【中古マンション】プロの私なら、コレは絶対買わない!

# 中古マンション

はじめに

「プロが中古マンションを買うなら、この物件は絶対選ばない!」という条件があるのを知っていますか?不動産ポリスの朝倉です。市場には、様々な条件の中古マンションが存在しているため、どのような物件を選べばいいのか、調べれば調べる程分からなくなってしまいますよね。しかし、選んではいけない物件の特徴を知らずに購入するのは危険です。そこで今回は、不動産業界歴24年となった私不動産ポリスなら、「コレは絶対買わない!」という物件5選を紹介していきます!その5つとは、

①相場より割高なマンション
②管理が悪いマンション
③旧耐震基準のマンション
④エレベーターが無いマンション
⑤立地の悪いタワマン

それぞれの項目について、今回は「資産価値下落リスク」「生活満足度低下」「マンション売出し数」の3つのポイントを5段階評価で説明していきます。その上で、私不動産ポリスの意見を詳しく解説していきますので、是非最後までご覧下さい。

本編

相場より割高なマンション

まず、この物件は絶対選ばないマンションとしてあげられるのが、「相場より割高なマンション」です。

資産価値下落リスク:5
生活満足度低下:ー
マンション売出し数:5

こういった相場より割高なマンションを選んでしまうと、立地や住宅設備・眺望などの条件うんぬんよりも、購入した瞬間に相場まで資産価値が下落するので、絶対に選んではいけないマンションになります。たとえば、相場よりも2割高いマンションを買ってしまうと、購入直後に資産価値が2割下がってしまうということになりますので、どんなにいい条件のマンションを購入しても、購入した瞬間に資産価値が下落するので、購入は見送った方がいいと思います。もし、希少性が高いマンションという理由で相場よりも高くなっていたり、どうしてもこのマンションがいいと気に入ったという理由があれば、相場よりも1割程度高いマンションであれば、購入検討してもいいかなと思います。

このような相場よりも割高なマンションを選ばないためには、正確な中古マンションの相場を知ることが大切になってきます。この不動産の相場というのは、取引する時期によって変わっていきます。そのため、相場を見ていく際は、過去の販売履歴を確認するのではなく、今検討しているエリア、そして今のその物件の価格、更に、今後その物件の価格がどうなっていくかの予想から考えていく必要があります。不動産業者の方であれば、マンションを見ただけでどれくらいの相場であるのか、判断できるかもしれませんが、一般の方々であれば、普段からマンションを比較しているわけではないので、相場感がわからないという方がほとんどでしょう。

こういった場合には、信頼できる不動産会社の担当の方に、マンションの市場相場を教えてもらったり、自分自身でも不動産ポータルサイトなどを利用して調査することが重要です。しかし、不動産営業マンの方もお客さんが気に入ったマンションを売りたいので、「高いからやめた方がいいですよ」というようなことはなかなか言ってこないと思います。営業担当者としても、1つでも多くのマンションの売りたいと考えていることも多いので、相場よりも高いマンションだとしても、「相場並ですかねー。」の一言で終わってしまう可能性も考えられます。このようなことも考えると、普段から自分自身で気になるマンションをいろいろと調べて、相場感を養っておくことで、相場よりも割高なマンションを選ばないようにすることも大切になってきます。しかし、一番は信頼できる不動産営業マンから、適切な情報を教えてもらうということが最短ルートだと思いますので、まずは、信頼できる不動産業者さんを是非探してみて下さいね。

管理が悪いマンション

続いてのマンションは、「管理が悪いマンション」です。

資産価値下落リスク:5
生活満足度低下:5
マンション売出し数:3

中古マンションの購入を検討していると、「マンションは管理を買え」という言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。実際、マンションは管理状態によって資産価値に大きな影響を及ぼしてきます。そもそも、「マンションの管理状況ってなに?」と感じる方もいるかもしれませんが、「マンション」というのは、1つ屋根の下で多くの住民が暮らしている建築物です。そのため、住民のみなさまが使うような「階段」「エレベーター」「ごみ収集場」などの共用部分や、マンションを支える構造体・インフラ設備などの管理を所有しているみなさんで支えあって行かなければなりません。このような背景もあり、管理状態の良し悪しが資産価値に直結してきます。

