【中古マンション】購入前に知っておくべきポイント3選

# 中古マンション

はじめに

いろんなアンケート調査によると、マンションを購入した人の5割近くの方が、マンション購入に後悔しているのだそう!マンション購入は多くの方にとってはじめてのことなので、無理のないかもしれないのですが、ちゃんとした不動産業者と、ちゃんとしたステップを踏み、気を付けておいた方が良いことを知って購入すれば、こんなにも後悔する人は生まれないのかも知れませんね。
中古マンションは、購入を失敗してしまうと、負の資産となりかねません。誰でも「後悔しない物件選びをしたい」「長く住み続けられるマンションを購入したい」ですよね。そこで、今回は「中古マンションの買う前に知っておくべき3つのポイント」について解説していきます。

本編

【中古マンション】購入前に知っておくべき3つのポイント

最近では、新築マンションよりも中古マンションの購入を検討している方も増えており、新築よりもお得な中古マンションの人気も上昇しています。実際に、東日本不動産流通機構の「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況」(図1)によると、築30年以上の中古マンションの取引件数は上昇傾向にあることがわかります。

しかし、中古マンションを買ったことがない方からしたら、「中古マンションは安心して暮らせるのか」「長く住んでいけるのか」ということが気になる方は多いでしょう。中古マンションを買う前に知っておくべきこととして、大きく3つのポイントがあります。

①既存コミュニティの存在
②中古マンションの耐震性
③リセールバリューについて

では順番に解説していきます。

【中古マンション】購入前に知っておくべき3つのポイント

図1

①既存コミュニティの存在

あるアンケート調査によると、マンション購入後の後悔ポイントの第1位~第3位が住人のマナー(24 %)や騒音(21%)、管理(11%)に関するものだそうです。中古マンションを購入する際にまず、知っておくべきこととしてあげられるのが、「既存コミュニテイ」の存在なんですね。

中古マンションを購入すると、すでに形成されているマンションのコミュニティに飛び込むことになります。そこで、気になってくるのが、「住民との関係性を上手にやっていけるのか」というポイントです。マンションには住んでいる住民たちで運営している「管理組合」があり、この管理組合がマンションの管理を実施しています。実際には、「管理組合」が他のマンションの管理のプロである「管理会社」に管理を委託しているケースがほとんどです。この「管理会社」がマンションの共用部である、廊下・エレベーター・駐車場・庭などの管理・清掃を実施してくれています。そのため、管理組合というコミュニティは避けては通れないのです。

このような、管理システムがあるなかで、「長く住んでいく」ためには、コミュニティの関係を上手に保つ必要があります。そこで、大切なのが、自分と同じような人が住んでいるマンションを選ぶことです。そうすることで、マンション管理の話し合いも円滑に進めることができますよね。しかし、マンションを購入する前に、どうやって住んでいる人の情報を探していけばいいのかと感じる方も多いかもしれません。不動産ポータルサイトを見たり、不動産仲介のHPをみても、住んでいる人のことを調べるのは正直難しいです。そこで、マンションの居住者のことを調べる方法についても解説しておきます。

まずは、信頼できる不動産仲介業者の方に、直接聞いてみるのも1つの方法です。実際、仲介業者の営業マンに聞いても取り扱っている物件は何百何千とある訳なので、このマンションの住民がどういう方々かは「わからない」ということがほとんどです。しかし、地域に強い不動産業者であれば、どのような方々が住んでいるのかを知っていたり、力量のある営業マンなら、調査してくれる可能性もあるので、ダメ元でもいいので、聞いてみるのもおすすめです。

次にどういう方が住んでいるかを調べる方法として、実際の内覧時にどんな方が住んでいるのかを見て回ることです。実際にすれ違う方を怪しまれない程度に観察するということですね。非常にシンプルです。すこし「怪しいかな」と感じられる方もいるかもしれませんが、一生で一度あるかないかの買い物を簡単に失敗してはいけません。もし、入居者の方に声をかけられても、逆手にとって、正直に「購入を検討しているのですが、このマンションの住み心地はいかがですか?」といって、実際に住んでいる方の意見も聞いてみるといいでしょう。また、マンションの一階から最上階まで、実際に歩いて登ってみることも不動産会社さんからは嫌がられますが、おすすめではあります。不動産投資をやっている方がよく建物の調査や、入居者のモラルチェックのヒントとして使う方法でもあり、どんな方が住んでいるのかを調査できるのと同時に、共用部がしっかり管理・清掃できているのかも確認できるため、効率的にマンションの状況を調べることができます。手間は非常にかかりますが、もし可能であればやられれば何かしら得られるものがあると思います。

また、マンションの駐車場・駐輪場を確認してみることもおすすめです。これも、不動産投資家の方なら、実際にやっている方も多い手法です。マンションの駐車場・駐輪場を確認することで、停まっている車などから、どのくらいの年収の方が住んでいるのかを予想することもできます。また、駐輪場が適切に使われていなかったり、ゴミが溜まっていたりすると、適切に管理ができていないマンションかどうかもわかったりします。

②中古マンションの耐震性

次に、マンション購入の前に知っておくべきポイントとしてあげられるのが、「耐震性」についてです。

震災の多い日本で「マンション」「戸建住宅」を購入する際には、必ず災害のリスクの大きさについて調査して購入を検討しなければなりません。近年日本では、地震だけでなく、「台風」「大雨」などのさまざまな自然災害が起こっています。こういった自然災害に対して、自分が購入しようとしている物件がどれくらいリスクを持っているのかを調査しておく必要があります。特にマンションそのものの「耐震性」はこれから何十年と住んでいく場所となるので、信頼できる不動産営業マンと一緒にしっかり調査しましょう。中古マンションを購入する際にチェックすべき「耐震性」のポイントとしてあげられるのが、

