はじめに
マンション購入をサポートしてくれている不動産仲介業者が倒産すれば、手続きが途中で止まってしまうかもしれません。
また、売主の再販業者が倒産してしまったら、購入後のアフターサービスやサポートが受けられなくなります。
しかし、現状の不動産業界では、ある領域で倒産が急増しています。
中古マンション購入を検討している方にも今後、影響してくるでしょう。
今回は、不動産選びで失敗しないために必要な知識
●不動産業者の倒産が急増している理由
●不動産業者の倒産が中古マンションの購入に与える影響
●失敗しない不動産業者の選び方
について解説します。
本編
不動産業者の倒産が急増中!理由は不動産の値上げ?
まず、不動産業者の倒産が急増している理由を解説します。
不動産価格の値上がりで買取再販業者が苦戦している
買取再販業者とは?
売主から直接古い物件を買取り、リノベーションをしてからその分の利益や諸経費を上乗せして再販売する業者です。
買取再販業者が苦戦している理由
近年は、都心や人気エリアを中心に、不動産価格が上昇しています。これにより、買取再販業者が購入する価格(仕入額)も高額になり、利益が出しづらい状況となっています。
例えば、3,000万円でマンションの1部屋を購入し、そこに1,000万円のリノベーションと300万円の諸経費・税金を支払い、5,000万円で再販売できれば、700万円の利益が得られる訳です。
しかし、3,000万円だった仕入額が3,500万円になってしまった場合、その分上乗せして再販売しなければ、利益が大きく減少してしまいます。
しかし、なかなか売れない場合は、上乗せ分を減らして値下げする必要があります。
仮に仕入れ値が500万円プラスになると、単純計算で利益が700万円から200万円に圧縮されてしまいます。
買取再販業者が薄利多売に変えていくのは難しく、利益が出しづらい状況になっているのです。
その理由は銀行融資の関係にあります。
銀行からの買取再販ローン借入金額には上限があるため、同時に複数物件のローン借り入れができるのは、業績が良い買取再販業者や大手の買取再販業者に限られます。
借り入れできたとしても、通常は買取に対する銀行融資は1年以内で返済しなければいけません。
回転重視になるため、買取再販価格を高く設定して、ゆっくり売却することも厳しいです。
なかなか売れないからといって赤字覚悟で売却をすると、前年度よりも業績および銀行からの評価が下がり、融資の条件も悪くなっていってしまいます。
さらに借り入れができなくなってしまい、悪循環に陥ることもあるのです。
不動産価格の上昇と、薄利多売ができないビジネス構造が重なり、特に都心を中心とする買取再販業者は、苦戦を強いられていることが増えています。
そもそも、買取再販業者は旧耐震の物件を扱うことも多いので、買主の住宅ローンがおりづらいことも、在庫が増えて苦戦している要因でもあります。
中小の賃貸仲介会社の倒産が増加する3つの理由
近年、中小企業の賃貸仲介会社の倒産が増加しています。
帝国データバンクの「不動産仲介業の倒産動向」によると、2022年の不動産仲介業者の倒産数は69件ありました。
それが2023年には120件に増加したと公表されています。
倒産の理由は会社により異なりますが主に以下の理由が考えられます。
●増額するネット広告費が利益を圧迫
●人材確保が困難
●大手建設会社の賃貸管理業務への参入
増額するネット広告費が利益を圧迫
以前は、不動産を借りる場合、不動産会社に直接連絡をして情報を得ていましたが、現在はインターネットで不動産情報を探すことが一般的になりました。
インターネットが無かった時代は、物件情報を得るためにお客様が来店していたため、その方に対して直接アプローチや営業を掛けられていました。
現在はインターネットの普及が広がり、物件探しはネット広告を打たないと集客できなくなっています。
不動産仲介会社はインターネットに物件情報を掲載し、広告媒体に物件を掲載しないとお客様が来てくれないため、広告費が上がっていても払い続けるしかありません。
さらに、YouTubeやSNS媒体も年々増えているため、広告費を多く確保しないと問い合わせがもらえない時代になってきています。
