~死亡者数世界3位!?石綿(アスベスト)の危険性とは~ ウィローズクラフト

奈須 秀輝
2025.5.29
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みなさん、こんにちは!
ウィローズクラフトのプランナー、奈須です!
5月だというのに、日中は30度近くまで気温が上がる日が続き、早くも夏のような陽気ですね。
これから迎える本格的な夏に向けて、少し不安になる暑さですが、まずはしっかり水分補給をして体調管理をしていきましょう!
さて、今月のテーマは
「石綿(アスベスト)」 についてです。
「聞いたことはあるけれど、実際はよく分からない…」という方も多いのではないでしょうか?
今回は、アスベストの基本的な知識から、リフォーム時に注意すべきポイント、そして健康被害までをわかりやすくお伝えします。
■ 石綿(アスベスト)とは?
石綿(アスベスト)は、天然の繊維状鉱物で「いしわた」「せきめん」とも呼ばれています。
耐熱性・耐久性・絶縁性に優れ、なおかつ安価であることから「奇跡の鉱物」として、かつては建材や電気製品、自動車部品などに広く使われていました。
しかしその一方で、空中に飛散した繊維を吸い込むことで、肺がんや中皮腫(ちゅうひしゅ)などの深刻な病気を引き起こす ことが分かり、現在では製造・使用が厳しく制限されています。
特に問題とされるのが、石綿の繊維の細かさ。
直径わずか0.02〜0.35μm(髪の毛の約5,000分の1)と非常に小さく、トゲトゲした形状で肺の奥深くまで入り込み、長期間残留してしまうのです。
■ 建物のどこに使われている?
令和6年12月に厚生労働省が公表した資料によると、石綿は住宅の内外問わず、さまざまな場所に使用されてきました。
下の図をご覧ください。
こちらは令和6年12月に厚生労働省が出した、使用部位例になります。
特に、リフォームで注意すべき箇所は
以下のような場所です
・外壁塗装材
・化粧スレート屋根
・ユニットバスの壁
・キッチンパネルや耐火板
・クッションフロア・フロアタイル
・石膏ボード
・天井の吹付断熱材
・壁紙の接着剤やのり
これらの箇所に関わるリフォーム工事を行う場合は、
必ず事前に石綿含有の有無を調査する必要があります。
※ただし、石綿は「飛散」して「吸入する」ことが問題です。現在ご自宅に石綿含有建材がある可能性があっても、壊したり削ったりしなければ大きな問題はありません。
■ 健康被害とその特徴
石綿の健康被害は、吸い込んでから数十年後に発症するという「潜伏期間の長さ」が特徴です。主な疾患は以下の通りです。
・石綿肺(じん肺の一種)
・中皮腫(肺や腹膜のがん)
・肺がん
特に中皮腫は進行が早く、発見されたときにはすでに手遅れというケースも少なくありません。潜伏期間は15~40年とされ、昔に石綿作業に関わった方が、定年後に発症する例も多く見られます。
さらに、石綿のリスクは喫煙との相乗効果で高まることが報告されています。肺がんのリスクは、石綿単体よりも「喫煙+石綿」の組み合わせで大きく上昇すると言われています。
■ 日本国内の現状


・中皮腫による死亡者:2023年 1,595人(1995年の3倍)
・過去最多は2021年の1,635人
・2030年代が被害のピークと予測されている
また、GBD(世界疾病負荷)による2019年の推計では、肺がんなど石綿関連疾患による年間死亡者数は約20,000人にのぼり、アメリカ、中国に次いで世界3位という深刻な数値となっています。
■ 最後に
石綿の危険性について、
少しでもご理解いただけましたでしょうか?
今後リフォームやリノベーションを検討される方、あるいは周囲で工事を検討されている方がいらっしゃいましたら、「石綿が使われている可能性はないか」という視点をぜひ持っていただきたいと思います。
万が一に備え、調査・対策をしっかり行うことで、ご自身とご家族の健康を守ることにつながります。
少しでも不安がある方は、専門業者にご相談くださいね。
それではまた次回の更新でお会いしましょう!