はじめに
不動産を購入するときは、不動産会社の人と内見=実際に見学に行きますよね。リフォームされている物件だと、きれいなお部屋と設備ばかりに気がいって、実は検討に際して大事なポイントを見落としているかもしれません。今回は中古マンションの内見時に気をつけて確認したいポイントをまとめました。実際のマンションに行ってロケしてきましたので、ぜひご覧ください。
本編
外観で大規模修繕工事状況をチェック
ポリス:今日は営業の細野さんにご案内して頂きます。
細野:よろしくお願いします!
ポリス:細野さんは不動産営業何年目ですか?
細野:5年目になります。
ポリス:なるほど、じゃあ、もう結構な契約を積み重ねている訳ですね。一通り分かってきたところと、なるほどなるほど。
細野:今日ご案内させて頂く物件なんですが、築年数が1979年(昭和54年)に建てられたマンションで築41年となります。
ポリス:築41年ですか!?結構経ってますね。でも結構経っている割には外観は綺麗ですね。
細野:そうですね。この物件は2014年に大規模修繕工事が終わってますので、築年数の割りにはきれいです。
ポリス:ここでポリスのチェックポイント1つ目!このマンションのように、築年数の割りにはきれいだなという場合がありますよね。これはマンションで定期的に大規模修繕工事という大規模な補修をやっているからなんです。築年数が経っているマンションだと、計画的に修繕工事を行っているかどうかが、管理組合や住民の方が俺たちのマンションをちゃんと修繕して価値を保っていこうぜ!という意思の表れでもあるので、大規模修繕工事をやっているかどうかは必ずチェックした方が良いポイントです。外観を見るととても修繕されているとは思えないな…という場合でも、実は来年大規模修繕工事をする予定、という場合もありますので、大規模修繕工事の計画の有無については必ずチェックしましょう。
耐震補強工事のしるしを探せ!
細野さん、あのWのようなオブジェ的なものは何ですか?
細野:あれはWではなくて、このマンションは2014年の大規模修繕工事の際に耐震補強工事をしておりまして、耐震診断の結果、補強が必要だった箇所に鉄骨で補強をしたものです。
ポリス:なるほど!ここでポリスのチェックポイント2つ目!マンションの外観にこのような鉄骨の補強が入っている場合は、耐震補強工事をしている可能性が高いです。耐震補強工事がされていると、この物件のように1981年より古い旧耐震の物件であっても、現在の耐震基準と同等の耐震構造に補強されている可能性が高いので、このような鉄骨を見つけたら、古くても管理が良いマンションだと言えると思います。
マンション内情報の宝庫・掲示板
マンションの掲示板をチェックすべし!です。掲示板には販売図面ではわかならないマンションの管理組合の貴重が情報、生の情報が載っている場合があるので、必ずチェックです!場合によっては、「空き巣に注意!」「不審者に注意!」「ゴミ置場の使い方が悪いので注意してください」「ベランダでたばこを吸う方がいるので困っています」「ペット買っちゃダメなのにペット飼っている人がいて困っている」、そういうマンション全体で抱えている問題が掲示板に貼ってあるケースは結構あります。
また、見逃せないこととして、マンションはリフォームする時に、管理組合に届出て許可を取る必要があるのですが、どのお部屋がリフォーム工事をしているかが掲示板に貼りだされているケースがあります。例えば見学するお部屋は4階ですが、掲示板に「5階のお部屋がリフォーム中」という情報が掲示されていたら、もしかすると、5階のお部屋も今後リノベーション物件として売りに出る可能性があります。自分が買った数週間後に、一つ上の階が同じ値段で出ていたら悔しいじゃないですか!?そういった情報も掲示板には載っている場合があるので確認してみてください。
サッシはリフォームできない?
ポリス:室内綺麗ですね~。
細野:はい。このお部屋は今回フルリノベーションをしてますので、お風呂もキッチンも全て新しいものに交換してあります。マンションは築41年経っておりますが、室内は新築同様の設備になっております。
ポリス:いいですね~。大きさとか間取りはどうなってますか?
細野:はい。専有面積は42.72㎡で間取りが1SLDKとなっております。
ポリス:細野さん、1SLDKのSって何ですか?
細野:Sはサービスルームの略で、納戸とか、収納部屋の意味になります。
ポリス:なるほどなるほど。ここのことですね。不動産業者さんがリフォームする時って、なるべくお部屋の帖数を広く見せたいので、収納を必要最低限にしがちなんですけれども、こういう収納として使えるう場所があれのはいいですよね。
ポリス:ポリスのチェックポイント4つ目!サッシ周りです。
マンションのサッシって専有部分ではなくて、メインエントランスやエレベーター、廊下と同じように共用部分なんです、なので室内をリフォームしてもサッシだけは変えられないことがほとんどです。古いサッシの場合は、サッシ周りが錆びていたり、サッシ周りの壁や建具がカビていたりすると、結露があると推測できます。室内は綺麗になってしまっていると、壁のカビや結露の状況は分からないですが、サッシ周りを見ると分かるケースがありますので、チェックした方が良いポイントです。
分電盤のアンペアを確認
そして最後のチェックポイントは分電盤です。古いマンションの場合は電気のアンペアの容量がもともと少ない場合があります。40年前の想定電力では足りていたと思いますが、今は家電製品も増え、電力が足りない、アンペアが足りないっていうケースがあります。このお部屋は一人暮らし用で、20~30アンペアが目安と言われてますので、OKだと思います。ファミリーだと40~60アンペアが目安と言われていますので、少ない場合は上げられるのか確認する必要があります。引き込み線の関係で上げられないっていう場合もあるので、注意が必要です。
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まとめ
外観で大規模修繕工事状況をチェック
鉄骨は耐震補強工事の印
1階の掲示板で内部情報をゲット
窓のサッシ周りで結露を予測
分電盤で必要アンペア数を確認
記事監修者
朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役
2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。