はじめに
予算5000万円で中古マンション購入を希望だけど、都心の狭い築古物件か、郊外の広くて築浅物件か悩んでいる方が多くいます。
5000万円の予算でも、エリアにより購入できる物件の条件は大きく異なります。
本記事では、最新の市場データを元に、5000万円でどんな物件が購入できるか、都心もしくは郊外でマンションを購入することのメリット、デメリットを詳しく解説します。
なお、今回予算を5000万円としたのは、相談物件の価格帯として多いことや、世帯年収が600万〜700万円が購入検討層に多い価格帯のためです。
本編
【首都圏】5000万で購入できる中古マンションのエリア別状況は?
まず、首都圏における5000万円前後の中古マンションの物件状況(成約件数や物件の在庫状況)を解説します。
5000万で購入できる東京の中古マンションの状況
東京都の状況について見ていきましょう。
東京都の中古マンション成約件数
5,000万円前後の成約件数は下記の通りです。
●4,000万円~5,000万円:651件
●5,000万円~7,000万円:961件
直近、1年間の推移を見てみると件数に大きな変化はなく、5000万円前後の物件は比較的購入されている状況です。
東京都の中古マンション新規登録件数
続いて、5,000万円前後の物件の新規登録件数です。
●4,000万円~5,000万円:2,856件
● 5,000万円〜7,000万円:3,179 件
となっています。
東京都の中古マンション価格
直近のデータで、5,000万円前後の新規登録物件は、全体の25%程度を占めています。
1年間の推移を見てみると、5000万円前後の物件は若干比率が下がる一方で、一億円以上の超高価格帯の比率が上がっています。
都内の新築物件の高騰や、チャレンジ価格で売り出した物件も売れてしまい、新規物件の価格も引き上がる状況が数値として顕著に表れてます。
今後も同様の状況が続き、さらに高価格帯の比率が高くなることが想定されます。
東京都の中古マンション在庫状況
都内の全体の売出し件数は、ここ1年間で減少しています。
5,000万円前後の物件が占める割合に変動は無く、全体と併せて減少している状況です。
5,000万円前後の物件の在庫状況は、下記の通りです。
●4,000万円~5,000万円:2,487件
●5,000万円 ~7,000万円:2,783件
最新のデータを確認すると、都内の中古マンションの在庫は全体で 2,3227件程度あり、そのうち5,000万円前後の物件は20%程度を占めています。この比率は、直近1年間で若干減少しており、更に都内の全体的な在庫数も前年同期比で1割ほど減少しているため、
今後、5,000万円前後の物件は競争率が高くなる可能性があり、購入希望の方は早めの決断が必要です。
5000万で購入できる埼玉の中古マンションの状況
続いて、埼玉県の状況について解説します。
埼玉県の中古マンション成約状況
5,000万円前後の成約件数は下記の通りです。
●4,000万円~5,000万円:135件
●5,000万円~7,000万円:107件
前章で解説した東京都と比較すると、全体の成約件数が、4,000件ほど少ないです。
また、埼玉県全体を見ると、2,000万円~4,000万円の物件の割合が高く、成約価格の中央値は約3,000万円前後で、東京都と比較すると低価格で購入できます。
埼玉県の中古マンションの新規登録件数
埼玉県の新規登録件数は下記の通りです。
●4,000万円~5,000万円:520件
●5,000万円~7,000万円:346件
埼玉県の中古マンションの在庫件数
埼玉県の在庫件数は下記の通りです。
●4,000万円~5,000万円:490件
●5,000万円~7,000万円:321件
埼玉県全体の在庫件数は増えているものの、5,000万円前後の物件は徐々に減少傾向にあり、一方で2,000万円以下の物件数が増えています。
これは千葉県でも同様で、2,000万円以下の物件数が増えている理由は、特に郊外エリアにおいて需要が低下し、買い手が見つからない中で、何とかして売るために値下げをしていることです。
5000万で購入できる千葉の中古マンションの状況
千葉県の中古マンション成約状況
千葉県の成約件数は下記の通りです。
●4,000万円~5,000万円:116件
●5,000万円~7,000万円の成約件数が143件
東京都と比較すると、全体の成約件数は4000件ほど少なくなっています。
埼玉と千葉では、大きな差がありません。
千葉県では、物件数のボリュームゾーンが3,000万円以下です。
5,000万円の物件は、比較的高価格帯に分類され、浦安市や 市川市、船橋市などの東京へのアクセスがよいエリアの需要があることがデータで分かります。
千葉県の中古マンションの新規登録件数
千葉県の新規登録件数は、下記の通りです。
●4,000万円~5,000万円:355件
●5,000万円~7,000万円:326件
