はじめに
不動産を売買する際、
不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
この手数料は高額になることが多く、
例えば、3,000万円の物件の場合、
およそ105万円かかります。
しかし、仲介手数料が「無料」である不動産会社も存在します。
一見すると、仲介手数料がかからない方が有利に思えますが、
実際には注意が必要です。
仲介手数料が無料であっても、
別の形で損をする可能性があるため、
慎重に判断する事が重要です。
本記事では、仲介手数料無料の儲けのカラクリや、
仲介手数料無料で買った方のその後の実話トラブル体験などを解説していきます。
本編
仲介手数料とは
仲介手数料とは、について
ここでは、
・個人間取引と不動産売買の違い
・不動産売買における仲介の役割
について、解説していきます。
▮個人間取引と不動産売買の違い
一般的に、商品を購入する際はAmazonやメルカリを利用し、
売り手と買い手が直接取引します。
しかし、不動産の売買を同じように行うことは難しいのが現状です。
例えば、不動産を売りたい人が
5,000万円の物件を個人で出品し、
買い手が見つかったとしても、
契約書の作成、重要事項説明、住宅ローンの審査、名義変更などの手続きを適切に進める必要があります。
買主側も売主の信用性や購入後のリスクを
慎重に判断しなければなりません。
これらの手続きを個人だけで行うことは困難であり、
専門的な知識が求められます。
▮不動産売買における仲介の役割
このような事情から、多くの人は不動産会社を通じて売買します。
不動産会社が売主と買主の間に入り、
手続きをサポートする事を「仲介」と呼びます。
そして、この仲介サービスを受ける際に支払うのが「仲介手数料」です。
不動産売買には多くの専門的な手続きが伴うため、
仲介業者を利用する事で安心して取引を進められます。
仲介手数料無料の仕組みとデメリット
仲介手数料無料の仕組みとデメリットとして、
ここでは、
・仲介手数料の上限と基本ルール
・仲介手数料無料の会社はどうやって利益を出しているのか
・仲介手数料無料の落とし穴
・仲介手数料無料の不動産会社を利用する際の注意点
について、解説していきます。
▮仲介手数料の上限と基本ルール
不動産会社に支払う仲介手数料には上限があり、
「物件価格の3%+ 6万円+消費税」と定められています。
例えば、3,000万円の物件であれば、
およそ105万円の仲介手数料がかかります。
3,000万円×3%=90万円+6万円=96万円×1.1%(消費税)=105.6万円
しかし、仲介手数料が「無料」となる不動産会社も存在します。
一見するとお得に感じますが、
その仕組みを理解する事が重要です。
▮仲介手数料無料の会社はどうやって利益を出しているのか
仲介手数料は、通常「買主」または「売主」のどちらか、
もしくは両方から受け取ることで、不動産会社の収益となります。
仲介手数料無料の会社は、買主からは手数料を取らず、
売主からのみ手数料を受け取ることで運営を成り立たせています。
その逆に、売主からの手数料を無料にし、
買主から受け取る形の会社もあります。
例えば、自社管理物件(不動産会社が大家から委託を受けて、直接管理している物件)の場合、大家(売主)から手数料を受け取れますので、
買主の手数料を無料にできます。
また、「AD物件」として、
仲介会社に支払われる広告料(AD=Advertising)のある物件が存在します。
ADとは、物件のオーナー(売主)や管理会社が、
賃貸仲介会社に対して支払う報酬の事で、
主に入居者を早く見つけるためのインセンティブとして設定されます。
このような、AD付き物件の場合、
売主または管理会社から手数料を受け取れますので、
同様に、買主の手数料を無料にできます。
▮仲介手数料無料の落とし穴
しかし、実際には売主から
仲介手数料を受け取れる物件は限られており、
そのような物件しか紹介されない可能性があります。
例えば、東京都品川区で3,000万円台の中古マンションを調査したところ、
118件のうち、売主から仲介手数料を受け取れる物件は27件(約22%)でした。
つまり、仲介手数料無料の会社を利用すると、
残りの91件の物件は紹介されない可能性が高くなります。
不動産会社はすべての物件情報を把握しているため、
仲介手数料が得られない物件であっても
