はじめに
近年、「リノベーション」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
実際に、「買取再販住宅やリノベーションマンションとはどのようなマンションなのか
「リノベーションマンションと通常の中古マンションのどちらを購入すべきか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
新築マンションの価格が高騰していることもあり、比較的リーズナブルに購入できるリノベーションマンションの需要は高まり続けています。
それに伴い、買取再販住宅の成約件数も増加傾向にあります。
しかしながら、リノベーションとは具体的に何を指すのか、また買取再販住宅とは何かを正確に理解していない方も少なくありません。
さらに、リノベーションマンションと通常の中古マンションにはそれぞれ異なる特徴があり、メリット・デメリットも異なります。
その違いを理解しないまま購入してしまうと、結果的に後悔につながる可能性もあります。
中古マンションをリノベーションするタイミングを正しく見極めるためにも、リノベーションマンションと通常の中古マンションの違いについて、事前に把握しておくことが重要です。
本記事では、「中古マンション リノベーションタイミング」に関連する基本知識として、以下のポイントについて解説いたします。
・買取再販住宅と中古住宅の違い
・ リノベーションマンションのメリット・デメリット・注意点
・ 通常の中古マンションのメリット・デメリット・注意点
中古マンションの購入やリノベーションを検討されている方は、参考にしましょう。
本編
購入前に押さえておくべき基礎知識
購入前に押さえておくべき基礎知識として、ここでは、
・買取再販住宅と中古住宅の違い
・リノベーションとリフォームの違い
について、解説します。
買取再販住宅と中古住宅の違い
中古マンションのリノベーションタイミングを考えるうえで、まず押さえておきたいのが「買取再販住宅」と「中古住宅」の違いです。
両者の違いは、大きく分けて「売主が誰か」と「一定基準のリフォーム・リノベーションが施されているかどうか」にあります。
買取再販住宅とは、宅地建物取引業者、つまり不動産会社が一度中古住宅を買い取り、特定のリフォーム工事を施したうえで、買い取りから2年以内に再販売する住宅を指します。
この場合、売主は不動産会社となり、リフォームまたはリノベーションを実施した上で販売されることが一般的です。(下図参照)
一方、中古住宅とは、年数が経過した住宅や、一度でも人が居住したことのある住宅を広く指します。
中古住宅の売主は一般個人の場合もあれば、不動産会社の場合もあります。
また、室内がリフォームやリノベーション済みの場合もあれば、まったく手が加えられていないこともあります。
つまり、買取再販住宅は、中古住宅の中でも「不動産会社が売主であり、一定のリフォームやリノベーションが行われている住宅」という位置付けにあたります。
リノベーションとリフォームの違い
リノベーションタイミングを考える際には、リノベーションとリフォームの違いを理解しておくことも重要です。
リフォームとリノベーションの違いはやや曖昧な部分もありますが、一般的には次のように区別されます。
リノベーションとは「刷新」という意味を持ち、建物の内装などを一度すべて取り除いたうえで、新たな設備や間取りを設置し、建物に新たな価値を付加する大規模工事を指します。
単なる設備の新調だけでなく、間取り変更や機能性向上も含め、建物全体の価値を高めることが目的となります。
一方、リフォームとは、建物に既に設置されている設備を単純に補修したり、新しいものに交換したりする工事を指します。
リフォームの目的は、建築当時の状態や機能を回復し、建物の価値を維持することにあります。
つまり、リノベーションは建物価値を「高める」ための工事であり、リフォームは価値を「維持」するための工事という違いがあります。
リノベーション済みマンションには多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
そのため、メリットとデメリットを十分に理解したうえで、中古マンションのリノベーションタイミングを適切に判断することが重要と言えるでしょう。
リノベーション物件のメリット
中古マンションのリノベーションタイミングを考えるうえで、リノベーション物件のメリットを理解しておくことは重要です。
リノベーション物件のメリットとして、ここでは、
・新築マンションよりも安価に購入できる
・完成後の状態を目視で確認できる
・前所有者の使用感がほとんどない
について、解説します。
新築マンションよりも安価に購入できる
リノベーションマンションは、新築マンションと比較して安価に購入できる点が大きなメリットです。