千葉県の中古マンションの在庫件数
千葉県の在庫件数は下記の通りです。
●4,000万円~5,000万円:331件
●5,000万円~7,000万円:331件
5000万で購入できる神奈川の中古マンションの状況
神奈川県の中古マンション成約状況
神奈川県の成約件数は
●4,000万円~5,000万円:327件
● 5,000万円~7,000万円:392件
神奈川県では、5,000万円前後の物件が成約件数の全体の30%程度を占めています。
神奈川県の中古マンションの新規登録件数
神奈川県の新規登録件数は下記の通りです。
●4,000万円~5,000万円:1397件
●5,000万円~ 7,000万円:1115件
神奈川県の中古マンションの在庫件数
神奈川県の在庫数は下記の通りです。
●4,000万円~5,000万円:1,222件
●5,000万円~7,000万円:1,015件
埼玉県や千葉県と比較すると、在庫の価格帯は分散しており、5,000万円前後の数も直近1年間では、大きな変化はありません。
3県(埼玉・千葉・神奈川)の中古マンションの新規登録件数の傾向
新たに売りに出される物件は、マーケットの相場感や周辺の成約事例を参考に価格が設定されます。
また、新規登録物件の価格帯の傾向は、成約件数と近くなります。。
3県(埼玉・千葉・神奈川)の新規登録物件の普及価格帯(多くの人が購入しやすい価格帯)は、4000万円以下のため、、予算5000万円だと比較的、物件の選択肢を広く持つことができます。
首都圏における5,000万円の物件数 まとめ
物件の在庫件数は、首都圏のどのエリアも2,000万円〜3,000万円台がボリュームゾーンとなっています。
5,000万円前後については、ここ数年東京都は横ばいで推移してるのに対し、他3県(埼玉・千葉・神奈川)に関しては右肩下がりに減少しています。
都内では5,000万円の価格以上の物件も多いため、全体の中では中間レベルの物件と捉えられますが、埼玉や千葉、神奈川で5,000万円は高水準の物件であると言えます。
同じ5000万円でも選ぶエリアによって物件の条件に差があります。
【予算5000万】中古マンションを購入するなら都心と郊外どっちがおすすめ?
同じ5000万円の予算で都心と郊外では、どのような物件が手に入るでしょうか?
都心と郊外それぞれの住まいの特徴やメリットデメリット、さらに実際の売り出しデータを元に5,000万円前後の物件で、どのような違いがあるのかを詳しく比較します。
都心の中古マンションのメリット|通勤や通学が便利で駅地近物件が豊富
・通勤や通学の利便性が高い
・駅近物件が豊富
・公共交通機関を使いやすい
・商業施設や医療機関、行政機関などが充実
・資産価値が高い
・将来、売却しやすい
・賃貸需要があるため貸しやすい
都心の中古マンションのデメリット|価格や管理費が高く、生活コストがかかる
・価格が高く専有面積が狭くなりがち
・物価が高く生活コストがかかる
・駐車場代や管理費が高い
・人口密度が高く周辺の騒音や人混み気になる
郊外の中古マンションのメリット|部屋数が多く広い物件がお手頃な価格で買える
・比較的な手ごろな価格で購入できる
・専有面積が広い
・部屋数が多い
・公園や自然が多い
・子育てがしやすい環境
・駐車場代や管理費が比較的安い
郊外の中古マンションのデメリット|通勤や通学が不便で車が必要の場合もある
・通勤や通学に時間がかかる
・車が必要になることも多い
・商業施設や医療機関の数が少ない
・売却時に時間がかかる可能性がある
・資産価値の維持がしにくい
都心と郊外の5,000万円の中古マンション比較
実際の売り出しデータを使って、都心と郊外の5000万の物件の違いを比較します。
比較する際の条件は、下記の通りとします。
・種別:中古マンション
・価格:4,500万円~5,500万円
・オーナーチェンジ物件は除外
・使用する売り出しデータ:2025年1月30日時点
また、都心と郊外の定義を下記の通りとします。
●都心:東京都城南地区(品川区、目黒区、大田区)
●郊外:西東京 エリア(西東京市、東久留米市、東村山市、東大和市、武蔵村山市、福生市、昭島市)
※中央区や港区は、実需用より投資目的での購入が多いため、住む用で物件を購入する人が多い城南地を選定しました。
都心エリアの5,000万円売出しデータ
実際に抽出したデータで確認してみましょう。
都心エリアでは、売り出し中の5,000万円前後の中古マンションは、247件ありました。
【物件の平均値】
駅徒歩:6.8分
㎡単価:約 93.4万円
専有面積: 57.2㎡
間取部屋数:2.1個
築年数:平均約65年
駅と駅の距離が近いこともあり、駅徒歩7分以内と好立地の物件が多い結果になりました。また、専有面積は60㎡以下と、比較的コンパクトで、旧耐震基準の物件が多い傾向にあります。
郊外エリアの5,000万円売出しデータ
【物件の平均値】
駅徒歩:11.4分
