はじめに
不動産購入を検討していると、「未公開物件」(いわゆる非公開物件)という言葉を耳にすることが多いのではないでしょうか。ホームページやポータルサイトでは、「弊社限定」や「完全未公開」といった表現を見かけることもあります。
しかし、大手ポータルサイトに掲載されているのに「未公開」とはどういうことかと疑問に思う方も多いでしょう。そこで今回は、「未公開物件」という言葉の実態について解説します。
「未公開物件=お宝物件」とは限りません。
あいまいな表現に惑わされず、良い物件情報を見極めるためのポイントについても紹介しますので参考にしてください。
本編
未公開物件とは?不動産会社が使う本当の定義
大手ポータルサイトなどに掲載されていても「未公開物件」と言われるケースがある?
例えば、不動産業者が新しく物件情報を入手した際に、いち早く大手ポータルサイトへ広告を掲載したとします。その際、セールストークとして「未公開物件」と記載して掲載したところ、すぐにお客様から問い合わせがきました。
ところが、そのお客様から「未公開物件と書いてあるのに、大手ポータルサイトに掲載されているのはおかしいのでは?」と指摘を受けました。
不動産業者の立場では、「未公開物件」とは業界的にまだ広く出回っていない情報を指すつもりでしたが、お客様から見れば、インターネット上に公開されている時点で「未公開」とは言えないという認識です。このように、「未公開物件」という言葉は業者側と消費者側で認識のズレが生じやすい表現であるといえます。
業界でいう「未公開物件=レインズ未掲載の物件」
不動産業者が使う「未公開物件」という言葉は、一般的にレインズ(REINS)に掲載されていない物件を指す場合が大半です。
レインズとは、不動産業者のみが閲覧できる物件情報データベースのことで、ここに掲載されるとどの業者でもその物件を扱えるようになります。そのため、レインズに登録された段階で情報の非公開性や希少性は低下します。
一方、レインズにまだ登録されていない物件は、業者が独自のルートで入手した情報であり、その段階では「未公開物件」と呼ばれます。
たとえインターネット広告に掲載されていても、レインズ未登録であれば「未公開物件」として扱われるケースもあります。

ただし、未公開物件だからといって必ずしも「お得な掘り出し物」であるとは限りません。
売主と媒介契約を結んだ直後の段階では、すべての物件が一時的に未公開状態にあるためです。
つまり、「未公開物件」とは単にまだ広く露出していない物件を意味するにすぎません。
不動産業者から「未公開物件があります」と案内された際は、その言葉の響きに惑わされず、内容を冷静に見極めて判断することが大切です。
完全未公開物件と一部未公開物件(囲い込み物件)の違い
「未公開物件」と一口にいっても、実際には2つの種類があります。
完全未公開物件とは、レインズ(REINS)や不動産ポータルサイトなど、どの媒体にも情報が掲載されていない物件のことです。
限られた不動産会社の顧客にのみ紹介されるケースが多く、一般には出回っていません。
一方、一部未公開物件とは、レインズには登録されているものの、ポータルサイトなど一般向けには非公開となっている物件を指します。
つまり、不動産会社同士では共有されていても、消費者の目には触れない状態です。
このように「未公開物件」といっても、情報公開の範囲には段階があり、その違いを理解しておくことが重要です。
「未公開物件=新着物件」ではない理由
「未公開物件」がすべてお得な物件ではないことは理解できても、「未公開物件=新着物件」と考える方も多いかもしれません。しかし、実際にはそうとは限りません。
不動産会社が売主から物件を預かった場合、専属専任媒介契約では5営業日以内、専任媒介契約では7営業日以内にレインズへ登録する義務があります。
一方、「一般媒介契約」の場合はレインズへの登録義務がありません。
そのため、売り出してから半年、あるいは1年以上経過していても、レインズに未掲載のまま、いわゆる「未公開物件」として扱われているケースもあります。
つまり、「未公開物件」であっても、実際は売れ残っている物件がレインズに登録されていないだけという場合もあります。
「未公開物件」という言葉だけで、新着やお得な物件と判断するのは早計です。
不動産会社が未公開物件にする3つの理由
不動産会社が物件を「未公開物件」として扱うのには、いくつかの理由があります。
売主のプライバシー保護(売却事情を隠したい)
売主のプライバシー保護のために公開を控えるケースがあります。
近隣住民や知人に売却を知られたくない場合や、相続・離婚、事故物件などの事情がある場合です。
自社顧客を優先するため(囲い込み)
自社顧客を優先して紹介したいという営業上の理由もあります。
条件の合う購入希望者がすでにいる場合、一般公開せずに早期成約を狙うことがあります。
