はじめに
高市早苗新総裁が首相に指名され、高水準にある中古マンション価格が今後どのように推移していくのか?
中古マンション購入を検討されている方はもちろん、すでに物件を所有されている方も、高市政権で不動産高騰は継続するのか、気になるポイントではないでしょうか。
今回は、高市政権が首都圏価格に及ぼす影響について解説します。
本編
【2025年11月最新データ】首都圏中古マンション市場の動向
まず、2025年11月、最新の首都圏価格について解説します。
東日本不動産流通機構の2025年7月から9月期のデータによると、成約㎡単価は前年同期比+11.0%と、2020年7月〜9月期から四半期ごとで21期連続の上昇です。
(参考)東日本不動産流通機構|首都圏 中古マンション市場の動向 (2025 年 7~9 月期)
また、成約件数は1万27件で前年同期比+40.6%増で、在庫件数は4万3,850件で前年同期比-3.4%を記録しています。
価格が上昇し続けても、多くの中古マンションが取引されている状況です。
取引されているマンションの平均築年数は26. 40年で、前年同期の25. 01年を上回っています。
中古マンション購入が当たり前の時代に、築年数が経過しているマンションの取引も活発です。
首都圏全体のデータを見ると、首都圏の中古マンション取引は今後も変わらず活発のままだと考えられます。
中古マンション市場の推移
首都圏の中でも異なる動きをしているエリアがあります。
2025年7月から9月期の成約件数の前年同期比は、ほとんどのエリアで35.6%から46.3%の高い伸びを記録しています。
しかし、千葉県だけが21.2%と伸びが低い状況です。
また、成約㎡単価については、東京23区が134万3,000円で前年同期比+14.4%となっているものの、以下のように地域差が見られます。
●東京都の多摩地域:前年同期比+0.9%
●神奈川県の横浜市・川崎市:+4.9%
●埼玉県:-0.7%
●千葉県:-1.1%
●神奈川県の横浜市・川崎市以外のエリア:-2.7%
このデータから、都心や利便性の高いエリアでは、中古マンションの需要が高く引き続き堅調ということが分かりますが、一方で郊外や利便性が劣るエリアでは価格上昇が鈍化している「二極化」の動きが顕著に見て取れます。
不動産価格二極化の実態
特に東京23区における不動産価格の上昇は、以下のような購入層が要因となっています。
●パワーカップルや高所得のサラリーマン
●1~2億円の中古マンションを購入できる層
●5億円超えのプレミアム物件を購入できる超富裕層
●海外投資家
一方で東京23区以外では価格を押し上げる要因が減少し、価格上昇にもブレーキがかかりつつあります。
郊外の価格鈍化例として、以下が挙げられます。
●千葉県:前年同期比-0.2%
●埼玉県:-2.8%
●神奈川県の横浜市・川崎市以外のエリア:-9.8%
取引件数自体は多くのエリアで増えているため、不動産の流動性は高まっています。しかし価格面に関しては、郊外で調整局面に突入しつつあります。そして今後も、価格が上昇するエリアと下がるエリアの差が広がると推測できます。
高市政権が目指す経済政策
高市政権は主に金融緩和、財政出動、成長投資を掲げています。
金融緩和と財政出動の内容は、アベノミクスを踏襲しているため、高市政権の政策を「タカイチノミクス」と呼ばれています。
具体的な政策の内容について見ていきましょう。
金融緩和政策の継続
日本のデフレ脱却を最優先事項として、金融緩和政策の継続と低金利の維持を目指すとしています。
現在、日本の物価上昇率は安定しており、日銀は金融政策決定会合で金利を上昇させる予測もあります。
高市政権が誕生し、低金利維持の方針が明確化したことで、日銀は利上げしづらい状況になりました。
しかし日銀の利上げに対する姿勢が変わるとは考えにくく、今後の金利上昇については、まだ不透明な状況です。
大規模な財政出動
高市政権は、プライマリーバランスの黒字目標を一時的に凍結し、大規模な財政出動を実行する方針です。
プライマリーバランスとは、税収・税外収入と、歳出(国債費を除く)の収支を意味します。国債に頼らず、税などの収入で行政サービスを提供するための経費が賄えているかどうかを示す指標です。
プライマリーバランスが黒字になると、借金を増やさず、収入の範囲内でやりくりできている「健全な家計」のような状態です。これを凍結するということは、「借金を減らすことよりも、経済を活性化させる時期だ」と判断し、一時的に赤字を容認することになります。
つまり、インフラ整備や防衛、再生可能エネルギー技術など、未来への投資に集中する方針です。
この積極的な財政出動が行われれば、投資される分野の発展が見込まれるため、その分野で働く人の収入も増加します。
ただし財政出動には赤字を拡大化させるリスクも伴うため、どのような結果になるのかまだ不透明な状態です。
成長投資
