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中古マンション値引き交渉で失敗しにくい5つのコツ|不動産のプロが教える交渉術

不動産購入

中古マンション

はじめに

中古マンションを購入する際の値引き交渉、
どのように進めればいいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。

値引き交渉は、適切な時期や方法で行うことで、
100万円から500万円程度の値引きに成功する可能性があります。

この記事では、不動産のプロが、
具体的な成功事例と失敗例を交えながら、
値引き交渉で失敗しないためのポイントを詳しく解説します。

本編

売主が個人の方なら、少額の指値は通るかも!

中古マンションの価格交渉、
いわゆる「指値」の成否を大きく左右する要因の一つが
売主が個人なのか法人なのかという点です。

売主が法人か個人かは、
物件の販売図面で確認することができます。
例えば販売価格に「(税込み)」という表記がある場合、
その物件は消費税が課税対象となっており、
売主は法人であることを意味します。
多くは不動産業者ですが、
まれに一般企業が売主となることもあるでしょう。

個人が売主の場合、価格交渉の可能性は
個々の事情によって大きく異なります。
例えば住宅の買い替えで早期売却を希望しているケース、
住宅ローンの残債があり価格調整が困難なケース、
あるいは売却を急いでいないため価格にこだわるケースなど、
状況は様々です。

ただし、法人と比べて
絶対的な利益を重視する必要がないため、
交渉に応じやすい傾向にあります。

価格交渉の実務においては、
適切な値引き幅を見極めることが重要です。

例えば5,000万円の物件に対して、
いきなり500万円(1割)の値引きを求めるのは
現実的ではありません。

このような大幅な値引き要求があった場合、
売主はまず4,700万円程度に価格改定し、
市場の反応を確認する選択をすることが多いでしょう。

実務経験からの感覚として、
価格交渉の現実的な範囲は100万円程度、
最大でも200万円程度となります。

また、4,780万円のように販売価格に端数がある場合、
その部分は交渉の余地として設定されていることが多く、
値引きの可能性が高まります。
ただし、これはあくまでも一般的な傾向であり、
売主によっては一切の価格交渉に応じないケースもあります。

▼関連記事
【中古マンション】値引きのコツはこの5つだけ!

完成前の価格交渉は不可能!完成後が価格交渉のチャンス

法人が売主となる不動産取引における
価格交渉の実態について解説します。

不動産業者は営利目的で物件を仕入れ、
リフォームや建売住宅の建築など
付加価値を加えて販売を行うため、
価格交渉の可否は物件の状況やタイミングによって
大きく変わってきます。

▮建築中・リフォーム中の値引き交渉は難しい

新築物件の場合、建築中の段階では
価格交渉はほぼ通らないと考えてください。

通常マンションの場合は建築開始から完成まで1~2年、
一戸建ては4~6ヶ月かかりますが、
この間、売買契約が成立しても
売主が受け取れるのは物件価格の5%程度の手付金のみです。

売主が残金を受け取れるのは
物件完成後の引き渡し時となるため、
建築中の値引き交渉に応じる必要性が低いのです。

中古物件についても、リフォーム中や販売開始直後は
値引き交渉が通りにくい傾向にあります。
売主としては、リフォームによって商品価値を高め、
オープンルームなどで効果的に販売したいと考えているためです。

▮値引き交渉のチャンスは完成から1、2ヶ月過ぎてから

新築・中古いずれの場合も、
完成から1~2ヶ月が経過すると状況は変わってきます。
「完成後に内覧を重ねても売れない」という売主の焦りが、
価格交渉の余地を生み出すからです。

一般的に、中古マンションは
売り出しから3~6ヶ月程度で売買が成立する傾向にあります。

(参考)首都圏不動産流通市場の動向(2023年度)|公益財団法人東日本不動産流通機構

そのため、この期間経過した物件は、
売主が値下げを検討し始めるタイミングと重なることが多く、
値引き交渉が成功しやすい時期と言えるのです。

とはいえ営利目的の販売である以上、値引き幅には限度があります。
一般的な価格帯(3,000万円~6,000万円程度)の物件では、
100万円から200万円程度が現実的な値引き幅となります。
300万円以上の値引きを求められた場合、
売主は一旦200万円程度の価格改定を行って
市場の反応を見る選択をすることが多いでしょう。

なお、一部のウェブサイトでは
「不動産は1割程度の値引き交渉が可能」
という情報を見かけることがありますが、
これは物件価格によって慎重に判断する必要があります。
1,000万円~2,000万円程度の物件であれば
1割の値引きは100万円~200万円となりますが、
都心部の高額物件では1割が500万円~600万円にもなり、
そこまでの一括値引きは現実的ではありません。