管理が悪いマンションだと、適切な補修工事が行えないため、マンションの寿命を縮めていきます。たとえば、配管の修繕工事が行えていないと、水道から赤水・漏水が発生してしまってたり、排水溝から虫が頻繁に発生してしまったりすることも考えられます。また、適切に修繕積立金を積立できていないことで、耐震補強工事ができないというマンションもあります。このようなマンションでは安心して生活することができませんし、将来売却する際も苦労することが目に見えていますので、購入することはおすすめできません。また、現時点で管理状態が悪いということは、今そのマンションに住んでいる方の物件に対する意識が低い可能性も考えられます。そうなると、例えば共用部分を改修するだとか、みんながより暮らしやすくするための議論というのが、しっかり行われていないという問題をはらんでいます。つまり、管理組合が機能しておらず、マンションの決め事や管理は人任せでいいやと思っている方が多いというのは、今後改善されていく余地もあまりないため、結構心配な状況だと思います。実際に中古マンションでも管理状態のよい物件を見極めるためには信頼できる不動産会社の担当者の方と協力して、

・マンション修繕工事の状況
・マンション修繕工事のための修繕積立金
・マンション修繕工事のための長期修繕計画書

このような情報を収集して、プロの意見も参考にして判断することが大切です。

旧耐震基準のマンション

つぎのマンションは「旧耐震基準のマンション」です。

資産価値下落リスク:5
生活満足度低下:3
マンション売出し数:2

これから長く住んでいくマンションであれば、必ず耐震性能は確認しておくことが大切です。 1981年以前の築年数のマンションは耐震性の低い建築方法で建てられています。この1981年以前のマンションを「旧耐震基準」のマンションといいます。「旧耐震基準」とは、震度5強レベルの揺れでも建物が倒壊せず、仮に建物が破損したとしても、補修する事で生活が可能となる構造基準として設定されています。しかし、1978年に起こった宮城県地震では、震度6弱を観測し、建物の倒壊やブロック塀の損壊による大きな被害を被ったため、1981年6月1日に「新耐震基準」が施行されました。「新耐震基準」では、「震度6以上」の大規模地震で建物が倒壊しないことが定められているため、地震大国の日本では新耐震基準で定められた建築物かどうかは大切なチェックポイントになるでしょう。

また、旧耐震基準のマンションは耐震性が低く、住宅ローン控除・登録免許税減税・不動産取得税減税など買い手が使える減税措置を軒並み使えません。そのため、買主からすると、旧耐震基準のマンションを購入しても、耐震性だけでなく税金控除の面からみてもメリットが少ないです。このようなことから市場においても、旧耐震基準のマンションが欲しいという需要もないため、資産価値が低く、これからも資産価値が下がっていくことが考えられます。最近では、金融機関においても旧耐震の物件では住宅ローンが組めないというところも増えてきていますので、将来売却するときも、そもそもローンが組めないので売りづらいということも起こり得ると思います。

しかし、この旧耐震基準で建てられた物件であっても、設計者の配慮によって、新耐震基準と同じくらいの耐震性で建てられた物件が存在するんですね。これは、耐震基準適合証明書の有無によって判断することができます。この証明書は、建築物の概要や使用履歴、増改築、経年劣化などの内容を確認する耐震診断を行った結果、新耐震基準に適合していることが証明されれば、取得することができます。 この新耐震基準の適合証明書を取得出来ている物件であれば、旧耐震基準で建築された築年数のマンションであっても、住宅ローン控除や不動産所得税の減税を受けられるようになるので、適合証明書を取得しているマンションなのかどうかを確認するようにして下さい。

