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【中古マンション】プロは築○○年を買います【築浅VS築古】
はじめに
同じ予算で「郊外の築浅」と「都心の築年数の古いマンション」どっちを買えばいい?と悩んでいませんか?不動産ポリスの朝倉です。それぞれの条件には、メリットもあればもちろんデメリットもあるので、悩んでしまう気持ちもよく分かります。しかし、これから不動産を購入する上で押さえるべきポイントを知らずに決めてしまうと、「想定よりも資産価値が下落してしまった」と後々後悔してしまうかもしれません。そこで、今回は、中古マンションの取引に携わった件数が2500件以上の私不動産ポリスが、「【中古マンション】プロは築○○年を買います【築浅VS築古】」というテーマで、お話していきます。「築浅VS築古」ということで、それぞれのメリットデメリットを前半で解説した上で、動画の後半では、私不動産ポリスが考える「今買うべき物件の条件」をお話していきますので、最後までお見逃しなく!
本編
築浅物件と築古物件の実情
ここ数年の不動産価格というのは、物価高騰や住宅ローンの超低金利状態、円安などの影響により、マンション価格は右肩上がりに上昇してきました。実際に、国土交通省が公表している「不動産価格指数」(図1)を見てみると、2013年あたりを境に、不動産価格が上昇しているのが分かるかと思います。
このように全体的にマンション価格が上昇していく中で、ここ1,2年の間では、都心部や再開発エリアなどの人気のあるエリアの物件は更に高騰し、一方で郊外の人気のないエリアは価格が下落していくという、二極化が発生していました。特に、都心の新築物件は、かなり高騰しているというニュースを見て、「こんな高いマンション誰が買えるの!?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。このような状況から、自分たちが購入可能な予算と物件価格を比較した際に、「お部屋の居住性を重視して、郊外だったとしても築浅の物件の方が良いのか」それとも「資産性を重視して、築古だけど人気のあるエリアで買った方が良いのか」と悩まれている方もいらっしゃると思います。そこで、まずは、築浅物件と築古物件の在庫数や価格の推移といった実情を解説し、その後にそれぞれのメリットデメリットをお話していきます。
築浅物件の実情
まずは、築浅物件の売り出し数と価格推移について解説していきます。築5年以内とか築10年以内の築浅物件においては、新築物件の供給がそもそも少なくなってきているため、売り出し数が減少する傾向にあります。新築物件の売り出し数の減少の要因として考えられるのが、「都市部での用地不足」「用地価格の高騰」「建築費の高騰」などです。現在の日本の都市部では、これらの要因により、新築物件の供給が制約されているため、それに伴い築浅物件の数も減少しています。この減少傾向は、今後も続いていく可能性が高いと考えられます。また、価格については、現在の用地・物価高騰や住宅ローン低金利などの動きから、公益財団法人東日本不動産流通機構が公表している「築年数別成約状況」によると、築5年以内が前年比で㎡単価が9.3%、築10年以内で10.4%上昇しています。また、10数年前くらいから新築マンションにおいて単価の上昇によりグロスの価格を調整するために1戸あたりの面積がどんどん絞られてきたという経緯があり、築浅の中古マンションは㎡単価が高いうえに、面積は狭くなっているという状況です。
築古物件の実情
一方で、築30年以上の築古物件の在庫数は増加しており、今後もその数は増え続けると予想できます。公益社団法人不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 長期動向グラフ」(図2)では、首都圏中古マンション在庫件数において、コロナ禍の影響を受け、2021年頃には在庫数が大きく減少しましたが、現在はコロナ禍前の状態に戻りつつあることが分かるかと思います。このような在庫数の推移の中で、築30年以上の物件というのは年数を重ねるごとに増えていくので、在庫数は今後も増加し続けると考えられます。また、築30年以上の築古物件の価格は、公益財団法人東日本不動産流通機構が公表している「築年数別成約状況」によると、前年比で㎡単価は4.6%上昇と、築浅マンションと比較するとその上昇幅は小さくなっています。ここ数年の中古マンション価格は、全体的に上昇傾向であったものの、その上昇幅は、物件の築年数毎で異なるということになりますね。
