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【中古マンション】の価格は今後どうなる?【2024年最新版】

# 中古マンション

はじめに

「2024年、不動産バブルがいよいよ崩壊し価格が暴落する!?」という話を聞いたことがありますか?不動産ポリスの朝倉です。新年を迎え、「今年こそはマイホームを購入したい!」と思っている方もいらっしゃると思います。一部のニュースやWEBなどで、マンション価格について取り上げられると、つい気になって見てしまうという方多いのではないでしょうか。年末ごろからちらほら「不動産バブル崩壊!?」「価格暴落はもうすぐか」といった内容の発信をみかけるようになりました。2023年、このチャンネルではマンション価格は、人気エリアの価格は高騰し、あまり人気エリアのないエリアは下落していくという二極化説をお伝えしてきました。実際に都心の中古マンションの価格は上昇を続けましたが、郊外ではすこしずつ停滞していくという動きがありました。2024年は、この二極化がさらに複雑化していく可能性が出てきています。

そこで、本日は、不動産業界歴25年となった私不動産ポリスが、「【中古マンション】の価格は今後どうなる?【2024年最新版】」というテーマで、今年の中古マンション市場について、次の3つの項目に分けて解説していきます。

①振り返り!2023年の不動産価格推移
②2024年不動産価格は複雑化
③逃すと損!ベストな購入タイミング

動画の後半では、損しないために絶対押さえるべきベストな購入タイミングについて、解説していきますので、最後までお見逃しなく!

本編

①振り返り!2023年の不動産価格推移

まずは、2023年までの不動産価格推移の振り返りをしていきましょう。一時期コロナ禍の影響によって、家に他の人を入れたくないなどの理由から、自宅を売却する方が減ったことで、中古マンションの在庫が少なくなりました。それに伴って、1つの物件に対して、申込が殺到してしまうなどの需給のバランスより、価格は上昇していきました。しかし、こういった局面も2023年に入ると、コロナ禍が段々明けてきたことで、中古マンションの在庫件数は増えていきました。しかし、住宅ローンが超低金利水準であることやインバウンドの戻りによる海外投資家の購入が増えていたりすることで、全体的に需要が高い状態がつづき、不動産価格は上昇するかたちで推移してきました。そして、その中で、エリアによる価格の二極化が発生しました。エリアに関しては、都心や再開発エリアなど人気の高い場所では価格が高騰し、一方で、利便性が低かったり郊外の人気がなかったりするエリアは、じりじりと下がっていくという動きです。

そして実はこの二極化のなか、もうひとつの二極化も進んでいました。物件については、在庫数の少ない築浅物件は高値で売られていきましたが、築年数の古い買取再販物件は一気に在庫が増えたこともあり、売れ行きが鈍化し、価格が下がってきているという状況になっていたんですね。 このような動きの中で、2023年の後半には、少し気になる傾向がデータでも現れてきました。不動産流通機構の2023年10月度のサマリーレポート(図1)で直近の中古マンション㎡単価の推移を見てみると、成約㎡単価は上昇しているものの、新規登録㎡単価や在庫㎡単価は横ばいになっていることから、この3つの単価が同じくらいになってきています。

この動きは、通常あまり見られない動きになります。そのため、ここから先の価格推移というのは、これまでお伝えしていた二極化とは少し異なったものになっていくのではと考えています。そこで、ここからは、私不動産ポリスが予想する2024年の不動産価格の推移について、解説していきます。

①振り返り!2023年の不動産価格推移

図1

②2024年不動産価格は複雑化

結論から申し上げますと、2024年の中古マンションの価格は「全体的には高止まりしつつ、より二極化が複雑化していく」と予想しています。それでは、「どうして高止まりの状態になるのか」「どのように複雑化していくのか」について、詳しく解説いきましょう。

新規登録価格は調整局面に入ってきている

まず、「どうして高止まりの状態になるのか」についてですが、これはまず、中古マンションの「新規登録価格は調整局面に入ってきている」ということが影響しています。先ほども解説したとおり、コロナ明けによって、中古マンションの在庫件数は増えており、かつ、不動産流通機構の2023年10月度のサマリーレポート(図1)によると、直近数か月の成約単価・新規登録単価・在庫単価が同じくらいの価格で横ばいに推移してきていることが分かるかと思います。

「成約価格」というのは、販売されている価格から、買主が希望する購入価格すなわち指値が入ってくることが多いので、通常はマイナスになることがほとんどです。また、この中古マンションの「新規登録価格」というのは、「成約価格」と「期待値」を合わせた数字であると考えられ、この「期待値」というのは、「在庫価格」を基準にして現れてきます。つまり、「新規登録価格」の下限は「成約価格」で、上限が現在販売中の物件の価格である「在庫価格=定価」になるというのが通常の構造です。しかし、そのような構造の中で、成約価格がまだ緩やかに上昇していくなか、現在の新規登録価格と在庫単価はほぼ横ばいになっている状況です。これは、これから新しく登録する中古マンションに対する「期待値」というのを高めに設定するのが良いのか、それとも低めに設定するのが良いのかが、わからなくなってきているということのように見えますよね。

