はじめに
コロナ禍で世界の木材需要が高まり、木材の価格が高騰し始めています。その影響は一般のお客様にもあります。木材価格高騰で「建設費はいったいどれくらいあがるのか」「木材がなかなか手に入らないために工期が伸びる、それによってどんな影響があるのか」についてご説明してまいります。また、この状況の中で逆に得をする可能性がある方もいますので、そこもきっちりとパトロールしてまいります!
本編
アメリカ・中国・ヨーロッパ 世界で住宅需要が活発に
まずはコロナウィルスの感染者数や死者数が最も多いアメリカですが、コロナに対抗する景気浮揚策としてFRBが住宅ローンの金利を下げたりしているんですね。また、リモートワークやテレワークが日本よりももっと進んでいて、都心部から郊外に人が流れているようです。ニューヨークの賃貸契約の成立軒数が2019年と比べて24%減ったとか、空室率がこの10数年で初めて5%を割り込んだというデータが出ています。その分郊外では住宅の売れ行きが好調で、新築着工件数が増えたりしており木材の重要が高まっているようです。また、世界一の人口を誇る中国でも同じような理由で木材需要が高まっており、世界的に木材が不足しています。特に深刻なのがヨーロッパからの木材が全くないみたいです。ヨーロッパ自体も内需、自分の国の住宅需要を支えるのにまず手一杯になってますし、輸出も、中国やアメリカの需要が活発なので、世界中で木材の取り合い、押さえないみたいな状況になっていて、日本に入ってこないようです。ポリスもお付き合いのあるハウスメーカーさん何社かにヒアリングしましたが、特に入ってこないのはプレカット用の集成材が全くなくて、国産材で代用したり、問屋さんの在庫を高値で押さえたりしているようです。
コロナで建材価格高騰!家の値段はいくらくらいあがるの?
具体的な影響としてはまず1つ目が建物価格の高騰です。ポリスがお付き合いしているハウスメーカーさんで坪7000円上げる業者さんと、坪14000円上げる業者さんがいました。100㎡30坪の建物ですと、坪7000円で21万とか、坪14000円上がると42万円とかですね。これ、どちらのハウスメーカーさんも影響がどこまで出るのか、いつ終息するのかが全く4月の段階だと読めないみたいで、世界的な木材不足が続くようだと2回目、3回目の値上げをせざるを得ないようでした。なので、今ですと20万40万位の値上げですが、全く同じ建物を建てても今年の秋冬だと100万円建築費が上がりますなんていうことはあり得る状況なので、土地を買って住宅を建てようとされている方は注意が必要です。
また、具体的な影響の2つ目が工期が読めないことです。メーカーさんに聞いた所、とにかく単に材料の木材が高いのではなく、売ってない置いてないようです。なので、いつも使っている北欧材やアメリカ材ではなくて、他の地域の木材や国産材を取り合っている状況で、確保が出来ていないようです。なので、木材の納品がいつできるか分からないので、工期が分からない。今月入るか来月入るか分からない。また、今は入っても工事途中に継続的に安定して木材が供給できるか分からないので、請負契約が出来ないみたいな業者さんも出始めています。そりゃそうですよね。3階建ての家で、1,2階は建てられたけど3階の木材が入らないので、2階で止まっているみたいなこと、最悪じゃないですか。そういうことが起こらないように、契約を頂くこと自体をストップしていたり、契約はしても工期が未定で止まっているケース、あるみたいです。
木材が手に入らない!工期が伸びることで起こる影響
影響が大きいのが税金の減税や特例措置って、「いつまでに住む」とか「いつまでに建物契約を結ぶ」とか期限がある場合が多いので、今回の木材不足で使える予定だった減税措置や特例が使えなくなることのないように、工務店さんハウスメーカーさんに工期の面しっかり確認をされた方がよいかもしれませんね。
余談ですが、日本で森林多いイメージじゃないですか?日本の国土の3分の2が森林で、その森林の40%が人工林、すなわち、木材を採る為の林なんです。めちゃめちゃ木がある国なんですよ。それなのに日本の木材の自給率って平成28年のデータで34.8%。もっと高いかと思いきや意外と65%、3分の2は輸入に頼っているんです。それでも平成12年の木材自給率は18.2%だったんで、80%以上輸入に頼っていたのに比べるとそれでも自給率上がっているという状況です。昭和30年は自給率94.5%あったみたいです。林業も後継者不足の問題や、安定供給の問題などいろいろな問題があって輸入材の方が安かったり使いやすかったりするんでしょうけど、出来れば内需の拡大にもなりますし国産材を使った家がもっと増えると良いなぁと個人的には思います。
建材価格高騰で得する人。築浅の物件に注目!
最後に、この世界的な木材不足で得をする可能性のある方は、ずばり「築浅の木造住宅を持っているオーナーさんです。」つまり、新たに木造住宅を建てると高いのですが、であれば良質の築浅中古を買った方が得だよね?と消費者は当然考えます。これ一戸建て住宅でも木造のアパートでも新築の価格が上がりますので、つられて築浅の中古戸建、中古アパートの価格がつられて上がる可能性があります。実際に、過去に鉄筋が不足したり建設作業員が不足してRC・鉄筋コンクリート造の新築価格がぐわーって上がった時があるんですけれども、その時も築浅中古RCもつられて上がりましたので、もしかするとこの1年は築浅の木造戸建て、木造アパートを持っている方は売り時なのかもしれませんね。
目黒を中心に、都心城南(品川・目黒・世田谷・大田・港etc)の不動産については、武蔵小山最大級の不動産会社ウィローズにお任せ下さい。お客様のご要望に合った物件をご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。
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まとめ
Point.
1
コロナの影響で世界的に木材が不足している
Point.
2
具体的な影響は建築費の高騰、工期が読めないこと
Point.
3
築浅の木造物件を持っている人はこの1年は高く売れる可能性があり
Point.
4
記事監修者
朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役
2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。