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投稿日:2023.11.29  
最終更新日:2025.12.25

マンション資産価値の見極め方を徹底解説!中古でも下がらない物件の条件とは?

中古マンション

はじめに

マイホーム購入の理由として、「家賃を支払い続けるのが無駄に感じる」「持ち家を資産として考えている」といったように、資産価値を重視する方は少なくありません。

しかし、その資産価値を正しく判断するためのポイントを理解していない場合、「思っていたより資産価値が下がっていた」と後悔する可能性があります。

そこで本記事では、「資産価値が下がりにくい物件を見極めるポイント」「資産価値と居住性のバランス」という観点から、解説していきます。

本編

マンションの資産価値とは?

「高く売れる・高く貸せる」マンションが資産価値が高い

マンションの資産価値とは、土地を含めたそのマンション自体が持つ市場価値や評価額のことを指します。簡単に言えば、マンションを市場に出した際に、その物件がどれほどの金額で売れるのか、どの程度の賃料収入が得られるのかによって評価される価値のことです。

つまり「資産価値がある物件」または「資産価値の高い物件」とは、将来的に売却を検討した際に購入時の価格よりも高く売却できる、あるいは高い家賃で賃貸に出すことが可能なマンションを指します。

中古マンションを検討する際に、過去の販売事例と比較して「高い」「安い」と判断することもありますが、これは資産価値を測る上ではあまり意味がありません。

資産価値を正しく見極めるには、「現在の周辺物件の市場状況がどうなっているか」や「今後そのエリアの不動産市場がどのように変化していくと予測されるのか」といった点に目を向けることが重要です。資産価値は、物件そのものの性能、管理状況、立地などの周辺環境のほか、市場や経済状況といった外的要因にも左右されます。

市場や経済の動向については、個人の力で変えることは困難ですが、情報収集や信頼できる不動産会社への相談を通じて、判断の精度を高めることは可能です。

一方、物件の性能や立地といった要素については、自らの判断で選択できるため、資産価値の高いマンションを見極めて選べます。

資産価値が下がりにくいマンションの特徴

立地(駅距離・利便性・商圏)の価値が高い物件

マンションの資産価値を維持しやすい条件として、まず土地の価値が挙げられます。
土地の価値は、主に立地条件に左右されます。

例えば、主要駅へのアクセスが良い、駅から近い、周辺施設が充実している、景観や日当たりが良い、治安が良好といった条件を備えているエリアの土地は、需要が高く、資産価値が下がりにくい傾向があります。

さらに、再開発や新線・新駅の開通が予定されている地域も、将来的に土地の評価が上がる可能性があります。これらの情報は、自治体や鉄道会社の公式サイトなどで確認できます。

災害リスク(洪水・地震・液状化)が低いエリア

マンションの資産価値を保つためには、立地だけでなく災害リスクの確認も欠かせません。
ハザードマップを活用して、浸水・液状化・土砂災害などの危険区域に該当していないかをチェックしましょう。

自然災害のリスクが高いエリアは、将来的に地価や資産価値が下がりやすく、売却時の価格にも影響します。購入前に自治体の公開情報を確認し、災害リスクの低いエリアを選ぶことが、資産価値を守る重要なポイントです。

管理状態が良好で共用部が清潔

資産価値を保つためには、共用部の管理が行き届いていることが重要です。

マンションの共用部とは、階段やエレベーター、ごみ収集場、自転車置き場、駐車場など、住民が共同で利用する空間を指します。これらの管理状態が良好であることは、資産価値に直結します。

管理状況を確認するには、共用廊下の掲示物が期限通りに掲示されているか、共用部が清潔に保たれているかなどがチェックポイントです。

また、マンションの総戸数にも注目が必要です。

小規模マンション(総戸数50戸以下)の場合、管理費や修繕積立金の負担が一人あたり大きくなりやすいため、長期的な費用面への影響も検討材料となります。
(参考)【中古マンション】小規模マンションのリスクを知らないと危険です!

