はじめに
最近、中古マンションをリノベ-ション前提で購入を検討されてる方が増えています。
しかし、現在リノベーション費用が高騰しており、どのくらいの予算でどのような工事ができるのか把握していない人も多いです。
実際に、建築資材や人件費の高騰により、ここ10年でリノベーションの費用は約1.5倍に増えたというデータもあります。
いざリノベーション会社に見積もりを依頼したところ、想定以上の費用がかかることが判明する事態になりかねません。
いい物件を発見しても購入計画が振り出しに戻ってしまうかもしれません。そのような事態を避けるため、自分が理想とするリノベーションをするには、”どのぐらいの予算でどんな工事ができるのか”理解しておきましょう。
本記事では、
●実際にリノベーションする時の注意点・ポイント
●予算別にできるリノベーション内容
を不動産のプロが徹底解説します。
本編
中古マンションのリノベーション費用が高騰している理由
まず、リノベ-ション費用が10年間で1.5倍に高騰している理由を詳しく解説します。
建築資材の高騰
日常生活でも物価上昇している中、リノベーションの費用も大幅に上昇してます。
その原因は、建築資材や人件費の高騰です。
実際、一般社団法人建設物価調査会が公表している建設資材の物価指数東京版によると、建築資材の価格は直近10年間で1.5倍に上昇しています。
建築資材の高騰の要因は
●木材・鉄銅・配管の高高騰
●世界的な需給バランスの変化
●円安の影響
●コロナ禍の物流の混乱
また、住宅設備に該当する設備修繕維持の消費者物価指数(消費者が購入する商品やサービスの価格の変動を数値で表した数値)も上昇傾向にあり、2020年の指数を100とすると、2025年5月には、122.9と高い数値を示しています。
(参考)総務省|2020年基準消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)5月分
職人不足による費用の高騰
リノベーション需要が増える一方で、職人不足がリノベーション費用の増加の一因となっています。
若手が少なく、今後も慢性的な担い手不足が進むと予測されます。
また、熟練の大工や配管光の職人は高単価で人件費が上昇し、施工費用全体の10%〜20%が人件費であることも要因の一つです。
リノベーションの多様化による費用の高騰
リノベーションの内容も多様化し、最近では断熱性の向上や環境配慮型の設備が導入されるなど、これまで以上に手間やコストがかかる仕様が増えています。
上述の要因などによりリノベーション費用は過去10年間で、急激に高騰している状況です。
【予算別】中古マンションのリノベーション内容
リノベーション費用が高騰し、どのぐらいの金額でどの程度のリノベーションができるのか想像しにくい方もいるでしょう。
そこで、予算別のリノベーション工事内容を解説します。
今回は、
●200円万
●500円万
●800円万
●1000円万以上
以上4パターンの予算を解説します。
予算200万のリノベーション内容
200万円で出来る小規模リノベーションの内容は
●壁紙クロスの張り替え
●床材の張り替え
●塗装工事
です。
張り替え費用
壁紙の張り替え費用は大体1㎡あたり1000円〜1500円が目安です。
専有面積が50㎡程度の物件であれば、壁と天井のクロスは専有面積の3.5倍~4倍の㎡が必要です。
つまり約50㎡の部屋ならば、約200㎡のクロスが必要となり、20万〜30万円程度でクロスの張り替えが実施できます。
床材の張り替え費用
床剤の張り替え費用は、大体1㎡あたり1万円〜2万円です。
50㎡程度の部屋であれば、50万〜100万円ぐらいで施工が可能です。
塗装工事の費用
塗装工事はドアや窓枠の塗装であれば、5万円〜10万円程度で施工が可能です。
この価格にプラス消費税と諸経費がかかります。
予算500万のリノベーション内容
500万円で出来るリノベーションの内容は
●キッチン交換
●浴室交換
●トイレなど水回りの交換
●壁紙やクロスの張り替え
などです。
500万円の予算があれば、水回りも重点的にリノベーションができ、快適性が新築に近いくらい大きく上がります。
キッチン交換の費用
キッチン交換費用は、Iシステムキッチン(例:LIXILのシエラS)で約50万円です。
浴室交換の費用
浴室交換費用は、ユニットバス(例:LIXILリノビオシリーズ)であれば、約70万円〜100万円です。
トイレ交換の費用
トイレ交換費用は温水洗浄便座付きのトイレだと、約15万円〜25万円です。
これらのリノベーションは、今後、売却や賃貸を考える時に資産価値を多少上げる効果が期待できます。
もちろん、配管移動や床材の交換に伴う予算超過するリスクもあるため、リノベーション業者と間取りは事前に確認することが必要です。
予算800万のリノベーション内容
800万円でできるリノベーションの内容は
●全面リフォーム
●内装一新
●バリアフリー改修
です。
予算800万円ほどあれば、内装全般を一新して、設備やデザインを大きく向上させることができます。
特に水回りや住宅設備は、新築と同様なものにフルリフォームも可能で、新築購入よりも費用を抑えつつ、内装は新築同様の住環境を実現することも出来ます。
しかし、ここまで予算をかけた工事だと、配管の交換などの工事中に隠れた劣化箇所が見つかり、修繕で追加費用が発生する可能性もあります。
また、流行りに特化しすぎたデザインにしてしまうと、将来的に価値を損なうリスクが
あるため、個性的なデザインのリフォームは、やりすぎないように注意しましょう。
予算1000万以上のリノベーション内容
予算が1,000万円以上あれば、
●スケルトンリノベーション
●オーダーメイドのデザイン
が可能です。
スケルトンリノベーションとは、既存の内装壁や下地など全部解体をし、建物の骨組み(スケルトン)の状態にしてから、間取りや内装、壁材などを自由に作り変えるリノベーションのことです。