優良なものが含まれる可能性があります。
しかし、仲介手数料無料の会社では、
それらの物件を紹介しないケースがあるため、
結果的に買主にとって不利な状況になる事があります。
▮仲介手数料無料の不動産会社を利用する際の注意点>
不動産会社の営業担当者は、
通常、顧客に合った最適な物件を提案する事が仕事です。
しかし、仲介手数料無料の仕組みでは、
売主から手数料を受け取れる物件しか提案されないため、
買主にとって最適な選択肢が提供されない可能性があります。
物件選びの幅を狭めず、より良い条件で不動産を購入するためには、
仲介手数料の仕組みを理解し、慎重に判断する事が重要と言えるでしょう。
仲介手数料無料のリスク・デメリットとトラブル事例
仲介手数料無料のリスク・デメリットとトラブル事例として、
ここでは、
・仲介手数料無料の業者はサポートが手薄
・実際にあった住宅ローントラブル
・仲介手数料無料の業者が買主を守らない理由
について、解説していきます。
▮仲介手数料無料の業者はサポートが手薄
仲介手数料無料の不動産会社は、
1件あたりの収益が低いため、
通常の不動産会社よりも多くの契約を取らなければなりません。
例えば、東京都品川区では、
通常の不動産会社であれば1人あたり月に1〜2件の契約が目安ですが、
仲介手数料無料の業者では2〜4件の契約を取る必要があります。
そのため、1人の顧客に対するサポートが手薄になりやすく、
手厚いアフターフォローや細かいサービスが期待しにくい傾向にあります。
▮実際にあった住宅ローントラブル
ある顧客が仲介手数料無料の不動産会社を利用し、
マンションを購入しました。
しかし、契約後に住宅ローンの審査は「自分で進めてください」と言われ、
不動産会社にローン手続きの代行を依頼する場合は
「ローン代行手数料」として10万円の追加費用が発生する事を告げられました。
この顧客は追加費用を避けるため、
自分でローンの手続きを進めましたが、
必要書類の準備や手続きが複雑で3週間の期限内に審査結果を得られず、
ローンが否決されました。
期限である3週間以内にローンが通らないと分かれば、
契約は白紙になるため、手付金は戻りますが、
3週間を過ぎると、手付金を放棄しないと契約解除ができません。
つまり、このような場合、
本来なら戻るはずの手付金を放棄しなければならない事になります。
▮仲介手数料無料の業者が買主を守らない理由
仲介手数料無料の業者は、
売主側からしか手数料を受け取らないケースが多いため、
トラブルが発生した際には売主の利益を優先しやすくなります。
本来であれば、買主の立場で売主に責任を追及すべき状況でも、
売主との関係を維持するために十分なサポートを受けられない可能性があります。
まとめ
仲介手数料無料のリスクを理解すべし
仲介手数料無料の落とし穴、デメリットは以下の通りです。
・売主から手数料を得られない物件は紹介されない可能性があり、
その結果、選択肢が狭まり、より良い物件を見逃してしまうリスクがある。
・仲介手数料無料の会社は多くの契約を取る必要があり、
一人ひとりへのサポートが手薄になりがち。
(実際に、ローン審査を自力で進めるよう指示され、期限を過ぎてしまい手付金を失うトラブルが発生する可能性もある)
・売主側からしか手数料を受け取らないため、
トラブル時に買主を十分に守ってもらえない可能性がある。
不動産取引に慣れており、
すでに購入したい物件が決まっている場合は、
仲介手数料無料の業者を利用するメリットもあります。
しかし、物件選びのサポートやアフターフォローを重視する場合は、
手数料無料の業者が適しているとは限りません。
仲介手数料無料の仕組みやリスクを理解した上で、
不動産会社を慎重に選びましょう!
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記事監修者
小林徳仁
ファイナンシャルプランナー
プルデンシャル生命保険株式会社品川第九支社でコンサルティング・ライフプランナーとして働く。
学生時代にAFP資格を取得後、証券会社を経て現職へ。お客様の人生設計を総合的な視点でサポートし、各分野の専門家とのネットワークを活かしながら、保険・金融のコンサルティングを行っている。
その実績は、生命保険と金融サービスの国際組織MDRTの会員に選出されるなど、高い評価を得ている。
ワイン、海外旅行、筋トレが趣味。