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築20年の中古マンションは購入しても大丈夫?専門家が教える3つのメリットと注意点

中古マンション

はじめに

「築20年だから古い」と思っていませんか?
実は鉄筋コンクリート造のマンションは120年以上の耐用年数があり、
適切に管理されていれば、あと50年以上住めます。

新築より4割安く、間取りも広い築20年の中古マンション。
しかし購入前に知っておくべき落とし穴もあります。
この記事では不動産取引2500件以上の経験を持つプロが、メリットと注意点を徹底解説します。

本編

築20年の中古マンションはいつまで住める?

結論から言うと、マンションは適切に管理されていれば
50年以上は十分に住めると言えます。

マンションが長く住める理由

▮理由①マンションの基本構造は長持ち

国土交通省の調査によると、
鉄筋コンクリート造のマンションの耐用年数は以下の通りです。
●基本耐用年数:120年
●適切な外装補修をした場合:150年

(参考)国土交通省|『中古住宅流通促進・活用に関する研究会』報告書 取りまとめ後の取組紹介

つまり、しっかりと維持管理や修繕が行われていれば、
築20年の中古マンションを購入しても、残り50年以上は安心して住めるということです。

▮理由①理由②2000年以降に建てられたマンションは計画的に修繕されている

2000年頃から長期修繕計画を立てるのが一般的になりました。
この計画では以下内容が明記されています。

●定期的な修繕工事の内容
●修繕積立金の必要額と積立方法
●将来の大規模修繕の時期

こうした計画に沿って適切に補修されていれば、
建物の寿命についてはあまり心配する必要はありません。

配管の種類は要チェック

計画的に修繕されていれば
建物自体の寿命は大きな問題にはなりませんが、
配管の種類や設備にも注目する必要があります。

特に、配管は水漏れなどのトラブルにつながるリスクがあるため、重要です。

●金属製配管:経年劣化しやすく、耐用年数は約20年。
2000年以前のマンションに多く使用されている。

●樹脂製配管:劣化しにくく、耐用年数は30~40年。
2000年以降に主流となった材質。

築20年前後のマンションは、ちょうどこの2種類の配管が混在している時期です。
購入前には必ずどちらの配管が使われているかを確認しましょう。

築20年の中古マンションの3つのメリット

ここからは長く安心して住めること以外のメリットについても解説していきます。
主なメリットは次の3つです。

●新築時から4割ほど価格が下落している
●築20年前後は部屋が広くて設備が充実している
●住宅ローン控除を最大限受けられる可能性が高い
順番に詳しく解説していきます。

▮新築より4割安い!コスパ抜群の価格

築20年中古マンションの1つ目のメリットは
「新築時から4割ほど価格が下落している」ことです。

東日本不動産流通機構が公表している
「中古マンションの築年帯別平均㎡単価」のデータによると、
築20年の中古マンションは新築価格から約4割も価格が下落していることがわかります。

(参考)東日本不動産流通機構|築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)図表6-1

ここ数年のマンション価格高騰で、新築や築浅は手が届かないという方でも、
4割も安くなっていれば選択肢に入れやすいのではないでしょうか。

また、4割下落しているとはいえ、
建物自体は安心して暮らせる可能性の高い現役物件です。
居住性と価格面のバランスが良く、
コストパフォーマンスに優れたマンションと言えるでしょう。

▮部屋が広い・設備が充実している

築20年中古マンションのメリットの2つ目は
「部屋が広くて設備が充実している」点です。

東日本不動産流通機構が公表している
「中古マンションの築年帯別平均面積」のデータによると、
築20年前後のマンションは他の築年数と比べて面積が大きいことがわかります。

(参考)東日本不動産流通機構|築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)図表6-2

これは、近年のマンション㎡単価の高騰により、
最近のマンションはコスト削減のために専有面積が小さくなっていることが理由です。

その結果、他の築年数と比較して
築20年前後の中古マンションは専有面積が広くなっています。
特に世帯人数の多いファミリー層にとっては狙い目と言えるでしょう。

設備面でも充実しています。
2000年以降はインターネットの普及に伴い「防犯」意識が高まりました。
そのため、この時期のマンションには
「ダブルオートロック」や「防犯カメラ」などの
セキュリティ設備が備わっていることが多く、
大きなメリットと言えます。

▮住宅ローン控除で最大70万円得する可能性

築20年中古マンションの3つ目のメリットは、
「住宅ローン控除を最大限受けられる可能性が高い」ことです。

基本的に、新耐震基準を満たしている住宅であれば、
所得税を節税できる住宅ローン控除を受けることができます。
さらに、省エネ基準を満たしている物件なら、より大きな節税が可能になります。

住宅ローン控除の借入限度額は、次のとおりです。
●省エネ基準を満たす中古住宅:3,000万円まで
●省エネ基準を満たさない中古住宅:2,000万円まで

この1,000万円の差は大きく、
年間の所得税節税額に7万円の違いが生じます。

住宅ローン控除は10年間続くため、
10年間で最大70万円も税金の差が出ることになるのです。

加えて築20年前後のマンションには
環境性能が高水準の物件が多いという大きな特徴があります。

2000年10月から始まった「住宅性能表示の交付」制度の影響で、
不動産業者は「良い評価を取れるように」と高品質な建物を建てたことから、
環境性能が高水準の物件が多いのです。

