【中古マンション】小規模マンションのリスクを知らないと危険です!

# 中古マンション

はじめに

不動産のプロは⼩規模マンションを選ばない理由を知ってますか?

マンションを探す際に、どんな間取りにしようか、どの辺の立地にしようかというようなことで頭がいっぱいになり、マンションの「規模」についてまで、しっかり考えられていない方が多くいらっしゃいます。意外にもマンションの規模感によるリスクも、マンションを購入する際に気にしたいポイントなんですね。そうしないと管理費用が想像より高くなってしまったり、管理体制や共用施設に満足できなかったりと、思っていたのと違う・・・と、快適なライフスタイルを送れない危険性があります。

そこで、今回は「マンションの規模別の特徴」について、次の4つのポイントに分けて解説していきます。

①マンションの規模の特徴について
②大規模マンションのメリット・デメリットについて
③小規模マンションのメリット・デメリットについて
④ポリスならこの規模は選ばない!マンションの規模別の選び方について

本編

マンションの規模の特徴

前述でお話しした通り、マンションには総戸数によって「大規模マンション」とか「小規模マンション」と言われたりします。両方のマンションのメリット・デメリットを押さえておくことで、自分のライフプランに合ったマンションを選択できるようになるので、マンション購入の失敗を防ぐことに繋がります。まずは、それぞれの規模別の特徴について解説していきます。

まず、「大規模マンション」について解説していきましょう。具体的な定義はありませんが、一般的に大規模マンションは住戸数が100以上のマンションのことを指します。大規模マンションには、「タワー型」のものと、「団地型」という比較的低層のマンションが何棟も建っているような多棟型の2つのタイプがあります。
タワー型マンションはその名の通り、建物の高さが高く、都心部や市街地の中心部に立地していることが多いため、利便性に優れていますし、眺望や日当たりもとてもいい事が多いです。また、タワー型の大規模マンションは立地柄シングル向けの1LDKからファミリー向けの3LDKや4LDKなど、さまざまな間取りを取り揃えていることが多いです。タワーマンションは低層階に住んでいても、ラウンジなどの共用施設で眺望を楽しめる物件が多いですし、管理人さんが常駐されていてコンシェルジュサービスが提供されるなど、ホテル暮らしのような生活ができるのも特徴の1つですね。また、タワーマンションの中でも駅直結だったり地域のランドマークになるような物件は、人気があるので資産価値を維持しやすいという特徴もあります。
一方で、多棟型のマンションは、何棟ものマンションが集合しているため、広大な土地が必要になるので、郊外だったり、駅から比較的遠いエリアに立地している事が多いです。中には駅まで専用のシャトルバスが出ているなど、利便性に配慮された物件もあったりします。また、敷地に余裕がありますので、駐車場が機械式ではなく平面駐車場である事も多く、使い勝手が良かったり、広大な敷地を生かして、住民専用の公園が敷地内にあったり、沢山の植栽が植えられていたりします。多棟型マンションの間取りは3LDK〜4LDKのファミリータイプのものが多くなります。このように、大規模マンションは共用施設や住環境などお部屋以外の魅力が高い物件が多いですね。

次に、「小規模マンション」についても解説していきましょう。こちらも具体的に定義が決まっている訳ではありませんが、一般的には、住戸数が50戸未満のマンションを小規模マンションとしていることが多いようです。小規模ですので、狭い土地に建てることができ、共用施設も最小限におさえられているのが特徴です。小規模マンションは広大な土地が無くても建てられるので、いろいろな場所で供給されています。戸建中心の閑静な低層住宅地である事も多いですし、大きな土地が無い、都心の繁華街のど真ん中にも小規模マンションは存在しています。街中にある小規模マンションの間取りは、ワンルームや1LDKなどシングル向けの物件が多いです。また、ファミリー向けのお部屋があるような小規模マンションであっても、2LDK程度がほとんどで3LDKや4LDKが取れているような小規模マンションはあまり見かけないですね。あってもファミリー向けの間取りの戸数は限られている印象です。小規模マンションは1フロア当たりの住戸が少ないので、必然的に角住戸の割合が多くなったり、住民の数自体が多くはないので住人の把握がしやすっかったり、通勤時間帯のエレベーターの待ち時間のストレスが少なかったりするのが特徴であり強みとなっています。

大規模マンションのメリット

ここまで、マンションの規模別の特徴について解説してきましたが、自分のライフスタイルに合わせたマンション選びをするためにも、それぞれのメリット・デメリットについても確認しておきましょう。まずは、大規模マンションのメリットである「グレード感」「豪華な共用施設」「管理費が比較的安い」からご説明致します。

