中古の一戸建てが例えば5,000万円で売っていて、所有者さんが毎月こつこつと将来の修繕の為に毎月24,000円貯めて年間28万8,000円、それを10年で288万円、貯めてたので、この家を5000万円で買ってくれるなら、このコツコツ貯めた288万円を引き継ぎます、差し上げます。その代わりあなたも毎月24,000円貯めて下さいね。将来修繕にその位必要になると思いますという一戸建てがあるとします。
それに対して、特に今まで何も考えてなかったけど、何となく月8,000円は貯めてて、1年で96,000円、10年で96万円は貯まっています。5,000万円の家を買ってくれたら96万円は引き継ぎます。けれど、将来それで足りるかどうかは分かりません(ほげー)という一戸建てがあったとします。

さて、あなたはどっちを買いますか?おそらく24,000円の家を買いますよね?つまり、毎月の積立金の高い安いではなく、将来の修繕計画をきっちりと立てていて、これだけ必要だからこれだけ積み立ててますというマンションの方がいいじゃないですか?これを「長期修繕計画」と言います。フラット35、住宅金融支援機構がやっている固定の住宅ローンですが、フラット35はこの長期修繕計画がないと融資しません。長期修繕計画はめちゃめちゃ大事なんです。長期修繕計画があって、積立金8,000円で大丈夫、将来修繕できます。というのならそれはいいのですが、積立金8,000円だけど、何にも考えてなくて、「まぁ、なんとかなんじゃね?」という修繕積立金が安いマンションは絶対NGですし、結構そういうマンション多かったりします。

あともう1点。ずっとお気楽ボーイの積立金8,000円スタンスでやっていたんですけど、いよいよこれじゃたない、ということに気付き、「はっ!おれは今まで何をしていたんだ・・・記憶がない・・・あぁ~この積立金じゃ将来修繕できないよ。。。急いで修繕積立金上げないと!よし、今月まで8,000円だったけど、来月から24,000円に積み立てよう!」というマンションの場合、積立金は24,000円ですけど、それは過去のお気楽ボーイが積立金を積み立ててこなかった「しわよせ」を、あなたが将来にわたって払っていかないといけないということになります。本来は月16,000円を積み立てておかなければいけなかったものを、お気楽ボーイが積み立ててこなかったから、あなたが将来にわたって多く管理費を払わなければならないというのは、お気楽ボーイが作った負債をあなたが背負うということになります。

これあんまり気づかれていないんですけど、かなり大きい問題です。最悪じゃないですか?それを防ぐために、現在の修繕積立金の積立金額と、過去の修繕履歴は必ずチェックしなければなりません。できれば、修繕積立金の改定履歴も調べておきたいですが、マンションの管理会社が変わっていたりして把握できない場合もあります。可能であればチェックしておきたいポイントですね。

こういう物件は要注意、イエローカードな物件

まず、管理費についてですが、機械式駐車場があるマンションは要注意です。機械式はメンテナンス費用が高いんです。マンションの駐車場は空きがなくて埋まっていれば駐車場代が収入で入るのでいいのですが、最近は子供がいない方も増えてタクシーやカーシェアでいいよね、と持たない方も増えて結構空いててます。するとメンテナンスコストはかかるけど、駐車場代収入がないという負の遺産になってることもあるので注意が必要です。あと、豪華な共用施設ですね。ジムとかプールとか滝とな…。滝なんて結構な割合で止まっていますが、管理費が高くなりがちです。

修繕積立金でいうと、長期修繕計画がない物件は何も考えてないということなので危険です。そして修繕積立金の現在の積立金額のチェックも必要です。これは貯まっていないからダメということではなくて、去年大規模修繕したからいまはすっからかんです。というタイミングもありますので、長期修繕計画と過去の修繕履歴とあわせて3つセットで見ないと正確な判断は出来ません。当然ですが、明らかに修繕積立金が高い物件も、過去に積立をさぼっていた「しわよせ」をあなたが払っていかないといけないことになりますので避けたいところですよね。逆にめちゃめちゃ低い物件も、将来必ず高くなるよ。というシグナルになりますので、注意が必要です。
管理費も修繕積立金もそうですが、戸数が少ないと高くなりやすいので、一般的には避けた方がいいかなと。できれば100戸以上、50戸以上あった方がいいですね。20戸以下だと危険信号だと個人的には思います。

 

目黒を中心に、都心城南(品川・目黒・世田谷・大田・港etc)の不動産については、武蔵小山最大級の不動産会社ウィローズにお任せ下さい。お客様のご要望に合った物件をご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください

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まとめ

Point. 1

管理費は今かかっているお金、修繕積立金は将来かかるお金

Point. 2

適正な修繕積立金は1㎡200円目安

長期修繕計画、修繕履歴、現在の積立額を総合的にチェックして判断しましょう。

Point. 3

戸数が20戸以下のマンションは将来管理費、積立金が上がりやすいので要注意!

Point. 4

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。

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