成長投資の分野に関して、アベノミクスの内容と少し違いがあり、高市政権独自の政策が実行されると予測します。
日本が抱える緊急課題の解決や中長期的な成長戦略のための政策を検討しています。
具体的には以下を進める予定です。
●デフレ経済の緊急安全保障
●経済安全保障の強化
●食料安全保障の確立
デフレ経済の緊急安全保障では、物価高で生活が困難にならないよう、ガソリン税の暫定税率の廃止や、価格高騰の影響を受けやすい中小企業への交付金の増加などが期待されます。
また経済安全保障の強化、AI・半導体や宇宙ビジネスへの積極的な投資、投資分野拡大を目的とした投資税制の適用などが検討されます。
これらはいずれも、日本が抱える緊急課題への対策であり、課題を解決するために様々な投資が必要です。
高市政権が不動産・中古マンション市場に与える影響
高市政権が不動産・中古マンション市場に与える影響について解説します。
低金利維持がもたらす住宅ローンへの影響
日銀は2025年10月の金融政策決定会合で利上げを見送りました。
見送った理由は、トランプ関税の日米経済への影響の見極めや、積極的な財政出動と金融緩和を掲げる高市政権への配慮と言われています。
日銀は0.5%~1.0%の引き上げを検討するとも言われており、徐々に政策金利が上昇していく可能性が高いです。
この状況で、政府が低金利維持の協力を日銀に求めることで、利上げのペースを遅らせる効果が現れます。
住宅ローンのフラット35の調査によると、2024年中古マンションの購入者の借入金額は平均約4,033万円でした。
35年で4,000万円借り入れた場合の試算は以下の通りです。
●金利0.925%の場合:月々の返済11万円(返済総額4,638万円)
●金利1.425%の場合 (0.5%上昇):月々の返済約12万円(返済総額5,082万円)
たった0.5%の上昇で返済総額が450万円も変わるため、中古マンション購入を検討する方にとって、金利の上昇は購入できるかが重要な要素になります。
高市政権の低金利維持政策により、当面は住宅ローンの金利上昇ペースが緩やかになることが予想されます。
円安が中古マンション市場に与える影響
低金利を維持する政策は、マイナスの効果を生む可能性もあります。
それは円安の加速です。現在、日米の金利差は円安を招く大きな要因となっています。 投資家が「日本の利上げは当面期待できない」と判断し、円を売ってドルを買う動きを強めると、円安が加速するでしょう。
円安は、不動産価格と密接に関係しています。まず、円安によって海外からの建築資材の輸入コストが上がり、それが新築マンションの分譲価格を押し上げます。 新築価格が高騰すれば、買い手はより手頃な中古市場へと流れます。その結果、中古マンションの需給バランスが崩れ(需要過多)、中古市場全体の価格もつられて上昇していきます。
特に都心部では、円安によって海外投資家から見た「割安感」が強まっており、海外マネーによる過剰な投資は、価格をさらに押し上げる要因となります。
不動産価格の二極化がさらに進行する
高市政権の政策により、都心部と地方の不動産価格の二極化が予測されています。
都心部は建築資材や人件費高騰に加え、海外投資家による過剰な投資で不動産価格が上昇しています。
一方で地方は少子高齢化と都心回帰の影響を受け、不動産に対する需要自体が低下しています。
このような中で国防の観点から、国を守るために重要な土地やインフラ整備に欠かせない土地は、外国人の不動産取得を規制する動きが影響を及ぼします。
国防に必要な土地の購入を規制する動きが強まった場合、地方への海外投資額が減る可能性があり、より一層地方の不動産需要が低下すると考えられます。
需要がないエリアでは新築マンションの建設が見込みにくく、市場自体の縮小化は避けられないでしょう。
その結果、価格が上昇する都心部と価格が低下する地方という二極化がさらに広がると予測できます。
まとめ
高市政権の政策は、不動産、特に中古マンション市場に大きな影響を与えると考えられます。
投資の観点から見れば、都心部の中古マンションは依然として注目すべき対象です。低金利の維持、円安を背景とした海外マネーの流入、そして積極的な財政出動による再開発の促進など、都心部の地価を下支えする要因が揃っているためです。今後も価格上昇が続く可能性を考慮すると、購入を検討している方にとっては、さらなる高騰前の「判断のしどころ」と言えるでしょう。
一方で、郊外の物件については二極化が予想されます。都心の高騰に引きずられる形で価格が維持されるエリアがある一方で、需要が冷え込み価格が下落するエリアも出てくるでしょう。資産価値の維持を重視するなら、エリア選定にはより慎重な判断が求められます。
激動する社会情勢の中で、単に「早い者勝ち」で決めるのではなく、正確な情報を集め、自身のライフプランに照らして冷静に判断することが大切です。
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