一つ目のメリットである、「グレード感」というのはもう言わずもがなですが、タワーマンションの場合は豪華で大きなエントランスであったり、敷地が大きい多棟型のマンションであれば、緑溢れるアプローチを進んで我が家に帰る、というような、なんといもいえない豊かなグレード感を享受できる事が一番のメリットではないかと思います。虚栄心をくすぐるというか、満足度は非常に高いのかなと思います。また、気持ちの問題だけではなく、実際に売却する時や賃貸に貸し出すときに、小規模のマンションよりも高く売れたり貸せたりするので、金銭的なメリットも大きいと思います。

二つ目のメリットである「豪華な共用施設」についてですが、大規模マンションの多くは生活していく上で快適な共用施設が備わっていることが多いです。タワー型マンションであれば、スポーツジム・保育園・ゲストルームなどがあるため、利便性が高いです。また、常駐のコンシェルジュもいることで、住民の生活のサポートや防犯性にも優れており、ホテルライクな暮らしが実現しますし、万が一の時にすごく助かると思います。また、敷地が広い多棟型であれば、住民専用の公園や敷地内に池や川が備えられていることもあるため、自然を身近に感じられたり、ファミリー層にとってはお子さんの遊び場になったりします。こういう事は小規模マンションでは絶対に叶えられないので、大きなメリットだと思います。

三つ目のメリットである「管理費が比較的安い」ことについて解説します。マンションの管理費は全体でかかっている費用を頭数で割って負担しているので、住戸数の多い大規模マンションは、一戸あたりにかかる管理費用が割安になるという理屈があります。よくタワーマンションとかは管理費が高くなるという話もありますが、それはコンシェルジュの人件費だったり、エレベーターが複数台あったりと、そもそも設備や管理がすごく良いために全体としてかかっている管理費が膨大になり、沢山の人数で割っても一住戸あたりはさほど安くないということになります。仮に、同じような設備や管理を30世帯などの小規模マンションで享受しようと思うと、一住戸あたりの管理費が莫大な負担になってしまいますよね。大規模マンションの方が一住戸あたりの管理費は割安に抑えられますし、同じ管理費の支払いでも受けられる管理メリットは、大規模マンションの方が豊かになります。ここで注意しなければならない点は、修繕積立金の話ではなく管理費が割安になるという事です。特にタワーマンションの場合は修繕費が高くなる傾向もあるので、あくまでも管理費が割安になるという事になります。

大規模マンションのデメリット

一方で、大規模マンションのデメリットは、「外に出るまでに時間がかかる事」「住民同士の関係性について」などが考えられます。

まず一つ目の「外に出るまでに時間がかかる事」についてですが、大規模マンションになると、建物が大きいことや敷地が広いこともあり、どうしても外へ出るまでの時間が長くなってしまいます。物理的に敷地が広いので外に出るまで時間もかかりますし、朝の通勤・通学の時間帯には、エレベーターが混雑してしまうということもあります。駅まで5分であっても、実際にはもっとかかる、ということですね。また地震・火災などの非常事態の際にも、同様に時間がかかるという点は考慮にいれておくべきでしょう。

二つ目が住民の関係性についてです。これも大規模マンションの特徴ですが、タワーの場合だとタワマンカーストみたいなマンション内ヒエラルキーが存在していて、それがストレスになる事は実際あると思いますし、ちょっとした社会問題になっている側面もあるかもしれません。また、大規模になると、管理組合の役員になった時にものすごく大変です。20世帯30世帯をまとめるならまだしも、100世帯とか500世帯をまとめる事はそう簡単ではありません。また、沢山の人が住んでいるという事は、どういう方が住んでいるか顔が見えないので、部外者が侵入しても誰も分からないという事です。その面では防犯面でのリスクが高くなるということもあるのかなと思います。しかし、メリット・デメリット全体でみるとメリットの方が大きいと感じられます。

小規模マンションのメリット

それでは次に、小規模マンションのメリット・デメリットについても解説していきましょう。

小規模マンションのメリットとして考えられるのが、「比較的リーズナブルなこと」「管理組合の業務が楽なこと」などが考えられます。

一つ目のメリットである「比較的リーズナブルな事」というのは、タワーマンションや大規模マンションはやはりグレード感・高級感があるので、どうしても販売価格が高くなります。という事は逆に、小規模のマンションは比較的割安で手に入れる事が出来ます。私は共用部の豪華さとか、グレード感とかはいらないので、とにかく同じ価格帯でなるべく築浅でなるべく広いマンションが欲しいという方は、圧倒的に小規模マンションの方がおすすめです。