オーダーメイドデザインとは、既製品に縛られず、建具や家具・キッチンなどをオーダーメイドで制作できるリノベーションのことです。
オーダーメイドデザインのキッチンは約150万、
リビングの造作収納は約200万で制作できます。
1000万円ほどリノベーションにかけられるのであれば、フルリノベーションで新築マンションのような仕上がりに近づけることができます。
また、断熱性能の強化でスマートホーム化も可能です。
このようなノベーションを施せば、新築同様の性能とデザインを持つ住まいが実現可能です。
さらに、断熱性能強化で高熱費が削減でき、売却の時にも高い資産価値を維持し、販売と価格に転嫁できることもメリットです。
しかし、注意するポイントは大規模リノベーションは、数ヶ月間の工事期間が必要なことです。
リノベーション費用を住宅ローンに組み込むのであれば、資金計画を銀行と調整する必要があるため、信頼できる不動産業者の方に相談するようにしましょう。
リノベーション時の注意点5選【失敗したくない人必見】
リノベーションを実際にする時の、以下5つの注意ポイントについて解説していきます。
●リノベーション業者と一緒に物件を内覧する
●管理規約を確認
●配管経路を確認
●個性的なリノベーションは避ける
●新耐震基準の物件を選ぶ
リノベーション業者と一緒に物件を内覧する
リノベーション業者と一緒に、事前に現地を確認することで、必要な工事内容や制約など見えない問題を早期発見することができます。
また、購入の意思決定をすぐに、行うことができることも利点です。
良い物件は、売却されるスピードも早いため、リフォーム業者を連れての現地確認までに、時間が空いてしまうと、その間に他の人に売却されてしまうことがあります。
そのため、物件選定の前に信頼できるリノベーション業者を決めておくのがおすすめです。
物件を他の人に買われないように、業者と一緒に内覧をする前にマンションを購入してしまう方もいます。
しかし、配管の老朽化や天井高の制限などに気がつかず、後に追加工事が必要になり、予算を大幅に超過することになりかねません。
特に築30年以上の中古マンションや、管理組合が機能していない新築時の施工履歴が不明な物件は、工事の制約があることが多いため、注意が必要です。
管理規約を確認する
事前に管理規約を入手し、規約に沿った工事計画を立てることが重要です。
管理規約で、床材変更に制限があり、当初予定した材料が使えなくなり、変更を余儀なくされるケースも見受けられます。
例えば、フローリングが禁止の規約があるマンションにも関わらず、それを知らずにリノベーション工事を進めてしまうと、工事停止や工事終了後も補修命令を受ける可能性があります。
そうなると、理想のマイホームから遠ざかるリノベーションしかできない事態に陥ることもあるため、リノベーション業者と一緒に管理規約も確認しておきましょう。
工事制限を把握することで、トラブルのないリノベーション工事が可能になります。
配管経路や天井高を確認する
配管の経路や天井高の寸法を事前に確認しておきましょう。
特に、中古マンションは、配管経路と天井高によって、水回りの位置が制限される場合が多いためです。
可能な工事範囲を把握していないと、希望の工事ができない可能性があります。
リノベーションでキッチンの場所を移動し、実際に使い始めたら、元の配管から距離が長いため、勾配が取れずに排水がうまく流れない、といったケースもあります。そのような場合は、配管を再設置する追加工事が必要となり、余分な費用が発生することになります。事前に配管経路と天井高を確認しておくのが良いでしょう。
個性的なリノベーションは避ける
将来的に、売却を検討している方や賃貸を考えてる方は、なるべく万人受けする内装デザインを選ぶことが重要なポイントです。
売却や賃貸する時に万人受けすることは、買手の幅を広げることになるため、スムーズに売却や借り手が見つかる可能性が高いです。
また、個性的なリノベーションを避けることは、コストパフォーマンスの向上にもつながります。
高額で個性的な内装のリノベーションは、満足度は高いですが、将来的な売却で買い手が見つからないケースは非常に多いです。
ただ、住宅購入や自分たちのこだわりが詰まった空間リノベーションの目的として、居住性の充実度を求める方は、理想を叶える工事をすることをお勧めします。
新耐震基準の中古マンションを選ぶ
1981年6月以降に建築確認を受けた、新耐震基準を満たした物件を選ぶことがおすすめです。
リノベーションも考えて、築古の中古マンションを検討してる方であれば、物件価格は抑えたいと考えているでしょう。
しかし、旧耐震基準の物件は、住宅ローンが通りにくく、将来的に売却しづらいリスクがあります。
そのため、リノベーションをして内装は、綺麗にしておけば、スムーズに売却できると思っていたが、なかなか買い手がつかない、ということがあるため注意しましょう。
一方で、新耐震基準を満たすマンションであれば、
●価値が下落しにくい
●住宅ローン控除の条件をクリアできる
このような観点から、リノベーションを見据えた中古マンション購入は、1981年6月以降に建築確認を受けた新耐震基準を満たす物件を選ぶことをお勧めします。
※ただし、1981年6月以前に建築された築古物件でも、稀に耐震基準の処理を取得した耐震基準適合証明書が付与された物件もあります。
まとめ
今回は、中古マンションのリノベーション費用について、予算別に可能な工事内容や、リノベーションを成功させるための重要なポイントを解説しました。
本記事で解説した内容をしっかりと理解・確認し、後悔しない中古マンション購入そしてリノベーションを実現しましょう。
また、物件購入前にリノベーション業者と一緒に内覧することで、必要な工事や制約を早期に把握でき、計画がスムーズに進みます。できれば、中古マンション購入からリノベーションまでワンストップでサポートしてくれる会社に依頼するのがおススメです。
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