例えば、首都圏における新築マンションの平均販売価格は約4,400万円とされていますが、中古マンションの平均成約価格は約2,900万円とされています。
そのため、たとえ1,000万円程度のリノベーション工事を施したとしても、新築マンションよりもリーズナブルに購入できる場合が多くなります。
完成後の状態を目視で確認できる
リノベーションマンションは内装工事が完了しているため、実際に仕上がった室内を目視で確認できます。
一方、新築マンションは建築中に契約するケースが多く、完成後の内装や日当たり、眺望などを事前に確認できないことが一般的です。
人気の高い地域では、完成前に売れてしまうことも多く、完成後の内装がイメージと異なるといった失敗談も少なくありません。
前所有者の使用感がほとんどない
リノベーションマンションでは、内装や設備がすべて新設されるため、前所有者が使用した痕跡がほとんど残りません。
新築同様の快適な住環境を求める方にとっては、大きな魅力となるでしょう。
リノベーション物件のデメリット
一方で、中古マンションのリノベーションタイミングを検討する際には、リノベーション物件のデメリットについても理解しておく必要があります。
リノベーション物件のデメリットとして、ここでは、
・希望する間取りが見つかりにくい
・物件の選択肢が少ない
・リノベーション工事の適切性を確認しにくい
について、解説します。
希望する間取りが見つかりにくい
リノベーションマンションは、すでにリノベーション工事が完了しているため、購入者自身の希望に完全に合った間取りに出会えないことがあります。
不動産会社は再販売を前提として万人受けする間取りを選択する傾向があり、例えば広いワンルームや小さな書斎スペースなど、特徴的な間取りを求める方には適さないケースもあります。
特に個性的な間取りを希望する場合には、中古マンションを購入して自らリノベーションする選択肢も考慮すべきでしょう。
物件の選択肢が少ない
リノベーションマンションの供給量は増加傾向にあるものの、絶対数はまだ多くありません。
人気エリアや特定のタイミングで探す場合、希望する物件に出会うまで時間がかかる可能性もあります。
リノベーションマンションを探す際には、複数の不動産会社に声をかけ、情報収集を積極的に行うことが大切です。
リノベーション工事の適切性を確認しにくい
リノベーションマンションは、リノベーション工事がすでに完了しているため、工事の過程や内部構造の補修内容を直接確認できません。
築年数が経過した物件では、見えない部分(配管や構造体)に劣化が生じている場合もあります。
リノベーションマンションを選ぶ際には、工事中の写真や施工報告書を提供してもらい、工事内容の透明性を確認することが重要です。
リノベーション物件の注意点
中古マンションのリノベーションタイミングを見極めるためには、リノベーション物件の注意点についても把握しておく必要があります。
リノベーション物件の注意点として、ここでは、
・適合リノベーション住宅かどうかを確認する
・アフターサービスや設備保証の有無を確認する
・室内だけでなくマンション全体の管理状況を確認する
について、解説します。
適合リノベーション住宅かどうかを確認する
リノベーションマンションを選ぶ際には、適合リノベーション住宅であるかどうかを必ず確認することが大切です。
適合リノベーション住宅とは、一般社団法人リノベーション協会が定める基準に基づき、工事検査しながらリノベーション工事を実施した住宅のことを指します。
適合リノベーション住宅では、給水管・給湯管・排水管のほか、天井・壁・床の下地といった内装内部まで検査が義務付けられています。
さらに、検査結果は買主に開示することが求められており、工事内容に不安がある方でも安心して購入しやすい特徴があります。
ただし、適合リノベーション住宅はまだ流通数が少ないのが現状です。
アフターサービスや設備保証の有無を確認する
リノベーションマンションの購入時には、アフターサービスや設備保証の内容を確認しておくことが重要です。
リノベーション工事を施した各建材や設備に対して、アフターメンテナンス保証が付帯している物件もありますが、保証内容は物件によって異なります。
購入後に万が一不具合が発生した際に備えて、どの範囲まで保証が適用されるのか、保証期間はどの程度なのかといった点を事前に確認しておきましょう。
室内だけでなくマンション全体の管理状況を確認する
リノベーションマンションを購入する際には、リノベーション工事によってきれいになった室内に目を奪われがちですが、マンション全体の管理状況も必ず確認する必要があります。
例えば、大規模修繕工事が計画通りに実施されているか、修繕積立金が長期修繕計画に基づいて十分に積み立てられているかなど、管理体制がしっかりしているかをチェックしましょう。