値引き交渉狙い目の時期

通常、不動産価格は急激な値下げを避ける傾向にありますが、
売主である不動産業者の事情により、
大幅な値引きが実現する機会が存在します。

▮決算期

1つ目は、売主の決算期に関連したタイミングです。
特に3月決算の不動産会社の場合、
1月末から2月にかけて在庫物件の価格を大幅に引き下げることがあります。

これは当期の売上目標達成のための施策で、
通常では考えにくい5,000万円や6,000万円クラスの物件でも、
500万円から600万円の値引きが実現する可能性があるということです。

このような価格調整は、特に上場企業など
規模の大きな不動産会社で起こりやすい傾向にあります。

▮物件の仕入れ後1年

2つ目は、売主が物件を仕入れてから
約1年が経過するタイミングです。

不動産業者は多くの場合、
物件仕入れの際に金融機関から事業資金を借り入れており、
その返済期限は通常1年に設定されています。

例えば、3,000万円で仕入れた物件を
4,000万円で販売予定であっても、
1年経過時点で売却できていない場合、
借入金の返済義務が生じます。

手元資金での返済が困難な場合、
多少の損失を出しても売却を優先するケースがあり、
この場合も1割程度の大幅な値引きの可能性が出てくるでしょう。

ただし、このような特別な値引き情報は、
不動産会社と日頃から良好な関係を築いている顧客に
優先的に提供される傾向にあります。
不動産会社からの連絡を煩わしく感じる方もいるかもしれませんが、
本当にお得な物件購入を目指すのであれば、
信頼できる不動産会社と継続的なコミュニケーションを取ることをおすすめします。

中古マンションの値引き相場は1割程度?

中古マンションの値引き交渉における
一般的な相場について解説します。

中古マンションの値引き額の相場は、
販売価格の1割程度と言われていますが、
前述の通り、適切な値引き幅を見極めることが重要です。
5,000万円の物件に対して
いきなり500万円(1割)の値引きを提示するのは好ましくありません。

とはいえ、売主側は値引き交渉を見込んで、
あらかじめ販売価格を相場よりも
高めに設定していることがあるため、
値引き交渉を始める前に、周辺の類似物件の相場をしっかりと調査することが重要です。

値引き交渉を行う際は、
直接的な要求は避けることをおすすめします。
例えば「相場より高いので安くしてほしい」
といった言い方ではなく、
「予算を少し超えてしまうため、可能であれば価格を調整していただけないでしょうか」といった、相談的なアプローチが効果的な場合もあります。

売主の立場や心情を考慮しながら、
一方的な要求とならないよう配慮することが大切です。
ただし、売主によって適切なアプローチ方法は異なるため、
売主の性格や関係性を考慮して交渉を進めましょう。

また、値引き交渉を行う際は、
端数を切り捨てて交渉することが一般的です。
例えば、販売価格が4,480万円の物件であれば、
まずは80万円を切り捨てて4,400万円を基準に交渉を始めることをお勧めします。

ただし、これもあくまでも一般的な方法であり、
状況に応じて柔軟に対応することが望ましいでしょう。

中古マンションの値引きで失敗しないためのコツ

中古マンションの値引き交渉を成功に導くために、
知っておくべき重要なポイントがいくつかあります。

例えば、事前に住宅ローンの審査を通しておくことや、
周辺の中古マンション相場を綿密に調査しておくことなどです。

これらの知識は、
価格交渉を有利に進めるための
重要な材料となるでしょう。
ここでは失敗しないためのコツを5つご紹介します。

▮失敗しないためのコツ①明確な購入意欲を示す

中古マンションの値引き交渉で
成功するための1つ目のポイントは、
売主に対して明確な購入意欲を示すことです。

売主の立場からすると、
値引きに応じたにもかかわらず
最終的に購入に至らないケースは大きな負担となるでしょう。
その場合、再度買い手を探す必要が生じ、
時間と労力を費やすことになってしまいます。
また、期待を裏切られる形となり、
心理的な負担も大きくなりかねません。

そのため、「この金額であれば確実に購入します」という
明確な意思表示をすることが重要です。
売主の立場に立って考えても、
確実な購入が見込める場合は、価格調整に応じる可能性が高くなります。