 購入を検討しているマンションが、「旧耐震基準」なのか「新耐震基準」なのかどうかは、築年数からおおまかに判断することが可能です。新耐震基準が適用されたのは1981年6月1日以降なので、2023年時点では、築40年以内の建物であれば基本的に新耐震基準で建てられていると考えて問題ありません。それよりも築年数が古いマンションになってくると、「建築確認日」でチェックする必要がありますので、心配な場合には不動産営業担当者の方や、役所でも建築確認申請日を確認できるので、チェックしておくことをおすすめします。

エレベーターが無いマンション

つぎのマンションは「エレベーターがないマンションです。」

資産価値下落リスク:3
生活満足度低下:5
マンション売出し数:1

エレベーターがないマンションは家賃・物件価格が安いため、手が届きやすく、候補の1つとしてあげている方も多いかと思います。また、エレベーターの管理の必要もなくなるので、管理費用も安く抑えられるのも魅力の1つでしょう。しかし、エレベーターがないマンションで大きな影響を受けるのは、3階以上の部屋になります。1階と2階はそこまで影響を受ける心配はないです。 3階以上の部屋に住む場合、足腰が弱くなってくるご高齢の方や妊婦の方、子ども、足腰に持病がある人などにはあまりおすすめは出来ません。もちろん、体力に自信があるという方でも、日々の買い物や旅行・仕事で荷物が多い時、病気・怪我をしたときには階段の上り降りに負担を感じることがあります。また、引越しの時には追加の料金がかかる可能性があったり、大きな家具・家電を部屋まで運んでくれないという可能性もあります。

このような理由からも、将来売却をしようと考えた時、買い手が見つかりづらいことも考えられますので、資産価値下落リスクもあると考えていいでしょう。しかし、エリアによっては、今後再開発が行われてそのエリア全体の不動産価値が上昇したり、その物件が駅近や利便性の良い立地にあったりすると、資産価値が上がる可能性もあります。その場合は、資産価値下落リスクはそこまで大きくないので、検討している物件の立地が良いかや、そのエリアが今後どうなっていくかなどを、信頼できる不動産業者に確認してみるといいかなと思います。

立地の悪いタワマン

最後のマンションとしてあげられるのが、「立地の悪いタワマン」です。

資産価値下落リスク:4
生活満足度低下:4
マンション売出し数:3

タワマンには他のマンションにないような眺望を手に入れたり、豪華な共有施設を利用できたりと、魅力的なメリットもあります。しかし、今回紹介する物件は「立地の悪いタワマン」になります。そもそもタワマンの特徴として、「立地の良い場所」に建設されていることが多いです。そのため、そのタワマンの人気があるのかどうかは立地しているエリアが人気があるかどうかとも言えます。たとえば、駅直結のマンションであったり、タワマン自体がランドマークとなっているようなエリアは人気が保たれることは間違いないでしょう。 逆に、タワマンなのに立地が悪いというような物件になってしまうと、デメリットが強調されてしまいますので、「眺望が良い」というメリットしか得られなくなってしまいます。こうなってくると、おのずと立地の悪いタワーマンションは将来高値での売却が難しくなってしまい、買い手を探すのも困難になってきます。また、立地の悪いタワマンでは、交通手段や生活利便性の観点から、シニア世帯にも不人気となるので、売却が難しくなります。このように、ご自身の生活の面でも、将来的に売却を考えた時にもデメリットが大きいため、立地の悪いタワマンは、私であれば購入しませんね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「【中古マンション】プロの私なら、コレは絶対買わない!」というテーマで解説してきました。中古マンションには色々な条件の物件がありますが、今回解説した5選は、私が購入するなら絶対に選ばない物件の特徴です。もちろん、最終的にどの物件に決めるかは、ご自身の中の優先順位を大事にすべきですが、これまで色々な物件を取り扱ってきた不動産のプロの意見も是非検討材料として活用して頂き、納得の出来るマイホーム購入をしてくださいね。今回解説したとおり、中古マンションを購入するのであれば、かならず自分でも気になるエリアのマンションの市場相場を確認しておくことが大切になりますので、チェックしてみて下さいね。

 

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Point. 1

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。