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2022.01.212022.01.21

2022年の住宅ローン控除が決定!税制改正大綱発表

はじめに

2022年の住宅ローン控除決定!2022年度(令和4年度)税制改正大綱が発表され、大方の想定通り控除率は1%から0.7%へ減少、控除対象となる年末残高も4000万円から3000万円に減少しました。そのほか利用可能な年収条件が引き下げられたり、省エネ基準により年末残高に幅が設けられたりと、複雑化したように思える今回の改正で「新築住宅」購入の控除がどう変わるのかに焦点をあててパトロールしていきます。

本編

新築住宅の変更点まとめ

2022年度の住宅ローン控除の変更が税制改正大綱にて正式発表になりました。新築住宅についてまとめたものが下の図になります。
適用期間が現行の10年から13年に延長となりました(24年25年は10年)。
住宅ローンの年末残高対象額が現行の4000万円から3000万円に減額となりました(24年25年は2000万円)が、現行では長期優良住宅の場合のみ5000万円の割り増し加算されていたのが、省エネの度合によって控除額が細かく設定される事になり、省エネ基準適合住宅が4,000万円、ZEH(ゼロエネルギーハウス)が4500万円、長期優良住宅が5000万円となりました。
また控除率が現行の1%から0.7%に減少しました。
利用できる年収上限が現行3000万円から2000万円に減少しました。

現行の4000万円が3000万円に減額になることは多くの方が予想していた通りでしたが、環境に配慮した住宅度合に応じてローン残高の上限額が細かく分かれる事は意外だった方が多いのではないでしょうか?また、利用出来る年収の上限が3000万円から2000万円に引き下げられる事は、ご年収2000万円台の方で、長期優良住宅で検討した方は10年間で500万円程還付額が無くなるので、納得がいかれない方もいらっしゃるのではないかと思います。

新築住宅の変更点まとめ

借入金額4000万円、金利0.5%で35年返済の場合

それでは具体的にいくら変わるのか、計算をしてみたいと思います。
まずはじめに借入金額4000万円、金利0.5%で35年返済でローンを借りたとします。そうした場合実際の所得税・住民税の還付額がこちらになります。
現行法では、4000万円までの借入金額の年末残高の1%を10年間なので、当初借入額が4000万円ですが、年数を追うごとに借入残高がどんどん減っていきますので、還付額もどんどん減っていきます。10年間の合計で342万円が還付されるのが現行法だったのに対して、新制度では借入額の3000万円までの0.7%ですから、4000万円借入していても対象はあくまでも3000万円。それの0.7%ですので、返済が進んでローン残高が3000万円を割り込むまではずっと3000万円の0.7パーセントつまり21万円が減税額の上限となります。11年目以降は4000万円を金利0.5%、35年で返済した場合は、残債が3000万円を割り込んできますので、19万円、18万円と減税額も減ってきますが13年目まで控除が効きます。控除額の合計が266万円となり、差額が76万円となります。

つまり借入額4000万円の場合は、新制度によって76万円の増税となってしまいます。

借入金額4000万円、金利0.5%で35年返済の場合

借入金額4000万円・金利0.5%・35年返済

借入額6000万円、金利0.5%で35年返済の場合

続いて借入額6000万円の場合はどうでしょうか。金利、返済期間は同条件で比較してみます。
現行制度では借入額6000万円の場合は、10年間で返済が進んでも、残高は4000万円以下にはならないので、マックスの40万円が10年間減税されます。それに対し新制度では、借入残高3000万円までの0.7%ですから、13年目でも借入残高が3000万円以下にはなりません。よって3000万円の0.7%の21万円が13年間減税される事になります。現行法と新制度の差額が127万円となります。

6000万円借入のときは新制度によって127万円実質的に増税となります。

先ほど試算した4000万円の時よりも6000万円借入をした方が実質的な増税額が増えますね。ただし、7000万円、8000万円借りられたとしても、この127万円という差額は金利0.5%・35年返済の同条件の場合は変わらないという事になります。

借入額6000万円、金利0.5%で35年返済の場合

借入金額4000万円・金利0.5%・35年返済

借入額2000万円、金利0.5%で35年返済の場合

次に逆に2000万円の借り入れの場合で見ていきます。こちらも金利・返済期間の条件は同じで試算してみます。
現行法の場合では4000万円までの残高1%ですが、2000万円しか借りていないので、残高の1%ですから、1年目でも19万円の減税額、10年間で168万円の還付額となります。対して新制度でも3000万円までの残高0.7%ですが、同じく2000万円しか借りていないので初年度でも13万円の減税額、13年間で146万円の減税額となります。その差額が22万円となります。

2000万円の借り入れだった場合には、22万円の実質的な増税と言う事が言えると思います。

借入額2000万円、金利0.5%で35年返済の場合

借入額2000万円・金利0.5%・35年返済

借入額6000万円、4000万円、2000万円を比較

ここで6000万、4000万、2000万の比較をしてみますと、6000万円借入のかたは新制度によって127万円減税額が減るので、実質的な増税になります。同じく4000万円のかたは76万円、2000万円の方は22万円の増税となります。

この実質的な増税額を借入金額に対する割合で出した場合に、6000万円の場合は2.1%、4000万円が1.9%、2000万円が1.1%の実質的増税となります。これは個人的にはここでも高所得者の増税になるのではないかな、と思ってしまいます。頑張って働いてそもそも高い所得税を納めているのに、またか、と高所得者層は思われるかもしれませんね・・・

借入額6000万円、4000万円、2000万円を比較

借入額別増税比較

支払う所得税によっても還付額は変わる

また、4000万円借入をされた方のだと新制度で76万円減税額が減る事になりますが、この住宅ローン控除の制度は払っている所得税が減税される制度ですので、現行で言うと4000万円のローンがあっても自分が40万円以上の所得税および住民税を払っていない場合は、40万円の減税を実際には受けられていないという事になります。

サラリーマンの方であれば、勤務先から頂ける源泉徴収票の図の欄が払っている所得税の額になりますので、まずこの額が借りようと思っているローンの金額の減税額以上になっているかどうかをチェックしてみてくださいね。仮に4000万円ローンを組もうと思われる方であれば、新制度ですと3000万円までの0.7%ですので21万円あるかどうかになります。
現行法ですと、4000万円借入をしていて40万円減税される権利を有していても、実際に40万円所得税を支払っていないという方がかなり多い状態でした。
所得税でローン減税の還付額を引ききれない場合は13万6500円を上限に住民税から引けるという措置がありますが、それでも、配偶者控除・配偶者特別控除を受けている方、配偶者が専業主婦だったり、シングルマザー・シングルファザーのひとり親控除、16歳以上のお子様がいる場合の扶養控除などが重なると、40万円還付されると思ってたのに実は戻っていないという事がありますので、是非これを機に源泉徴収票をチェックしてみると良いかと思います。

支払う所得税によっても還付額は変わる

源泉徴収額

まとめ

Point. 1

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。

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