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【中古マンション】築20年マンション購入のリスク・重視すべき3つの判断基準を徹底解説

# 中古マンション

はじめに

「築20年の中古マンションは買っても本当に大丈夫?」

「設備の老朽化や住み心地はどうなんだろう?」

など、中古マンション購入にあたって建物の状態に不安を持つ人も多いのではないでしょうか。


新築より多少は手が出しやすそうだしそこまで古すぎないとはいえ、

築20年となると新築よりも情報が少なく、検討材料の少なさに不安を感じる人が多いのも無理はありません。


本記事では、築20年の中古マンションを購入するメリットや、

購入の判断基準にもなる注意点、現在の供給状況など、詳細を紹介しています。

中古マンションの購入を検討している人は、ぜひ記事内容をご確認ください。

本編

築20年の中古マンションを購入するメリット

あえて築20年の中古マンションを購入するメリットを5つピックアップしてみました。

■割安感がある
■品質の良い物件が多い
■仕様が新築マンションと大きく変わらない
■1回目の修繕工事を完了している物件が多い
■眺望を楽しめる間取りが多い

各ポイントを順番に詳しく解説していきます。

割安感がある

東日本不動産流通機構が公表している中古マンションの築年帯別平均平米単価によると、
築20年のマンションは新築と比べて大体4割ほど価格が下がっています。

物件の価格が安いと住宅ローンの月々の返済額を下げることができます。
住宅に関する支払いの負担を抑えることができる点は大きなメリットです。
特にこれから教育費がかかる世帯にとって、
月々の支払いを抑えられるのは見逃せないポイントとなるのではないでしょうか。

その他、お手頃の価格の築20年程度の物件を選択肢にすると、
より広い間取りや条件がいいリッチな物件が検討できるようになるメリットもあります。

品質の良い物件が多い

築20年の中古マンションは新築よりも4割価格が安いとはいえ、必ずしも品質は悪くありません。

今から20年前というと、品確法の施行、建築基準法の改正による耐震基準の厳格化、
シックハウス対策が義務化などが実施された年代です。
マンション建築に一定の品質が義務つけられた世代でもあります。
それぞれの法律の詳細は下記の通りです。

■品確法

2000年4月施行。住宅性能表示制度や新築住宅の10年保障 などについて定めた法律。
10年保証の義務化によって、より高品質な建築がされるようになった。

■耐震基準の厳格化

2000年6月1日に施行。建物全体の耐震性を向上させることを目的とした法律。
地震に対応した基礎設計と接合部への金具の取り付けの義務化。

■新建築基準法によるシックハウス対策

2003年7月1日施行。
建材や接着剤に含まれるホルムアルデヒドなど、化学物質の放散量を規制。

築20年の物件は、以上の法律が制定された後に建築されているため、
目に見えない耐震や施工のクオリティという観点でも品質の高い物件が多いです。
安心して暮らせる環境が整っていると言っても過言ではありません。

仕様が新築マンションと大きく変わらない

20年前に建築された中古マンションでも仕様は新築マンションと大差はありません。
外観 フォルムやエントランス、ロビー のデザインなどは 現在の新築マンションとほぼ同じです。

20年前は円高の時期で建築費用も安く収めることができ、
充実した設備のマンションが建築されていました。
当時のものは性能が高く、現在のものと比べてもそれほど遜色はありません。

防犯意識の高まりによって、オートロックや防犯カメラの設置など、
現在のマンションと同じような設備が導入され始めたのもこの頃です。
大掛かりなリフォームの必要もなく、現代に適応した必要な環境を
そのまま手に入れられるという点は大きなメリットです。

1回目の修繕工事を完了している物件が多い

大規模修繕の周期はおよそ12年なので、築20年のマンションは
ほとんどの物件で一回めの大規模修繕を完了しています。

国土交通省の公表したマンション大規模修繕工事に関する実態調査によると、
1回目の大規模修繕を行うには1戸あたり中央値で約110万円、平均値で約151万円かかるそうです。
50戸ある建物の大規模修繕工事には大体5500万円から7500万円かかる計算になります。

多額の費用をかけて1回目の大規模修繕を完了している物件なら、
購入後にすぐに修繕が必要になるリスクが低いため、不便なく生活できる環境が整っている可能性が高いです。

また、築20年で大規模修繕工事を1回終えている物件なら、
適切な管理がされているマンションという見当もつきます。

管理状態の良し悪しを見極められて、かつ安心して住めるマンションの判断できるのは
築20年の中古マンションを選ぶメリットと言えるでしょう。

眺望を楽しめる間取りが多い

バブル崩壊後の景気の低迷からの脱却を目指す中で、
都市部では再開発や都市居住の促進を目的としてタワーマンションブームが起きました。
20年前は高層マンションが数多く建築された時期でもあります。

この時期の物件は、眺望を重視した設計がされていることが多いです。
大きな窓や広いバルコニーなど眺望を楽しめる工夫がなされています。

リビングや寝室から広大な景色を一望できるパノラマ ビューや、
2方向以上の眺望を楽しめるコーナーサッシがある角部屋など、なかなか豪華です。

マンションらしい眺望を重視したいという人は、
築20年程度の中古マンションから物件を探した方が満足できるかもしれません。

築20年のマンションを購入する時の判断基準

築20年の中古マンションにはメリットが多いのも事実ですが、
購入時に気をつけたいポイントや判断基準があります。
買ってしまった後に後悔しないように、まずは物件購入の判断基準を身につけておきましょう。