つまり築20年のマンションは省エネ基準を満たしている可能性が高く、
その結果、住宅ローン控除で最大70万円も得をする可能性があります。
これは税制面での大きなメリットです。

築20年の中古マンション購入で後悔しないための3つの注意点

ここまでメリットを紹介してきましたが、
知らないと危険な注意しなければならない意外な落とし穴が潜んでいます。

それは、次の3つです。
●修繕費用が想像以上に高い
●住宅ローンの借入期間・借入金額の制限
●購入してすぐに設備・配管トラブルが発生
それでは、順番に解説していきます。

▮修繕費用が想像以上に高い

まず1つ目の落とし穴は、修繕費用についてです。
築20年の中古マンションは、
1回目の大規模修繕の時期に差し掛かっています。

大規模修繕によってマンションの寿命は延びますが、
修繕積立金不足に陥ることがあります。

大規模修繕は定期的に実施する必要があり、
1回目が完了したら2回目の工事に向けて修繕積立金を貯めていきます。
しかし、1回目の大規模修繕で計画通りに資金が貯まっていなかった場合、
2回目の修繕に向けて修繕積立金の値上げが行われることがあります。

その結果、購入してすぐに修繕積立金や管理費の値上げが実施され、
生活費が圧迫されるケースがあるので注意が必要です。
特に住宅ローンを多く借りている場合、
月額費用が少し増えただけで返済が困難になる恐れもあります。
住宅ローンの滞納は競売や自己破産につながりかねません。

このような事態を避けるためには、
信頼できる不動産会社と一緒に長期修繕計画書や総会議事録を確認し、
修繕積立金が計画通りに貯蓄できているか確認することが大切です。
1回目の工事が完了していても、
2回目以降の大規模修繕がいつ実施されるのか、
どのような内容なのか、事前にしっかり確認しておきましょう。

▮住宅ローンの借入制限・借入金額の制限

落とし穴の2つ目は、
住宅ローンの借入期間・借入金額です。

築20年を超えた中古マンションを購入する場合、
金融機関によっては住宅ローンの借入期間や借入金額に制限がかかることがあります。

借入期間の制限

一部の金融機関では、
法定耐用年数から築年数を引いた期間を、借入できる最長期間に設定します。

例:築20年の中古マンションの場合
(鉄筋コンクリート造の住居系建物の法定耐用年数は47年)

法定耐用年数(47年) – 築年数(20年) = 借入可能期間(27年)

この場合、35年返済を検討していた人にとっては、
8年も返済期間が短くなってしまいます。
返済期間が短くなると月々の返済額が上がるため、
返済計画に大きな影響を与えるでしょう。

借入金額の制限

借入金額にも制限がかかる可能性があります。
金融機関は住宅ローンを融資する際、物件の担保価値を調査しますが、
築年数が経過すると担保価値が低くなることもあり、
新築物件よりも少ない金額しか借りられないことがあるのです。

ただし、これらの制限は全ての金融機関に当てはまるわけではありません。
実際に制限されるかどうかは、利用を予定している金融機関に事前に確認しておきましょう。

▮購入後すぐに設備・配管トラブルが発生

3つ目の落とし穴は、購入してすぐの設備・配管トラブルについてです。

築20年が経過したマンションでは、
設備や配管の不具合が発生しやすくなっています。

一般的に給湯器やエアコン、空調などの設備の寿命は
15年から25年くらいと言われていますが、
建築当時から一度も交換していない場合
購入のタイミングと不具合が発生するタイミングが重なってしまう恐れがあります。

特に注意すべきなのは配管の不具合です。
給湯器やエアコンなどの設備であれば比較的簡単に取り替えることができ、
費用も少額で済むケースがほとんどです。

しかし配管は建物の構造の関係で取り替えが難しいケースがあり、
多額の費用がかかることもあります。

そのため、築20年のマンションを購入する際は、
購入後すぐに配管の不備が発生する可能性があることを事前に想定しておきましょう。
購入前に状態をしっかり確認し、修繕費用を予算に組み込んでおくことが重要です。

まとめ

メリットが大きい築20年マンションの購入でも、慎重に検討を

今回は築20年のマンション購入について解説しました。
築20年でも内装が綺麗であったり、
共用部分や設備も比較的充実しているメリットがあります。
さらに、新築と比べると4割程度価格が安くなっているという魅力に目が向いて、
そのまま購入を進めてしまいがちです。

しかし、実際には事前にしっかり確認しなかったことで、
後悔するケースも少なくありません。

そうなると、予想外の費用負担や修繕積立金の上昇、
借入期間短縮などの問題に直面することになります。

築20年の中古マンションを購入する際は、
本記事で挙げたポイントを確認して検討してみてください。

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