【中古マンション】プロも絶対狙うリノベ物件特徴3選【リノベーション】

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はじめに

「リノベーション物件は、最低限押さえるべきポイントを知らないと、高確率で失敗する」ということを知っていますか?不動産ポリスの朝倉です。最近は新築マンションの価格が高騰していることから、中古マンションが人気です。とくに比較的お手頃価格で購入でき、新築のように綺麗になったお部屋に住めるということでリノベーション物件が注目されています。しかし、「自分にあった間取りになっていない」「適切にリノベーション工事がされているか分からない」などの不安もありますし、部屋の内装だけを見て購入を決めてしまうのは、大変危険です。そこで今回は、不動産取引に2500件以上携わってきた私不動産ポリスが、リノベーション物件を買うなら、この3つの条件に当てはまっていれば「速攻買い!」となる物件の特徴を解説していきます。その3つの特徴というのは、次の3つです。

①新耐震基準の物件
②6階建て以上、14階建て以下の物件
③ホームインスペクションを受けている物件

それでは、それぞれ順番に詳しく解説していきます!

本編

①新耐震基準の物件

まず、プロも絶対狙うリノベーション物件の特徴の1つ目は「新耐震基準の物件」です。新耐震基準とは、1981年6月1日以降に建築確認において適用されている建築基準のことです。1978年に起きたマグニチュード7.4の宮城県沖地震の被害を受け、新耐震基準では震度6や震度7の地震が起きても倒壊しないような建築基準を採用しています。この新耐震基準、具体的に何が変わったのかと言いますと、主な改正点は主に2点です。

1つ目は「鉄筋コンクリート造の建物に対する耐震基準の引き上げ」がなされました。そして2つ目は「木造住宅の基礎にコンクリートや鉄筋コンクリートを配筋すること」 この2点を改正した結果、のちに発生した阪神淡路大震災でも新耐震基準の建物の倒壊数は抑えられることなりました。反面、1981年5月31日までに確認申請を受けた建物は旧耐震基準と呼ばれます。阪神淡路大震災発生時には、倒壊し建物の多くは旧耐震基準の建物でした。この鉄筋コンクリート造の建築基準は、新耐震基準に改正されてから現在になってもあまり変更されていないんですね。つまり、新耐震基準の鉄筋コンクリート造の建築基準は今の新築からも殆ど見劣りしない程に地震に強いということなんですね。 日本では、震度5以上の地震は10年に1回以上発生すると言われているので、地震に強いマンションを選ぶことはとても大切なことです。また、耐震基準が地震対策になるのは当然として、もう1つ、新耐震基準か旧耐震基準かで変わってくるものがあります。

それは「住宅ローン」です。「耐震基準と住宅ローン関係にどのような関係があるの?」と思われた方も多いかもしれませんが、実は、耐震基準は住宅ローンの審査に物凄く影響するんですね。 住宅ローンは担保となる物件の価値によって審査が早くなったり、借入額の上限が決まったりします。新耐震基準は災害に強い家として価値が高いため、旧耐震基準の物件よりも良い条件で住宅ローンを借りることが可能です。そして、耐震基準は住宅ローン控除にも影響してきます。住宅ローン控除は2022年に改正され、利用できる建物の築年数の要件が変わりました。住宅ローン控除の改正前は、耐火建築物は築25年以内の物件とそれ以外の建物は築20年以内であれば控除を利用できていました。しかし、改正後は1981年6月1日以降に建築された建物、すなわち新耐震基準の建物が控除の対象になったんですね。
つまり、新耐震基準か旧耐震基準かで住宅ローン控除を受けられるのかどうかが、変わってくるということになりました。住宅ローン控除を利用すると物件の性能にもよりますが2023年の入居であれば年間35万円から21万円、通算期間で455万円から273万円もの所得税控除が受けられます。新耐震基準の物件であれば、これだけの所得控除が受けられるので、かなりメリットですよね。

このように、新耐震基準のマンションは地震に強く、住宅ローンも借りやすく、住宅ローン控除も使えるので、不動産のプロがリノベーション物件を買うなら、新耐震基準の物件を選びます。部屋の中が新築同様にリノベーションされていると、ついその見た目だけで購入を決めてしまいがちですが、内装が綺麗になっていたとしても、マンション自体の構造は変わっていません。そのため、耐震性や住宅ローンの観点からも、内装だけで判断せずに、そのマンションが新耐震基準なのか旧耐震基準なのかを、しっかり確認してから検討するようにして下さい。