購入の意思を具体的に示すことで、
売主も安心して値引き交渉に応じることができ、
交渉成功の可能性が高まるでしょう。

▮失敗しないためのコツ②住宅ローンの事前審査を通過しておく

中古マンションの値引き交渉を成功させるための
2つ目のポイントは、事前に住宅ローンの仮審査を済ませておくことです。

例えば、4,000万円の中古マンションを検討する場合を考えてみましょう。
値引き交渉を先行して
3,700万円まで価格を下げることができたとしても、
その後の住宅ローン審査で否決されてしまうと、
契約が白紙になってしまう可能性があります。

このような事態は売主にとって大きな心理的負担となります。
せっかく買い手が見つかったにもかかわらず、
ローン審査の結果で契約が破綻してしまうことは、
売主にとって大きな心理的損失です。

そこで、売主の立場に立って考えると、
値引き交渉の前に住宅ローンの仮審査を通しておくことが望ましいです。
現状の販売価格でローン審査が通っていることを示すことで、
売主は安心して交渉に応じることができます。
値引き交渉が成立すれば
確実に購入できるという見通しがあることで、
売主も前向きに検討しやすくなるでしょう。

▮失敗しないためのコツ③周辺中古マンションの相場を把握しておく

値引き交渉を成功させるための3つ目のポイントは、
周辺の中古マンション相場を十分に把握しておくことです。

立地、築年数、建物の規模、間取りなど、
様々な条件が類似した周辺物件の価格を調査することで、
交渉の際の具体的な根拠となります。

単に「値下げしてほしい」という要望だけでなく、
「周辺の類似物件がこの価格帯で取引されているため」といった
明確な理由も併せて提示することで、
売主が検討しやすくなる場合もあります。

相場調査には、以下のような方法が効果的です。

1. レインズ(不動産流通機構が提供する情報システム)の活用
実際に取引が成立した事例を確認できるため、
より説得力のある根拠となります。
数ヶ月前の実際の取引価格なども確認できるため、
市場の動向を正確に把握することができます。

2. 不動産情報ライブラリーの利用
不動産取引情報を閲覧できるツールとして、
市場価格の把握に役立ちます。

3. 不動産会社への相談
値引き交渉を検討している物件の周辺相場について、
類似物件の具体的な価格情報を提供してもらうことができます。

これらの情報を総合的に活用することで、
より説得力のある交渉が可能となり、成功の可能性が高まるでしょう。

▮失敗しないためのコツ④大幅すぎる値引き交渉をしない

中古マンションの値引き交渉において、
4つ目の重要なポイントは、
過度な値引き要求を避けることです。

一度過度な値引き交渉をして拒否されてしまうと、
買い手としての信頼関係が損なわれてしまう点です。
売主側の心情としても、
常識的な範囲を超えた値引きを要求する購入者との取引に消極的になってしまいます。

したがって、値引き交渉を成功させるためには、
周辺相場を十分に調査した上で、
事前に住宅ローン審査も済ませておくことが大切です。
これらの要素を組み合わせながら、
適切な範囲内で交渉を進めることで、
売主との良好な関係を維持しつつ、合意に至る可能性が高まります。

▮失敗しないためのコツ⑤信頼できる不動産会社に依頼する

中古マンションの値引き交渉を成功させるための
5つ目のポイントは、
信頼できる不動産会社を選ぶことです。

物件の紹介から購入までの過程では、
多くの場合不動産会社を介して売主と交渉することになります。
そのため、取引実績が豊富で
交渉に長けた不動産会社を選ぶことが重要です。
特に売主との信頼関係が強い不動産会社であれば、
交渉に応じてもらいやすく、より柔軟な対応を期待できます。

また、不動産会社にはそれぞれ得意分野があります。
マンション販売に特化している会社もあれば、
一戸建てやワンルームマンションを得意とする会社、
特定のエリアに強みを持つ会社など、様々です。
そのため、中古マンションの取引に精通した
不動産会社を選ぶことが賢明です。

信頼できる不動産会社を選ぶことで、
値引き交渉のコツだけでなく、
住み替えのプランや投資価値の高い物件の紹介など
専門的なアドバイスを得られる可能性も高まります。

実績と評価をしっかりと確認した上で、
中古マンション取引を得意とする不動産会社を選ぶことで
より円滑な取引と交渉が期待できるでしょう。

中古マンションで値引きが失敗した体験談

中古マンションの値引き交渉における
失敗事例をご紹介します。

この事例は、販売価格3,000万円前後の物件で、
交渉にあたって50万円程度の値引きを目指したケースです。
購入希望者は、住宅ローンの事前審査も完了しており、
引き渡し時期などの条件面では
売主の希望に柔軟に対応する準備がありました。

