はじめに
30代が抑えるべきポイントを知らずに中古マンションを購入すると後悔します。不動産ポリスの朝倉です。結婚や出産などのライフステージの変化から、30代でマイホーム購入を検討している方も多いのではないでしょうか?この世代の方々であれば、30代ならではの「資金計画の組みやすさ」「住宅ローン控除」のメリットもある一方で、返済プランをあまり考えずに購入して返済が滞ってしまったり、相続の際にマイホームによって借金を子供に残してしまったりという失敗もあります。せっかく購入したマイホームで、このような失敗は絶対に避けたいですよね。そこで今回は、不動産業界歴25年となった私不動産ポリスが「【30代中古マンション】この事実を知るまでは買わないで下さい。」というテーマで、次の4つの項目に分けて、30代の方が買う前に絶対知るべきポイントを解説していきます。
①30代で購入する人はどれくらいいるのか?
②30代でマンション購入するメリット
③30代の物件選定で絶対抑えるべきポイント
④30代の購入でこれだけは注意したい点
この動画をみることで、30代でのマイホーム購入が成功する可能性が高くなりますので、最後までお見逃しなく!それでは、いくぞ!
本編
30代でマイホームを購入する人は多い
一般的に30代という年齢層は、結婚や子育て、キャリア形成など、人生の重要な局面に直面する時期です。そのため、安定した居住環境を確保するために、マイホームの購入を検討する方が多く見られます。実際に、みなさんの周りの方でも、30代で子育てや結婚をきっかけに、マイホーム購入を検討している方は多いのではないでしょうか?国土交通省が公表している「住宅市場動向調査」(図1)によると、世帯主の年齢をみると、注文住宅、注文住宅(新築)、分譲戸建住宅、分譲集合住宅では 30 歳代が最も多くなっています。
このような、実際のデータからも30代でマイホームを購入する方は多いことが分かるかと思います。しかし、同じように購入を考えている人が多いから、「自分も問題なく買えるでしょう!」と楽観的に捉えてしまうのは大変危険ですので、ここから解説していく内容をしっかり抑えるようにしましょう。
図1
30代でマンション購入するメリット
では、まずは「30代でマンション購入するメリット」について解説していきます。
メリットとしては、
・住宅ローン控除の支援が手厚い
・安定した居住環境の確保
・早期に資産形成を計れる
のようなポイントになってきます。 それでは、それぞれ順番に解説していきましょう。
住宅ローン控除の支援が手厚い
30代でマンション購入する1番大きなメリットとして、「住宅ローン控除の支援が手厚い」といったポイントです。住宅ローン控除は、「住宅ローン減税」とも呼ばれており、住宅ローンの利子や元本返済額に対して、所得税や住民税の税額控除を受ける制度です。住宅ローン控除はサラリーマンの方でも節税対策ができるため、国としても子育て若者夫婦世帯を支援しようという動きが強くなってきており、節税メリットが大きい制度となっています。具体的には、2024年から新築住宅や買取再販物件の借入限度額が引き下げられたのですが、30代を含む若者夫婦世帯や子育て世帯が省エネ基準以上を満たしている新築住宅や買取再販物件を購入する場合は、借入限度額が昨年のまま据え置かれました。
また、住宅ローン控除とは別の、対象のリフォームを行った際に受けられるリフォーム減税という税制に関しても、2024年から、子育て世帯や若者夫婦世帯が子育てに対応したリフォームをおこなうと所得税の減税が受けられるようになったんですね。これらの制度を利用すれば、所得税・住民税が還付金として返ってくるため、実質的な支払い金額が軽減され、家計の負担も小さくなります。非常に強力な住宅ローン控除の制度ですが、近年、制度の改正も見受けられてきていますので、節税対策をしながらマイホームを購入したいという方であれば、早めのマイホーム購入も検討しておきましょう。
安定した居住環境の確保
2点目のメリットとして、「安定した居住環境の確保」があげられます。子育て世帯にとって、安定した居住環境は非常に重要です。自身のマンションを持つことで、転居や家賃の変動のストレスから解放され、子育てに集中することができます。また、子育て世帯にとって、住んでいる地域・マンションのサポートや情報交換は大きな支えとなりますし、子どもにとっても特定のコミュニティで交友関係を築いていくことができるので、安定した居住環境を確保することはとても大切です。更に、マンション内で子育て支援グループやイベントが定期的に開催されていたり、管理組合や住民同士のコミュニケーションが活発に行われていたりすると、周囲の住民との良好な関係の形成につながり、より子育てしやすい環境を確保できるというメリットがあります。