②6階建て以上14階建て以下の物件

プロも絶対狙うリノベーション物件の特徴の2つ目は「6階建て以上、14階建て以下の物件」です。6階建て以上14階以下と聞くと、「眺望や日当たりが良さそうだからこの階数を選ぶのではないか?」と思われた方もいるかもしれません。たしかに、眺望や日当たりは物件選びに大切なことですが、プロが見るのはそこではありません。6階建て以上のマンションは5階建て以下のマンションに比べ、リノベーションしやすい構造になっているからなんですね。5階建て以下のマンションを建築するときには、基本的に壁式構造で建築されている事が多いんですね。絶対ではないですが4階建てとか5階建てであれば壁式構造が多いです。壁式構造というのは、柱や梁ではなく壁で建物を支えている構造です。柱や梁がない分空間を広く使えますが、部屋の中心部とかにもこの耐力壁が入っている場合があるので、その部分は撤去できません。したがって、2部屋を1部屋などに変更できない場合があり、リノベーションのように大規模工事をするのには、あまり適していない構造かなと思います。

一方で、6階建て以上の物件というのは、ラーメン構造で建築されていることが多いです。このラーメン構造というのは、柱と梁で建物を支えている構造です。そのため、リノベーションの時に壁を撤去しやすく、間取りの自由度が高くなり、リノベーションがしやすい構造だといえます。そして、15階建て以上のマンションも5階建て以下と同じくリノベーションしにくい物件になります。建物は31m、45m、60m、100mと高くなるほど建築制限が厳しくなります。31mを超えると非常用エレベーターを設置しなければならず、100mを超えると緊急離着場等設置指導基準によりヘリポートを設置しなければいけないなどの決まりがあります。このような建築基準の中で、45mの高さの建物が最もコストパフォーマンスが良いなんて言われていたりします。そして、この45mの高さに収まるのが、だいたい14階、15階のラインなんですね。45mの建物の高さに収めたときの平均階高が、14階の場合は約3.21m、15階の場合は約3mになります。たった20㎝の差と思われるかもしれませんが、かなり大きな違いがあります。

それは、「二重天井・二重床」に出来るかどうかになります。二重天井・二重床とは、構造部分と天井・床との間に隙間がある天井・床のことです。通常マンションは構造部分に直接天井・床にボードを張らず、隙間を作ります。構造部分と天井・床との間に空間があると隙間に配管を通すことができ、水回りの位置を自由に変更できるメリットがあります。一方、構造部分に直接ボードを張り付けた場合、構造部分と天井・床に隙間がなくコンクリートの中に配管を通さなければいけません。配管をコンクリートに通している物件は、水回りの位置を変えるのが困難になってしまいます。14階建て以下の場合は、階高に余裕があるため、この二重天井・二重床の構造にすることができるので、リノベーションしやすい物件になります。しかし、15階建て以上の場合は、先ほど解説した20㎝の高さが無い分、二重構造にすることが難しいので、配管がコンクリートに通されているケースが多く、リノベーションに適していない物件であるといえます。

一方で、中には15階建てのマンションでも、二重天井・二重床が取り入れられていることもあります。しかし、その場合は、二重にしている分、天井高が低くなって圧迫感を感じ、居住性能が落ちる可能性もありますので、ポリスとしてはあまりお勧めしないケースがあります。数センチ低くなるだけでも、意外と圧迫感を感じることがあるので、もし、このような物件を検討される際は、しっかり内覧するようにしてくださいね。また、15階建て以上の高層マンションは、建築制限の関係で色々な設備を設置しなければならないため、維持費が高くなりがちで月々の支払額が大きくなってしまいます。リノベの観点とはまた別の観点で注意が必要ってことになりますね。高さにより設置しなければいけない設備は、非常用のものが多く普段の生活では利用しません。普段、利用しない設備に対してお金を払うのはもったいないと思うのが普通ですよね。いわゆるタワマンは良い面もたくさんありますがその分維持管理にコストがかかるので、これも注意が必要です。

これらのことから、6階建て以上14階建て以下のマンションは、建築費用が抑えられる傾向にありますし、総戸数的にも中規模程度以上のことが多いので、小規模マンションやタワーマンションと比較して、将来の維持費が高騰を抑えやすいので、再販売もしやすい可能性があります。しかも、リノベーションしやすい構造になっているため、自宅を売却することになったとしても、そのことを買い手にアピールしやすく、リノベーションを検討している方の購入対象になります。お金の面、工事の面、どちらを見ても6階建て以上14階建て以下のリノベーション物件を購入する事がおすすめかなと思います。是非、このような観点でもマンションを探してみて下さいね。

