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両手・片手仲介の仕組みとメリット・デメリット|不動産仲介手数料の値引き交渉術

不動産のルール

不動産購入

はじめに

不動産を購入または売却する際には、
不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。

“両手仲介”や”片手仲介”という言葉を耳にしても、
「仕組みがよく分からない。」
「両手仲介は問題があり、片手仲介のほうが良い」
といった意見も見られるが、実際のところはどうなのか?

という方も多いのではないでしょうか?

本記事では、仲介手数料の仕組みを解説し、
両手仲介と片手仲介についての一般的な認識や、
それぞれのメリット・デメリットについて、
具体例を挙げながら解説していきます。

正しく理解し、自分自身で判断する際の参考にしましょう!

本編

仲介手数料の仕組み

不動産取引における仲介手数料には、
「片手仲介(分かれ)」と「両手仲介」という2つの形態があります。

片手仲介の場合、
売主と買主の間にそれぞれ別の仲介会社が入り、
売主は自分側の仲介会社に、
買主も自分側の仲介会社に仲介手数料を支払います。

それぞれの仲介会社は、成約額の約3%ずつの手数料を受け取る仕組みです。

(参考)消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ – 国土交通省

一方、両手仲介では、
売主と買主の間に1社のみが仲介として入り、
その仲介会社が売主・買主の双方から仲介手数料を受け取ります。
合計で成約額の約6%の手数料になります。

仲介手数料の基本的なしくみ

▮両手仲介に関する一般的な見解

両手仲介では、売主はできるだけ高く売りたい一方で、
買主はできるだけ安く買いたいと考えます。

そのため、一社の仲介会社が両者を担当すると、
利益相反の問題が発生する可能性があると指摘されています。

また、両手仲介のほうが
仲介会社にとって手数料収入が増えるため、
売主からの物件情報を他の仲介会社に公開せず、
自社の買主とだけ取引を進める
「囲い込み」と呼ばれる行為が発生することがあると言われています。

こうした点が、不動産取引における
「闇」として語られることもあります。

▮囲い込みの仕組み

囲い込みとは、売主側の仲介会社が、
自社の買主と契約を成立させることで、
仲介手数料を「両手(6%)」として受け取るために、
他社の仲介業者の買主へ物件を紹介しない状態を指します。

通常、他社の仲介業者が買主を担当する場合、
その仲介会社は「片手(3%)」しか手数料を得られません。

そのため、一部の仲介会社では、
物件情報を他社に共有せず、
自社の買主だけに紹介する場合があります。

不動産業界の闇「囲い込み」

片手仲介における価格交渉の実態とデメリット

囲い込みの問題から、
「片手仲介が良く、両手仲介は悪である」
といった見解が広まっています。
しかし、実際の取引では、むしろ間違っている部分があります。

その例を以下の図にて解説します。

買主からの値下げ交渉。不動産会社の動き

▮売主・買主の交渉プロセス

不動産取引では、売主側には売り側の仲介会社が、
買主側には買い側の仲介会社が入ることが一般的です。

このように、双方に仲介会社がつくことで、
適切な交渉が行われると考えられています。

例えば、5,000万円で売りに出されている物件に対し、
買主が4,800万円で購入したいと申し込んだ場合、
買主側の仲介会社はこの希望価格を売主側の仲介会社へ伝えます。

しかし、仲介会社は売主・買主の当事者ではないため、
価格を決定することはできません。

そのため、売主側の仲介会社が売主に対して
「4,800万円での購入希望がある」と交渉します。

▮売主の値下げ交渉と買主の値上げ交渉

この時点で、価格の調整が必要になった場合、
売主が「4,900万円なら売却可能」
と回答することがあります。

この情報は、売主側の仲介会社から
買主側の仲介会社へ伝えられ、
最終的に買主へと交渉されます。

つまり、価格の値下げ交渉は売主側の仲介会社が担当し、
値上げ交渉は買主側の仲介会社が担当する形になります。

売主側の仲介会社は本来、
売主が得をする(=より高く売る)事が求められるにもかかわらず、売主に値下げ交渉し、逆に買主側の仲介会社は買主が得をする(=より安く買う)事が求められるにもかかわらず、買主に値上げ交渉するというデメリットが発生しています。

このように、片手仲介の場合、
自社の顧客が有利になるような「交渉」ではなく、
不利になるけど仕方がない事を
「説得」する場面が多い事が実態です。

両手仲介による三方良しのメリット

両手仲介の場合、
一つの仲介会社が売主と買主の双方と直接交渉するため、
双方の意見を調整しながら合意点を探ることが可能です。

例えば、売主が4,900万円で売りたい、
買主が4,800万円で買いたいと希望する場合、
価格の差が100万円あるため、
合意に至るのが難しくなります。

▮両手仲介ならではの交渉方法

このような状況では、
売主に対して売却価格を50万円引き下げてもらう代わりに、
仲介手数料を50万円割引します。

一方で、買主にも50万円高く購入してもらい、
その代わりに仲介手数料を50万円割引する事で、
結果的に双方の負担が変わらずに取引が成立します。

仲介会社は50万円ずつ手数料は下がりますが、
5,000万円程度の物件ですと、
約2%ずつは双方からもらえますので、
合計4%程度の仲介手数料になります。

片手の場合、3%ですので、
仲介会社としても片手より多い、
三方良しの取引となります。

両手仲介ならでは。「3方よし」の決着点

▮仲介手数料の値引き交渉術

2社が仲介に入っている場合、
両社が仲介手数料を削って
価格をすり合わせるという事は難しくなります。

何でもそうで、
中間に業者が何社も入ると経費がかかります。

それが産地直送であったり、
メルカリのようなフリマであると
中間マージンが少ないので買主は安く買え、
売主は高く売れます。

仲介会社は1社だけの方が
仲介手数料を値下げしてくれる可能性が高まります。

片手で3%の場合、割引できないが、
両手で6%の場合であれば、1%程度は下げても良い、
という心理も働きやすくなります。

まとめ

「三方良し」の取引を目指すには、知識が必要

両手取引は1社の仲介会社が売主・買主双方を担当し、
片手取引は2社が関与する仕組みです。

両手取引には批判的な意見もありますが、
現場の実態としては必ずしも悪いわけではありません。

むしろ、仲介会社が手数料を調整しやすく、
値引きの可能性が高まるメリットもあります。

両手仲介だからこそ実現できる価格調整の方法があり、
売主・買主・仲介会社の三者が納得する
「三方良し」の取引が成立することがありますので、
こうした仕組みを理解し、最適な選択にしましょう!

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記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。