【中古マンション】プロが選ばないリノベ物件5選【リノベーション】

# 中古マンション

はじめに

「オシャレに見えても、失敗だらけのリノベーション物件が実は多い。」ということを知っていますか?不動産ポリスの朝倉です。リノベ物件ですが、綺麗でこだわりのある内装のものが多く、素敵だなと惹かれますよね。しかし、見た目だけで判断すると、いざ住んでみたらトラブルが発生して多額のお金がかかった」「使い勝手が悪くてリノベ物件にしたことを後悔したなどのケースは非常に多いです。そこで、今回は、不動産取引件数2500件以上の私不動産ポリスが、過去の実例を基に、「お洒落に見えるけど実は失敗している物件の特徴5選」を解説していきます。この5つの特徴というのは、次の通りです。

①水回りのトラブル
②インターネット回線の速度が遅い
③床が傾いている
④断熱性能が低い
⑤売りにくい貸しにくい

動画の後半では、「これを知っていると後悔せずにリノベ物件を購入できる」というチェックポイントを解説しますので、最後までお見逃しなく!

本編

①水回りのトラブル

お洒落に見えるけど実は失敗している物件の特徴の1つ目は「水回りのトラブル」です。リノベーション物件は見た目はキレイにしていますが室内の裏側、つまり配管を取り換えてあるとは限りません。築年数が経過しているリノベーション物件だと、築年数の分、配管が傷んでいる可能性が十分にあります。配管が傷むと水漏れ事故や劣化による錆が発生する可能性があるため、注意しなければいけません。 例えば水漏れ事故を起こすと、下の階の人にまで被害を出してしまうことがあります。水漏れ事故は火災保険に加入していれば補償してくれますが、下の階の人との関係性が悪化してしまうかもしれません。また、劣化による錆が溶け出すことで、浄水器を付けても水がまずく、飲めないというケースもあります。この場合は、内覧時などに、実際に水を出してにおいや味などをチェックすることで事前に把握することが出来ますので、確認してみるといいと思います。

また、もう1つ水回りでは注意すべきことがあります。それは給湯器と水回りスペースとの距離です。通常、お湯をすぐに出せるよう、給湯器と水回りは近くにセットされています。しかし、リノベーションをした結果、給湯器と水回りの距離が遠くなってしまったという場合もあります。給湯器と水回りが離れていると、お湯がなかなか出ない、時間がかかる。という悩みが発生してしまうかもしれません。 特にシャワーからお湯がなかなか出ないと冬場は困りますよね。お湯を出したりお風呂を沸かしたりするのにも時間がかかり、僅かではありますが、水道光熱費がかさんでしまう可能性もあります。
これらのことから、リノベーション物件の購入を検討するときには、配管を取り換えたかどうかをまず確認しましょう。築年数の古い物件で配管を取り換えていない場合、今後、水漏れ事故などが発生するかもしれないということを念頭に置いて、ご自身でリフォームする必要があることを考慮しておく必要があります。また、リノベーション物件を購入するときには、リノベーション前の間取りを見せてもらうことも大切です。リノベーション前の間取りを見てみると、給湯器から水回りが離れているかどうかを確認できる場合もありますので、確認していただければと思います。

②インターネット回線の速度が遅い

実は失敗している物件の特徴の2つ目は「インターネット回線の速度が遅いこと」です。インターネット回線はマンション全体で管理しており、リノベーションでインターネット回線の性能を良くすることはできません。在宅ワークのために広めのリノベーション物件を購入したにも関らず、インターネット回線の速度が遅すぎて仕事にならないのでは、購入を後悔してしまいますよね。そして、インターネット回線の速度が遅いといっても、区分所有者1人の意思で変更することはできず、インターネット回線工事を行うには、マンション全体の区分所有者の半数が出席する集会で、出席の過半数の同意がなければ施行できません。つまり、マンション管理組合の議題に挙げてもらうだけでもハードルが高いうえに、多くの区分所有者からインターネット回線工事の実施についての同意を得なければいけないわけです。

