はじめに
2022年の税制改正大綱の発表の中で歴年贈与への税改正はありませんでした。注目されていた改正項目だったので、とりあえずホッとされた方も多かったかも知れませんね。でも昨年よりもより具体的に暦年贈与の改正について踏み込んだ記載などもあり、近い将来改正される流れはより強くなりました。実際の原文を確認しながらその中身を検証してみましょう。
本編
原文を確認してみよう
2022年の税制大綱が12月10日に正式に発表となりました。 その中で暦年贈与について、結論から申し上げますと、税改正はありませんでした!暦年贈与まだ使えるって事ですね。 ただし、今年の税制大綱の中でこのような文言があるんですね。ちょっと原文のまま紹介させて頂きますね。
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今後、諸外国の制度も参考にしつつ、相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度の在り方を見直すなど、格差の固定化防止等の観点も踏まえながら、資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。あわせて、経済対策として現在講じられている贈与税の非課税措置は、限度額の範囲内では家族内における資産の移転に対して何らの税負担も求めない制度となっていることから、その在り方について、格差の固定化防止などの観点を踏まえ、不断の見直しを行っていく必要がある。
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これ暦年贈与の110万円の事ですね。
暦年贈与改正へリーチ!?
去年、令和3年の税制大綱だと、ここまで暦年贈与について踏み込んでいなかったので、具体的に税制は改正にはなりませんでしたが、かなりリーチがかかっている状況だと言えると思います。来年こそ危ないかもしれませんね。
2022年は110万、2023年は?
この暦年贈与というのは、毎年110万円までは無税で贈与出来ますよ。それを20年続ければ2200万円無税で渡せるよね。というものです。
今年2022年(令和4年)に税制が改正されない場合は、今年は110万円を無税で渡せますが、結局2023年(令和5年)に税制改正になった場合は、来年には110万円無税で渡せないという事になるので、今年改正が無くともいずれ改正があるんじゃないかな?という事はほぼほぼ確実だと思います。
相続税対策の再検討を!
なので、この暦年贈与を使って相続税対策を組み立てている方、特に親名義で賃貸アパートを建てて、毎年家賃のうち110万円を子に贈与していくという仕組みで考えている方は、今年税制改正が無かったから、アパート立てて良いという事ではなく、暦年贈与が来年、再来年になくなってしまうと、その後に賃料を子供に110万円渡すと、贈与税、もしくは相続時精算課税で相続税の対象となる可能性があります。
暦年贈与は、2022年(令和4年)には改正とはなりませんでしたが、使えなくなる前提で相続対策をお考えいただければと思っております。
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まとめ
Point.
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記事監修者
朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役
2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。