しかし、交渉は不成立に終わってしまいます。
その主な理由としてはまず、
物件が売り出されてから1ヶ月程度しか経過していなかったということです。

また、物件は駅近で、子育て支援が充実しており
人口増加が見込まれる人気エリアに位置していました。
さらに、他にも内覧希望者が複数いる状況でした。

このケースから学べる教訓は、
たとえ価格が妥当であっても、
売り出し直後の物件や人気エリアの物件では、
値引き交渉が通りにくいということです。

特に、他の購入希望者も控えている状況では、
売主側に値下げを検討する動機が生まれにくいと言えます。
値引き交渉を成功させるためには、
市場環境や物件の売り出し期間などの要因を
総合的に見極めることが重要だといえるでしょう。

中古マンションで値引きが成功した体験談

ここからは中古マンションでの値引きが成功した体験談を100万円、500万円のケースで2つご紹介します。

▮100万円値引きが成功したケース

中古マンションにおける
100万円の値引き交渉に成功した事例をご紹介します。

この事例は、販売価格2,980万円の中古マンションで
最終的に2,880万円での購入に成功したケースです。

物件は築15年の3LDKで、最寄り駅から徒歩10分という立地。
売り出し期間はおよそ4ヶ月が経過しており、
売主も価格調整を検討し始めていた時期でした。

購入者は交渉に先立ち、
周辺相場の調査と住宅ローンの事前審査を済ませており、
特に、同じマンションの他の部屋が
2,900万円前後で取引されていた実績を把握していたことが
交渉を有利に進める材料となりました。

購入者は「ローンの事前審査も通っており、価格が合えば即決できる」という意思を明確に示し、さらに、内装は古いものの、リフォームは自己負担で行う意向も伝えました。

このように、適切な時期を選び、
具体的な根拠を示しながら、
かつ売主側のことも考慮した交渉を行ったことで、
100万円の値引きという、
物件価格の約3.4パーセントの値引きを実現することができたのです。
特に、確実な購入意思を示したことと、
スムーズな取引が可能であることを証明できたことが、
交渉成功の要因と言えるでしょう。

▮500万円値引きが成功したケース

500万円という大幅な値引き交渉に成功した事例をご紹介します。

このケースは、東京で5,000万円の中古マンションを
4,500万円で購入することに成功した例です。
物件価格の1割という大幅な値引きが実現できた背景には、特殊な状況がありました。

売主は、転勤で急遽マンションを売却せざるを得ない状況でした。
更に、一度売却が決まりかけていたものの、
直前で購入者からキャンセルが入ってしまい、
新たな買い手を探す必要に迫られていました。

再度売り出した場合、
数ヶ月から1年程度売れない可能性もあり、
このタイミングで「4,500万円であれば確実に購入する」という
申し出があったことで、売主は即決を決断。
たとえ500万円の値引きであっても、
確実に4,500万円を得られることを選択したのです。

この事例から、売主がどの程度急いで売却したいと考えているのか、
その温度感を適切に把握できているかどうかが、
大きな値引き交渉の成否を分けるポイントであるということが分かります。

逆に、売却を急いでいない売主に対しては、
このような大幅な値引き交渉は難しいかもしれません。
適切な情報収集と状況判断が、
交渉成功の鍵を握っているといえるでしょう。

まとめ

中古マンションの値引きを成功させるポイントまとめ

中古マンションの値引き交渉は、
適切な方法とタイミングで進めることで、
大きな成果を上げることができます。

成功のポイントは、
まず事前準備として住宅ローンの仮審査を済ませ、
周辺相場をしっかりと調査することです。

そして、売主への明確な購入意欲の提示や、
過度な値引き要求を避けるなど、
売主との良好な関係を維持することが重要です。

また、値引き交渉のタイミングも重要な要素です。
物件の売り出しから3~6ヶ月程度経過した時期や、
不動産会社の決算期が近い時期は、
交渉が成功しやすい傾向にあります。

今回ご紹介した要素を総合的に考慮しながら
交渉を進めることで、より大きな値引きの実現も可能となるでしょう。

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記事監修者

朝倉 大樹(宅地建物取引士)
株式会社ウィローズ 代表取締役

2000年不動産ベンチャー企業入社、28歳で最年少営業部長、29歳で最年少役員に抜擢。上場準備にも携わるが、リーマンショックによる倒産危機を経験するなど激動の20代を送る。
2012年株式会社ウィローズを創業。「お客様の利益を第一に」を理念に、売上高30億円を超えるグループ企業に成長。
不動産業界とお客様との情報の非対称性を解消するべくYouTube「不動産ポリス」を配信中。