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【中古マンション】の価格高騰の謎。それ、大損しているかもしれません。。
はじめに
マンションが高い!高すぎる!なんて声、最近よく聞きませんか?先日は首都圏の新築マンションの平均価格がいよいよ1億を超えた!というニュースが出て、ちょっと世の中ざわつきました。朝のワイドショーやニュースでも取り上げられていましたね。こちらはものすごく高額な2物件が平均値を押し上げたというのがからくりでしたが、そうでなくても首都圏の新築マンションの価格は右肩あがりですし、それに負けず中古マンションの価格もあがり、全体的にマンション価格は上昇している、というのが実態です。
では、なぜこんなにマンションの価格はあがり続けるのでしょうか?そこで、今回は「マンション価格が高騰している理由」をひも解いていきたいと思います。また、後半では、最近需要が高まっている中古マンションの価格を押し上げている、「ある仕組み」についても解説していきたいと思います。
中古マンションの価格に関して、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にして下さい。
◆【中古マンション】の価格、今後どうなる?2023年最新版
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本編
マンション市場について
まずは、マンション市場について解説していきましょう。先ほども解説したとおり、現在の日本のマンション価格は右肩上がりで上昇してきております。実際に、国土交通省が公表している不動産の価格帯を示す「不動産価格指数」(図1)を確認しても、マンション価格が上昇していることがわかると思います。
中古マンションの価格は2013年を境に、年々上昇しており、現在最も高い価格帯を示していることがわかります。ではなぜ、日本のマンションがここまで値上がりを続けているのかと感じる方もいるでしょう。マンションの値上がりにはさまざまな要因がありますが、大きく5つに分解すると、
①エリア性
②資材の高騰
③金融政策
④コロナ禍による影響
⑤円安の影響
などがあります。順番に解説していきましょう。
値上がりの要因~①エリア~
まず、最初に考えられる要因としてあげられるのが、「エリア・地域」による要因があげられます。
不動産はその名もとおり、動かすことができない資産です。そのため、地域によって需要が異なり、人気のエリアは当然価格も値上がりしやすいです。東京の人気エリアといえば、「港区」や「渋谷区」「世田谷区」などがイメージされますが、現在は地方都市でも人気エリアは価格が高まりつつあり、東京全体で価格が上がっています。また、再開発地域なども、大規模なインフラ整備によって地価が高騰していきますので、最近行われた「東京オリンピック」やこれから実施される「大阪万博」では、大きなインフラ整備によって、さらに地価が上昇することも考えられます。このような、人気エリアの物件・駅から徒歩10分圏内などのマンションであれば、需要が高いので築年数が経過しても、資産価値が高まるマンションになり得ます。今は高いけど将来も下がりづらい。という事ですね。
値上げの要因~②建築コストの上昇~
また、マンションが値上がりする理由として、「建築コストの上昇」があげられます。
マンションを建築するための材料となる建築資材が品薄になったり、円安の影響によって、安い資材を海外から輸入できなくなったり、人材不足などが要因で、建築コストが上昇しております。実際に、一般社団法人「建設物価調査会」が公表している建設物価指数(図2)を見ても、ここ数年は建築コストが右肩あがりで上昇しているのがわかります。
マイホームの購入に欠かせない住宅ローンの金利水準が低いことも、マンションの価格上昇に影響しています。現在は日銀の「金融緩和」によって、住宅ローンの金利は歴史的に見ても超低水準で推移しています。実際に、住宅金融支援機構と民間金融機関とが提供しているフラット35が公表している「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」を見ても、現在の金利が非常に低いことがわかると思います。多くの方は住宅ローンを使ってマイホームを購入しているため、デベロッパーとしても価格を多少あげたとしても、金利が低いので毎月の支払いはそれほど上がら無いため、高くても売れるという状況が生まれています。
図2
値上げの要因~③住宅ローンの金利水準が低い~
マイホームの購入に欠かせない「住宅ローンの金利水準が低いこと」も、マンションの価格上昇に影響しています。
現在は日銀の「金融緩和」によって、住宅ローンの金利は歴史的に見ても超低水準で推移しています。実際に、住宅金融支援機構と民間金融機関とが提供しているフラット35が公表している「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」を見ても、現在の金利が非常に低いことがわかると思います。多くの方は住宅ローンを使ってマイホームを購入しているため、デベロッパーとしても価格を多少上げたとしても、金利が低いので毎月の支払いはそれほど上がらないため、高くても売れるという状況が生まれています。
値上げの要因~④コロナ禍による影響~
現在の「コロナ禍による影響」も、マンションの値上がり要因の一つとなっています。
コロナ前では、あまり考えられなかった、テレワークの普及によって、おうち時間が増加している方も多いのではないでしょうか。おうち時間が増加することで、マイホームへの価値観を見直す方が増えて、もう一部屋欲しい。であったり、長くなったおうち時間を快適なものにしたい。テレワークをするので静かで防音性能の高い住まいに住み替えたい。などとニーズが高まり、「マイホーム」を購入したいと感じる方が増加しています。
値上げの要因~⑤円安の影響~
また、先ほど解説した日本の「円安の影響」によって、海外からの投資家から、日本の不動産に人気が集まっているのも要因です。円安によって、海外投資家は比較的安く日本の不動産を購入できるので、主要エリアで駅からも近い立地条件がよいマンションは投資用物件としても人気が高まっています。
買取再販について
ここまで、「マンションが値上がりする理由」解説してきました。では、全体的にマンション価格が高騰していることを踏まえて、中古マンションの価格を押し上げている「ある仕組み」についても解説していきましょう。