結果として広告費が利益を圧迫するようになっているのです。
人材確保が困難
不動産業界は、祝日や休日にお客様からの問い合わせが多くなるため、基本的には長期休暇中のゴールデンウィークなどは営業します。
近年は、ライフワークバランスが重要視される中で、働き手の中には、ゴールデンウィークやお盆中の期間に働きたくないと考える方もいます。
繁忙期に営業せずとも資金面で耐えられるような大手企業や優良企業が世間の休みに合わせ休業するようになりました。
働き手は大手の休日設定のほうが働きやすく、中小企業から大手に流れていく方もいます。
中小企業は新たな人材を確保しようとしても、大手ほど給料が出せず、応募がないというサイクルにはまってしまう中小企業が多いです。
中小企業の賃貸仲介は、人材確保の面が難しく淘汰されている現実があります。
大手建設会社の賃貸管理業務への参入
賃貸管理業務は、毎月安定した収入を得られる仕事として、多くの中小企業の賃貸仲介が取り組む事業です。
近年は大手建設会社が賃貸管理業務に参入しています。
賃貸管理業務は、建築業と比べると一気に大きな利益を得にくく、今までは積極的に大手建設会社は参入してきませんでした。
しかし、現在は建築費用の高騰により、建設業以外の利益を得る方法として賃貸管理業務に参入し始めています。
大手建設会社が賃貸管理業務まで行う理由は、賃貸マンションやアパートを建築してからその募集と管理まで一貫したサービスの提供ができる点です。
また、資金力が豊富なため「一括借り上げサービス」いわゆるサブリースサービスも提供しています。
地主は大手に賃貸管理業務を行ってもらえる方が、安心できると考える人も多いです。
このような背景があり、中小企業への賃貸管理業務の依頼が減ってきています。
不動産業者の倒産でマンション購入への影響はある?
不動産業者の倒産でマンション購入の影響がある以下の2点を解説します。
●買取再販業者の質が下がる
●業者選びが重要になる
買取再販業者の質が下がる
利益幅が狭くなったままでは経営が厳しくなるため、買取再販業者はリフォームやリノベーション費用をなるべく削減して利益を高めようとします。
良心的な買取再販業者であれば、キッチンやユニットバスのグレードを下げるなど、現実的な対応をします。
しかし、経営が厳しい業者や悪徳な再販買取業者は、見える部分は見栄えを良くし、見えない部分の配管などの工事費用を削減しようとする場合があります。
キッチンやシステムバスのグレードに関しては、直接見て確認できるので、買主が判断でき問題はありません。
しかし壁で隠されている部分に不具合があると、住み始めてからトラブルが発生する可能性が高くなります。
例えば床下の配管の劣化が進んでいるにも関わらず、補修工事を行わないケースがあります。
水漏れが発生し、下の階まで浸水してしまうと、周辺住民とのトラブルが発生してしまいます。
トラブルが発生すれば、修繕費用を自分たちで負担しなければならない場合もあります。
業者の利益を確保するために、見えない部分の工事のクオリティが下がった物件が、再販されている可能性があるため、今後は注意が必要です。
業者選びが重要になる
見えない部分の工事は、後から確認することは難しいため、最初の段階で信頼できる買取再販業者を選ぶことが重要です。
売主である買取再販業者だけではなく、的確なアドバイスをくれる買取仲介業者を見つけることも大切です。
経営状態が思わしくない売買仲介会社は、お客様の利益よりも目先の利益を確保するために、評判の悪い買取再販業者の物件でも仲介手数料が入るため紹介する可能性があります。
また、買主と売主の両方から仲介手数料を受け取れる囲い込みをしている物件のみを進めてくるかもしれません。
信頼できない業者や経営状態が危うい業者から物件を買ってしまうと、アフターフォローが全くなかったり、工事の施工不良が見つかっても適切に対応してくれない場合があります。
その場合は、自分たちで追加費用を払い工事をしなければなりません。
このようなトラブルに巻き込まれないようにするには、早い段階で不動産業者選びのポイントを押さえておきましょう。