長期修繕計画と修繕積立金が適正に運用されている

修繕積立金とは、将来の大規模修繕工事に備えて住民が積み立てている資金のことです。
また、長期修繕計画は、その資金を使ってどのような工事を何年後に行うかを示した計画書です。

これらが適切に整備されているマンションでは、将来的な修繕時に急な費用負担を求められるリスクが低く、資産価値の安定につながります。

特に都市部や人気エリアでは、築40年を超えるマンションであっても、管理状態が良好であれば高値で取引されることもあります。

間取りが使いやすく需要が高い(1LDK・2LDK・3LDK)

マンションの資産価値を維持するには、需要の高い間取りを選ぶことが重要です。

特に1LDK・2LDK・3LDKは、単身者からファミリー層まで幅広い層に支持されており、再販時にも買い手がつきやすい傾向があります。

一方、個人の趣味やこだわりが強く反映された間取り(例:70平米で1LDK、浴室が極端に広く収納が少ないなど)は、再販時に購入希望者が限られ資産価値が下がる要因となります。ライフスタイルに合いつつも、汎用性のある間取りを選ぶことが、資産価値を維持するためのポイントと言えるでしょう。

リノベーション済みで即入居できる状態

築年数が経過した中古マンションでも、リノベーションによって資産価値を高めることが可能です。水回りや内装、間取りを現代的にアップデートすることで購入希望者の需要を取り込みやすくなります。

ただし、リノベーションすることで居住性や見た目は向上しますが、必ずしも資産価値が上がるとは限りません。

リノベーションにかけた費用を売却価格で回収できるかどうかは、物件の立地や市場環境、他の競合物件との価格差など、複数の要因に左右されます。

特に人口減少地域や競合物件が多いエリアでは、リノベーション後でも思ったほど価格が伸びないケースもあるため、過度な期待は禁物です。リノベーションを検討する際には、建物構造や法的規制に配慮しなければならない場合があります。

特に築古マンションでは、耐震補強や断熱性能など外部構造に関する改修が必要となることがあり、個人の判断だけでは対応が難しいケースもあります。

そのため、専門家のアドバイスを受けたうえでリノベーションの費用対効果を慎重に見極めましょう。

資産価値が下がりやすいマンションの特徴

人口減少が続くエリアの物件

人口減少が進行しているエリアに所在する物件は、今後の不動産需要の低下により、価格が下落しやすくなります。総務省の発表によれば、2050年には日本の総人口が1億人を下回ると予測されており、全国的に人口が減少している地域は多く存在しています。

(参考)我が国における総人口の長期的推移

このようなエリアでは「買いたい人」が減少し、マンションの在庫数に対して需要が不足することになります。その結果価格が下がりやすくなり、資産価値の維持が難しくなる傾向があると言えるでしょう。

築年数と経年劣化が進行している物件

中古マンションは、一般的に築年数の経過とともに建物が劣化し、それに伴って価格が下落する傾向があります。これは初めて不動産を購入する方でも、感覚的に理解しやすい現象です。

公益財団法人東日本不動産流通機構が発表している「中古マンションの築年帯別平均㎡単価」のデータでも、築年数が進むにつれて価格が下がっていく傾向が明らかになっています。

特に築20年〜30年のあたりでは、価格の下落幅が大きくなるのが特徴です。

(参考)東日本不動産流通機構の中古マンション築年帯別平均平米単価

ただし、築年数が経過していても、管理状態が良く修繕計画がしっかりしている物件は資産価値を保ちやすい傾向があります。また、築年数の経過により、配管や外壁などが劣化しているマンションは資産価値が下がりやすくなります。

例えば、配管の老朽化によって赤水や漏水が発生したり、外壁のタイルが剥がれるなどの問題が起こる可能性があります。ただし、こうした経年劣化に対して、適切な管理と修繕が行われているかどうかで資産価値への影響は大きく異なります。

修繕積立金が計画的に徴収され、定期的な修繕が実施されているマンションであれば、資産価値の大幅な下落を避けることが可能です。

一方、適切な管理がされていない場合、修繕費の不足により後から大幅な増額が必要になることもあり、結果として売却価格が下がったり、賃貸収益が下がるリスクが高まります。

修繕積立金が不足している・計画が不十分

マンションの資産価値を大きく左右するのが修繕積立金の状況です。
積立金が不足しているマンションは、将来的に追加徴収や大規模修繕の延期が発生しやすく、物件の劣化が進んで資産価値が下がる原因になります。