このように個人の意思でマンション全体のインターネット回線の工事をおこなうのは難しいため、ネット速度を改善したい場合は高性能なポケットWi-Fiのような無線LANを導入した方が現実的かもしれません。意外と見落としがちなポイントですが、特に築古マンションをリノベーションした場合の物件に関しては、インターネット回線の遅さが、地味に生活に不便を感じさせたりすることもありますし、これは事前に確認する事がなかなか難しいのですが、所有者さんがいらっしゃる場合には必ずヒアリングをした方が良いかもしれませんね。

③床が傾いている

実は失敗している物件の特徴の3つ目は「床が傾いている室内」です。リノベーション物件は見た目が新築同様なため、内覧しているときには、綺麗になった部分しか確認しない方が多いです。しかし、表面のフローリングなどしか綺麗にしておらず、下地の傾きを調整していないケースには注意しなければいけません。見た目がキレイになっていても下地を直さない場合、元の傾きがそのままになってしまいます。マンション自体が傾いているわけではなくても水回りの周辺などの湿気が溜まりやすい場所は下地が弱り傾いてしまうケースもあります。リノベーション物件を内覧するときには、床の傾きがないかどうか水平器を当てたり、ビー玉を置いてみたりしてみましょう。特に、水回りは傾いているケースが多いため、注視しつつ内覧するのがおすすめです。

④断熱性能が低い

実は失敗している物件の特徴の4つ目は「断熱性能の低さ」です。マンションに住んでいる方で、結露には悩んでいませんか?マンションは気密性が高く、室内に溜まった水蒸気が外に逃げにくい性質を持っています。水蒸気が溜まっても断熱性が高ければ結露は発生しませんが、外気温の影響を受けやすい断熱性の低い窓である場合は結露が発生してしまいます。特に、築年数の古いマンションの場合は、窓が断熱性の高い二重サッシになっておらず、結露が発生しやすいのも特徴です。「窓を変えれば結露が発生しないなら、窓を変えればいいんじゃない?」という方も多いと思います。

しかし、残念ながら窓はマンションの共用部分であるため、自由に変更ができないんですね。そのため、リノベーション物件だとしても、窓まで変更しているケースはまずありません。このような断熱性能が低く、結露の発生するリノベーション物件を購入してしまった場合は、定期的な換気をしたり除湿器を稼働させたりして対策をしましょう。また、このような物件の性能を見極めるためには、築年数が浅い物件は「住宅性能評価書」を確認するのもお勧めです。住宅性能評価書というのは、2000年に始まった、国土交通大臣に登録した第三者評価機関が、住宅の性能を公平な立場で評価し、その結果を表示した書面になります。性能評価を取っているマンションは数は少ないのですが、住宅性能評価書付きの物件であれば、「構造の安定」や「温熱環境」などが良いかどうかを確認することが出来るので、是非チェックしてみて下さい。

⑤売りにくい貸しにくい

実は失敗している物件の特徴の5つ目は「売りにくい貸しにくい物件だった」ということです。リノベーション物件は、個性的な間取りに変更されているのが魅力の物件です。しかし、それを魅力的と感じるのは、似たような感性を持っていたり、同じようなライフスタイルを送ったりしている一部の人である可能性を忘れてはいけません。ご自身が良いなと思った間取りや内装のデザインでも、それが万人受けするとはいえません。そのような物件は、将来的に、売るときや貸すときに苦労してしまうことが多いです。なかなか買い手や借主が見つからないということですね。もし今後、購入したリノベーション物件を売る・貸すという考えがあるなら、万人受けしやすい物件を選ぶとよいでしょう。

リノベ物件のチェックポイント

ここまで、実例を基にした、お洒落に見えるけど、実は失敗している物件の特徴5選を解説してきました。それぞれの項目で、対策も合わせてお話しましたが、ここからはリノベーション物件を購入するときには、更にチェックしておくべきポイントについて、解説していきます。チェックポイントとしては、大きく次の3つに分けられます。

