はじめに
中古マンションの資産価値は、間取りによっても左右されます。
売却時には、間取りの影響で販売しにくくなったり、高値での売却が難しくなることがあります。
従って、中古マンションを購入する際には、資産価値があり、売却しやすい間取りのマンションを選ぶことが重要です。
本記事では、購入してよい間取りと、注意が必要な間取りについて解説します。
本編
資産価値を意識した中古マンション間取りの選び方
中古マンションを購入する際には、将来の資産価値を意識した間取りの選び方が重要です。
マンションの資産価値は、立地や築年数だけでなく、間取りによっても大きく左右されます。
将来的に、子どもの独立や退職などにより生活スタイルが変化すると、「部屋数が合わない」「住まいが広すぎる」「生活に適さない」といった理由から売却を検討するケースも少なくありません。
その際、間取りによっては販売しにくく、高値で売却することが難しくなる可能性があります。
そのため、購入時から資産価値を意識し、売却しやすい間取りを選ぶことが大切です。
中古マンションにおいて、資産価値の観点から「買って良い間取り」と「慎重に検討すべき間取り」が存在します。
買って良い間取りの例
・センターイン型
・ワイドスパン型
慎重に検討すべき間取りの例
・センターリビング型
・メゾネット型
資産価値を見据えた中古マンション間取りの選び方として、ここでは、
・資産価値の高いセンターイン型間取り
・リノベーションにも適したワイドスパン型間取り
・慎重に検討すべきセンターリビング型間取り
・慎重に検討すべきメゾネット型間取り
について、解説していきます。
資産価値の高いセンターイン型間取り
買って良い間取りの代表例として挙げられるのが、「センターイン型間取り」の中古マンションです。
センターイン型とは、下図のように、住戸の中央に玄関が配置された間取りを指します。
この間取りの主なメリットは、「居室が広く取れる」「プライバシー性が高い」「両面バルコニーが多い」という点です。
玄関が中央にあることで廊下面積が小さくなり、その分、居室空間を広く確保できます。
また、居室と居室、あるいは居室とリビングの間に廊下や水回り(トイレ・バスルーム)を挟むことで、プライバシー性が高くなります。
家族構成に年齢差がある場合でも、住みやすい間取りと言えるでしょう。
さらに、センターイン型は両面バルコニーの間取りであることが多く、開放感のある住空間を実現しやすい点も特徴です。
角部屋に多く採用される間取りでもあり、資産価値の高い間取りとして評価されると言えるでしょう。
リノベーションにも適したワイドスパン型間取り
買って良い間取りに、「ワイドスパン型間取り」も挙げられます。
ワイドスパン型とは、下図のように、住戸の間口が広く、複数の居室がバルコニーに面しているタイプの間取りです。
この間取りの主なメリットは、「居室を広く取れる」「光や風を多く取り込める」「バルコニーが広く取れる」「居住性が高い」「間取り変更やリノベーションがしやすい」といった点です。
間口が広いため採光や通風に優れており、快適な居住空間が実現しやすくなります。
さらに、廊下面積が少ないため、室内を有効に活用できる点も特長です。
また、ワイドスパン型のマンションは間取りの自由度が高く、将来的な間取り変更やリノベーションがしやすい点も資産価値の高さにつながります。
下図、田の字型のように中央に廊下がある間取りと比べて、レイアウトの制約が少ないため、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できます。
このように、居住性の高さと間取り変更のしやすさを備えたワイドスパン型は、将来的な売却の際にもリフォームを前提に購入を検討する層にアピールしやすく、早期売却や高値売却が期待できる間取りです。
資産価値を意識した間取りの選び方として、有力な選択肢となるでしょう。
慎重に検討すべきセンターリビング型間取り
間取りの選び方において、資産価値を意識する場合には、慎重に検討すべき間取りも存在します。
その一例が「センターリビング型」の間取りです。
センターリビング型とは、下図のように、住戸の中央にLDKが配置されている間取りを指します。


主に築30年〜40年の中古マンションに多く見られるタイプであり、特に築古物件を検討している方は注意が必要です。
この間取りの懸念点として、「居住性が低い」「間取りの自由度が低い」といった点が挙げられます。
リビングがバルコニーに面していない、または窓がない場合もあり、採光や通風が確保できず、室内が暗く感じられることがあります。
内見時にリビングが暗いと、購入を検討する方にマイナスの印象を与える可能性があります。
さらに、センターリビング型の間取りでは、リノベーションを前提とした購入にも制約が多くなる傾向にあります。