㎡単価:約67.7万円
専有面積:73.8㎡
間取部屋数:2.9個
築年数:平均約16年
郊外は駅から遠くなるに連れて戸建てが多くなるため、マンションだと郊外でも比較的、駅近の傾向があります。
専有面積は、70㎡以上と家族でも十分暮らせる広さが確保できます。
また、比較的築浅の物件が多いのも特徴です。
都心と郊外の比較ポイントまとめ
・専有面積:郊外は都心の1.3倍
・部屋数:郊外は都心の1.4倍
・築年数:都心は平均で築56年で旧耐震基準が多い
郊外は平均で築16年と築浅が多い
つまり同じ予算で、都心は築古で60㎡前後の物件、郊外は築浅で70㎡前後の物件が多いということが分かります。
予算5,000万の中古マンションの物件選びポイント3選
重視する条件と出口戦略を明確にする
家を買う時にまず考えるべきなのが、物件購入の目的です。
そして、購入の目的とともに何を重視すべきかが、明確になります。
例えば
●家族で安心して長く快適に暮らしたいなら
→住み心地や環境を重視
●資産形成をしてインフレに備えたいなら
→将来的な資産価値を重視
●定年後の住処を確保したいなら
→長期的な住みやすさを重視
●自分のデザインした間取りで過ごしたいなら
→リフォームやリノベーションの自由度を重視
など、重視すべき物件の条件が変わってきます。
具体的には資産価値を重視するなら、将来的に売却しやすい都心の築古マンションを狙うのが有力な選択肢です。
長く快適に住みたいのであれば、広さや築年数や周辺環境を重視した郊外の築浅マンションも適しているかもしれません
さらに、購入の目的によって出口戦略も異なります。
出口戦略とは、”将来その物件をどうするか”のプランのことです。
資産性重視であれば、購入後、賃貸に出したり数年後に売却して利益を得る選択肢も考えられます。そのために資産価値が落ちにくいエリアや 需要のある立地の物件を選ぶことが重要です。
一方で、居住性重視なら住み心地を再優先して長く快適に暮らせることが大切になります。生活環境や家族構成にあった間取りや通勤・通学の利便性、周辺施設の充実度がポイントです。
まずは購入の目的を整理して何を優先すべきなのかを明確にしていきましょう。
そうすることで出口戦略と物件選びの軸が定まり、納得できる選択ができるようになります。
資産性を重視するなら都心築古物件
資産性重視なら、都心の築古物件がおすすめです。
理由は下記の通りです。
・人口増加が見込まれる
・将来的にも需要が高い
・多少築古で狭くても売却が可能
資産性を重視する場合は、将来的に売却しやすい物件を選ぶことがポイントです。
都市部の物件は人口増加が見込まれるエリアが多く、需要が高いので築古で多少狭くても、将来的に売却しやすい傾向があります。
ただし旧耐震基準の物件で耐震基準適号証明書が取得できない場合は住宅ローンの審査が通りにくいため、注意は必要です。
居住性を重視したいという場合は、自分たちのライフスタイルや住み心地を優先し、広さや新しさ、周辺環境など自分たちが快適に暮らせる条件を満たす物件を選ぶようにしていきましょう。
築古物件をリノベーションするのがおすすめ
市場全体としても築古物件は増えてきており、選択肢に入れてる方も多くなっています。
しかし築古物件で気になるのは、
・使用感
・内装の劣化
・デザインの古さ
です。
デザインの古さなどが気になる場合は、リノベーション済み物件や築古マンションを購入し、自分たちでリノベーションする選択肢が非常におすすめです。
フルリノベーションする場合の予算は、一般的に800万円〜1,000万円程度です。
都心で4,000万円前後の物件を購入し、1000万円のフルリノベーションを行い、予算内で理想の住まいを実現する選択肢もあります。
東京23区内の4,000万円前後の中古マンションの売出し物件は、約 450件存在しています。
このような築古物件を狙えば、駅近くの利便性が高いマンションを手頃な価格で購入でき、自分の理想の生活空間を手に入れられます。
そのため、築古×リノベーションの選択肢をお勧めしています。
まとめ
今回は、
●首都圏における予算5,000万円前後の物件の状況
●都心と郊外で5,000万円の物件を購入するなら、どのような物件を購入できるのか
●予算5,000万円前後の物件を購入する際のポイント
を解説しました。
東京都の5000万円前後の物件は、全体的に物件数が減少して物件は競争率が高まる可能性があります。一方、埼玉・千葉・神奈川の3県は、2000万円〜4000万円台が普及価格帯(購入する人が多い価格帯)です。
5000万円の予算では、都心では「築古で約60㎡前後」の物件、郊外では「築浅で約70㎡以上」の物件が手に入ります。
ご自身のマンション購入の目的を明確にし、重視する条件や出口戦略を定めて物件選びを進めましょう。
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