はじめに
どこに家を買うか、それは物件購入時の一大問題ですよね。街の雰囲気や、職場への近さ、生活スタイルなど、それぞれ選ぶポイントはあると思いますが、静かな住宅街だと思っていたら、突然大きなマンションや商業施設が建ったり、便利だと思って住んでみると意外に不便なことがあったりします。今回は住む場所を選ぶうえで、注意したいポイント、事前にリスク回避する方法をお届けしていきます。
本編
近隣にある広い土地の建築計画は要チェック
購入検討の際に内見に行って、お部屋自体はくまなくチェックしたけれども、周辺環境については見落とされる方も多いのではないでしょうか?周辺環境で確認しておきたい点、まず一つ目は近隣の建築計画です。マンションの場合は一戸建てに比べて、眺望や日当たりに惹かれて購入を決められる方が多いと思いますし、実際眺望や日当たりが良いお部屋は高値で取引される傾向があります。タワーマンションなんかは特にそうですよね。でも、近隣に別の建物が建ってしまったがために、眺望や日当たりが悪くなってしまったということが起こりえます。これは是非とも避けて頂きたい。実際に暮らす上でも、眺望や日当たりを期待して購入したのに、がっかり…となりますし、資産的にも、隣に高い建物が建ってしまったら、買った時よりも資産価値が落ちて将来思った価格で売れない、なんてことは絶対避けたいですよね。
これを防ぐポイントがいくつかあるのでお伝え致します。まずは近隣に大きな土地があるかチェックです。駐車場や空地は分かりやすいですが、古い大きな家がある場合、相続が発生して相続税の納税の為に売却される確率が高いです。そして売却先はマンションなり一戸建てのデベロッパーということが確率として高いです。あと病院ですね。病院は売却というよりも高い建物に建て替えられるケースが見られます。そして学校にも注意が必要です。
最近では少子化の影響で小学校の統廃合が進んでいますので、小学校や中学校だったところが他の建物になる可能性もありますし、統合されてもっと大きな建物になる可能性もあります。実際に今、中野区で建築中の小学校ですが、旧校舎は3階建てでしたが建て替えで5階建てになる校舎があります。学校といえども眺望や日当たりに影響する可能性があるということなんですね。
押さえておかなければならないのは2022年問題、いわゆる生産緑地の話です。詳しくはこの動画での説明は省きますが、生産緑地は普通の農地とは違って、将来建物が建つ可能性が高いんです。買いたい物件の近くに農地があり、それが生産緑地である場合は、環境が変わってしまう可能性がかなり高いので注意が必要です。
再開発で街の雰囲気が激変
これらのように近隣に大きな区画の土地があれば、そこに何か建ってしまうかも?という点で注意が必要ですが、逆に大きな区画が全くない、新宿のゴールデン街みたいに小さい飲み屋さんが密集しているようなエリアの場合は、再開発される可能性があるのでその点にも注意が必要です。
最近だとポリスの地元の目黒線の武蔵小山駅なんかもそうですね。昔は立ち飲み屋さんが沢山あって、路地があって、結構下町風情だったんですが、そういうエリアを住友さんとか三井さんとか森ビルさんなんかが10年単位のプロジェクトで用地買収をしていくんです。商業地は土地が大きくなると、より大きく建てられるので、利用価値が上がるんです。そういう飲み屋街みたいな場所があったら、もしかしたら再開発の計画があるかもと思ってチェックされても良いかもしれません。
進行中の再開発プロジェクトについては、インターネットでも簡単に調べられます。「〇〇区 用途地域」とか「〇〇駅 再開発」で検索いただくとたいていのことはわかると思います。気になる物件があったら、検索されてみてはいかがでしょうか。
一強で町が構成されてるエリアは危険
周辺環境について気を付けたい点2つ目が街並みについてです。どういうことかと言いますと、今から20年程前に目黒の区役所が移転したんですが、もともと区役所があった近隣には商店街があって結構栄えてたんです。でも区役所が移転してからお店がだんだん少なくなって、最近では数店しかやってないような商店街になってしまったんです。町の雰囲気ががらりと変わってしまったんです。
つまり、一強で町が構成されてるエリアは危険ということになります。例えば、区役所級の大きな公共施設があるとか、大学があるとか、世界的企業の拠点があるとかですね。その一強が移転や撤退などでなくなると、周辺の人の流れが変わり、今の利便性が一気に損なわれる可能性があるので注意が必要です。
ニュータウンや再開発エリアの注意点
一強という意味であれば、新しくつくられた街並みもこれはこれで注意が必要です。具体的には埋立地であったり、山を切り開いてつくられたニュータウンですね。こういった所は、昔から人が住んでいたところではないので、町が成熟していないことが多いです。スーパーはここにあります。ただ、ここしかありません。と言うことが結構あります。あと、スーパーとか、病院といった主要な施設以外にも、実際はスイミングスクールがどこにあるのか、大手学習塾はどうなのか、老人介護のデイケア施設はどうなのか、そういう施設は結構離れないとない、ってこともあります。人口はめちゃめちゃ増えているけれども、それに対応する生活施設や店舗はそこまで充実していないですよね。
実際のお客様から聞いた話でも、ファミレス行っても、病院行っても、スーパー行ってもメチャメチャ混むし待つんですって。通勤時間の短縮で少しでも近い場所に!と不動産を購入したけれども、毎日スーパーでも混雑して待って、病院でも待って、レストラン行っても待って…だと、利便性が良くなったのか悪くなったのか分からないですよね。こういうことも実際に起こっていますので注意していきましょう!
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まとめ
周辺の大きな土地、再開発情報をチェック!
1強で構成されている街並み、新しい街並みは注意が必要!
記事監修者
朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役
2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。