【どこがいい?】不動産業者の選び方3選
不動産業者の選び方で確認すべき以下3点を解説していきます。
●ストックビジネス事業をしているか
●自社集客システムがあるか
●良い口コミがあるか
ストックビジネス事業をしているか
ストックビジネスとは、 売上が顧客ごとに継続的に積み上がるビジネスモデルで、営業をやめても収益は止まらないため、計画が立てやすく安定性があります。
不動産業界では、賃貸管理業務がストックビジネスに該当します。
経営が安定すれば、倒産する可能性が低くなり、アフターフォローもしっかりと受けられるはずです。
再販買取業者や仲介業者が、ストックビジネスを展開しているか、会社のホームページを見て調査してみましょう。
業務内容に買取や仲介のほかに、賃貸管理業務・駐車場管理業・会員制サービスなどがあるか確認しましょう。
自社集客システムがあるか
不動産を集客する従来型の主な方法は、不動産ポータルサイトへの広告です。
不動産ポータルサイトとは複数の物件情報を提供しているサイトで代表的なサイトとしては、SUUMO・HOME’S・at homeなどがあげられます。
このようなポータルサイトは、知名度があるので集客力が高いですが、掲載するのに不動産会社は高い費用を支払い掲載しています。
知名度のあるポータルサイトに掲載し、集客を行うことがベースですが、それだけでは広告費がかなり上がった場合に下記のような状況に陥る会社も多くあります。
●広告費が支払えず事業縮小
●自社の売り上げを優先し無理な営業をする
そのため、自社で集客できるシステムが構築されているかも、重要な確認すべきポイントになります。
XやインスタグラムなどのSNS情報発信やYouYubeの動画投稿などです。
SNSなどを使用した集客方法は、運用コストは発生するものの、広告費はある程度、調整することができます。
そのため、不動産ポータルサイトだけに頼らないシステムがある会社は、お客様からお問い合わせいただく入口が多い分、安定した経営に繋がる可能性が高いです。
自社都合の押し売りの営業をしてくることも、少なくなりお客様側も安心してマイホームを探しを行うことができます。
ポータルサイトも問い合わせに波があり、問い合わせが少ない月もあれば、多くなる月もあります。
そのため、問い合わせた月がたまたま問い合わせが少ない月だった場合は、成約を取るために営業をかけられてしまう可能性があります。
ポータルサイトの掲載単価も定期的に値上げするため、多くの集客窓口を持つ不動産会社に頼むことで、お客様視点で不動産探しをしてくれるでしょう。
良い口コミがあるか
不動産会社に限らず、商品やレストラン、サービスを選ぶ際良い口コミがあるかが判断基準になっています。
当然ですが、質の悪いサービスを提供している会社には、口コミには悪い評判が書き込まれます。
書かれた評判がすべて当てはまるとは言い切れませんが、似たような口コミや評判が多いのであれば、記載された内容には注意しなければなりません。
一方、良い口コミが不自然に多い場合も、中にはさくらで口コミが記載されている可能性もゼロでは無いため、内容が信憑性のある情報なのか確認しましょう。
信頼できる口コミが多く評価も高い場合は、お客様目線で見た時にもサービスの質が高く良い業者の可能性が高いです。
このように不動産会社を調査する時には、その会社のホームページだけではなく、口コミの内容も確認しながら依頼するようにしましょう。
まとめ
今回は、
●不動産業者の倒産が急増している理由
●不動産業者の倒産が中古マンションの購入に与える影響
●失敗しない不動産業者の選び方
について解説しました。
不動産価格の高騰や広告費の増加、人材不足などにより、不動産業者の倒産が増加傾向にあります。
これにより、再販物件の質の低下や、不誠実な業者に当たるリスクが高まっています。
不動産業者を選ぶ際は、ストックビジネス事業の有無や自社集客システム、そして信頼できる口コミを参考にすることが重要です。
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