次に二つ目のメリットである「管理組合の業務が楽」についてです。大規模マンションのデメリットの逆ですが、小規模マンションの場合は、住人の数が少ないので、管理組合の業務が楽になります。長く住んでいくことを考えても、管理組合の業務が楽になるのは大きなメリットです。小規模だとエレベーターで「こんにちは」と声掛けしたり、なんとなく顔見知りになっている事も多いので、お互いを知っているからこそ、協力し合う体制もあるため、管理業務がスムーズに進められます。

小規模マンションのデメリット

一方で、小規模マンションに考えられるデメリットとしてあげられるのが、「管理・修繕費用が高くなりがちな事」「景観が悪くなる可能性があること」になります。

デメリットの一つ目である「修繕費用が高くなりやすい」ことについて解説します。住戸数が大規模マンションと比べて少ないことから、一人当たりが負担する管理・修繕費用は高くなりやすいです。エントランスやエレベーターの修繕費を30世帯で負担するのか100世帯で負担するのかを考えてみると、小規模マンションの方が負担が大きくなるのが想像できるかと思います。これは管理費もそうですし、修繕積立金も高くなります。築年数が古くなると修繕にお金がかかるので、さらに負担が増えるケースも多いですね。

デメリットの二つ目が「景観が悪くなる可能性もある」ことについて解説します。小規模マンションはどうしても敷地が狭いですから、マンションのすぐ隣にもっと大きなマンションが建ってしまって日当たり、眺望がゼロになるという事が起こりえます。その場合、資産価値はかなり悪くなります。周辺に大きな敷地や駐車場がないか、建築計画が無いかなど、購入前に確認しておくと良いと思いますが、未来のことはわかりません。大規模マンションの場合は敷地面積が広いので、隣接地にマンションが建っても影響は少ない事が多いです。

ポリスなら選ばない!規模別の選び方について

ここまで、大規模マンションと小規模マンションの特徴やメリット・デメリットについて解説してきました。どれくらいの規模のマンションを選ぶかは、それぞれ何を優先するかや個人の好みによっても変わってくると思いますが、それでも、私不動産ポリスとしては、大規模マンションを選ぶことを強く、強くお勧めします。

これは、マンションの規模によって、これから支払っていく「管理費用・修繕積立金」が大きく関係してきます。あらためてになりますが、管理費というのは、共用部分、メインのエントランスや、エレベーター、共用部の火災保険の保険料など、マンション運営にかかるコストを所有者で負担するための費用になります。また、修繕積立金というのは、マンションの共用部を将来修繕する時のために、積み立てておく費用になります。これらの「管理費用・修繕積立金」というのは築年数が経過するにつれてどんどん上昇する傾向があります。また、先程も少し触れましたが、この「管理費・修繕積立金」というのは、所有者全員で負担していくものになるため、住戸数が多ければ多いほど、割る人数が増えるため、一世帯あたりの負担金額が少なくなります。そのため、小規模マンションの場合はどうしても一世帯当たりの負担額が増えてしまいます。住宅ローンの返済に高い管理費・修繕積立金が加わると、月々の支払い額が多くなり生活費が圧迫されてしまうということにもなりかねませんし、小規模ですと管理費などの上がる金額も、1万円上がりますとか、いきなりかなりの金額が上がる事も良くあります。そのため、私不動産ポリスの意見としては、管理費・修繕積立金の負担額が比較的少ない大規模マンションをお勧め致します。管理費・修繕積立金について、詳しくは、「管理費・修繕積立金は安い方がいい?いえいえ、それ負債背負いますよ」の記事でも解説していますので、是非チェックしてみて下さい。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「【中古マンション】規模別の特徴を知らないと危険です!」という内容で解説していきました。中古マンションの購入を検討している人の多くは、間取り・価格・立地などに目がいきがちですが、これからの生活を考えていくのであれば、今回解説した、マンションの規模感についても確認しておくことが大切です。大規模マンションと小規模マンションでは、それぞれにメリット・デメリットがありますが、月々の支払いに大きく影響してくる「管理費・修繕積立金」というポイントを見逃してはいけません。自分には大規模マンションがあっているのか、小規模マンションの方があっているのか、どうなんだろうと迷っているという方は、今回のブログを見返して頂いて、メリット・デメリットを自分自身のライフプランと重ねてみてください。

 

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まとめ

Point. 1

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。