はじめに
「マイホーム購入の本来の目的を見失っていませんか?」不動産ポリスの朝倉です。物件価格の高騰や住宅ローン金利の変動などさまざまな情報が飛び交っている中で、今中古マンションを購入すべきなのかもう少し待つべきなのか分からない、と迷っている方、多いのではないでしょうか?しかし、さまざまな情報や要因に振り回されて、マイホームを購入する本来の目的を見失ってはいけません。世の中的に今は買いなのか?ではなく、「あなたは今何故マイホームが欲しいのか」というあなたの目的を見失ってしまうと、思い描いた生活が送れなくなって後悔してしまうかもしれません。マイホームで満足のいく生活が送れるように、中古マンションを今買うべきなのかそれとも待つべきなのかを正しく判断するためのポイントを、中古マンション取引に2500件以上関わってきた私不動産ポリスが解説していきます。今日は、次の4つのパートに分けてお話していきます。
①一般的なマイホームを購入する目的
②5年で4割高騰⁉物件価格の推移
③住宅ローン低金利水準の今後
④購入を正しく判断するためのポイント
本編
一般的なマイホーム購入の目的
マイホームを購入するときには、必ず目的があります。それでは、一般的にみなさんがどのような目的で不動産を購入しているのかご存じでしょうか?全国宅地建物取引業協会連合会と全国宅地建物取引業保証協会が2023年に発表した内容によると、マイホームを購入する目的ランキングは次のような順位でした。
1.家賃を払い続けることが無駄に思えるから:48.0%
2.落ち着きたいから:28.5%
3.⽼後の住まいが⼼配だから:24.4%
4.持ち家を資産と考えているから:24.2%
5.賃貸は近隣や使い⽅に気を遣うことが多いから:12.4%
6.マイホームをもつことが夢だから:6.8%
マイホームを購入した人の目的は、家賃を払い続けることが無駄に思えるからっていうのがほぼ半数を占めているんですね。2位以降に関しては、主に次のようなライフスタイルの変化が関係してくるのかなと思います。例えば、結婚した、ですとか、子どもができた、子どもの小学校入学のタイミング、長期間の転勤の辞令が出た、子どもが独立した、このようなライフスタイルの変化があった時や、今後の資金計画を考えて家賃を支払うのが無駄だなと感じた時が、マイホーム購入を決断するケースとして多いということですね。実際にポリスのお客様も同じような理由で購入されるケースが多いです。これがマイホームを購入する本来の目的であり、物件探しのときの判断基準になってきます。皆さんは、どのような出来事がきっかけでマイホーム購入を検討し始めましたか?是非、このタイミングで、一度振り返ってみて下さいね。逆に、よく考えたら買うまでではないので当分は賃貸の方がいいよね。というケースもあると思います。
また、少し余談ですが、全国宅地建物取引業協会連合会と全国宅地建物取引業保証協会のアンケートによると、持ち家派はアンケート全体の約8割、賃貸派は約2割となっています。皆さんどこかしらのタイミングで、マイホームを検討されている方が多いようですね。
5年間の物件価格の推移
マイホームを購入する本来の目的を再確認していただいたところで、ここからは、購入を決断する上でかなり重要なポイントになってくる「物件価格」と「住宅ローン金利」について、直近の推移や傾向を詳しく見ていきましょう。まずは、直近5年間の物件価格の推移を解説していきます。近年、東京都の都心部を中心に中古マンションの価格は上昇しています。
図1のグラフは東京の都心5区の中古マンション㎡単価を比較したものです。グラフに掲載した区の中古マンション価格がすべて上がっていることがわかります。たとえば、港区で専有面積70㎡の中古マンションが売り出されていたとします。2018年にこのマンションを購入したとするなら、港区の2018年の㎡単価が124.1㎡/万円なので、 70㎡ × 124.1㎡/万円 = 8687万円 で購入することが出来ました。 しかし、まったく同条件で2022年に購入した場合はどうでしょうか。港区の2022年の㎡単価が151.3㎡/万円なので、 70㎡ × 151.3㎡/万円 = 10591万円 となり億に到達してしまい、2018年を比較すると約1900万円も上がってしまっています。たった5年で2000万円近くの差が出ていることには、驚いてしまいますよね。また、図2の国土交通省の公表した不動産価格指数を見ても、マンション価格が上昇していることがわかります。
不動産価格指数では、2013年1月からマンションの価格は右肩上がりで上昇し続けています。直近5年の数値を見てみると、2018年1月の中古マンション価格を140とした場合、2023年1月には190になっています。つまり、4割程高騰しているんですね。土地や一戸建ても価値は上がっていますが、2018年1月の価格を100とすると、2023年1月時点で土地は110、一戸建ては約120ですので、マンション価格はほかの不動産種別と比べても、急上昇しているということがよくわかります。
このような事情があるため、今買っちゃって本当にいいの?と、マイホーム購入を躊躇してしまう人もいるんですね。たしかに、物件価格が上がってしまうと住宅ローンの借入額も上がってしまい、生活レベルを落とさないと返済が出来ないとなると「本当に購入して大丈夫なのか」と悩んでしまうのも無理ありません。しかし、これから中古マンションの価格は二極化すると考えられています。都心回帰や資産価値を重視するひとたちから人気のある都心部のマンション価格はこれからも高騰し続け、逆に郊外の需要の少ないマンションは価格が下がっていく可能性があるということなんですね。現在、中古マンションの在庫数はコロナ渦を超えてもとの水準に戻ってきました。供給量が増えることで価格の上昇幅も全体的に落ち着いてきています。