中古マンションのリノベーションタイミングを誤らないためにも、建物全体の維持管理状況を見極めることが大切です。
中古マンションをリノベーションするメリット
中古マンションのリノベーションタイミングを考える際には、自分でリノベーションするメリットを理解しておくことが重要です。
中古マンションをリノベーションするメリットとして、ここでは、
・物件の選択肢が豊富である
・自分に合った間取りに変更できる
・資産価値の下落を抑えられる
について、解説します。
物件の選択肢が豊富である
リノベーションマンションの販売数は限られていますが、中古マンションの売り出し数は非常に多くあります。
そのため、中古マンションを購入し、自分流にリノベーションを施すことで、希望する立地にこだわった物件選びが可能となります。
中古マンションを購入した後、自分でリノベーションすれば、ライフスタイルに合った間取りへ自由に変更できます。
既存のリノベーションマンションは万人受けする間取りが中心ですが、自らリノベーションを施すことで、細かな要望にも対応した理想の住まいを実現できます。
資産価値の下落を抑えられる
リノベーションした中古マンションは、資産価値が下落しにくい傾向があります。
中古マンションの評価は建物の状態だけでなく、内装や設備の新しさも重要な要素となります。
そのため、リノベーションを実施することで、将来売却する際にも有利に働く可能性があると言えるでしょう。
中古マンションをリノベーションするデメリット
一方で、中古マンションをリノベーションする場合には、いくつかのデメリットも存在します。
中古マンションをリノベーションするデメリットとして、ここでは、
・リフォームローンの金利が高い
・間取り変更に制約が出る場合がある
・耐震性に注意が必要
について、解説します。
リフォームローンの金利が高い
リノベーション工事の資金をリフォームローンで賄う場合、通常の住宅ローンに比べて金利が高くなる点に注意が必要です。
住宅ローンは変動金利で0.3%程度から利用できますが、無担保型リフォームローンでは2%前後になることが一般的です。
そのため、リフォーム資金も含めた住宅ローンを組む場合は、リノベーション費用を早めに見積もり、ローンに組み込むことが推奨されます。
間取り変更に制約が出る場合がある
間取り変更には一定の制約が出る場合があります。
例えば、鉄筋コンクリート造の柱を撤去できなかったり、配管の関係で浴室やキッチンの移動が制限されることがあります。
希望するリノベーションが可能かどうか、事前にリフォーム会社に確認しておきましょう。
耐震性に注意が必要
耐震性に注意が必要です。
1981年以前に建築されたマンションは旧耐震基準に基づいており、耐震性能が不足している可能性があります。
中古マンションをリノベーションする場合は、耐震補強済みであるかどうかを必ず確認しましょう。
中古マンションをリノベーションする際の注意点
中古マンションをリノベーションする際の注意点として、ここでは、
・リノベーションに適したマンションを選ぶ
・将来の売却を見据えたリノベーション工事
について、解説します。
リノベーションに適したマンションを選ぶ
リノベーションに適したマンションを選ぶことが重要です。
具体的には、室内が手付かずで価格が安い物件や、規約や構造上、間取り変更がしやすいマンションを選ぶと良いでしょう。
将来の売却を見据えたリノベーション工事
リノベーション工事の際は、自分の好みを反映させるだけでなく、将来的な売却を見据えた汎用性の高い間取りを意識することも大切です。
個性的すぎるリノベーションは、再販売時に買い手が見つかりにくくなる恐れがあります。
住み心地と資産性のバランスを考慮し、癖が強すぎないリノベーションを心がけましょう。
まとめ
中古マンションを探す際には、リフォームもリノベーションも施されていない中古マンションや、リノベーション済みのマンションなど、様々な物件の中から自分に合ったものを選択する必要があります。
そのためには、中古マンションのリノベーションタイミングを含め、それぞれのメリット・デメリット、注意点を理解しておくことが重要です。
本記事にて解説した通り、リノベーションマンションと通常の中古マンションには異なる特徴があり、それぞれに適した購入タイミングや注意点があります。
違いをしっかりと把握し、自分のライフスタイルや希望に合った中古マンションを見つけましょう!
中古マンションのリノベーションは購入後が正解!失敗しない方法を徹底解説
(参考)中古マンションのリノベーションは購入後が正解!失敗しない方法を徹底解説
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