また、長期修繕計画が不十分な管理組合は、必要な工事が適切に行われないリスクもあります。
購入前には、積立金残高と長期修繕計画の内容を確認しましょう。

総戸数が少なく流動性が低いマンション

総戸数が少ない小規模マンションは、売却時の買い手が見つかりにくく、資産価値の維持に不利になる場合があります。流通量が少ないため市場価格が安定しにくく、管理費や修繕積立金の負担が1戸あたり高くなる点もデメリットです。

一方、戸数が多い大規模マンションは流動性が高く、管理費が安定しやすいため、マンションの資産価値も維持しやすい傾向があります。

特殊な間取り・広すぎて需要が少ない部屋

マンションの資産価値を保つうえでは、需要のある一般的な間取りを選ぶことが重要です。特殊な間取りや70㎡以上の広すぎる1LDKなどは、買い手が限られ、再販時に価格が下がりやすくなります。

現在の日本では少子化が進んでおり、厚生労働省の調査によると、1世帯あたりの子どもの人数が「1人」の割合が過半数を占めています。

(参考)2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況

そのため、必要最低限の広さや間取りを求める世帯が増えている中で、広すぎる物件はニーズに合わず、資産価値が下がりやすくなります。物件を選ぶ際は、エリアに住む世帯層の傾向に合った広さであるかを確認することが重要と言えるでしょう。

資産価値と居住性を両立したマンションの探し方

まず「資産価値」と「居住性」の優先度を決める

マイホームの購入にあたっては、まず「資産価値」と「居住性」のどちらを重視するのかを明確にすることが重要です。

資産価値の高いマンションを選ぶのか、家族にとって住みやすい居住性を優先するのか、そのバランスについて家族間で話し合い、方針を定めておく必要があります。

居住性を重視する場合の選び方

居住性を重視し、資産価値を特に考慮しない場合には、自分たちのライフスタイルに合った間取りやエリアを自由に選択することが可能です。このような選び方でも、家族の満足度が高く、生活の質が向上するのであれば、有効な選択肢となります。

資産価値を重視する場合の選び方

一方、資産価値も重視したい場合には、以下のような条件を備えた物件を選ぶことが重要です。

・駅近や商業施設の充実した利便性の高いエリアに立地している
・管理組合が機能しており、共用部の管理が行き届いている
・汎用性のある一般的な間取りで、再販時にも需要が見込める

オーダーメイドの内装や特殊な間取りは、居住性の面では満足できても、将来の売却時には買い手を選ぶため、資産価値が下がりやすくなる可能性があります。

マンションは長期的に暮らしていく資産であるため、自分たちの家族がその物件とどのような関係を築き、将来的にどう活用するのかといった「最終目的」を明確にしておくことが大切です。その目的に基づいて物件を選定することが、後悔のないマンション購入につながると言えるでしょう。

将来の住み替えや売却も視野に入れる視点

マンションの資産価値を考えるうえでは、「将来の住み替え」も視野に入れることが大切です。
ライフステージの変化により、子育てや定年後など住環境へのニーズは変わります。

その際に売却や賃貸に出しやすい物件であれば、資産としての柔軟性が高まります。

駅近や再開発エリアなど、将来も需要が見込める立地のマンションを選ぶことで、住み替え時にも資産価値を維持しやすくなります。

まとめ

マンションの資産価値を正しく見極めて後悔しない購入を

マンションの資産価値は、「立地」「管理」「築年数」「間取り」「災害リスク」といった複数の要素で決まります。築年数が経過していても、管理状態が良く、修繕積立金や長期修繕計画がしっかりしている物件は、資産価値を維持しやすい傾向があります。

また、ハザードマップで自然災害リスクを確認することや、将来の住み替えを見据えた立地選びも重要です。さらに、築古マンションであってもリノベーションによって資産価値を高めることが可能です。

これらのポイントを意識して物件を選べば、「暮らしやすさ」と「資産としての価値」を両立したマンション購入が実現できます。

中古マンションであっても、資産価値が下がりにくいマンションを見極めて選ぶことで、将来的な選択肢と安心感を確保できます。長期的な視点で判断し、後悔のない住まい選びを目指しましょう。

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