そのため、中古マンション価格が高騰しているからという理由で、マイホーム購入を躊躇されていた方でも、価格上昇が緩やかであったり、落ち着いてきたりしているエリアを改めて調査してみると、ご予算に近い物件があるかもしれません。「今は高騰中だから…」と諦めてしまわずに、信頼できる不動産業者に相談して、ご自身のマイホーム購入の目的に合った物件選びをして欲しいと思います。
住宅ローン低金利水準の今後
次に、マイホーム購入で大切な住宅ローン金利推移についても見てみましょう。現在、住宅ローンの変動金利は、史上最も金利が低いといっても良いような状態が続いています。変動金利は短期プライムレートに影響されますが、日銀のゼロ金利政策により低い水準のままです。そして、日銀総裁が変わってもこの政策はしばらくは維持されると言われているため、変動金利は、一定期間低い水準のまま推移するものと考えられます。実際に、各金融機関も、なるべく自分たちの住宅ローンを借りて欲しいので、かなり低い金利を提示しているのが現状です。しかし、「変動」金利ですので、これから金利が上がっていく可能性が十分にあるということは頭に入れておかなければいけません。
一方で、固定金利というのは10年国債の金利を基準にしています。以前と比較するとまだまだ低金利水準ではあるのですが、2022年末、日銀は10年国債の金利上昇を容認する姿勢を示したことにより、固定金利が上昇しましたよね。更に、2023年7月に2022年に容認した限度を引き上げる決定をしました。決定した途端に一部の金融機関が固定金利を上げたというニュースを見た人もいるのではないでしょうか。つまり、金融緩和政策の修正により、固定金利については、少しずつ上昇していきそうな状況になっています。このように、変動金利も固定金利も、今は低金利ですが、今後、金利が上昇していく可能性は十分にあるということを押さえておく必要があります。また、どちらを選ぶにしても、なるべく低金利のうちに住宅ローンを借りた方が、総支払額を抑えられますので、「いつのタイミングで借りるか」はかなり大事になってきます。
購入を正しく判断するポイント
ここまで解説してきたような中古マンションの価格推移や住宅ローンの金利変動の情報を聞いて、どうしようと焦ってしまったり、タイミングが分からなくなって「一旦、賃貸のままでいいや…」と諦めてしまったりしている方、結構多いんですね。しかし、本当に大切なのはマイホーム購入のあなたの本来の目的です。子どもができて広いマンションに移りたいと考えたのにも関わらず、世の中の中古マンションの価格上昇を気にして狭いマンションを探していませんか?ご結婚されて、長期的な資金計画を立てた際に、資産としてマイホーム購入しようと決めたにも関わらず、金利状況が読めないからと家賃を支払い続けていませんか?そのままでは、いつまでもご自身が求めているマイホーム購入が出来ません。
「じゃあ、ポリス、どのタイミングで購入するのが正解なんですか?」ということですよね。私の答えとしては、「個人個人で今買うべきか待つべきかの答えは変わってくる」というものです。「ええ!結局⁉」と思われるかもしれませんが、個人個人でその方の状況や物件の希望条件やエリア、ライフプランは異なります。実際に、私は24年間不動産取引を行っていますが、本当に色々なケースがあるなと実感しています。そのため、購入を正しく判断するためのポイントというのは、本来の目的を見失わずに、信頼できる不動産会社と一緒に自分の価値観に基づいた、購入プランを検討していくことです。購入目的をご自身でしっかり理解した上で、それを軸として、色々な情報を収集したり不動産会社に相談したりすることが何よりも大事になってくると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本日は、「【中古マンション】5年で4割高騰!?いま買うべき?待つべき?」というテーマで解説してきました。不動産の情報はインターネットやニュースなどで多く取り上げられているため、情報に振り回されてしまいがちです。たしかに、不動産購入は金額も大きく、失敗が怖いので、特に価格推移や住宅ローンの金利変動の情報を聞いて、今買うべきなのかどうか分からなくなってしまうというのも、とても良く分かります。しかし、購入の本来の目的を忘れてしまってはいけません。購入する目的は何だったのかを、改めて考えて頂き、まずはご自身でご家族でしっかり共有するようにしましょう。その上で、信頼できる不動産業者と一緒に最適な購入プランを検討して頂ければと思います。
目黒を中心に、都心城南(品川・目黒・世田谷・大田・港etc)の不動産については、武蔵小山最大級の不動産会社ウィローズにお任せ下さい。お客様のご要望に合った物件をご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。
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まとめ
記事監修者
朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役
2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。