・建物と敷地
・室内
・契約

それぞれ、どのようなポイントをチェックしていけばよいのか、具体的に解説していきます。

【建物・敷地】

まず、「建物・敷地」で確認すべきポイントは、次の4つです。

・築年数
・エントランス
・駐車場・駐輪場
・敷地の管理状況

リノベーション物件の建物・敷地を確認するときには、まず築年数を確認します。築年数が1981年以前の建物は旧耐震基準に該当し、今よりも耐震性の低い建築方法で建てられています。補強工事が行われているのであればよいのですが、補強をしていない場合はハザードマップで、地震被害が酷い地域かどうか確認してから購入するかを検討しましょう。築年数を確認したら、エントランス、駐輪場・駐車場、敷地の管理状況を確認します。エントランスにゴミが散乱していたり、駐輪場・駐車場の止め方が悪かったりする場合、あまり住人の質が高くないのかもしれません。また、エントランス、敷地にゴミが散乱しているのであれば、管理会社の質が低いこともわかります。エントランスや駐車場・駐輪場を確認すれば、マンション自体の質が見えてきます。リノベーション物件が気に入っても、マンション自体の質が悪ければ購入を後悔する可能性があるため注意しましょう。

【室内】

次に室内を確認するときのポイントは、次のとおりです。

・天井
・フローリング
・水回り
・ガス給湯器

リノベーション物件は大幅な工事が行われているから大丈夫という気持ちは捨てて、詳細を確認することが大切です。見た目だけをキレイにしているケースも多く、天井や水回りにある点検口から内部を見ると前の設備のままということもあります。また、フローリングは最近は既存の床の上に新しいフローリングを貼るパターンのものが増えてきました。歩いたときに軋みがでないか歩いて確認しましょう。リノベーション物件で給湯器を交換していないケースは少ないはずですが、一応古い給湯器を利用していないか確認しておきましょう。給湯器は10年〜15年で壊れるケースが多く、古い給湯器だと購入後にすぐ壊れてしまい取り換えないといけないというケースも起こりえます。見えない部分は、点検口などからの調査も大切ですが、中を見てもよく分からないという人は多いですよね。そのような場合は、ホームインスペクションの実施を検討しましょう。ホームインスペクションとは、建築士などの建物のプロが調査してくれるサービスです。調査する箇所は建物外部、内部問わず確認してくれます。詳細な調査を依頼すると費用は高くなりますが、一般的な目視調査であれば5万円〜10万円で実施が可能です。専有部分の内部まで確認すれば、水漏れ事故などを心配せずリノベーション物件で生活を送れるようになります。

【契約】

次に、契約を確認するときのポイントは、次のとおりです。

・契約不適合責任
・保証内容

リノベーション物件の売買契約で、まず確認しなければいけないのは契約不適合責任です。 契約不適合責任とは、契約した内容と違う不動産を引き渡したときに、売主が負う責任です。例えば、契約書には設備の不具合はないと明記されていたにも関らず、引き渡し後すぐに不具合が発生し使えなくなったという場合、売主は不具合を起こした設備を交換しなければいけません。このように契約書に明記した内容が、守られていなかった時に売主が責任を負わなければいけないことを契約不適合責任といいます。 売主が不動産会社の場合は、中古物件の場合は引き渡しから2年間の契約不適合責任が発生します。契約するときには契約不適合責任の期間を確認しておきましょう。売主が不動産会社であれば2年になっているはずです。また、契約不適合責任以外にも、リノベーション物件の売主業者が独自の保証を実施しているケースがあります。独自の保証はあるのか、保証があるならどのような内容なのか確認しておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、「【中古マンション】プロが選ばないリノベ物件5選」というテーマで解説してきました。リノベーション物件は新築同様の綺麗な内装になっていることも多いですが、しっかり物件の内部構造を確認しないと、住み始めてからトラブルが発生するケースも多くあります。リノベーション物件で失敗しやすい項目を、おさらいしましょう。

・水回りのトラブル
・インターネット回線が遅い
・床が傾いている
・断熱性能が低い
・売りにくい貸しにくい間取り

以上の5つです。 今回解説した物件トラブルと、内覧時・契約時にチェックすべきポイントをしっかり抑えた上で、リノベーション物件の購入を検討するようにしてください。

 

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Point. 1

記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。