図1
図2
築浅物件のメリット
ここまで、現在の築浅・築古物件それぞれの実情を押さえて頂いたところで、ここからは、それぞれのメリット・デメリットについて解説していきましょう。
まずは、築浅物件のメリットをあげると、
・新築と近い品質である
・設備が充実している
・リフォーム費用がほとんど発生しない
・プレミア感がある
などが考えられます。 築浅物件を選ぶ理由として特に大きいのは、便利な住宅設備や新築に近い品質の室内外共に綺麗なマイホームを手に入れられるところでしょう。こういったプレミア感を特に大切にしたい方にはおすすめです。
築浅物件のデメリット
一方で、デメリットとして考えられるのが、
・価格下落率が高い
・物件数が少なく人気が集中する
・管理状態の良し悪しが判断しにくい
・価格が高い
などになります。築浅物件を選ぶ上で特に注意すべきなのが、「価格下落率が高い」というポイントです。このチャンネルでも何度も解説してきたとおり、築年数が浅いマンションは、年数の経過による価格下落率は高くなります。実際に、不動産流通機構が公表している「中古マンションの築年帯別平均価格 」(図3)をみても、築年数を経るにつれて価格がどんどん下落していくことが分かるかと思います。
買った直後からどんどん価格が下落してしまうので、「資産性」という観点では、かなり大きなデメリットになるかなと思います。また、先程も解説しましたが、築浅物件は売り出し数が少なくなっていくことから、条件の良い人気物件は、早く決断しないと他の人にすぐ取られてしまうため、焦って購入を進めてしまうケースもあります。他にも、あまり年数が経っていないことから、物件の普段見えている場所は物理的に綺麗なことが多く、マンションの資産性に影響してくる管理状態の良し悪しがまだ表面的に表れていないので、管理組合がちゃんと機能しているのかを客観的に判断しづらいという点には、注意が必要です。
図3
築古物件のメリット
続いて、築古物件のメリット・デメリットについても確認していきましょう。
まずは、築古物件のメリットとしては、
・価格下落率が低い
・在庫数が多く選択肢が広い
・管理状態の良し悪しを判断しやすい
・比較的割安に購入できる
などが考えられます。築古物件の特に大きいメリットとして、「管理状態の良し悪しを判断しやすい」というポイントがあります。築古物件であれば、これまでどのような管理や修繕、トラブル対応などが行われてきたのかを内覧時やマンション議事録・修繕計画書などの資料から確認しやすいため、今後安心して住んでいけるのか、将来的に売却する時に売れやすいのかを事前に判断することができます。 また、物件の価格面においては、先ほど紹介した「中古マンションの築年帯別平均価格 」(図4)のデータを見てみましょう。築31年以降は記載されていませんが、築30年までと築31年以降の下落率は緩やかです。しかも旧耐震基準に切り替わる築42年以降のデータも含まれているため、おそらく築42年までの単価でみると、より緩やかな下降となり築30年までのマンションのように年を追うごとに大幅に下落していくとは考えにくいのではないでしょうか。
また、先程も解説したように、築古物件の在庫数は増えているので、選択肢が多く、自分の希望条件に合った物件に出会える確率も高くなるかなと思います。また築30年ごろのマンションは現在より広めに作られていることも多く、このような、物件の資産価値を重視したいという方や、希望に合った物件を焦らず検討していきたいという方にはおすすめかなと思います。
図4
築古物件のデメリット
一方で、築古物件のデメリットとしてあげられるのが、
・旧耐震物件の場合に住宅ローンが組めないこともある
・旧耐震基準の場合に住宅ローン控除が受けられない
・管理費・修繕積立金が入居時から高い
・経年劣化や設備故障の心配がある