・耐震基準について
・品確法について です。

新築マンションであれば、基本的に「新耐震基準」に基づいて設計されているはずですが、中古マンションになると、1981年以前に建築されたマンションは、旧耐震基準で設計されている可能性が高いです。「旧耐震基準」というのは、1981年6月より前に建築確認申請されたマンションの耐震性能の事で、新耐震基準は震度6以上でも倒壊しない事を基準としておりますが、旧耐震基準の建物は「震度6以上」の大地震のことは想定されていないです。阪神淡路大震災では震度6、東日本大震災では震度7を観測していますので、こういった大地震が起こった際に、今住んでいるマンションに安心して住んでいられるのかどうかはかなり不安になるでしょう。こういった、地震への不安を解消するためにも、「新耐震基準で設計されているマンション」を探していくのがおすすめです。築年数で考えるのなら、築30年の中古マンションであれば、「新耐震基準」によって施工されたマンションであることが多いです。

また、住宅の耐震性だけでなく、品質についてもチェックするのであれば、「品確法」による、住宅性能についても調査することも大切です。「品確法」と聞いても、ちょっと難しそうと感じる方も多いですが、品確法というのは、いわゆる欠陥住宅を排除するために、住宅の品質を上げていきましょうという意図で定められた法律となっています。2000年4月1日に施行され「品確法」は、それまでよく問題となっていた手抜き工事であったり、欠陥住宅などを未然に防ぐために施工され、住宅についての知識がない方々を守ることで、より公正に取引ができ、品質の高い住宅を供給することに繋がりました。「品確法」は「瑕疵担保責任の特例」「住宅性能の表示」「紛争処理体制の整備」から成り立っており、中古マンション購入検討者であれば、「住宅性能の表示」によって、あいまいな品質表示から、わかりやすく、どのような品質を持った住宅なのかを見極めることができるようになっています。しかしながら、「品確法」ができていても、初心者だけでは、中古マンションの良し悪しの判断は難しいと思います。実際に検討する際には、信頼できる不動産仲介業者の方の意見も参考にするのがいいでしょう。

③リセールバリューについて

さて、ここで気になってくるのが、築30年の中古マンションの資産性についてです。

中古マンションの購入を検討する際に知っておくべきポイントの3つ目としてあげられるのも、リセールバリュー、「中古マンションの資産性」となっています。購入検討者にとって、自分が購入しようとしているマンションが、「将来売却はできるのか?」など、気になることがあるでしょう。そこで、中古マンションの資産価値について解説していきます。

中古マンションとなると、駅近の物件も多いのが特徴です。特に築30年ごろの中古マンションとなると、バブル崩壊の時期に建てられたマンションも多いため、駅近にもかかわらず、リーズナブルなマンションも多いです。そもそも、1960年代から分譲マンションの建設ははじまり、その後、住宅金融公庫の融資制度が始まってから、建設ラッシュとなり、どんどんマンションが建てられていきました。なので、築30年の中古マンションは駅から近い好立地のものが多くなっています。また、この時期に建てられたマンションには、オートロック・宅配ボックスも設置されている物件も多いため、共働きの夫婦や、防犯性の高いマンションが欲しいという方にもおすすめできます。今駅近の場所でマンションを分譲しようと思っても、なかなか土地が無いのが現実です。中古マンションの方が駅近の物件が多いので、リセールバリューを考えると駅から近い物件を選ぶようにしましょう。

また、中古マンションは新築マンションと比較して、品質にはばらつきがあるものです。それは、マンションの管理状態がよければ、中古マンションであっても、まだまだ現役で住むことができるマンションがある一方で、大規模修繕工事などが実施されていないマンションや、修繕積立金が積立できていないようなマンションもなかにはあります。マンションの管理状態によっては、マンションの配管の交換が適切にされていないため、水道から赤錆が出てきてしまい、とても、住める状態のマンションではなくなってしまうことも考えられます。しかしながら、築30年代のマンションは、「新耐震基準」をクリアした物件も多く、断熱性能や遮音性も高いマンションもあります。現在であれば、リノベーションも前提にした中古マンションも増えているので、住宅設備を一新して居住することも可能となっています。こういった、汎用性のある中古マンションは多くの方に受け入れやすく、「購入したい」という方も多いです。また、リノベーション前提の中古マンションは近年注目されており、これからも購入者が増えてくると予想できます。

次に売却価格についてですが、築年数が経過したマンションのため、価格が安いのが中古マンションの最大の魅力ですが、売却価格も気になる方は多いでしょう。結論からお伝えしますと、築30年を経過したマンションになると、購入価格だけでなく、売却時にも、そこまで金額が落ちることなく売却できる可能性が高いです。新築・築浅のマンションとなると、購入して入居するだけで金額が下がることがよくありますが、中古マンションとなると、売却時もそこまで金額を落とすことなく、売却できるのがメリットです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。「【中古マンション】買う前に知っておくべき3つのポイント」というテーマで解説してきました。はじめて購入するマンションであれば、誰しもが「失敗したくない」「後悔したくない」と感じるマイホーム選びです。しかし、一度も経験したことない住宅選びで「失敗するな」というのも、なかなかハードルが高いといえます。今回の解説を参考にして頂き、買う前に知っておくべきポイントを抑えてマンション選びをすることで、致命傷を受けないマンション選びができるかと思います。また、気になる耐震基準についても、築30年程度であれば、「新耐震基準」をクリアしている物件も多いため、安心してマンションに住むことができます。しかし、実際に購入を検討するのであれば、信頼できる不動産会社の方と一緒に、管理状況や、マンションのコミュニティ状況について調査しておくとより安心してマンション購入に踏み出すことができるでしょう。

 

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Point. 1

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。