まず、みなさん、「買取再販」という言葉を聞いたことはありますか?買取再販とは、不動産会社が中古マンションを買い取り、その後不動産会社によって、リフォーム・リノベーションを施し、販売するビジネスモデルで、いわゆる、リノベ済み物件のことを指します。
一方で、中古マンションの販売でよくあるのは、現在の所有者である個人の方から不動産業者が物件を預かって、購入を検討している方との間を「仲介」している形ですね。つまり「仲介」で売主となるのは、多くの場合は物件をもともと所有している個人の方となります。買取再販は、個人のお客様から物件を預かって仲介するというかたちでなく、一度不動産業者が購入して、リノベーションしてから販売しているところが違いになるわけです。買取再販でリノベーションされた物件は外観は中古マンションだけど、居住空間はリノベーションによって、新築同然のマンションです。内見に行ってみると、真新しい素敵な内装で購買意欲が沸くんですよね。
これまで、このようなリノベーション物件も、比較的安い値段で、新築同然のマンションを購入できる可能性があるのがメリットでした。しかし、前半に解説したマンション価格の高騰により、しっかり情報収集をしないと、逆に損する可能性もあるのです。
リノベーション物件で損する場合
では、リノベーション物件で損してしまう場合について、解説していきます。現状、新築マンションの価格高騰により、中古マンションの需要が増えていることから、中古住宅の買取再販市場が活発化してきています。それに合わせて、多くの買取再販業者が市場に参入してきており、業者間での物件の仕入れ競争が非常に激化しています。それに伴って、業者が中古マンションを仕入れる段階で、そもそもの中古マンション本体の価格が上がってしまっているんですね。そして、リノベーション物件の価格というのは、主に、中古マンションの本体価格、リノベーション費用、経費(税金、金利、仲介手数料など)、買取再販による利益、の4つで構成されています。中古マンションの本体価格に、リノベーション費用や様々な経費、利益がプラスされているんですね。一方で、通常の「仲介」によって物件を購入したのであれば、価格構成は、中古マンションの本体価格、経費(不動産仲介手数料など)となります。
ここで、リノベーション物件で本体価格3000万円の物件と、仲介で本体価格3000万円の物件を購入する場合とでシミュレーションを実施していきましょう。仲介では、リノベーション物件と同じ金額でリノベーション工事を施したと仮定してシミュレーションしていきます。まず、リノベーション物件の場合、中古マンションの本体価格:3000万円、リノベーション費用:1000万円、経費(本体価格+工事費用10%):400万円、買取再販による利益(10%):440万円、総額が4840万円となります。
一方で、仲介による売買取引であれば、中古マンションの本体価格:3000万円、リノベーション費用:1000万円、経費(本体価格8%):240万円、総額が4240万円となります。
同じ物件で、同じ価格での工事を施しても、利益を上乗せされたリノベーション物件は600万円程価格が高くなっていることがわかります。実際には全ての買取再販のリノベーション物件が割高というわけではなく、買取業者は毎日足と人脈で割安な物件情報の入手のために駆けずり回っているので、一般価格だと3000万円の物件でも2500万円で買えるような割安物件を仕入れている場合もありますし、年間に何件もリフォームをするのでスケールメリットを生かして一般の方が発注すると1000万円かかるリフォームであっても企業努力で700万円で出来るようにしたりと、買取再販リノベーション物件が一般仲介物件に比べて割高にならないようにすごく努力をしています。しかし、中にはこのシミュレーションの結果のように、割高になってしまっているリノベーション物件もあります。この割高リノベーション物件の高騰が、中古マンションの価格を押し上げている要因の一つにもなっているんですね。
検討時に注意するポイント
新築マンションよりは、比較的安く購入でき、内装が新築同然のリノベーション物件ですが、通常の「仲介」取引よりも、利益や工事の企画料によっては、割高になってしまう可能性が十分考えられます。そこで、最近の中古マンション価格高騰の中でも出来るだけ損をせずに、リノベーション物件を購入するために、検討時に注意すべき点についても解説しておきましょう。
まずは、再販物件の市場相場を調査することが大切です。市場相場をわかっていない状況では、検討している物件が正常価格なのかどうかは検討もつきません。そこで、市場相場を確認する方法として、近隣エリアの成約履歴から市場相場を割り出していく方法が考えられます。具体的には、近くの買取再販によって成約された事例の物件価格を調査して、価格帯を比較していきます。成約事例については、再販業者に調査してもらったり、信頼できる不動産業者に相談に乗ってもらってもいいでしょう。
また、買取再販業者が実施したリノベーション工事の内容・費用について確認することが大切です。初心者からしたら、工事内容だけでは費用については検討もつかないと感じる方も多いでしょう。そのため、実際にどれくらいの費用をかけて工事をしたのか、資料を出してもらいじっくりと検討することもおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。「【中古マンション】の価格高騰を徹底解説」というテーマで、マンションの価格動向についてと、流行りのリノベーション物件の仕組みについても解説してきました。これまでマンション市場相場は右肩上がりで上昇してきましたが、この先も上昇が続くとは限りません。実際にエリアによっては価格はむしろ下がっていっています。中古マンションの最新の市場動向についてはまた別の動画でお届けしたいと思いますが、中古マンションの購入を検討している方は、同じエリアでの成約事例を調査したり、市場相場と比較して価格帯が妥当なのかを調査してから購入を決めるのが重要です。是非、参考にしてみてくださいね。
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まとめ
記事監修者
朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役
2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。