はじめに
中古マンション購入時に、同じ予算で「郊外の築浅」と「都心の築年数の古いマンション」のどちらを購入すべきか、悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それぞれの条件にはメリットもデメリットも存在するため、悩んでしまうこともあるかもしれませんが、これから不動産を購入するにあたり、押さえておくべきポイントを知らずに決断してしまうと、「想定よりも資産価値が下落してしまった」と後悔する可能性があります。
本記事では、中古マンション購入における「築浅VS築古」という観点から、それぞれのメリット・デメリットを整理し、「今買うべき物件の条件」についても解説していきます。
本編
築浅物件と築古物件の実情
築浅物件と築古物件の実情として、ここでは、
・マンション価格上昇と二極化の現状
・築浅物件の在庫状況と価格推移
・築古物件の在庫状況と価格推移
について、解説していきます。
マンション価格上昇と二極化の現状
ここ数年の不動産価格は、物価高騰や住宅ローンの超低金利、円安などの影響を受け、右肩上がりに上昇してきました。国土交通省が公表している「不動産価格指数」を見ると、2013年を境に不動産価格が上昇していることが確認できます。

(参考)不動産価格指数 国土交通省
このような全体的な価格上昇の中で、直近1〜2年においては、都心部や再開発エリアなど人気エリアの物件価格がさらに高騰し、郊外の人気のないエリアでは逆に価格が下落するという二極化が進んでいます。
特に、都心の新築物件については大幅な価格高騰が報道されており、購入層に対する影響も大きくなっています。
その結果、購入可能な予算と物件価格を比較する中で、「居住性を重視して郊外でも築浅物件を選ぶべきか」、「資産性を重視して築古でも人気エリアを選ぶべきか」といった判断に悩む方も増えています。
築浅物件の在庫状況と価格推移
築5年以内や築10年以内の築浅物件については、新築物件の供給減少に伴い、売り出し数も減少傾向にあります。
この背景には「都市部での用地不足」「用地価格の高騰」「建築費の高騰」といった要因が影響しており、新築供給の制約により築浅物件の在庫も減少しています。
この傾向は今後も継続する可能性が高いと見られます。
価格面においては、公益財団法人東日本不動産流通機構が公表している「築年数別成約状況」によれば、東京都における築5年以内の物件は前年比で㎡単価が15.0%、築10年以内では4.8%上昇しています。
さらに、近年の新築マンションでは単価上昇に伴い、1戸あたりの面積が縮小する傾向が続いており、築浅中古マンションは㎡単価が高い一方、専有面積が小さくなっている状況です。
築古物件の在庫状況と価格推移
築30年以上の築古物件に関しては、在庫数が増加傾向にあります。
公益社団法人不動産流通機構が公表している「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 長期動向グラフ」によれば、コロナ禍によって一時的に在庫数は減少しましたが、現在はコロナ禍前の水準に戻りつつあります。

(参考)首都圏中古マンション・中古戸建住宅 長期動向グラフ 公益社団法人不動産流通機構
築30年以上の物件は、築年数の経過とともに在庫数が増え続けると考えられます。
また、価格については、公益財団法人東日本不動産流通機構の「築年数別成約状況」によると、築30年以上の物件は前年比で㎡単価が6.8%上昇しています。
ただし、築浅物件と比較すると、上昇幅は小さくなっていることが分かります。
ここ数年の中古マンション価格は全体として上昇傾向にありましたが、築年数ごとに上昇幅に違いが見られる状況です。
築浅・築古物件のメリットとデメリット
築浅・築古物件のメリットとデメリットとして、ここでは、
・築浅マンションのメリット
・築浅マンションのデメリット
・築古マンションのメリット
・築古マンションのデメリット
について、解説します。
築浅マンションのメリット
築浅物件のメリットとして挙げられるのは、次の通りです。
・新築と近い品質であること
・住宅設備が充実していること
・リフォーム費用がほとんど発生しないこと
・プレミア感があること
築浅物件を選ぶ大きな理由としては、便利な住宅設備が整い、新築に近い品質のきれいな室内外のマイホームを手に入れられる点が挙げられます。
こうしたプレミア感を重視される方には、特に適していると言えるでしょう。
築浅マンションのデメリット
一方、築浅物件には次のようなデメリットも存在します。
・価格下落率が高いこと
・物件数が少なく、人気が集中しやすいこと
・管理状態の良し悪しを判断しにくいこと
・価格が高いこと
築浅物件を検討する際に特に注意すべきなのは、「価格下落率が高い」という点です。
不動産流通機構が公表している「中古マンションの築年帯別平均価格」によれば、築年数が浅いマンションは年数の経過とともに価格が大きく下落していく傾向が見られます。

購入直後から資産価値が下がり始めるため、「中古マンション 資産性 築年数」という観点では、非常に大きなデメリットとなり得ます。
また、築浅物件は売り出し数が減少しているため、条件の良い物件には購入希望者が集中し、早期の決断を迫られるケースも多く見られます。
さらに、築年数が浅い物件では、共用部や建物外観が物理的にきれいなことが多く、資産性に影響を与える管理状態の良し悪しが表面化していない場合もあります。
このため、管理組合の運営状況などを客観的に判断することが難しい点にも注意が必要と言えるでしょう。
築古マンションのメリット
築古物件のメリットとして挙げられる点は以下の通りです。
・価格下落率が低いこと
・在庫数が多く選択肢が広いこと
・管理状態の良し悪しを判断しやすいこと
・比較的割安に購入できること
特に大きなメリットは、「管理状態の良し悪しを判断しやすい」という点です。
築古物件では、これまでに実施された管理や修繕、トラブル対応などの履歴を、内覧時やマンションの議事録・修繕計画書などの資料から確認しやすくなっています。
そのため、今後安心して住み続けられるか、あるいは将来的に売却しやすいかを事前に判断できる点が魅力です。
また、物件価格についても、先に紹介した「中古マンションの築年帯別平均価格」のデータを参考にすると、築31年以降の価格下落率は比較的緩やかであることが分かります。