築年数の古い物件では、構造上の梁(下図)がLDKとバルコニー側の洋室の間に設置されていることがあり、キッチン位置の変更が困難です。

配管の位置も固定されていることが多く、移動によって排水の勾配を確保するために床を上げなければならず、天井高が下がるといった問題が発生することもあります。
このように、「間取りの自由度が低い」「リノベーションが難しい」といった特徴があるセンターリビング型の間取りは、将来的な売却時に購入希望者が見つかりにくく、売却価格が下がる傾向にあるため、慎重に検討すべき間取りの一つです。
資産価値を重視した間取り選びの際には、十分に注意する必要があると言えるでしょう。
慎重に検討すべきメゾネット型間取り
慎重に検討すべき間取りの二つ目が、「メゾネット型」の間取りです。
メゾネット型とは、マンション内に階段があり、2フロアに分かれた構造を持つ住戸を指します。
この間取りの主な注意点として、「高齢の方にとって住みにくい」「家事動線が取りづらい」といった点が挙げられます。
本来、マンションのメリットはフラットな構造による移動のしやすさにありますが、メゾネット型では階段の上下移動が発生し、日常生活において負担となる場合があります。
また、階段を挟むことで家事動線が分断されやすく、効率的な動線が確保しにくい点もデメリットです。
高齢者にとっては階段が事故のリスクになることもあり、住みにくさから使用しない部屋が出てくる可能性もあります。
このような理由から、メゾネット型の間取りは将来的に売却する際に買い手が限定される傾向があり、資産価値の面でも不利となる可能性があります。
資産価値を意識した間取りの選び方としては、慎重に検討すべき間取りと言えるでしょう。
中古マンション間取りの特徴
「買って良い間取り」と「慎重に検討すべき間取り」について解説してきましたが、実際に内見や資料を見る際に、どのような点に注目すべきか迷う方も多いと考えられます。
そこで、ここでは中古マンション間取りの特徴として、
・良い間取りの特徴
・悪い間取りの特徴
について解説していきます。
良い間取りの特徴
資産価値を意識した間取りの選び方において、内見時に確認しておきたい「良い間取りの特徴」は、以下の3点です。
①梁や柱が少なく、間取り変更の自由度が高いマンション
②天井が高く、開放感のあるマンション
③開口部が多く、採光や通風に優れたマンション
居室空間に梁や柱といった構造体が存在すると、デッドスペースが生じやすく、天井が低くなることで圧迫感が出やすくなります。
また、リノベーションを検討している場合、梁や柱の位置によって間取りの自由度が制限される可能性もあるため、図面などで事前に確認しておくことが重要です。
近年では、「アウトフレーム工法」と呼ばれる、柱や梁を居室の外側に配置する工法を採用したマンションも増えています。
この工法は1990年代に登場し、2000年代以降の築年数15〜20年程度のマンションに多く見られます。
アウトフレーム工法により、室内に梁や柱が出にくくなり、天井の凹凸が少なくなるため、空間に広がりが生まれやすく、床面積が同じでも圧迫感の少ない間取りが実現できます。
このような要素を備えた間取りは、住みやすさと資産価値の両面で優れており、購入時の選定基準として重視すべきポイントです。
悪い間取りの特徴
資産価値を意識した間取りの選び方においては、「悪い間取りの特徴」も把握しておくことが重要です。
以下のような要素を含む間取りは、将来的な売却時に不利となる可能性があります。
・無駄なスペース(デッドスペース)が多い
・天井高が低い
・採光・通風を確保する窓が少ない
具体的には、廊下の面積が広すぎる間取りや、LDKよりも洋室の方が広く取られている間取りは、住まいとしての汎用性が低く、購入希望者のニーズに合いにくい傾向があります。
また、梁や柱が居室内に突き出している場合、空間の有効活用が難しくなり、デッドスペースが生じやすくなります。
特に、梁による天井の凹凸は、室内の開放感に大きな影響を与えるため、内見時には天井の高さや形状にも注意を払うことが求められます。
これらの要素が複数当てはまる場合、将来の資産価値に悪影響を与える可能性があるため、慎重に検討することが大切と言えるでしょう。
まとめ
まとめ:中古マンション購入時は将来の売却を見据えた間取り選びを
中古マンションの資産価値は、間取りによって大きく左右されます。
購入時には、将来的な売却を見据え、「売却しやすい間取り」を選ぶことが重要です。
センターイン型やワイドスパン型のように居住性やリノベーションの自由度が高い間取りは資産価値が高く評価されやすい一方で、センターリビング型やメゾネット型のように自由度が低く住みにくい間取りは注意が必要です。
梁・柱の位置、天井の高さ、採光・通風といった要素にも注目しながら、資産価値を意識した間取りを選びましょう!
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