早期に資産形成を計れる
3点目のメリットとしては「早期に資産形成を計れる」ことが挙げられます。30代でマンションを購入することで、資産形成を早期に開始することができるので、長期的な視点で見れば、住宅ローンの返済を通じて不動産資産を形成し、将来的な安定を図ることが可能です。また、30代で住宅ローンの借入ができると、働きながら住宅ローンの返済を完了させることもできます。たとえば、ちょうど30歳で住宅ローンの借入をすれば、返済期間を30年と、長めに考えても、定年までに住宅ローンを完済できるため、老後の生活も楽になることが考えられます。一方で、40代・50代で住宅ローンを借りるとなると、住宅ローンの返済時に、年収の減少時期と返済がかぶってしまうことが十分に考えられ、場合によっては「繰上げ返済」といったことも考えなければなりません。 こういった年齢の面から考えても、30代からマイホームを購入することは、余裕をもった返済プランが考えられるメリットがあります。
30代が物件を選ぶときに押さえるべきポイント
30代でマンション購入すると、税制面でも資金計画面でもメリットが大きいことを解説しましたが、「どういった基準で物件を選んで行けばいいの?」「どういった物件が自分たちの家族に合っているの?」と基準がわからないという方もいるかと思います。 そこで、ここからは「30代が物件を選ぶ時に押さえるべきポイント」についても
・利便性・エリア
・間取り
・資産価値
以上のポイントにわけて解説していきましょう。
利便性・エリア
まずは、「利便性・エリア」についてです。 利便性と聞くと、まず思い浮かぶのが、「駅から近い物件」でしょう。駅から近い物件となれば、人口増加の可能性も高く、利便性も高いため、資産価値は高いまま維持できることが期待されます。しかし、30代となると、「子育てのしやすさ」といったポイントも考えなければなりません。公園やスーパー、医療機関、学校など、子育てに必要な施設が近くにあるかどうかを確認しておくことをおすすめします。そして、自治体の子育て支援の充実度・学区も事前にしっかり比較しておきましょう。
例えば、自治体の支援に関しては、出産費用だけでなく、自治体がプラスして給付する子育て支援金や様々な優遇制度が受けられる子育て支援パスポートの有無、保育園の充実度や学童の仕組み、入りやすさなどが自治体によって異なります。学区に関しても、頼れるママ友が近くにいるかや小学校の特徴、中学校受験をした方が良いのか、反対に公立でも良い学校があるか、安全な通学ができるのかなども区によって結構違いがあります。このようなあらゆる点を比較して「どういう子育て」をしたいのかというところで、「物件の立地やエリア」を考えておくことも30代には必要です。 たとえば、東京23区でも、「港区」では出産費用助成金が最大81万円に拡充したり、「墨田区」では、住宅購入時のローン利子の補助などの制度がありますので、こういった子育て支援の手厚さでも比較しておくことが重要です。
間取り・設備
つぎのポイントとして、「間取り・設備」があげられます。間取り・設備で押さえておきたいポイントは、「家族が一緒に過ごしやすいか」という観点でみていくことが重要です。たとえば、オープンなリビング・ダイニング・キッチンの間取りであれば、子供の様子を見守りながら料理ができたり、子供が自由に遊べるスペースを確保することができます。子育て中の方であればみなさん感じているかと思いますが、「収納スペース」も充実していることが大切です。これから子供が大きくなるにつれて、衣類やおもちゃ、学用品など、多くのアイテムが必要となります。 収納スペースが豊富で使いやすい間取りや、子供の身長に合わせた収納スペースがあると、片付けや整理整頓がしやすくなります。また、居住空間だけでなく、マンション内に、子供が安全に遊べるスペースや、子供用のプレイルーム、室内遊具などがあると思った以上に便利です。こういったポイントを押さえて物件をみていくことで、家族全員が快適に過ごせるような空間を整えることができるかなと思います。
資産価値