③ホームインスペクションを受けている物件

プロも絶対狙うリノベーション物件の特徴の3つ目は「ホームインスペクションを受けている物件」です。ホームインスペクションとは住宅診断という意味で、建物内の状態を建築士などの専門家が調査して診断します。具体的には、壁のひび割れやコンクリートの劣化が無いか、給排水管の場合は、水漏れの有無、その他にも柱や梁、床や天井などを細かく調査します。そうすることで、「リノベ済みマンションなのに、見えていない部分は劣化していて、不具合が発生した」「マンション共用部の維持管理に問題が起きた」などの、契約後のリスクを少なくすることができます。設備の状態であれば、ご自身でも確認しやすいですが、建物内部となるとなかなか確認しにくいので、第三者の専門家にしっかり建物の状態を調べてもらった上で、購入できると安心できますよね。

また、ホームインスペクションを実施した結果、建物内部に不具合が見つかったとしても、入居前には不具合を知っていれば補修などの対策を取ることができます。入居してから不具合が見つかると、補修する際に生活に不便が伴うこともありますが、事前に把握できていれば、ご自身の資金計画やライフスタイルを踏まえて、リフォーム計画を立てることも可能です。このホームインスペクションは、売主側が実施しているケースもありますが、必須ではないため、その売主さん次第になります。また、売主側が実施していたとしても、その売主側とホームインスペクション実施会社が手を組んで、良い結果だけを伝えてくる可能性があることには注意しなければなりません。全て疑って下さい」とまでは言いませんが、結果を鵜呑みにしないことが大切です。

もし可能であれば、ホームインスペクションは購入者が調査会社を指定しましょう。売主側が実施していると調査結果を捏造している可能性も捨てきれませんが、自分で依頼した会社の調査であれば公平な調査結果がわかります。自分でホームインスペクションを実施するときには、5万円~8万円程度費用がかかります。しかし、この5万円~8万円程度のインスペクションは、点検口から建物内部を目視する、建物の外観を目視するといった簡易的な調査です。建物内部をくまなく調査するようなホームインスペクションを実施すると、機材を使用したり耐震性を調査してくれたりしますが、オプション扱いとなり10万円以上かかるケースもあります。しかし、この10万円というお金を損したと思ってはいけません。築年数が経過した物件では建物内部に不具合がある場合もあり、ホームインスペクションを実施していなかった結果、数百万の補修工事をしなければいけなくなったという事例も多くあります。大きな損害を予防するための費用として、ご自身で負担したとしても、ホームインスペクションを実施している物件を選ぶことをおすすめします。

また、実施するタイミングとして理想的なのは、売買契約を締結する前です。引き渡し後であっても可能ではありますが、万が一修理箇所が見つかった場合、売買契約書の取り決めによっては、修理費用が買主負担になることも多いので、注意するようにして下さいね。しかしながら、このインスペクションもマンションの場合は専有部分、つまり買うお部屋の中しか調べる事は出来ないので、マンションの共用部分は調べる事が出来ないので、マンションでインスペクションをやられている物件はかなり少ないのが現状ですね。まだ一戸建てだと専有部分と共用部分という概念が無いのでインスペクションをすると建物全部を調べられるのでより有効ですし、マンションに比べるとまた浸透してはいるというのが現状となっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、「【中古マンション】プロも絶対狙うリノベ物件特徴3選【リノベーション】」というテーマで解説してきました。リノベーション物件は見た目が新築と同じように綺麗なので、内覧時に気持ちが高ぶってしまい簡単に購入を決断してしまうことが多くあります。しかし、見た目だけで判断して購入するのは危険です。リノベーション物件だからといって見た目だけで購入判断せず、購入するときに知っておかなければいけないポイントを押さえることが大切です。今回の動画で紹介させていただいた「リノベーション物件を購入するときのポイント」をおさらいしておきましょう。

1.新耐震基準の物件
2.6階建て以上、14階建て以下の物件
3.ホームインスペクションを受けている物件

この3つのポイントをクリアしていれば、物件の構造の観点からみても、購入して良いといえます。 このポイントをクリアしている物件の中から、ご自身の好みの内装や求めている間取りに合ったリノベーション物件なのかを判断するようにして下さい。

 

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まとめ

Point. 1

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。