広告なしでも成約が見込めるため(人気エリア・希少物件)
人気エリアや好条件の物件では、広告を出さなくても成約が見込めるため、あえて未公開のまま販売活動するケースもあります。
このように、「未公開物件」とされる背景には、売主や不動産会社側の事情があることを理解しておくことが大切です。
未公開物件のメリットとデメリット(注意点)
未公開物件のメリット
「未公開物件」には、一般公開される前に紹介を受けられるというメリットがあります。
人気エリアや条件の良い物件をいち早く知り、競争が少ないうちに検討できる点が魅力です。
未公開物件の注意点・デメリット(リスク)
未公開というだけで必ずしも価格が安いとは限らず、売主の事情で非公開にしているケースや、相場より割高な場合もあります。
また、情報が限られているため、比較検討がしにくい点にも注意が必要です。
「未公開物件」という言葉に惑わされず、情報の内容と条件を冷静に見極めることが大切です。
未公開物件を紹介してもらうための具体的な方法
信頼できる不動産会社・担当者を見極める
「未公開物件」の情報を効率よく得るには、まず信頼できる不動産会社や担当者を見つけることが重要です。地域に精通し、実績のある会社ほど、売主とのネットワークや独自ルートから未公開物件を確保しているケースが多くあります。
希望条件をできるだけ正確に具体化して伝える
自分の希望条件をできるだけ具体的に伝えることがポイントです。
希望エリア、予算、間取り、築年数、駅距離などを明確にしておくことで、条件に合う未公開物件が出た際に、優先的に紹介を受けられる可能性が高まります。
担当者との信頼関係を築く(優先順位を上げてもらう)
担当者との信頼関係を築く姿勢も欠かせません。
紹介された物件には早めに反応し、内覧希望や率直な感想を伝えることで、担当者は「このお客様は本気で探している」と判断し、より良い情報を優先的に提供してくれるようになります。
また、定期的に連絡を取り、購入意欲や条件の変化を共有することも大切です。
こうした細かなコミュニケーションを続けることで、公開前の物件や一般には出回らない希少な未公開物件情報を入手できる確率が大きく高まります。
未公開物件にこだわらず良い物件を見つける方法
「未公開物件」にこだわらず、良い物件を見つけるためにはコツがあります。不動産会社の社員自身も、レインズに掲載されている公開物件を購入しているケースが多くあります。未公開物件だけが特別というわけではありません。
公開物件でも「お得な物件」に出会うためのポイントは主に2つあります。
相場より安い“相場ずれ物件”を狙う
本来であれば3,000万円が相場の物件が、2,400万円程度で掲載されているケースがあります。
これは、査定を担当した業者が相場を正確に把握できていない場合に起こります。
特に、東京の物件を地方の業者や賃貸専門の不動産会社が査定した際に、相場より安く掲載されることがあります。このような「相場ずれ物件」は人気が高く、公開直後にすぐ売れてしまうことも少なくありません。
価格交渉(指値)でチャンスを逃さない方法
指値とは価格交渉のことです。売主が買い替えを急いでいたり、決算期を迎えていたりする場合、大幅な値引きが可能になることがあります。
こうした情報は一般には公開されず、不動産会社の担当者のみが知っていることが多いのが実情です。
良い物件情報を得るためには、「未公開物件」という言葉に惑わされず、信頼できる不動産担当者と定期的に連絡を取り合うことが重要です。
また、気になる物件が出た場合は、できるだけ早く内覧に行くことでチャンスを逃さずに済みます。
お得な物件情報を得る最大の近道は、不動産会社の営業担当と良好な関係を築くことです。
まとめ
「未公開物件」の実態を理解し、冷静に見極めることが大切
「未公開物件」と聞くと、特別なお得物件という印象を持つ人も多いですが、実際にはそうとは限りません。不動産業界でいう「未公開物件」は、主にレインズ未登録の段階にある物件を指し、完全に非公開のものもあれば、一部のみ未公開のものもあります。
売主の事情や不動産会社の戦略によって公開を控えるケースも多く、未公開だからといって必ずしも有利な条件とは限りません。
中には売れ残り物件が「未公開」のまま残っている場合もあるため、情報を鵜呑みにせず、公開されていない理由を確認することが重要です。本当に良い物件情報を得るためには、信頼できる不動産会社や担当者と継続的な関係を築くことが最も効果的です。
希望条件を明確に伝え、定期的に情報交換することで、公開前の物件や掘り出し物情報をいち早く受け取れる可能性が高まります。
「未公開物件」という言葉に惑わされず、情報の質と根拠を見極めながら、冷静に判断することが後悔しない物件選びにつながるといえるでしょう。
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