つまり、新規登録価格は調整局面に入ってきていると考えられます。都心を中心にまだ新規登録価格を高く出している物件というのはあるので、そのような物件が多い場合は、この成約価格というのも、引っ張られて上昇していく可能性は考えられますが、一方で強気な価格設定が難しい物件は全体的に価格が下がっていくのではないかと思います。全体としてみれば高止まりのような見え方になりつつ、中身をみると物件による差が大きくなってくるということですね。このような状況の中で、もう1点着目すべきなのが、「在庫件数」です。先ほども少し解説しましたが、現在、在庫件数というのは、不動産流通機構の2023年10月度のサマリーレポート(図2)の「中古マンション件数の推移」からも分かるように、右肩上がりで増加しました。いまはほぼコロナ前の水準まで戻したんですね。

このように在庫が多い状態だと、競争が激しくないので、これ以上価格を上げる要因というのがありません。以上のことから、新規登録価格が調整局面に入ってきている、かつ、在庫が増えて価格を上げる要因がないことから、今後の不動産価格というのは、全体的には高止まりしていく、と考えられます。しかし、全体的には高止まりしていくとはいえ、先ほどお話ししたように、エリアや物件の条件によっては、更に上がったり、もしくは下がったりと、推移の仕方がより個別化・複雑化していくことが予想されます。

そこで、ここからは、「今後どのように複雑化していくのか」について、次の5に分けておさらいしていこうと思います。

・都心は再開発エリアを中心に価格が上がる
・郊外は高止まりしていく
・人口減少などが見られるエリアでは、価格が下落
・郊外でも一部の人気エリアや一部の好条件の物件は高騰
・エリアに関係なく旧耐震物件など築年数の古い物件価格が下落

それでは、順番に解説していきます。

都心は再開発エリアを中心に価格は上がる

まず、「都心は再開発エリアを中心に価格が上がる」ということです。 再開発エリアを中心に、憶を超えるような新築マンションが販売されていますよね。「こんなに高い物件、誰が買えるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、意外と売れています。 それは、インバウンドの回復や現在の「円安」の影響もあり、海外投資家が日本の不動産をお得に購入していたり、収入の高いパワーカップルが購入していたりするんですね。そのような層には、まだまだ需要があるので、再開発エリアの新築マンション価格は今後も高騰していくと考えられます。そして、新築価格に連動するかのように、周りの中古マンションの価格も上昇していくので、再開発エリア周辺の物件価格は2024年も高騰していくと思います。

郊外は高止まりしていく

郊外は高止まりしていく一方で、「都心郊外のマンションは高止まりしていく~やや下落していく」と予想されます。郊外エリアの中古マンションでは、「買取再販物件」が高価格で販売されていました。買取再販物件とは、不動産会社が中古マンションを買取、その後不動産会社によって、リフォーム・リノベーションを施し、販売するビジネスモデルの物件です。以前は、比較的高く仕入れて高く販売しても売れたため、多くの業者がこの買取再販事業に参入し、物件を販売していました。しかし、最近は、あまりにも価格が高くなってしまっていることから、「都心近郊とはいえ高くて買えないよ!」ということで、販売が難航し、在庫が余ってきている状態になっています。そのため、郊外エリアの物件価格は、下落していくとのではないかとも思われますが、都心が高いために一定の需要があることや、リフォーム資材の高騰などもあり、大きく下落まではいかないのかなと思われます。1点、もしかしたらトレンドが買取再販でなく中古マンションとして売り出し、リノベーションをする、という方向に向かうことで、見た目としては価格が下がったように見えてくるかも知れません。

人口減少などが見られるエリアでは、価格が下落

価格の複雑化の3つ目としては、「人口減少が起こっているエリアでは価格が下落」していくことです。これは、日本の少子高齢化や人口減少の問題も絡んできており、今後、人口減少が進んでいく地方エリアでは、人口減少に伴って購入希望者も少なくなっていきます。そうすると、物件の数は多いが買いたい人は少ないという需給のバランスより、価格の下落が進んで行くと考えられます。

郊外でも一部の人気エリアや一部の好条件の物件は高騰

価格の複雑化の4つ目としては、「郊外でも、一部の人気エリアや一部の好条件の物件は高騰」していくことです。たとえば、先ほども取り上げました「再開発」が予定されているエリアは郊外であったとしても、物件価格が高騰する可能性があります。他にも、湘南や鎌倉などのスポットで人気のエリアも高騰している印象があります。また、エリア以外にも、駅チカであったり、設備が充実している、管理状態が良いなど、好条件の物件も、需要が高いので価格は高騰していくと考えられます。