さらに、旧耐震基準に切り替わる築42年以降の物件も含まれているため、築42年までの単価で見た場合、築30年までのマンションのように年数とともに大幅に価格が下落する可能性は低いと考えられるでしょう。
築古物件は在庫数が増加傾向にあり、自分の希望条件に合った物件に出会える可能性が高まっています。
さらに、築30年頃のマンションは、現在の新築物件と比較して専有面積が広めに設計されているケースも多く見られます。
このため、物件の「資産性」を重視してマンションを選びたい方や、焦らずに希望条件を満たす物件をじっくり検討したい方にとって、築古物件は有力な選択肢となるでしょう。
築古マンションのデメリット
一方で、築古物件には次のようなデメリットが存在します。
・旧耐震物件の場合に住宅ローンが組めないことがある
・旧耐震基準の場合に住宅ローン控除が受けられない
・管理費・修繕積立金が入居時から高い
・経年劣化や設備故障の心配がある
築古物件を検討する際に必ず確認しておきたい基準として、「新耐震基準に適合しているかどうか」が挙げられます。
築42年以上の物件は「旧耐震基準」で建てられているため、耐震性に不安があるほか、住宅ローンを組みにくかったり、住宅ローン控除が受けられなかったりするケースがあるため注意が必要です。
築年数を確認し、耐震基準に適合しているかを必ず確認するようにしましょう。
また、築年数の経過に伴う経年劣化や設備故障は避けられない問題となります。
これにより、生活面で不安や不便を感じる可能性があり、マンションの資産性にも影響を及ぼす恐れがあります。
さらに、マンションでは共用部分の修繕工事や耐震補強工事が定期的に実施されますが、それに伴う修繕積立金の負担も築古物件では高くなる傾向があります。
修繕の規模が大きくなったり、実施回数が増えたりすることにより、入居時から管理費・修繕積立金が高額になる点も、築古物件のデメリットとして把握しておく必要があるでしょう。
今購入するべきマンションの条件
今購入するべきマンションの条件として、ここでは、
・資産性を意識したマンション選びのポイント
・資産性を見極めるためのエリアと築年数の考え方
・資産性を担保できる築古マンションの条件
について、解説していきます。
資産性を意識したマンション選びのポイント
今購入するべきマンションの条件は、「人気エリアに立地する良い条件の築30〜築42年の物件」です。
その理由は以下の2点です。
・不動産の資産性を確保できること
・比較的割安に購入できること
資産性を見極めるためのエリアと築年数の考え方
まず「不動産の資産性」については、今後の不動産市場の動向に大きく左右されます。
2024年の動向では、全体的に高止まりを続けつつも、エリアや物件条件によって価格動向は複雑化すると予想されています。
今後の市況は不透明な部分もあるため、マンションを購入する際には、より「資産性」を重視した選択が重要になります。
資産性を見極めるうえで、特に重視すべきなのが「人口の増減」です。
今後も人口増加が見込まれるエリアであれば、需要が高い状態が維持され、資産価値も保ちやすくなります。
一方、人口減少が進むエリアでは、物件数に対して需要が減少するため、価格が下落しやすくなり、資産価値も低下するリスクが高まります。
そのため、同じ予算で「郊外の築浅物件」と「人気エリアの築古物件」を比較検討する場合は、資産性を考慮すると人気エリアの築古物件を選択する方が有利であると考えられるでしょう。
資産性を担保できる築古マンションの条件
人気エリアで新築や築浅物件を購入できる方にとっては問題ありませんが、現在の高騰した価格水準を考慮すると、購入のハードルは高く、今後もこの状況は続く可能性が高いと見込まれます。
一方、築30〜築42年の物件であれば、比較的リーズナブルに購入できるうえ、新耐震基準に適合している物件も多いため、資産性の観点からも魅力的です。
人気エリアでこの築年数の物件を狙うことが、現実的な選択肢となります。
ただし、人気エリアの築古物件であっても、すべてが推奨できるわけではありません。
資産性を守るためには、以下の条件を満たす物件を選ぶことが重要です。
・管理状態が良好であること
・駅近など利便性が高いこと
このような条件を満たす物件であれば、将来的に価格が上昇した場合でも、都心に住みたい高所得者層による需要が見込まれ、資産価値を維持しやすくなります。
逆に、管理状態が悪い、または利便性が低い築古物件は、需要が減少し、資産価値が下落するリスクが高まるため、十分に注意する必要があると言えるでしょう。
まとめ
本記事では、中古マンション購入における「築浅VS築古」という観点で解説しました。
これからマイホームの購入を検討する際には、より長期的な視点を持ち、人口流入や社会情勢の動向を捉えながら、物件の資産性を見極める必要があります。
その中で、「築浅の方が良いのか」「築古でも問題ないのか」と悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで資産性を重視して検討する場合は、「人気エリアに立地し、良い条件を備えた築30〜築42年の物件」を狙うことを推奨します。
今回解説したポイントを参考に、将来的な資産価値を担保できるマンションを選びましょう!
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