最後のポイントとして「資産価値」があげられます。「資産価値」の高いマンションを選ぶことで、子供が自立したときに、「住み替え」といった選択も可能になります。老後になれば、子供と過ごすための広々としたリビングやキッチンも「必要ない」「掃除が大変」と感じることもあります。そういった時に、「住み替え」といった選択肢を持てるようにするためにも、「資産価値」が高い物件を選んでおくことが必要です。「資産価値」が高い物件を選ぶのであれば、ここまで解説してきた「利便性」「間取り・設備」だけでなく、物件の管理状態も確認することが重要になります。マンションは「管理を買え」と言われているように、マンションの資産価値には、「管理状態」が大きく関わってきます。実際に管理状態をみるためには、内覧だけでなく、信頼できる不動産会社の方と一緒に「長期修繕計画書」「修繕積立金」といった専門的な情報も見ていくことが必要です。今検討している物件の管理状態が「大丈夫かな?」と不安に思った方や、これからマンションを購入していきたいという方は、ぜひ営業担当者の方と「長期修繕計画書」「修繕積立金」の状況についても確認しておきましょう。
30代で購入するときの注意点
30代が物件を選ぶときに押さえるべきポイントについて解説してきましたが、実際に購入する際には、「資金計画」や「将来的な出口戦略」も確認しておくようにしましょう。そうすることで、無理なく返済することが可能なのか、将来的に物件をどうするのかという不安点も解消して購入ができます。 それでは、1つずつ解説していきましょう。
資金計画
まずは、「資金計画」についてです。動画冒頭でも、「30代であれば住宅ローン返済も余裕を持ってできる」と解説しましたが、「無理のない資金計画」というのが大前提です。30代の方でも、住宅ローン完済まで、自信をもって「今まで通り働き続けている」「現役時代と同等の給料をもらえている」と言える方は多くないかと思います。更には、子どもの成長に合わせて進学や習い事などでも、毎月の出費が増えたりまとまったお金が必要になったりすることも考えられますよね。そのような状況の中で、住宅ローンの月々の返済に追われて、生活にストレスを感じてしまったら、夢のマイホームでも、快適に家族で暮らして行けませんね。そうならないためにも、こういった家族の将来の変化であったり、自分の突然の病気や怪我などのリスクも考えて、資金計画を立てることが何よりも大切です。
将来的な出口
最後のポイントとして、マンションの「将来的な出口」も考えておきましょう。マンションの出口というのは、簡単に言えば、「マンションを売却」するのか、「相続するのか」ということです。30代での購入となれば、そのマンションを終の棲家として考えている方はあまり多くはないと思いますので、「マンションを最終的にどうするのか」を予め考えておくことが大切です。そこで重要になるポイントは、「資産価値の高さ」と「一般的な間取りを選ぶ」ことです。資産価値が下落しにくい条件や、同じような子育て世帯からの需要が多い一般的な間取りの物件を選ぶことができれば、売却する際も購入したい方が多いことになりますので、すぐにお金に換金することができます。 また、もし子供が住み続けたいというのであれば、そのまま「相続」ということも考えられますね。こういったマイホームの出口戦略を予め考えた上で物件を選ぶことができれば、将来的に子供に迷惑をかけることもなく、快適な老後生活に繋がる選択肢をもつことができるようになるかなと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、「【30代中古マンション】この事実を知るまでは買わないで下さい。」というテーマで解説してきました。30代は、ライフステージの変化からマイホーム購入を検討する人が多く、国も少子化対策として、子育て若者夫婦世帯への支援を強化しています。そのため、資金面などで不安を感じている方もいるかもしれませんが、この世代で購入するメリットや物件選びのポイント、注意点を抑えられれば、マイホーム購入が成功する可能性がグッと高まります。「住宅ローン控除の情報」「子育てに関する情報」「資金計画」など、しっかりと準備をしておくことで、自分たちのマイホーム購入の目的を果たせるようにしてほしいなと思います。
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