エリアに関係なく旧耐震物件など築年数の古い物件価格が下落

価格の複雑化の5つ目としては、「エリアに関係なく旧耐震物件など築年数の古い物件価格は下落」していくということです。旧耐震基準の築古物件というのは、耐震面へ不安があったり、そもそも住宅ローンを借りられなかったり、住宅ローン控除の対象から外れてしまったりということから、自分たちが住むことへの不安や将来売却を検討する際に再販しにくいというリスクがあります。またローン控除が受けられない、というビハインドもあります。そのようなことから、例え都心などの人気の高いエリアであったとしても、あまり需要は高くありません。ですが、年々、旧耐震までいかない築古物件の在庫数も増えているので、需給のバランスから、このような築年数の古い物件というのは、価格が下落していくと考えられます。このように、2024年以降の不動産価格に関しては、全体的には高止まりしていくと予想していますが、様々な条件によって、これまでの二極化以上に複雑になっていくかなと思います。

②2024年不動産価格は複雑化

図1

②2024年不動産価格は複雑化

図2

③逃すと損!ベストな購入タイミング

ここまで、2023年と2024年の不動産価格の推移について解説してきましたが、「それでは、結局マンションはいつ買うのがベストなの?」と感じている方も多いと思います。結論としては、「欲しい物件が見つかれば、価格の下落を待たずに購入するべき」です。良いなという物件を見つけた時に、「もう少し価格が下落するまで待った方がいいのかな」と思われる方もいらっしゃいます。しかし、欲しいと思う物件に出会ったら、下落を待たずに買うのがベストです。その理由としては、次の3つがあります。

・低金利のうちにローンを走らせて、確実に残債を減らす
・住宅ローン控除の内容の変更
・人気物件はスピード勝負

それでは、順番に解説していきます。

低金利のうちにローンを走らせて、確実に残債を減らす

まず、一つ目は「低金利のうちにローンを走らせて、確実に残債を減らす」ことです。 現在は国際的な経済情勢が不安定な状況ではありますが、日本の変動金利は以前として「低金利」で推移しています。 実際に、住宅金融支援機構と民間金融機関とが提供しているフラット35が公表している「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」(図3)を見ても、現在の金利が歴史的に見ても非常に低いことがわかると思います。

日銀も現在の世界情勢から考えて、将来的には金利の上昇も十分に考えられるものの、すぐには金利が上昇することは考えづらく、「変動金利」はまだまだ「低金利」で推移していくことが予想されています。このことから、早めの段階でローンを組み、毎月の返済額のうち、利息の割合が高い前半を低金利で返していくことで、仮に後から金利が上がったとしても、住宅ローン返済の総支払額を小さくすることができ、確実に残債を減らすことも出来るのでおすすめです。元本が多い時に、いかに低金利で借りられるかということです。

住宅ローン控除の内容の変更

理由の二つ目としては、「住宅ローン控除の内容の変更」があります。 住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して物件を購入した場合に、「住宅ローン残高の0.7%」が給与などから納めた所得税や住民税から控除されるという制度のことです。 そして、この住宅ローン控除の内容が、2024年から一部変更されます。 具体的には、中古マンションについては変更はないのですが、「新築マンション」や「買取再販」に関しては、借入限度額の引き下げによって最大で受けられる控除額が少なくなります。中古マンションの中でも、買取再販物件、所謂リノベ物件を狙っている方は注意が必要するようにして下さい。こういった法改正が定期的にあったり、この住宅ローン控除が適用されるのが、現時点では2025年中の入居であることが条件であったりすることから、この控除の恩恵が受けられるうちに購入することが良いでしょう。

人気物件はスピード勝負

理由の三つ目としては、「人気物件はスピード勝負」ということです。 利便性が高い・駅近である・人気エリアにあるといったように良い条件の物件というのは、あなた以外の多くの方も良いなと思っています。いざ購入しようかと決断をするタイミングで、「やはりもう少し下落するのを待った方が良いんじゃないか」などの思いからなかなか決められずにいると、その内にあなたが良いと思っていた物件は、他の人に取られてしまうかもしれません。人気のある物件は、スピード勝負なんですね。そのため、「ここに住みたい!」と思える良い物件に出会えたら、それは運でもあるので、購入を決断した方が良いかなと思います。そのようなタイミングで後悔なく決断出来るようにするためには、事前に自分たちが譲れない条件をいくつか出して、優先順位を決め、資産についてもシミュレーションをしておき、すぐに動けるような状態にしておくことが必要かなと思います。

③逃すと損!ベストな購入タイミング

図3

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、「【中古マンション】の価格は今後どうなる?【2024年最新版】」というテーマで解説してきました。 2024年の不動産価格は高止まりかつ複雑化していく状態であると考えられます。しかし、下落を待ってから購入しようと思っていると、良いと思った物件を逃してしまったり、住宅ローン控除を受けられなくなってしまう可能性があるため、自分が欲しいと思える物件が出たタイミングで購入するべきだと私は思います。 更に、そのなかで、「資産価値の高いマンション」を選んでいくことが今後はより重要になってきますので、しっかりと知識をつけて、自分なりの優先順位と資産シミュレーションを行っておくようにしましょう。 

 

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