というポイントです。 築古物件を検討する際には、1つ必ず着目して頂きたい基準があります。それは、「新耐震基準かどうか」です。築42年以上の物件というのは、「旧耐震基準」で建てられており、耐震面で不安があったり、住宅ローン関連でマイナスになったりすることがあります。具体的には、そもそも住宅ローンが組みにくい・住宅ローン控除が受けられないというものになりますので、築何年の物件なのかはしっかり確認するようにしましょう。 また、築年数の経過に伴う「経年劣化や設備故障」は、どうしても避けられないものになりますので、これらによって生活上、不安や不便を感じてしまう点がデメリットになります。 更に、マンションでは、定期的に共用部分などの修繕工事や先程の耐震面への不安を解消するための耐震補強工事が行われるのですが、そのための積立金の収集があります。そしてその額というのが、修繕の規模が大きかったり、回数が増えたりする築古になるにつれて、上がっていくことが殆どです。そのため、入居時から、このような固定費となる管理費・修繕積立金が高いという点もデメリットととしてあげられます。
ポリスが考える今買うべき条件
ここまでで、築浅と築古、それぞれにメリットもあれば懸念になるデメリットもあることをご理解いただけたかなと思います。 そこで、ここからは、それぞれの特徴を踏まえた上で、ポリスが考える「今買うべき条件」というのを解説していきます。 まず、結論からお伝えしますと「人気エリアの良い条件の築30〜築42年の物件 」をおすすめします。
その理由としては、
・不動産の資産性
・比較的に割安に購入できること
以上の2点になります。まず、「不動産の資産性」については、今後の不動産価格の動向が大きく関係してきます。 2024年の価格動向としては、調整局面に入ってきており、全体的には高止まりしつつも、エリアや物件の条件によって複雑化していくと予想されるため、今後どうなっていくかは不確実であると考えています。 詳しくは、こちらの過去動画で詳しく解説しておりますので、是非チェックしてみて下さい。そのような状況の中で、これからマンションを購入するのであれば、より「資産性」を重視する必要があると考えています。 資産性を考える上では、「長期的な視点」を持つことが非常に大切です。 そして、その中で特に重要なのが、物件の需要に大きく影響してくる「人口の増減」です。 人口が今後も増加していくエリアであれば、需要が高い状態が維持されるため、資産価値を保ちやすくなります。
一方で、人口が減っていくエリアは、需要は少ないけど物件の数は多いという状態になるため、需給のバランスから価格が下落し、資産価値も下がってしまうということになり得ます。 そのため、例えば、同じ予算で、「郊外の築浅」と「人気エリアの築古」を検討するのであれば、都心や再開発エリアの方が長期的にみて需要が高いので、築古であったとして人気エリアの物件を購入した方が将来的な資産性は高いと考えています。
もちろん、人気エリアで新築や築浅物件を買える方は購入して全然問題ないですが、今後も人口増加が見込まれるエリアの築浅物件というのは、先ほども解説したとおり、価格が高く、なかなか手が出しにくい状態で、それは今後も続くと考えられます。そのため、現在在庫数も増えてきている築30〜築42年の物件であれば、比較的リーズナブルに購入できる、かつ新耐震基準の物件なので、人気エリアでこの築年数の物件を狙っていくのがよいと思われます。
しかし、人気エリアの築古物件が、全部OKというわけではありません。
・管理状態が良い
・駅近など利便性が高い
といった、資産価値が下がりにくい「良い条件の物件」を探していくことが大切です。このような条件の物件は、例えば将来的にもっと価格が上がったとしても、都心に住む高所得者が購入するケースは全然ありますし、需要もあり続けると考えられるので、資産価値を担保することができます。 逆に言うと、管理状態や利便性が悪い築古物件は、需要が少ないので、むしろ価値が下がってしまうということも考えられますので、注意するようにしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、「【中古マンション】プロは築○○年を買います【築浅VS築古】」というテーマで解説してきました。これからマイホーム購入を検討する際は、より長期的な視点で人口流入や社会情勢を捉えて、物件の資産性を考えていく必要があります。その中で、「築浅の方が良いのか」「築古でも大丈夫なのか」と悩まれる方もいますが、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、資産性を考えると、私不動産ポリスは「人気エリアの良い条件の築30~築42年の物件」を狙うことを非常におすすめしますので、今回解説したポイントをしっかり押さえて、資産価値を担保出来るような物件を選ぶようにしましょう。
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