物件購入時に見極めたいポイントは次の3点です。

■設備の劣化をチェック
■相場に比べて値下がりしすぎていないか
■修繕一時金の徴収の有無

各ポイントを順番に説明します。

設備の劣化をチェック

1つ目の注意点は設備の劣化です。
20年を過ぎると設備の劣化が少しづつ進行し始めます。

住宅設備の耐用年数の一例は次の通りです

・ユニットバス:15年〜20年
・温水洗浄便座:10年〜15年
・洗面化粧台:15年
・給湯器:10年〜15年
・エアコン:10年

使用頻度やメンテナンスの有無によっても多少前後するものの、
基本的には10年から15年で修繕や交換が必要になると考えておいた方が良いでしょう。

既に交換されていれば問題ありませんが、交換されていない物件を購入する場合、
買ってからすぐに壊れてしまうケースもあります。

「希望に満ちてマンションを購入したのに、設備がすぐに使えなくなってしまった!」
という残念な事態を回避するためにも、購入前に設備の不具合がないか入念にチェックしましょう。

相場に比べて値下がりしすぎていないか

2つ目の注意点は新築時から値下がりしすぎていないか、という点です。
極端な値下がりは何かしらの原因が潜んでいると考えて差し支えありません。

マンションの価値を決める要因は、立地と建物の管理状況、建物の状態など、様々な要因によって決まります。
条件が悪いと年数の経過とともに資産価値が大きく下落する、というわけです。

中古マンションを購入する時は、安いからいいというわけではなく、
大きく値下がりしている原因をしっかり確認しなければいけません。

とはいえ、一般の人が不動産価値を分析するのは至難の業です。
物件を確認するときは信頼できる不動産会社の人とチェックするようにしましょう。

修繕一時金の徴収の有無

3つ目の注意点は大規模修繕一時金の徴収の有無です。

マンションによっては、早く完売させてしまいたいデベロッパーの思惑によって
建築当初に管理費や修繕積立金を平均よりも低く設定しているケースがあります。
大規模修繕工事の平均的な周期は13年が多いのですが、管理費や積立て金を安く設定していると、
築15年から20年の間に1回目の大規模修繕を行うケースもあり得ます。

徴収される一時金は、大規模修繕工事に必要な金額にもよりますが、
1戸あたり数十万もの費用が請求されることもあるため、注意が必要です。

一時金を徴収するような管理体制では、以降の大規模修繕費用を計画的に積立てできる可能性は低いでしょう。
そのような物件は購入を見送る選択肢も有効です。

マンション購入時にチェックしておきたい今後の資産価値

将来マンションを売却する可能性がある人は、購入時に今後の資産価値もチェックしておきたいところです。

東日本不動産流通機構が公表している築年数から見た首都圏の不動産流通市場2023年のデータによると、
物件価格は築20年までは緩やかに下落していますが、築21年から30年にかけてはやや下落幅が大きくなっています。

資産価値が下がる大きな要因は次の2つです。

■設備の老朽化
■大規模修繕工事の有無

共用部分や排水管、電気設備などの老朽化や大規模修繕工事は、資産価値の下落に大きな影響を与えます。

また、大規模修繕は一般的に築12年から15年のサイクルで実施されるため、
築21年から30年はちょうど2回目の工事のタイミングが訪れます。
工事に必要な修繕積立金や一時金の追加徴収によって余計に費用がかかるため、
買い手がつきにくくなっているのも資産価値下落の要因の一つと言っても良いでしょう。

築20年のマンションを購入後に売却する可能性がある人は、
将来の物件の資産価値についてもよく認識しておいた方が良いです。

築20年の中古マンションはこんな人におすすめ

ここまでは築20年のマンションのメリットとチェックポイントを見てきましたが、
本項では、築20年前後のマンションをおすすめできる人を紹介します。

築20年の中古マンションをおすすめできるのは【ファミリー世帯でかつ資産性を重視する人】です。

理由を2つ紹介します。

■築20年前後のマンションは広くファミリー層向け
■ファミリー層からの需要が高く再販性が確保できる

東日本不動産流通機構の築年数から見た首都圏の不動産流通市場2023年によると、
築20年前後の中古マンションが最も広く、平均70平米を超えていることがわかっています。

子供の成長に合わせてやがては広い居住スペースが必要になることを考えると、
若いファミリー世帯にとって築20年前後の広い中古マンションはうってつけです。
住みやすさは一定の需要がある裏付けでもあります。

ファミリー世帯の需要は今後も続くと考えられますので、
将来的に子供が独立して売却することになったとしても買手がつきやすく再販性も確保しやすいです。

まとめ

今回は「築20年の中古マンションを購入しても大丈夫なの?」というテーマで解説してきました。

「築20年の中古マンションは、資産価値が下落しやすいのでは?設備は大丈夫?」
などの理由から購入を戸惑っていた人も多いのではないでしょうか。

今回解説したように築20年ぐらいのマンションは、
価格は比較的お手頃で品質の良い物件が多いというメリットがあります 。
また、築20年の物件は占有面積が広い物件が多いため、若いファミリー世帯は特におすすめです。

築20年前後のマンションは買っても特段問題はありませんが、
物件個別の注意点もありますので、築20年程度なら大丈夫でしょうと楽観的に考えるのも危険です。
判断ポイントをしっかり確認した上で慎重に検討しましょう。

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まとめ



Point.
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記事監修者



朝倉 大樹(宅地建物取引士)

株式会社ウィローズ 代表取締役



2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。

2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。

不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。