はじめに
中古マンションの築年数を考える際には、マンションがどのような時代に建てられたのか、また、その時代背景を把握しておくことが重要です。
建設当時の背景を理解することで、中古マンションの選び方に幅が生まれ、失敗を避けるだけでなく、資産価値の高いマンションや、いわゆる「お宝物件」の購入にもつなげられます。
本記事では、「中古マンション 築年数別」の視点から、それぞれの年代ごとの特徴について解説していきます。
本編
中古マンションの築年数別に見る特徴と選び方
中古マンションの築年数別に見る特徴と選び方について、ここでは、
・中古マンションを築年数だけで選ぶのは危険
・築年数60~50年代(1960年~1970年代)
・築年数35~40年代(1981年~1987年代)
・築年数30~34年代(1988年~1993年代)
・築年数25~29年代(1994年~1999年代)
・築年数20~24年代(2000年~2004年代)
・築年数15~19年代(2004年~2009年代)
・築年数14年未満(2010年~)
について、解説していきます。
中古マンションを築年数だけで選ぶのは危険
中古マンションの購入を検討する際、多くの方が「築年数」に注目して物件を探しているのではないでしょうか?
確かに、築年数は客観的に判断できるわかりやすい指標の一つであり、「築何年以内」といった条件で絞り込む方法も重要です。
近年では、築年数の経過した中古マンションの販売が年々増加傾向にあり、今後も古い物件の流通が拡大していくことが予想されています。
実際に、ある機関が発表した「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況」のデータによると、築30年以上の中古マンションが最も多く取引されている状況です。(下図参照)

しかしながら、築年数だけを基準にマンション選びを進めるのはおすすめできません。
築年数が新しいからといって、必ずしも良いマンションであるとは限らないためです。
中古マンションを選ぶ際には、「築年数別」にどのような特徴があるのかを理解し、さらにそのマンションが建てられた時代背景まで把握しておくことが非常に重要と言えるでしょう。
築年数60~50年代(1960年~1970年代)
築60年〜50年代に建てられた中古マンションは、日本が戦後復興を遂げ、高度経済成長期に入った時代の建物です。
1953年には戦前の経済水準を超え、1956年には経済白書で「もはや戦後ではない」と宣言されました。
この時代には、多摩ニュータウンなど郊外の大型住宅地開発が進み、いわゆる団地タイプのマンションが多数建設されました。
住宅不足を補うため、「質」よりも「量」を重視する開発が行われたことが特徴です。
大量生産が進められた影響で、コンクリートの品質が十分でない物件も多く、天井が低い、エレベーターが未設置といった点も見受けられます。
また、この年代に建設されたマンションは「旧耐震基準」で建てられているため、現在のマンションに比べ耐震性が劣る点も注意が必要です。
長期的な居住を目的とする場合には、慎重な検討が求められるでしょう。
築年数35~40年代(1981年~1987年代)
1981年〜1987年代に建設された中古マンションは、日本の経済成長期にあたり、建物の「質」を重視する流れに変わり始めた時代のものです。
この期間に制定された「新耐震基準」では、従来の震度5程度に耐える基準から、震度6〜7程度の地震でも倒壊しない基準へと改正されました。
この改正により、耐震性の高い建物が増え、給排水管などの設備も向上しています。
中古マンションを検討する際は、この時代以降の新耐震基準を満たす物件を選ぶことで、より安心して長期間住み続けられるでしょう。
築年数30~34年代(1988年~1993年代)
1988年〜1993年代は、日本がバブル景気に沸いた時代に建てられた中古マンションが該当します。
株価や土地価格が高騰し、マンション価格も大きく上昇した時期でした。
建物は新耐震基準に基づいて設計されており、耐震性に優れています。
さらに、この時代に建てられたマンションは、大規模修繕工事が1〜2回実施されていることが多く、管理状況が良好である可能性が高くなっています。
また、バブル崩壊の影響で広めの住戸設計が多く、オートロックや宅配ボックスが設置されている物件も多いため、共働き世帯や防犯性を重視する方にも適しているでしょう。
築年数25~29年代(1994年~1999年代)
1994年〜1999年代に建設された中古マンションは、バブル崩壊後の不況期に生まれた物件です。
この時代には、女性の社会進出が進み、共働き世帯が増加したことから、高級志向から利便性・快適性重視のマンションへと変化していきました。
「床暖房」「浴室乾燥機」「食洗機」など、生活を便利にする設備が普及し始めたのもこの頃です。
駅からの距離や生活利便性、防犯対策が強化された物件が多く、共働き家庭にとっては狙い目の時代と言えるでしょう。
築年数20~24年代(2000年~2004年代)
2000年〜2004年代の中古マンションは、インターネットの普及とともに、防犯意識が高まった時代に建てられた物件が中心です。
この時期に施行された「住宅の品質確保促進法(品確法)」により、住宅性能の表示が義務付けられ、購入時に建物の品質を客観的に判断しやすくなりました。
オートロックの普及に加え、さらにエレベーターや階段にオートロックを追加した「ダブルオートロック」や、防犯カメラの設置も一般的になりました。
また、高齢化への対応として、バリアフリー設計も進められています。
築年数15~19年代(2004年~2009年代)
2004年〜2009年代に建てられた中古マンションは、リーマンショックによる世界的な不況の影響を受けた時代の物件です。
景気後退の影響でマンション価格の伸びが鈍化しましたが、品確法に基づく品質向上の流れを受け、建物のグレードは高水準を維持しています。
この時期にはペットブームも到来し、ペット飼育可能なマンションが増えました。
ペットと共に暮らしたい方には、この年代のマンションが適しているでしょう。
築年数14年未満(2010年~)
2010年以降に建てられた中古マンションは、大規模開発が難しくなったことに加え、東日本大震災をきっかけに「耐震性」への関心が一層高まった時代の建物です。
この時代のマンションには、「免震構造」や「制振構造」といった最新の耐震技術が積極的に導入され、高い安全性を備えています。
また、円高の影響により建材コストが下がったため、価格の割に性能の良いマンションが多く流通していることも特徴です。
まとめ
本記事では、中古マンションの築年数別の特徴を解説してきました。
中古マンションの中でも、築30年代のマンションであれば、資産価値が十分に見込める物件も多く、駅近にもかかわらず、リーズナブルな価格で購入できるケースも見受けられます。
また、耐震基準についても、築30年程度の物件であれば「新耐震基準」をクリアしているものが多いため、安心して住み続けることが可能です。
ただし、中古マンションは「管理を買え」と言うように、管理状態の確認が非常に重要です。
購入を検討する際には、信頼できる不動産会社と連携し、「長期修繕計画書」や「修繕積立金」の状況について、調査することが欠かせません。
初心者の方にとっては、中古マンション選びの基準を判断するのが難しい場合もあります。
そのため、信頼できる不動産会社に相談しながら、慎重に検討を進めていきましょう。
(参考)【中古マンション購入後に大規模修繕で後悔?】築古物件で失敗しないための注意点7選
(参考)【中古マンション】プロは築○○年を買います【築浅VS築古】
(参考)【中古マンション】築年数が古くても高く売れる?資産価値や売却方法を徹底解説!
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